第１０話　リンク召喚のススメ　その２　作：にしん

【ターン４：要のターン】
要「ドロー」
要：手札２枚→３枚

結花「その瞬間、あたしは手札からＧを捨てて効果発動するよ！」
結花：手札１枚→０枚
効果発動＞増殖するＧ
要「そのＧ、ゴミ箱なんかに捨てて本当に大丈夫か？」
結花「すぐに駆除できるから心配ないさー」

＜マドルチェ＞は基本的に墓地にモンスターを残さないデッキだ。と言いつつ増殖するＧを使ったのはさっきみたいに＜マドルチェ・マナー＞やフィールドにいる＜ティーチャーマドルチェ・グラスフレ＞で墓地からモンスターを戻す手段が豊富だということ。やはりＧ対策は完璧なようだ。

要「んじゃ＜デジバグリア・メモリリス＞を召喚、効果で手札から＜デジバグリア・クリアデリート＞を特殊召喚」
要：手札３枚→１枚
召喚：表側攻撃表示＞デジバグリア・メモリリス：星２：攻５００/守１０００
特殊召喚：表側攻撃表示＞デジバグリア・クリアデリート：星６：攻１８００/守２４００

結花「Ｇが増殖する・・・」
結花：手札０枚→１枚
要「そのままお菓子を食っちまえ。クリアデリートがデジバグリアカードの効果で特殊召喚された場合、フリチェでフィールドのカードの効果を無効化できる。手札から＜デジバグリア・インエリオ＞を除外してグラスフレの効果を無効化」
要：手札１枚→０枚
結花「そうはさせないんじゃよ。先制の効果耐性付与もフリチェ。Ｘ素材を１つ取り除いて先制自身に耐性付与！」
要「むっ、＜デジバグリア・ウォール＞の効果でデジバグリアモンスターの効果は無効化されない」
結花「先生のは自身に効果耐性を適用だから範囲外～」
要「あっ、そうだった・・・」

チェーン１：デジバグリア・クリアデリート：効果無効＞ティーチャーマドルチェ・グラスフレ
チェーン２：ティーチャーマドルチェ・グラスフレ：効果耐性付与＞自身
ティーチャーマドルチェ・グラスフレ：Ｘ素材１枚→０枚
結果：自身への効果無効付与によりクリアデリートの効果はグラスフレは受けない。

Tips
＜デジバグリア・ウォール＞の１の効果「このカードがフィールドに表側表示で存在する限り、自分の「デジバグリア」モンスターが発動した効果は無効化されない」と＜ティーチャーマドルチェ・グラスフレ＞の「このカードのＸ素材を１つ取り除き、フィールドの「マドルチェ」モンスター１体を対象として発動できる。このターン、その表側表示モンスターは自身以外のモンスターの効果を受けない。この効果は相手ターンでも発動できる」は、前者は「デジバグリアモンスターの効果を無効化する他の効果を受けない「相殺不可」」であり、後者は「自身に自身以外のカードの効果を受けない「耐性」」なので、＜デジバグリア・クリアデリート＞の効果は「耐性」によって弾かれたということである。


結花「んでＸ素材だったプティンセスールが墓地に落ちたから先生自身の効果であたしはマナーとＧをデッキに戻すよー」
要「まぁそうなるよなぁ。結局墓地にモンスターを残さない。あ、プロトコルの効果でトークン生成だな」
特殊召喚：表側守備表示＞デジバグトークン：星１：攻０/守０

結花「まぁセットカードは＜マドルチェ・ハッピーフェスタ＞だからリンク召喚本番しちゃっていーよー」
要「なるほど。じゃあクリアデリート以外の４体を墓地に送ってリンク召喚だな」
結花「や　っ　た　ぜ　。」
要「＜デジバグリア・アリス＞をリンク召喚」
結花：手札１枚→２枚
リンク召喚＞デジバグリア・アリス：リンク４：攻２０００

これがリンク召喚か。そして墓地に残るは３体のモンスター。トークンは消滅。そして矢印の方向は上下左右の４か所。

要「・・・これ、拡張できてないし結花側にも拡張されたよな」
結花「まぁそのカテゴリは除外カードないと弱いしねー」
要「やっぱりか」
結花「さっきの大量展開を活かすならー・・・」

結花はまた立ち上がり、シングルカードコーナーから数枚のカードを取り出して見せてきた。

結花「＜トロイメア＞とか＜リンクスパイダー＞、＜見習い魔嬢＞などの属性汎用リンク２を経由してからメインのリンクモンスターを出すというのが一般的だよーん」
要「ふむ。つまりは汎用枠も用意しないとリンクを活かせないデッキもあるということだな」
結花「そゆことー」
要「リンクのルールについては分かったし、そろそろ本気出すしかないな。と言いたいところだがもう何もできないからターンエンド」
結花「ﾀﾞﾖﾈｰ」

要
ＬＰ：８０００
手札：０枚
モンスター：デジバグリア・アリス
＞下：なし
＞他４枠：デジバグリア・クリアデリート
魔法・罠：デジバグリア・プロトコル、デジバグリア・ウォール
墓地：デジバグリア・インエリオ、デジバグリア・ジオルアウト・デジバグリア・メモリリス
除外：デジバグリア・インエリオ

ＶＳ

結花
ＬＰ：８０００
手札：２枚
ＥＸゾーン：フレッシュマドルチェ・シスタルト
＞右下：ティーチャーマドルチェ・グラスフレ（守備表示）
＞左下：なし
＞他２枠：マドルチェ・ホーットケーキ（エンジェリー効果）
＞＞上：なし
魔法・罠：マドルチェ・シャトー、セットカード１枚
墓地：なし

【ターン５：結花のターン】
結花「ドロー！」
結花：手札２枚→３枚

結花「本気出すって言ったね？んじゃあたしも攻撃開始☆」
要「うっ、自分で投げた賽だが容赦ないな」
結花「先生を攻撃表示にしてセットした＜マドルチェ・ハッピーフェスタ＞発動ゥ」
表側守備表示→表側攻撃表示＞ティーチャーマドルチェ・グラスフレ
セットカード＞１枚→０枚
手札：３枚→０枚

結花「手札からプディンセス、プディンセス、メッセンジェラート出しまーす」
特殊召喚：表側攻撃表示＞マドルチェ・プディンセス：星５：攻１０００→２３００/守１０００→２３００
特殊召喚：表側攻撃表示＞マドルチェ・プディンセス：星５：攻１０００→２３００/守１０００→２３００
特殊召喚：表側攻撃表示＞マドルチェ・メッセンジェラート：星４：攻１６００→２１００/守１０００→１５００

要「これが増殖するマドルチェ・・・！」
結花「バイ●インでもいいよ？」
要「ここら一帯洋菓子で埋まるぞ？」
結花「お菓子の世界もいいよねぇ～。んでメッセンジェラートの効果で２枚目のシャトーを持ってきておいてと」
手札：０枚→１枚

結花「んでメッセンジェラートとホーットケーキでリンク召喚だよー。遊二が拡張したアリスの上を使うね。さっき紹介した属性汎用リンク２、＜ミセス・レディエント＞！ついでに墓地にモンスター行ったから姫様の攻守ダウンね」
リンク召喚＞ミセス・レディエント：リンク２：攻１４００→１９００
フレッシュマドルチェ・シスタルト＞攻撃力２８００→３３００
ティーチャーマドルチェ・グラスフレ＞攻撃力３１００→３６００/守備力２５００→３０００
マドルチェ・プディンセス＞攻撃力２３００→１５００→２０００/守備力２３００→１５００→２０００
マドルチェ・プディンセス＞攻撃力２３００→１５００→２０００/守備力２３００→１５００→２０００

結花「汎用リンク２はその属性の攻守をアップさせて反対の属性の攻守をダウンさせるから便利なんだー」
要「だからミリスじゃなくてミセスなのか。墓地からジオルアウトを除外してクリアデリートの効果でシャトーを・・・はシスタルトで護られているか。ならミセス・レディエントだな。プロトコルの効果で除外されるジオルアウトは手札に戻す」
結花「ちくせう」
効果無効＞ミセス・レディエント：攻撃力１９００→１４００
フレッシュマドルチェ・シスタルト＞攻撃力３３００→２８００
ティーチャーマドルチェ・グラスフレ＞攻撃力３６００→３１００/守備力３０００→２５００
マドルチェ・プディンセス＞攻撃力２０００→１５００/守備力２０００→１５００
マドルチェ・プディンセス＞攻撃力２０００→１５００/守備力２０００→１５００

結花「・・・まぁシャトー張り直して墓地からモンスターいなくなるけどねー」
要「メッセンジェラートはそういうことか」

マドルチェ・プディンセス＞攻撃力１５００→２３００/守備力１５００→２３００
マドルチェ・プディンセス＞攻撃力１５００→２３００/守備力１５００→２３００

結花「んじゃこっそり仕込んだこれでトドメといきましょうかねー。リンク２の＜ミセス・レディエント＞と２体のプディンセスでリンク召喚！」
要「マジか」
結花「＜トポロジック・ボマー・ドラゴン＞なんだぜ」

リンク召喚＞トポロジック・ボマー・ドラゴン：リンク４：攻３０００

俺のアリスの上に現れたのはリンク４のドラゴン。赤い矢印が相手側に１つ、自分側に３つある。それを見た俺はびっくりした。

要「ＥＸゾーンを３つ拡張はすごいな」
結花「でしょー。でもこれ欠点があってね。リンク先にモンスターが特殊召喚されるとお互いのメインモンスターゾーンが一掃されちゃうのだよ」
要「・・・すごいって思ったけど扱いづらいなこれ」
結花「まぁあたしが使うメイン効果は２の効果だけどねー。バトルフェイズでまずはボマードラゴンでアリスを攻撃」

トポロジック・ボマー・ドラゴン：攻撃力３０００　＞　攻撃力２０００：デジバグリア・アリス
結果：戦闘破壊＋戦闘ダメージ１０００
要：ＬＰ８０００→７０００

結花「んでその効果で破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える」
要「なるほどなぁ」
要：ＬＰ７０００→５０００

結花「んでシスタルトでクリア姉さんに攻撃、んでグラスフレで直接攻撃って感じだね」

フレッシュマドルチェ・シスタルト：攻撃力２８００　＞　攻撃力１８００：デジバグリア・クリアデリート
結果：戦闘破壊＋戦闘ダメージ１０００
要：ＬＰ５０００→４０００

ティーチャーマドルチェ・グラスフレ：攻撃力３１００　＞　直接攻撃
要：ＬＰ４０００→９００

要「これでティアラミスいたらもうだめぽってわけか」
結花「だねー」

要
ＬＰ：９００
手札：１枚
モンスター：なし
魔法・罠：デジバグリア・プロトコル、デジバグリア・ウォール
墓地：デジバグリア・インエリオ、デジバグリア・ジオルアウト・デジバグリア・メモリリス、デジバグリア・アリス、デジバグリア・クリアデリート
除外：デジバグリア・インエリオ

ＶＳ

結花
ＬＰ：８０００
手札：０枚
ＥＸゾーン：フレッシュマドルチェ・シスタルト
＞右下：ティーチャーマドルチェ・グラスフレ
＞左下：なし
＞他３枠：トポロジック・ボマー・ドラゴン
魔法・罠：マドルチェ・シャトー、セットカード１枚
墓地：なし

【ターン６：要のターン】
要「これってさ、詰んでるよな。たとえ他のデジバグリア引いて今あるジオルアウトでボマードラゴン除去しても」
結花「計画通り☆」

ものすごい悪いことをしていそうな顔でドヤる結花。お前の名前をウィジャ盤に記入してやろうか。

要「今の状態って、ボマードラゴンが俺のＥＸゾーンにリンクしているってことだろ」
結花「これが、ＥＸリンクだよ。よく気づいたねぇ」
要「・・・結花も今気づいただろ」
結花「てへっ」

ということでドローしても何もできない俺はサレンダーして、コンビニとカードショップの店員に戻ることにした。

【デュエル終了】
要　遊二
ＬＰ：サレンダー
ＶＳ
ＬＰ：８０００
川澄　結花
ＷＩＮ！


　デュエルを終えた時、少ないながらも拍手が起きた。周りを見渡すと恵那さんと瀬戸さん、そして子供たちがいつの間にか来ていたようだ。

静流「要くんにリンク教えてたんだ」
結花「教えた後にあたしがフルボッコにしたけどね。どや」
要「どやじゃない。明らかにこのデッキ調整不足だろこれ・・・」
結花「まぁほぼ純構成だしねー。除外増やさないと動けないよ」

椅子から立ち上がると子供たちに囲まれる。

子供１「すげー、あたらしいやつだー」
子供２「どうだったの？つよいおにいちゃん」
子供３「りんくしょうかんしてた？」
要「んー、調整の余地あり。見たいならここに置いておくから見ていいよ」
子供たち「わーい」

恵那「お、お兄さんも負けることってあるんですね。てっきりどんなデッキでも扱えるのかと・・・」
要「あれは結花が使ってたデッキがデッキだし仕方ない面もあるからなぁ。あれって恵那さんのデッキだよね」
恵那「は、はい。私のメインデッキ・・・ですけど今はご自由にどうぞデッキです」

だからあんなに引きがいいほどの強いデッキだったんだな。調整中デッキと完成デッキ。そりゃ俺でも負ける。

要「そう考えると恵那さんもデッキを組むセンスがあるということか・・・」
恵那「ふぇっ！？ほ、褒められ・・・あ、あり、ありがとうございますっ。でも・・・＜トポロジック・ボマー・ドラゴン＞は入れてないです、よ？」
要「結花が勝手に入れたんだろうなあれは」

その後は結花がそこそこな枚数のカードを買い、瀬戸さんと一緒に＜デジバグリア＞デッキを調整していた。

―――
おまけ
恵那「あの、川澄さん」
結花「およ？なんだい少女よ」
恵那「えと・・・お兄さんって今まで負けたことってあるのですか？」
結花「＜影忍＞になる前はまぁ普通のデュエリストだから負けてたけど、シノビのユージ化してからはほとんど負けていないはずだねー」
静流「ちなみに私は３回ぐらい勝ったことがあるの。・・・２０戦ぐらいしてね。多分彼は覚えていないかもしれないけど・・・」
恵那「じゃ、じゃあ今なら私も勝てる気がする・・・川澄さん、瀬戸さん、私にお兄さんに勝てるデッキを教えてくださいっ」