第151話 怠惰と憤怒　作：ヒラーズ

「愚かが・・・マモン、寝返るとは何事だ？」
サタンは大鉈を持ち、マモンに近づく。
しかしそれをベルフェゴールが止め、サタンを取り押さえる。
「駄目だよ！サタン！」
「放せ！デュエル前にマモンを処刑する！！」
サタンは足掻くが、ベルフェゴールの圧倒的な腕力で押さえられ、鉈を落とす。
「ふん！良いだろう。百騎兵を始末した暁にマモンを処刑してやる！」
裏切り者には厳しくか・・・昔の俺を見ているようだな。
「すみません・・・サタンがついつい、怒っちゃって・・・」
ベルフェゴールは申し訳なさそうに俺の前で頭を下げる。
別に・・・憤怒だから怒って当然じゃね？
「きゅ・・・（気にしてない、次の相手がお前さん達なら構えるだけの事だ）」
兎に角、優しく接しよう。少しにながらそう思う俺はおかしいんだろうか？
「さすが百騎兵ッス、動じてない」
怒った程度で動じるのはマジで油断した時だ。
「ならば始めるぞ！」
「ごめんなさい・・・！恨みはないけど、勝たせて貰います！」
始める前に・・・っと。
俺はマモンと戦った時のデッキを床に置く。
「・・・？」
「きゅ・・・（デッキメイクだ）」
そう言うと、床に置かれたデッキのカードがバラバラにばらまかれる。
俺は再びデッキを構築し、5分で完了する。
「・・・（これで良し！）」
「じゃあ、私も協力という訳でッス！2対2のバトルロワイヤルになったッス」
寝返り有りなら、タッグ有りと言ったところか・・・。
「ふん、マモンよ・・・必ずや後悔するぞ！」
「やれるものならやってみろッス！こっちもみすみすやられるような事はしないッスよ！！」
頼むからデュエル前に喧嘩はよしてくれ。

順番、サタン→ベルフェゴール→百騎兵→マモン


「「「デュエル！」」」

サタン　LP4000
手札5
ベルフェゴール　LP4000
手札5

百騎兵　LP4000
手札5
マモン　LP4000
手札5


「先攻は貰うぞ！ドロー！」
サタン
手札5→6

「我は手札から青眼の白龍を相手に公開し、手札から青眼の亜白龍を特殊召喚！」
青眼の亜白龍　ATK3000　☆8

初っ端から青眼だと！？
どこぞの会社の社長様かお前さんは！？
「さらに手札から『古のルール』を発動！青眼の白龍を特殊召喚！」
青眼の白龍　ATK3000　☆8

「カードを2枚伏せて、ターンエンド！」
「わっ・・・私のターン・・・」
ベルフェゴール
手札5→6

何だこいつ？顔を真っ赤にしながらカードを引いたり、手札を見てるが・・・具合でも悪いのか？
「気にしなくていいッスよ、ごっちゃん恥ずかしがり屋ッスから」
「言わないでよぉ・・・。手札から『磁力の召喚円Lv2』を発動、手札からオルフェゴール・カノーネを特殊召喚・・・」
オルフェゴール・カノーネ　ATK500　☆1

「さらに『機械複製術』を発動・・・カノーネを増やします・・・」
何だ？いきなり神でも出すのか？
「行きます・・・怠惰を広めるサーキット！あっ・・・アローヘッド確認、召喚条件は【オルフェゴール】モンスター含む効果モンスター2体以上、私は3体のカノーネをリンクマーカーにセット！さっ・・・サーキットコンバイン！リンク召喚！オルフェゴール・オーケストリオン！」
オルフェゴール・オーケストリオン　ATK3000　LINK-4　マーカー：上／右上／左下／下

何！！オルフェゴールの切り札だと！？
「ううっ・・・攻撃できないのでカードを1枚伏せて、『オルフェゴール・プライム』を発動・・・、手札の星遺物－『星杖』を捨てて2枚ドローしてターンエンドです」
ベルフェゴール
手札0→2

「きゅ・・・（俺のターン）」
百騎兵
手札5→6

さて、手札は悪くない。どうしたものか・・・。
「ふきゅ・・・（俺は手札からメタモルポットを捨てて、手札からパワー・ジャイアントを特殊召喚！効果によってレベルが2つ下がるが、問題ない）」
パワー・ジャイアント　ATK2200　☆6→4

「岩石族とは渋いッス！」
岩石族は使いやすいんだ、個人的にだが。
「・・・（さらに『トレード・イン』を発動！ブロック・ドラゴンを捨てて2枚ドロー）」
百騎兵
手札2→4

「きゅ・・・（モンスターをセットして、カードを2枚伏せてターン終了）」
「私のターンッス、ドロー！」
マモン
手札5→6

「先ずは小手調べッス！魔法カード『接続準備』を発動ッス！ライフを800払って、デッキからサイバース族モンスター1体を無条件で特殊召喚するッス！この効果で特殊召喚されたモンスターは効果を無効にされるッス！マグマン・コントローラーを守備表示で特殊召喚するッス！」
マグマン・コントローラー　DEF1500　☆7

「自分フィールド上にサイバース族モンスターが存在してるなら、手札からアクアン・コントローラーを守備表示で特殊召喚ッス」
アクアン・コントローラー　DEF700　☆7

「行くッスよ！強欲を導くサーキット！アローヘッド確認ッス。召喚条件は【コントローラー】モンスター含む効果モンスター2体ッス！私は2体の【コントローラー】モンスター2体をリンクマーカーにセット！サーキットコンバインッス！リンク召喚！！現れるッス！私の尖兵、スター・コントローラー！」
スター・コントローラー　ATK1600　LINK-2　マーカー：上／下

見たことない【コントローラー】モンスターだ・・・効果は？
「スターの効果発動ッス！１ターンに１度、デッキから【コントローラー】モンスター1体をこのカードのリンク先に特殊召喚するッス！プラズマン・コントローラーを上側に特殊召喚ッス！」
プラズマン・コントローラー　ATK300　☆7

マモンの正面・・・ベルフェゴールの場か！
「あっ・・・！」
「プラズマンの効果発動ッス！このカードがリンクモンスターの効果で特殊召喚された時、このカードをリリースする事で相手に2000のダメージを与えるッス！プラズマ・クラスター！！」
プラズマンが爆発を引き起こし、ベルフェゴールのライフを半分も削り取った。その爆風に巻き込まれたせいなのか服が少し破れる。
ベルフェゴール　LP4000→2000

「・・・っ！？」
「カードを1枚伏せて、ターンエンドッス」
これでお互い1ターンが終わった。
ここから先が問題だな・・・。
「我のターン！」
サタン
手札0→1

「いけ！青眼の白龍！邪魔なリンクモンスターを攻撃！滅びの爆裂疾風弾！」
「ふきゅ・・・（罠カード『攻撃の無力化』で攻撃を無効及びバトルフェイズを強制終了させる。そして『岩投げアタック』を発動！デッキから岩石族モンスター1体を墓地に送り、相手に500のダメージを与える！俺はリバイバルゴーレムを送る。ついでにリバイバルゴーレムの効果により、俺は守備表示でリバイバルゴーレムを特殊召喚する）」
リバイバル・ゴーレム　DEF2100　☆4
サタン　LP4000→3500

「ちっ・・・！ターンエンドだ！」
「わっ・・・私のターン！！」
ベルフェゴール
手札2→3

「手札からオルフェゴール・ディヴェルを召喚し、墓地のカノーネを除外して、手札からオルフェゴール・スケルツォンを特殊召喚・・・」
オルフェゴール・ディヴェル　ATK1700　☆4
オルフェゴール・スケルツォン　ATK1200　☆3

「魔法カード『死者蘇生』の効果でカノーネを蘇生・・・そして！
レベル3のスケルツォンにレベル1のカノーネをチューニング！シンクロ召喚！アームズ・エイド！！」
アームズ・エイド　ATK1800　☆4

「！（こんな時にアームズ・エイドだと！？）」
「アームズ・エイドのモンスター効果・・・発動！このカードは攻撃力1000アップの装備カードとして自分フィールド上のモンスターに装備します！装備するのはディヴェルです！」
オルフェゴール・ディヴェル　ATK1700→2700

「そう来たッスか！！」
「パワー・ジャイアントを攻撃！」
百騎兵　LP4000→3500

「・・・（なるほど、先に俺から潰す戦略に入ったか）」
「アームズ・エイドの効果により、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与えます！」
百騎兵　LP3500→1300

「・・・（『攻撃の無力化』の発動タイミングをミスったな・・・これは負けたか？）」
「マモンの伏せカードが怖いのでこれ以上攻撃しない・・・ターンエンドです」
追い詰められたか・・・逆転のカードは引けるか？










次回、逆転の策
※タイトルが変わる可能性と修正する可能性があります。