第112話 大惨事 屑鉄大戦　作：ヒラーズ

地下遺跡から出て5分後、シドーさんはこのことを役員達に報告し、結果は内密になった。
当たり前か、今の時代、ほとんどの魔法生物は俺以外いないようなもんだし。
第一、いたとしても人工で作られたばったもんだしな。
「きゅ・・・（それじゃあ、シドーさん。また店にくるぞ）」
「お・・・おう、元気でな」
やけに重そうな顔してるが・・・無理はないな。
「・・・（さて、戻るか。迎撃準備するぞ）」
「えっと・・・あるじさま。ぼく達はどうするんですか？」
あー・・・どうしよう・・・。クォーツ達は留守番という名の待機なのだが・・・。
リュウカとジェムはどうしよう・・・。
この願いは別の意味で言う血で血を洗う物事だし・・・リュウカとジェムは・・・。
「マスター」
「もきゅ？」
「わたしはマスターの僕（しもべ）です。マスターの命令なら、例え争い事になろうとお供します」
そう言われてもな・・・。
「面倒いからボクはクォーツ達を守る方に行く」
それはそれでありがたい。
「・・・」
えーと、組み分けはこうなったな。

旅館待機組
シャル、クォーツ、リュウカ

蒼羽の小屋防衛組
百騎兵、ジェム、蒼羽


以上が組み合わせだな。
「あるじさま・・・ご無事で・・・」
安心しろ、相手を八つ裂きにしてくるだけだ。
「行きましょう、マスター」
「・・・」
俺達は1度解散し、戦いの時を待つ。







その間に俺は、屑鉄の山に落ちているパーツなどを使って、
武器を作っていた。
「・・・（よし！出来た）」
「マスター、これは？」
何ってこれはただのボルトアクション式のライフルだが？
「、、、本気で戦争する気なの、、、？」
阿呆か、ライフルとハンドガン、電気鈍槌（修理完了）に刀剣だけで戦争沙汰にはならん。
「ふきゅ・・・（ライフルと刀剣はお前さんが持て、ジェム）」
俺がジェムにライフルと刀剣を渡すと、ジェムは素直に受け取る。
戦闘プログラムが入れられているとはいえ、大丈夫だろうか・・・。
「それでですが、弾薬は？」
「きゅ・・・（はいよ）」
俺はジェムに弾薬箱を渡す。
「・・・（後は来るのを待つだけだ）」









それからしばらくして、辺りはすっかり暗くなり、夜へと変わった。
「・・・」
「、、、来ないわね、、、」
「・・・」
俺とジェムは辺りの気配を探っているその時だった。
ﾌﾞﾛﾛﾛｯ！

複数台の車が近くに止まった。
「・・・（来たな）」
「様子を見てきます・・・」
「きゅ・・・（いや、俺も行こう）」
俺達は小屋を出て、外の様子を見る。
そして俺の読み通り、重機やら作業員や武装をした役員も投入されている。
数の差は明らかにこちらが不利だが、見た目は大した訓練を受けてなさそうだ。
「ふきゅ・・・（作戦は単純だ。俺が先攻している間、ジェムは後方支援射撃を行っていれば良い）」
「承知しました」
そんじゃあ行くか。
俺は鈍槌を片手に持ち、敵に突撃していった。
「！襲撃だ！！マナニアが襲ってきたぞ！！」
モンスター（魔法生物）がどれだけ恐ろしい奴か、教えてやる！





――――







一方、クォーツ達は旅館内で日頃の疲れを癒やしていた。

女性風呂内－
「はぁ・・・生き返りますね。リュウカさん」
「うんうん、やっぱり疲れたらここだよねぇ」
リュウカがシャルの胸元を見た時、何故かリュウカは勝ち誇ったような顔をする。
「・・・ﾌｯ」
「・・・（何でしょう・・・少しムカつきますね）。どうしました？」
「ううん、何も」

その頃、男性風呂では－
「・・・あるじさまの前世の姿、格好良かったなぁ・・・ぼくも大人になったら、あるじさまのような人になりたいなぁ・・・」
身の丈が成長しない人造人間1人が何かを目標に夢を膨らませていたのだった。
だが少なくとも人造人間に感情が芽生えたのは見事な成長である。
その事に気づかないクォーツだった。







次回、魔神としての役割

※タイトルが変わる可能性があります。