第３５話　休息　作：にしん

　今日はカードショップ側をガチデュエリストらに任せて俺はコンビニ側のレジでゆったりまったり。事務所ではおばあちゃんがテレビを見ながら椅子でゆらゆら。たまーに子供たちとかが飲み物やお菓子を買いに来るのでレジ対応をしながらゆったりまったり。

恵那「お、お兄さん」
要「ん？どした？」
恵那「今日はお兄さん参加しないんですね・・・」
要「まぁ一応監督という立場だからなー」

というのを利用して単にまったりしたいだけというのは内緒である。恵那さんも奥にあるカードショップで盛り上がりまくるランダムデュエル大会を見て、隣のレジにある丸椅子に座った。


　一方、カードショップでは。

結花「さて初戦はＨＮ（ハンドルネーム）“ピッコロ”くんとＨＮ“ユリキュラ”ちゃんの対戦！お互いメインデッキ分からランダムに２０枚、ＥＸデッキ分から５枚を引いてデッキにしましょー！」
静流「今回のデュエルの特別ルールは以下の通りよ」
マイケル「はいドン！」

・ＬＰは４０００、ルールは新マスタールールだがリンク、ペンデュラム以外のＥＸ勢はメインモンスターゾーンに出せる。
・上級モンスターまではノーコストで召喚可。最上級モンスターはリリースが必要だが１体で可能（三幻神などリリース数が指定されているモンスターは元のルールに則る）
・モンスター効果によるサーチやリクルート、サルベージが不発する場合は効果を発動したモンスターと同じレベルのモンスターをサーチやリクルート、サルベージできる（例：時械巫女の効果で他の時械神がいなければレベル１のモンスターをサーチ）。魔法・罠でのサーチなどはそのまま不発。
・シンクロやエクシーズ素材はレベルさえ合っていれば可。

結花「果たしてこの運ゲーを制する真のデスティニーデュエリストは一体誰なのか・・・」
マイケル「ちなみに僕たちが用意したこのカードには普通なら数百円するのはもちロン、１０００円以上するカードもありマース」
静流「まぁＥＸ勢は汎用がほとんどだからたまに出せる時があるかもしれないわ」

子供１「うんげーってなにー？」
子供２「ですてにーでゅえりすとかっけー！」
子供３「いいかーど選ばなきゃね」
結花「運ゲーとはその名の通り運だけに頼るゲームのことでーす」

デュエルする子供たちが適当なカードを選び、デッキにした。そしていよいよランダムデュエルが始まった。

子供４「おれのたーん！」


ーーー
※メタ的なことをいうと膨大なカードの中で無作為にデッキを作るのが面ｄ・・・無理だったのでデュエルは割愛させていただきます。
ーーー


　一方、ランダムデュエル大会のデュエルが始まり、大盛り上がりしているのを店内ＢＧＭと冷蔵庫の音だけが聞こえるコンビニ側のレジでじっくり堪能する俺。

おばあちゃん「お兄さんや。ちょっと話があるのじゃが、奥に来てくれないかのう」
要「は、はい。恵那さんレジよろしく」
恵那「わかりました」

と言っても事務所はレジの真裏であり、扉ではなくカーテンで隔たれているだけなのでレジ側からも事務所側からも筒抜けだ。

要「話とはいったい・・・」

おばあちゃんは耳を傾けてくれというジェスチャーをする。俺は耳を傾けるとおばあちゃんは小さな声で話し始めた。

おばあちゃん「恵那にはまだ秘密にしてほしいことなんじゃが・・・わたしゃそろそろ倒れるかもしれん」
要「な、なんだって！？」
おばあちゃん「じゃからその時は・・・頼みたいのじゃ。責任を押し付けるようだけどの」
要「尚更恵那さんに伝えたほうがいいんじゃないですか？」
おばあちゃん「恵那は心配して学業どころかここどころじゃなくなるからねぇ・・・以前１度だけあったのじゃよ」

なるほど。でも確かにこのコンビニでの恵那さんの唯一の親だし、あのおとなしい性格だから親を失ったら何もできなさそうだ。

おばあちゃん「以上じゃよ。さ、勤務に戻っておくれ」
要「は、はあ」




おばあちゃん「・・・確かねぇ、遊戯王始めるきっかけにもなったねぇ。そして、わたしがもうちょっと頑張らないといけないって思ったのもあの頃だねぇ」