第２７話　始まりのデュエルと星々の遊戯王　作：にしん

【ターン３：マイケルのターン】
マイケル「出鼻をくじかれマシタガ、返しに弱いのハ川澄サンもデスヨ。ドローシマス」
マイケル：手札２枚→３枚

まだまだ序盤だからかマイケルは余裕そうだった。が、結花もまた何かを隠しているような余裕な表情だった。伏せカードをチラ見する。なるほどなるほど。

マイケル「＜切り盛り隊長＞召喚デス。手札を１枚戻してシャッフルシャッフル・・・デスティニードロー！アッ・・・」
マイケル：手札３枚→２枚→１枚→２枚
召喚＞切り盛り隊長：星３：攻１２００/守４００

気合を入れてドローしたマイケルはその引いたカードをそのまま手札にした。

要「あっ察し」
静流「＜忍者＞とは相性いいけどシャッフルするからランダムなのよね・・・フリード将軍が食あたりする確率と同じぐらいかしら」
結花「ミスってやんのーｗｗｗ」
マイケル「タ、ターンエンドデス」

恵那「攻撃しても守備力で計算するから意味ない・・・＜星竜・星龍＞、昔にしては防御が強いカテゴリでレア度の割には流行らなかったんですよね」
要「それでもシングルカードの値段は高めなのが不思議だよなぁ」
静流「コレクションとしての価値はあるって聞いたことがあるわね」

ターン３終了

結花
ＬＰ：８０００
手札：１枚
メインモンスターゾーン：鯨星龍バテン・カイトス
魔法・罠：恒星龍の輝き（永続）、セットカード１枚

ＶＳ

マイケル
ＬＰ：７０００
手札：１枚
メインモンスターゾーン：切り盛り隊長

【ターン４：結花のターン】
結花「ドローーーっと」
結花：手札１枚→２枚

結花「んじゃ安全ということで＜灰星竜リムルス＞召喚っと」
結花：手札２枚→１枚
召喚＞灰星竜リムルス：星４：攻０/守１８００→２３００（恒星龍の輝きの効果）

くすんだ灰色をした星と小さな竜。確かこいつは２種類いたよな。後々雑誌特典とかで出てくる別バージョンタイプ。

結花「んで灰星竜で隊長に攻撃、効果で破壊されず戦闘ダメージも起きず、効果でデッキから＜晶星竜リムルス・レイ＞を守備表示で特殊召喚っと。んで鯨星龍で隊長に攻撃し、効果で隊長をデッキバウンスだねー」
マイケル「ヌオオオオ」

戦闘略
特殊召喚：表側守備表示＞晶星竜リムルス・レイ：星４：攻０/守１８００→２３００
バウンス＞切り盛り隊長
マイケル：ＬＰ７０００→６０００

そしてリムルス・レイがそのカード。設定では灰星竜が成長し、星龍を導くほどの光を手に入れたということらしい。効果も攻撃成功時に手札から星龍を無条件で出せる。

静流「マイケルくん、何もできなさそうだね」
要「鯨星龍が強すぎる。だけど弱点が一つだけあるんだよなぁこのデッキ」
恵那「えっ、あるんですか？」
要「攻撃時の効果見てみたらすぐわかるぞ」

恵那さんと瀬戸さんは結花の星竜・星龍モンスターの効果を見る。瀬戸さんは頷いていたが、恵那さんは首をかしげていた。

結花「じゃ、弱点なんてナンクルナイサー」

ターン４終了

結花
ＬＰ：８０００
手札：１枚
メインモンスターゾーン：鯨星龍バテン・カイトス、灰星竜リムルス、晶星竜リムルス・レイ（守備表示）
魔法・罠：恒星龍の輝き（永続）、セットカード１枚

ＶＳ

マイケル
ＬＰ：６０００
手札：１枚

【ターン５：マイケルのターン】
マイケル「ジョーダンはここまでにしておくノデス・・・今度こそデスティニードロー！」
マイケル：手札１枚→２枚

その瞬間、マイケルはその長い前髪をふわっとさせるように頭を上げた。そしていつものニヤリ。

マイケル「まずハ＜増援＞で＜忍者マスターＨＡＮＺＯ＞を手札に、ソシテフィールド魔法＜隠れ里―忍法修練の地＞を発動デス」
マイケル：手札２枚→１枚→２枚→１枚

フィールド魔法＞隠れ里―忍法修練の地（忍者展開時に墓地から忍者か忍法をサルベージ、フィールドの忍者か忍法が破壊される時墓地の忍者を身代わり）

マイケル「更に＜半蔵＞を召喚、デッキから＜超変化の術＞サーチ、更に隠れ里の効果で墓地から＜妖変化＞をサーチし、セットシマス！」
マイケル：手札１枚→０枚→２枚→０枚

召喚＞忍者マスターＨＡＮＺＯ：星４：攻１８００/守１０００
セットカード２枚

制限カードとはいえ増援１枚からここまで立て直せるとは流石忍者だ。と思ったけど結花は悪い顔でそのセットカードを発動しやがりましたとさ。

結花「＜ツインツイスター＞でまた墓地送りね～☆」
マイケル「ＮＯＯＯＯ！！！」
結花：手札１枚→０枚
破壊＞忍法　超変化の術＆忍法　妖変化の術

なんかさっきも見たことあるなこの光景。しかもツイツイ発動時に結花が墓地に送ったのは＜黒星竜ディグドルマ＞。

マイケル「た、ターンエンドデス・・・」

ターン５終了
ＬＰ：８０００
手札：０枚
メインモンスターゾーン：鯨星龍バテン・カイトス、灰星竜リムルス、晶星竜リムルス・レイ（守備表示）
魔法・罠：恒星龍の輝き（永続）

ＶＳ

マイケル
ＬＰ：６０００
手札：０枚
メインモンスターゾーン：忍者マスターＨＡＮＺＯ
フィールド魔法：隠れ里―忍法修練の地

【ターン６：結花のターン】
結花「深夜だし手早く終わらせちゃおうかなっと。ドローっと・・・おっ、ラッキー」
結花：手札０枚→１枚

結花「んじゃ墓地からさっき落とした＜黒星竜＞を除外して＜幻星龍ミラ・ヌンキ＞を特殊召喚っと。んで＜灰星竜＞と＜晶星竜＞でエクシーズ召喚ね」
マイケル「昔のカードなのにエクシーズ召喚あるノデスネ・・・」
静流「一応リムルス・レイと同じく後々の強化カードとしてエクシーズと融合モンスター、更にシンクロと同時にペンデュラムモンスターも追加されたの。人気戻ってきたけど元の方の手に入りづらさがね・・・」
要「あーなるほど。新規出しても売れなかったのか」

結花：手札１枚→０枚
特殊召喚＞幻星龍ミラ・ヌンキ：星８：攻０/守４０００
エクシーズ召喚＞虹星竜セラオス：ランク４：攻？→１５００/守２０００

結花「虹星竜の攻撃力は除外された星竜×５００だよ。んじゃバトルでまずは鯨星龍で半蔵に攻撃、効果で半蔵と隠れ里戻して１０００ダメージっと」
マイケル「おｈ・・・」

戦闘略
バウンス＞忍者マスターＨＡＮＺＯ＆隠れ里―忍法修練の地
マイケル：ＬＰ６０００→５０００

結花「続いてセラオスでダイレクトっとっと」

＜虹星竜セラオス＞：攻撃力１５００　ＶＳ　直接攻撃
マイケル：ＬＰ５０００→３５００

何というか結花の鯨星龍と入れまくった魔法・罠除去がうまくかみ合って、マイケルはいい展開しながらも悉く星にされているというあかん状況になっていた。

ターン６終了
結花
ＬＰ：８０００
手札：０枚
ＥＸゾーン：虹星竜セラオス（Ｘ素材２枚）
メインモンスターゾーン：鯨星龍バテン・カイトス、幻星龍ミラ・ヌンキ
魔法・罠：恒星龍の輝き（永続）

ＶＳ

マイケル
ＬＰ：３５００
手札：０枚


【ターン７：マイケルのターン】
マイケル「ドローデス。１枚セットしてターンエンドデス」
マイケル：手札０枚→１枚→０枚
セットカード：１枚

要＆結花＆静流「早っ！」
恵那「でもマイケルさん、目がまだ諦めてないです・・・」
マイケル「その通りデス・・・この１枚で全てをひっくり返して見せるのデス・・・」

ターン７終了
結花
ＬＰ：８０００
手札：０枚
ＥＸゾーン：虹星竜セラオス（Ｘ素材２枚）
メインモンスターゾーン：鯨星龍バテン・カイトス、幻星龍ミラ・ヌンキ
魔法・罠：恒星龍の輝き（永続）
ＶＳ

マイケル
ＬＰ：３５００
手札：０枚
魔法・罠：セットカード１枚

【ターン８：結花のターン】
結花「トドメのドロー！」
結花：手札０枚→１枚

結花「んじゃ虹星竜除外して２体目のミラ・ヌンキ～♪」
結花：手札１枚→０枚

特殊召喚＞幻星龍ミラ・ヌンキ


・・・その瞬間、マイケルが再び頭を上げてその前髪をさらりとなびかせた！

マイケル「これで逆転デス！遊戯王定番忍法・・・＜激流葬＞！！デス！」
マイケル：セットカード１枚→０枚

結花「な、なんだってー！？」

破壊＞鯨星龍バテン・カイトス、幻星龍ミラ・ヌンキ、幻星龍ミラ・ヌンキ

恵那「す、すごい・・・！遊戯王あるある、１枚で盤面を覆す・・・！」
静流「分厚い壁を流した！すごいわ！」
要「さあ、今こそ忍者の力を見せつけていけ」



要「・・・と言いたいところだけど、むしろありがたいよな結花」
マイケル「エッ？」
結花「んじゃさっきの３体の“相手の効果で破壊された”効果発動～♪」
マイケル＆静流＆恵那「な、なんだってー！？（デス！？）」

そう。＜星竜・星龍＞には被破壊効果を持っている。上に昔のカードなのでターン１というものがない。つまり・・・

結花「幻星龍の効果は”デッキ・手札から鯨星龍の特殊召喚“、鯨星龍の効果は”２枚ドロー“だよ～ん」
マイケル「ＮＯＯＯＯＯＯ！！！！」
結花：手札０枚→２枚
特殊召喚＞鯨星龍バテン・カイトス×２

何ということでしょう。３体が２体と２枚に化けたではありませんか。というか鯨星龍３積みしてたのか結花よ。２体ずつで十分だと思うが、まぁ幻星龍から直接展開できるからこそ他を外して鯨と幻３積みなのだろう。

結花「んで最近の環境に合わせた＜異次元からの埋葬＞発動で虹星竜、灰星竜、晶星竜を墓地に戻し、更に＜天星儀＞発動でフィールドの鯨２体と墓地の鯨でエクシーズ召喚。＜彗星龍パラディオス＞！」
結花：手札２枚→０枚
エクシーズ召喚＞彗星龍パラディオス：ランク８：攻３０００/守２５００：Ｘ素材３枚

マイケル「＼(^o^)／」
恵那「すごい・・・＜激流葬＞でどうなるかと思ったら切り札登場だなんて・・・」
要「打点が足りないということでエクシーズ登場時のパックに入ったんだよなこれ」
結花「へっへーん。こっそり買ってたのだよ」

ちなみに彗星龍の効果は２回攻撃にＸ素材を取り除いて彗星攻撃。どっちを使ってもマイケルはもはやこれまで本能寺大炎上激流葬逆流である。あともう１枚＜天星儀＞があれば彗星龍と墓地の虹星竜を融合して最大の切り札＜天星龍アストラル＞とかいう５０００打点のやべーやつが出せるのだが、深夜だから結花は華麗にダイレクトアタックを決めたようだ。

マイケル：ＬＰ３５００→５００→０

デュエル終了

ＷＩＮ！！
結花：ＬＰ８０００
ＶＳ
マイケル：ＬＰ０


・・・


ほぼ一方的だったけど楽しい楽しいデュエルが終わり、時間が時間なため各自それぞれの部屋へと戻っていった。そしてこの広いツインの部屋には俺と恵那さん。

恵那「＜星竜・星龍＞すごかったですね。そういえばあれの弱点って結局なんですか？」
要「弱点は“モンスターを出さないこと”。セラオスとパラディオス、今回は出なかったけど＜天星龍アストラル＞以外は直接攻撃ができないんだ。攻撃力０だし」
恵那「なるほどです。じゃあパラディオスが出る前に魔法罠をなんとかして一気に展開できれば・・・」
要「マイケルはもうちょっと下準備していればいい勝負になってたかもしれないな。折角ＥＸデッキに入れてた汎用ランク４とか超変化や妖変化する予定だったモンスターも全部腐ってた。デッキ構築はうまいけど手が多すぎて＜星竜・星龍＞と相性よくなかったかもな」
恵那「そうですね・・・でも、多分普段はあんな無警戒かつ無鉄砲なデュエルはしないと思いますよ、マイケルさん」
要「？」

確かに今回、結花の手の内を予測せずに最初から２回も飛ばして返り討ちにあってたな。ガチ勢だし＜無限泡影＞とか＜灰流うらら＞、魔法・罠除去対策を入れていてもおかしくはなかった。引きが悪かったのもあるかもしれない。

恵那「お兄さんは覚えていないかもしれませんけど、あの無鉄砲だけど完璧な展開を最初から、かつ二回も華麗に決められるのは“シノビのユージ”を思い出しました。まぁ引きが悪かったのもあるかもしれませんけど・・・」
要「・・・確かに」

そして気が付けば俺も恵那さんもぐっすりと夢の中へ潜っていた。

ーーー
おまけ
この話のサブタイの元ネタも前回と同じです。どこか未来か原初編の三作目つくってくれないかな・・・