第２３話　プールと夏の風物詩　作：にしん

要「ついにこの時が来たか・・・」
結花「プールで思う存分遊ぼうミッション・・・とデュエル・・・」
静流＆マイケル「「スタートだ（デス）！！」」

シャトルバスから降り、俺たちの眼前に広がるは有名な大規模プール施設。もちろん車も沢山停まっており、客がかなり多いというのが窺える。中に入るとセキュリティゲートやボディチェックなど、厳重な警備が敷かれていた。それを難なく突破するとショップやプールへのゲートの先に見える室内プール。

結花「わお、かなり多いねぇ」
静流「遊ぶスペースないかも」
マイケル「デュエルもできなさそうデスネ・・・」
恵那「わ、この水着いいなぁ・・・ゴーグルも買わなきゃ・・・」

室内プールはどうやら溢れかえるほどの人。誰も外のプールに行かないのか？それぐらいの人で溢れていた。一番下の室内用波のプールは遊ぶ隙間もないって感じだ。

・・・だけど俺たちは知っていた。

要「・・・そろそろ現実見ようぜ」

そして一同・・・売り場を回っている恵那さんを除く。セキュリティゲートの向こう側、つまり外を見る。


ザアアアア・・・ゴロゴロ・・・


今や夏の風物詩となった「ゲリラ豪雨」が現実というのをこれでもかと突きつけた。

結花「バスの中でうすうす感じてたけどさ、線状降水帯だっけ？」
静流「かれこれ１時間ぐらいは降ってるよねぇ・・・」
要「止みそうにないし、今日を観光に回すしかないよな」

マイケルはこの世の終わりかのような表情で固まっていた。

恵那「皆さん見てくださいっ、この水着かわいくないですか？」

そして売り場で少しはしゃぐ恵那さん。俺たちの絶望し固まる様を見て数秒、首をかしげていた。


　ということで予定変更。初日は観光。高島駅行きのシャトルバスに乗り、まずはホテルへ向かう。

恵那「そういえばお兄さん。帰りってどうするんですか？」
要「帰りは高速バス予定」
静流「電車でデュエルしながら帰るのもありかもね」
マイケル「バスでのデュエルは窮屈デシタ・・・」

一応プールのシャトルバスは使えなくはないがやっぱり有料。行きはおばあちゃんが負担してくれたが、帰りはシャトルバスを使うよりも電車や高速バスを使う方がお得だ。そもそもプールの券がないとシャトルバスに乗れないというのもある。

しばらくするとその線状降水帯から抜け、真夏の空模様が出迎える。結花を中心に観光用のパンフを手に盛り上がっていた。約一名何故かデッキを漁っている外国人もいるが。

恵那「あの、お兄さん」
要「ん、どうした？」
恵那「お兄さんは落ち着いてますよね・・・」
要「まぁ、気持ちはめっさわくわくしてるんだけどな。なんというか・・・眠い」

そしてちょうどよく欠伸が出る。

恵那「本当に眠そうです。な、なら・・・もうちょっと時間ありますし、着いたら起こしてあげても・・・いい、ですよ？」
要「・・・」

何故か恥ずかしそうに提案する恵那さんに、俺は何故か少しドキッとした。そして眠気も少し吹き飛んだ。

要「ん、ホテルまで我慢する」

その後は眠気覚ましに結花たちに混ざってこの後の観光の予定を組み立てることにした。とりあえず観光が終わるまでは眠気を我慢しなければ。あっちのコンビニや自販機にお気に入りのコーヒーがあればワンチャン耐えれるはずだ。