第９話　リンク召喚のススメ　その１　作：にしん

結花「この手札なら最初からリンク召喚できるね」
要「って先攻決める前に手札見るなよ・・・」
結花「だって遊二にリンクのルール教えないとまず始まらないジャン」
要「ま、まぁそうだけどさ・・・まぁいいか。先攻どうぞ」

【ターン１：結花のターン】
結花「ピコーン☆チュートリアル娘の川澄　結花だよっ☆」
要「それはもういい」
結花「なによぅ、折角チュートリアルさせてあげようと思ってたのにいきなりお払い箱ってどういうことよぅぷんぷん」
要「・・・普通に教えてくれ」

結花は俺の冷静なツッコミを受け流し、何事もなかったかのようにデュエルフィールドのシートを広げた。そこには雑誌やらで見たことのある、中央に謎のゾーンがあり、ペンデュラムゾーンが魔法・罠ゾーンの一部と共用になっているもの。

要「やっぱりエクストラゾーンだからＥＸデッキから特殊召喚されるモンスターって・・・」
結花「流石に察しがいいね。だよだよー、“基本的には”ここにしか出せなくなったんだよー。ペンデュラムモンスターも例外じゃないよー」
要「ううむ、これはペンデュラムが大ダメージ受けてそうだなこれ」

ペンデュラムの魅力は大量展開とＥＸデッキからの事実上の蘇生である。そのため大量展開からの大量ＥＸデッキ勢召喚とかなりのパワーを誇っていた。それが基本的に１体に制限されるのはペンデュラムを扱ったことのない俺でも分かる。これきついやつやー。

まず俺は手札とＥＸデッキを確認する。このデッキは結花が言っていた＜デジバグリア＞というリンク召喚のみを利用するサイバース族のデッキ。なのでＥＸデッキの枚数は３種類９枚のようだ。あとはカテゴリカードと一部汎用カードで構成されているようだ。

その中でリンクモンスターなるＥＸデッキのカードには従来のＥＸデッキモンスターと同じくモンスター素材条件が書かれており、上下左右斜め８か所のうちいくつかは赤い矢印が表記されていた。

要「ふむふむ、なるほどな。なんとなく分かったが、どうやってリンク召喚するんだ？」
結花「んじゃーあたしが早速やるねー。まずは手札から＜マドルチェ・ミィルフィーヤ＞召喚」
＞結花：手札５枚→４枚
表側攻撃表示＞マドルチェ・ミィルフィーヤ：星３：攻５００/守３００

要「ってそれ恵那さんのデッキか」
結花「そうそうレンタル用の。効果で手札から＜マドルチェ・メッセンジェラート＞特殊召喚して、効果でデッキから＜マドルチェ・シャトー＞をサーチね」
結花：手札４枚→３枚→４枚
表側攻撃表示＞マドルチェ・メッセンジェラート：星４：攻１６００/守１００

ここまではいたって普通の＜マドルチェ＞の動きだ。今回は違うけどエンジェリーからホーットケーキを経由してメッセンジャーを出し、シャトーをサーチする。

結花「んで＜マドルチェ・シャトー＞を発動。んじゃー早速リンク召喚を宣言するのじゃよ」
結花：手札４枚→３枚
要「おお」
結花「あたしは＜マドルチェ＞モンスター２体をリンク素材として墓地に送り、ＥＸデッキから＜フレッシュマドルチェ・シスタルト＞をリンク召喚っ☆」
リンク召喚＞フレッシュマドルチェ・シスタルト：リンク２：攻１５００→２０００：リンクマーカー：右下＆左下

要「モンスター素材は“マドルチェモンスター２体”・・・なるほど要は融合のいらないフィールド限定の融合召喚って感じか」
結花「んーまぁそうだね。ただリンク召喚は更に上位のリンクへ派生させることが可能なんだよ」
要「ほう」
結花「このデッキには入ってないけど例えばー・・・」

結花は立ち上がり、シングルカードから１枚のカードを持ってきた。そのカードは＜デコード・トーカー＞。リンクが３で、赤い矢印も３つ。リンクの数は矢印の数にもなっているようだ。ただ＜デコード・トーカー＞は素材条件が「効果モンスター２体以上」。

要「以上？」
結花「そう。例えばここからもう１体効果モンスターを出せればリンク２のシスタルトとそのモンスターをリンク素材にしてこの＜デコード・トーカー＞を出せるってハ・ナ・シ」

何故かにやけ顔をしながら語尾を変な声でしゃべる結花。その元ネタが何かは知ってはいるけど結花だからか俺は真顔でスルーした。

結花「ま、まぁ素材条件と合計リンク数が合えば出せるってことだよ」
要「なるほどな。それなりに分かりやすかったぞチュートリアルにしては」
結花「でへへー」

トーカーをしまってデュエル続行。

結花「んでシスタルトの右下と左下に矢印あるっしょ」
要「もしやそれでＥＸゾーンを拡張するのか」
結花「さっすが遊二！もう理解したんだね。そゆことー。あたしは２枚セットしてターンエンドじゃよ」
結花：手札３枚→１枚

要
ＬＰ：８０００
手札：５枚
モンスター：なし
魔法・罠：なし

ＶＳ

結花
ＬＰ：８０００
手札：１枚
ＥＸゾーン：フレッシュマドルチェ・シスタルト
＞右下：なし
＞左下：なし
＞他３枠：なし
魔法・罠：マドルチェ・シャトー、セットカード２枚
墓地：マドルチェモンスター２体

結花「余談だけど相手側にリンク先が向いてたら相手がそのエクストラゾーン使えるようになるよ。デコード・トーカーとかそうだね」
要「なるほどな」

【ターン２：要のターン】
要「俺のターンだな。ドロー」
要：手札５枚→６枚

手札を眺める。知らないカードばかりだ。だが効果を見る限り割と単純そうだ。

要「＜デジバグリア・ジオルアウト＞を召喚、効果で手札から＜デジバグリア・インエリオ＞を特殊召喚」
要：手札６枚→４枚
召喚＞表側攻撃表示＞デジバグリア・ジオルアウト：星４：攻１７００/守１１００
特殊召喚＞表側攻撃表示＞デジバグリア・インエリオ：星３：攻１２００/守１５００

結花「早速デジバグ兄弟かぁ。双子だから相性がいいんだよねー」
要「確かに逆だと特殊召喚時効果も逆になっているな。インエリオがサーチ、ジオルアウトが除外。効果で手札から＜デジバグリア・ウォール＞を除外し、デッキから＜デジバグリア・プロトコル＞をサーチ」
要：手札４枚→３枚→４枚

要「そしてその永続魔法のプロトコルを発動、そして＜デジバグリア・デフラグ＞を発動。除外されたウォールを戻して１枚ドロー」
要：手札４枚→３枚→２枚→３枚

要「今はリンク召喚は必要ないか・・・カードを１枚セットしてターンエンドだな」
要：手札３枚→２枚

結花「まぁ今そいつを出しても意味ないしねー」
要「・・・結花はこのデッキ知ってるから手加減してくれるよな？」
結花「どうしようかな？次で一気に盤面制圧できそうなんだけど・・・」
要「マジか」

要
ＬＰ：８０００
手札：２枚
モンスター：デジバグリア・ジオルアウト、デジバグリア・インエリオ
魔法・罠：デジバグリア・プロトコル、セットカード１枚
除外：なし

ＶＳ

結花
ＬＰ：８０００
手札：１枚
ＥＸゾーン：フレッシュマドルチェ・シスタルト
＞右下：なし
＞左下：なし
＞他３枠：なし
魔法・罠：マドルチェ・シャトー、セットカード２枚
墓地：マドルチェモンスター２体

【ターン３：結花のターン】
結花「ドローしちゃうよ」
結花：手札１枚→２枚

結花「しょうがないから固めるだけにするかぁ。べ、別に手加減してるわけじゃないからねっ。遊二のためだからねっ！」
要「デレデレかよ。ツンはどこいったし。・・・まぁその方が助かる」
結花「ツン要素は０なのです。＜マドルチェ・エンジェリー＞を召喚、効果で自身をリリースして＜マドルチェ・ホーットケーキ＞を特殊召喚、更にはホーットケーキの効果で墓地のエンジェリーを除外してデッキから＜マドルチェ・プティンセスール＞を特殊召喚、んでロリ姫の特殊召喚時効果でデッキから＜マドルチェ・プディンセス＞特殊召喚ね」
要「長いわ。そして多いわ」
結花：手札２枚→１枚
特殊召喚＞表側攻撃表示＞マドルチェ・ホーットケーキ：星３：攻１５００→２０００/守１１００→１６００：エンジェリー効果適用中
特殊召喚＞表側攻撃表示＞マドルチェ・プティンセスール：星４：攻１４００→１９００/守１４００→１９００
特殊召喚＞表側攻撃表示＞マドルチェ・プディンセス：星５→４：攻１０００→１５００/守１０００→１５００

プティンセスールのおかげで大量展開できるようになったんだったなマドルチェは。手加減なしだったらここでやられているところだった。何故なら・・・

結花「んでレベル４になったお姫様とロリ姫で＜ティーチャーマドルチェ・グラスフレ＞をエクシーズ召喚ね。さっき察した通り、ＥＸ勢はシスタルトのリンク先に特殊召喚できるのだよ」
Ｘ召喚：シスタルトの右下＞表側守備表示＞ティーチャーマドルチェ・グラスフレ：ランク４：攻１８００→２３００/守２５００→３０００

要「リンク先ってリンクモンスターも出せるんだよな。じゃあ大量展開して繋いで繋いで魔法・罠ゾーンやもう片方のエクストラゾーンに繋ぐとどうなるんだ？」
結花「魔法・罠ゾーンは次のパックで利用するのが出るって聞いたよ。んでエクストラゾーンはもちろん繋ぐことができ、そこに自分のモンスターを出したら実質相手のＥＸデッキを封じることができるんだよ」
要「強」
結花「まぁ悉く規制されちゃったんだけどねー。おかげで＜帝王＞とか＜真竜＞を使う人も増えたんだって」
要「あー、アドバンス召喚か」
結花「んじゃ続けるね。先生のＸ素材を取り除いて自身に効果耐性を付与、更に自身の２の効果であたしはプディンセス、メッセンジェラートをデッキに戻すよ」
＞ティーチャーマドルチェ・グラスフレ：Ｘ素材２枚→１枚
＞墓地のマドルチェモンスター：３体→１体

結花「んで更にセットした＜マドルチェ・マナー＞発動、墓地から残りのミィルフィーヤを戻してみんなの攻撃力を上げるね」
＞墓地のマドルチェモンスター：１体→０体
＞フューチャーマドルチェ・シスタルト：攻撃力２０００→２８００
＞ティーチャーマドルチェ・グラスフレ：攻撃力２３００→３１００
＞マドルチェ・ホーットケーキ：攻撃力２０００→２８００

要「おおう、手加減してなかったら終わってたなこれ。普通ならティアラミス出してただろうし」
結花「まぁハーピィかサイクロン来てたら確実だったけどねー。この１枚の手札はあの黒光りするＧだししゃーない」

お菓子たちにＧか・・・思わず苦笑いする。

要「まぁティアラミスならこのセットした＜デジバグリア・ウォール＞を貫通してくるからなぁ。一応発動させておくが」
＞要：セットカード１枚→０枚

要
ＬＰ：８０００
手札：２枚
モンスター：デジバグリア・ジオルアウト、デジバグリア・インエリオ
魔法・罠：デジバグリア・プロトコル、デジバグリア・ウォール
除外：なし

ＶＳ

結花
ＬＰ：８０００
手札：１枚
ＥＸゾーン：フレッシュマドルチェ・シスタルト
＞右下：ティーチャーマドルチェ・グラスフレ（守備表示）
＞左下：なし
＞他３枠：マドルチェ・ホーットケーキ（エンジェリー効果）
魔法・罠：マドルチェ・シャトー、セットカード１枚
墓地：マドルチェ・マナー