第４１話　温泉の陣　作：にしん

【ターン１：要　遊二のターン】
静流「この手札なら先攻取りたかったなぁ。あ、手加減は必要ないからいきなり切り札出してもいいわよ」
要「と言ってもこのひと昔のデッキじゃ下ごしらえしかできないがな。＜影忍・無風＞を召喚して効果で１枚仕込んでセット。んでいつものフィールド魔法＜影忍黙暗城＞発動して２枚セットのターンエンド」

召喚→裏側守備表示＞影忍・無風：星２：攻８００/守１１００：仕込み１枚
フィールド魔法＞影忍黙暗城

ターン１終了
要　遊二
手札：１枚
モンスター：影忍・無風（裏側守備）
魔法・罠：セット２枚
フィールド魔法：影忍黙暗城（裏側守備への対象耐性、影忍対象になると撤退＋仕込みの取捨選択＋魔法罠サーチ）

静流「ひと昔とはいえみんなよく知る＜影忍＞の怖さは知ってるから、このセットされたカードが何か分かるわね」
要「まぁな」

【ターン２：瀬戸　静流のターン】
静流「ドロー。した瞬間にあれでしょ？」
要「そうだな。セットされた永続罠の＜影忍法巻物＞と速攻魔法＜影忍法・奇襲苦無＞発動。最初の巻物の発動時処理でデッキから＜上影忍・神風＞を手札に。んで苦無の処理と」

発動＞影忍法・奇襲苦無（仕込みカードがある裏側守備表示モンスターの仕込みをリリースして相手に１０００ダメージ、リリースした仕込みがモンスターなら裏側守備でセット）
仕込みリリース＞影忍・無風
瀬戸　静流：ＬＰ８０００→７０００

静流「要くんのことだからその仕込みも忍ってわけね」
要「まぁ説明不要だな。リリースされた仕込みは＜上影忍・鬼火＞。巻物の効果で仕込み１枚だ」

裏側守備セット＞上影忍・鬼火：星７：攻２５００/守１２００：仕込み１枚

静流「今＜ツインツイスター＞手札にあるけど、裏側守備の忍がいると効果破壊耐性を持つ巻物が厄介だし、鬼火叩こうともお城の効果で護られてると・・・今の環境でも厄介って思うの＜影忍＞」
要「ガチデュエリストの瀬戸さんが言うならそうなんだろうな」
静流「ま、手札１枚捨ててツイツイでお城は処理しておくとして・・・確か鬼火は守備表示ならターン１の戦闘破壊耐性あるのよねぇ」

破壊＞影忍黙暗城

要「って捨てたカード＜青眼の白龍＞か。嫌な予感しかしないな」
静流「でもこのデッキのメインカテゴリはこれよ。＜戦華史略ー三顧礼迎＞発動っと」
要「やっぱり青眼混じりか。瀬戸さんらしいな」

永続魔法発動＞戦華史略ー三顧礼迎（発動後２回目の自分スタンバイフェイズで自壊、戦華モンスター展開時に別名サーチ、墓地に送られると手札から戦華展開）

聞いたことのないカテゴリだ。最近というか最新のカテゴリだろう。イラストには昔の中国の武将っぽい鎧の男性らが描かれていた。そのイメージは次のカードで正しいものに変わった。

静流「セットされててもモンスターがいる扱いだから＜戦華の義ー関雲＞特殊召喚ね。んで永続魔法の効果でデッキから＜戦華の智ー諸葛孔＞をサーチ、戦華の効果で手札に入ったらそのまま特殊召喚できるの」
要「同じ戦に関わるカテゴリだからかかいきなり展開力見せつけるな」
静流「時代も似たようなものだからね。まずは定番の関羽と諸葛亮」

特殊召喚＞戦華の義ー関雲：星７：攻２５００/守１８００
サーチ＆特殊召喚・守備表示＞戦華の智ー諸葛孔：星４：１０００：２０００

確かにこの扇は諸葛“亮”のものだ。効果を見ても厄介なものしかない。

静流「んで＜戦華の徳ー劉玄＞召喚して、２体以上いるから＜戦華の雄ー張徳＞も特殊召喚ね。んで関雲と張徳リリースしてリンク召喚で＜戦華盟将ー双龍＞。召喚時効果でデッキから＜戦華史略－東南之風＞サーチして発動ね」
要「何とか理解が追い付くけどとんでもない布陣だな・・・」

召喚＞戦華の徳ー劉玄：星４：１４００：１２００
リンク召喚＞戦華盟将ー双龍：右下・左下：リンク２：攻１１００→１６００（リンク召喚時に戦華カードサーチ、戦華の攻守＋５００、フリチェで手札フィールドから１枚コストに表側表示のカード１枚をバウンス）
サーチ＆永続魔法発動＞戦華史略－東南之風（発動後２回目の自分スタンバイフェイズで自壊、ターン１でコイントスして表なら自壊、墓地送りされると戦華カードの効果にチェーン不可付与＋攻撃時に相手フィールドのカード破壊）

戦華の智ー諸葛孔＞攻１０００→１５００/守２０００→２５００
戦華の徳ー劉玄＞攻１４００→１９００/守１２００→１７００

とりあえず整理すると、諸葛亮もとい諸葛孔は劉玄いるから魔法・罠とモンスター効果を無効化可、双龍がフリチェでバウンス、東南之風で戦闘時にフィールドのカード破壊。お城があればこのターンは凌げたということか。

要「・・・これ、もう終わってないか？」
静流「終わらせたいけど青眼出したいのよね。とりあえず諸葛孔は守備表示だから鬼火は処理できないとして、そっちの無風は双龍の攻撃で処理ついでに１枚ドローするわね」

戦華盟将ー双龍＞攻撃力１６００　ＶＳ　守備力１１００＜影忍・無風（裏側守備→守備表示）
結果：影忍・無風を戦闘破壊

静流「あら、ここで来ちゃったのね・・・まぁ次にとっておくからターンエンドね」

来たということは手札には恐らく＜カオス・フォーム＞と＜カオスＭＡＸ＞。次の俺のターンで何とかしないと本当に終わりそうだ。

ターン２終了
要　遊二
ＬＰ：８０００
手札：２枚
モンスター：上影忍・鬼火（裏側守備、仕込み１枚）
魔法・罠：影忍法巻物（影忍セット時に仕込む、潜んでいる忍いたら効果破壊耐性）

ＶＳ

瀬戸　静流
ＬＰ：７０００
手札：２枚
ＥＸゾーン：戦華盟将ー双龍
右下：
左下：
他３：戦華の智ー諸葛孔（守備表示）、戦華の徳－劉玄

【ターン３：要　遊二のターン】
要「ドロー。さて・・・」

とりあえず処理しておきたいのは双龍のフリチェ。だけど瀬戸さんの手札は捨てられるカードはないし、フィールドからコスト出そうとも今のところ必要はない。それよりも諸葛孔の効果だ。コストとなる永続魔法が２枚あるということはまぁお察し。

要「とりあえず鬼火を反転召喚、仕込みを手札に加えて神風特殊召喚。神風の特殊召喚は召喚方法効果だからチェーンブロックを作らない」
静流「上手ね」

リバース＞上影忍・鬼火
特殊召喚＞上影忍・神風

だがあれから改良を重ねた俺の影忍は前回の＜Ｓｉｎ＞以上に更にカオスなものになっていた。だがそれが突破口となるとは思わないだろう。瀬戸さんは＜影忍＞にだけ注意しているはず。なら・・・

要「まずは神風の効果。セルフ仕込みを行う」
静流「神風は効果が面倒くさかったはず・・・諸葛孔の効果で東南之風をリリースして無効にするわ」
要「んじゃ手札１枚捨てて＜サンダー・ボルト＞発動するか」
静流「ちょ、おま。でも諸葛孔の効果で三顧礼迎をリリースして無効よ」

突然の＜サンダー・ボルト＞にも対応していく瀬戸さん。だが瀬戸さんの手札は例の２枚なので三顧礼迎の墓地送り時効果は使えない。あとは双龍のフリチェバウンスだけか。

要「さっき墓地に捨てた＜錬装融合＞の効果でデッキに戻して１枚ドロー、んで＜影忍・風華＞を召喚し、効果で神風と同じレベルにする」
静流「確かＸカテゴリだったわね・・・なら双龍の効果で劉玄をリリースして神風をバウンスするわね」
要「ふむ」

バウンス＞上影忍・神風

神風がバウンスされたことで、相手にトリシューラ効果を与える＜幻影忍・幻魔＞を出す計画は失敗だが、本命はこっちではない。

要「あらかた妨害処理できたしそろそろかな。＜二重召喚＞を発動し、＜影忍・黒薔薇＞を召喚」

召喚＞影忍・黒薔薇：星４：攻１６００/守１０００

静流「神風と風華の効果で後続を考えてなかったか・・・」
要「バトルフェイズ。黒薔薇で双龍を攻撃し、攻撃した時の効果で鬼火に仕込みカードとこのターン中の戦闘・効果耐性を与える」

影忍・黒薔薇＞攻撃力１６００　ＶＳ　攻撃力１６００＜戦華盟将ー双龍
結果：引き分け
仕込み１枚＞上影忍・鬼火

静流「鬼火の効果は確か・・・なるほどね」
要「そうだな。鬼火の攻撃時に仕込みを利用。仕込みが＜天照大神＞だったのでセットして効果発動。攻撃力２倍」

上影忍・鬼火＞ダメージステップ終了時まで攻撃力２５００→５０００
上影忍・鬼火＞攻撃力５０００　ＶＳ　攻撃力１６００＜戦華盟将ー双龍
結果：戦華盟将ー双龍を戦闘破壊＋戦闘ダメージ３４００
瀬戸　静流＞ＬＰ：７０００→３６００
戦華の智ー諸葛孔（守備表示）＞攻１５００→１０００/守２５００→２０００

これで厄介な妨害役は消えたし大ダメージも与えられた。だがここでターンを渡すとほぼ確実にカオスＭＡＸが出るし、ドロー次第では逆転も十分にあり得る。まぁここは何もできないし瀬戸さんのドローに賭けるか。

要「ターンエンドだな」
静流「あら、私にターンを渡していいの？」
要「この手札じゃもう何もできないしな」

ターン３終了
要　遊二
ＬＰ：８０００
手札：１枚
モンスター：上影忍・鬼火、影忍・風華、影忍・黒薔薇、天照大神（セット）
魔法・罠：影忍法巻物

ＶＳ
瀬戸　静流
ＬＰ：３６００
手札：２枚
モンスター：戦華の智ー諸葛孔（守備表示）
墓地：青眼の白龍１枚あり

ーーー
おまけ
静流「＜天照大神＞って特殊召喚だめじゃなかったかしら？」
要「鬼火の仕込み利用効果発動は、モンスターだった場合はセットでもコストになるからな。召喚でも特殊召喚でもない」
静流「ま、どのような形であれ私の青眼が終わらせるから関係なかったかもね」