第26話 広い世界　作：ヒラーズ

町を出た俺達・・・しばらく行く先は森ばかりだが、何時間かけてDホイールを走らせているとようやく山の中を出た・・・いや、出てこれた。
「山道・・・やっと抜けましたね・・・」
まったくだよ・・・しばし山はいいよ・・・。
「あるじさま・・・あれ・・・」
「もきゅ？」
ん？看板か？何、この先は「マデュラシティ」と・・・。
ずいぶんと宝石みたいな名前の都市名だな・・・。
「マデュラシティ・・・確か世界で3番目に大きい都市とは聞いていたけど・・・実際に行ったことがないから・・・ぼくは・・・わからないです」
行ったことないのにそこまで知ってるのか・・・クォーツの知識はどうなってるんだよ・・・。
「後分かるなら・・・その都市にはデュエルアカデミアあるということ・・・です」
なるほど・・・デュエリストを育成するための学校か・・・そんなものもあるのか・・・。
「むきゅ（よし、まずはマデュラシティという都市に行ってみるか！）」
俺達は道沿いに進み、マデュラシティを目指した。




あれからどれほど経ったか・・・途中で沢山の車やバイク、Dホイールが俺達を通り過ぎる。魔法生物と人造人間が乗っているDホイールは珍しくないのだろうか・・・？
そう俺は思いつつもDホイールを走らせる。
「あるじさま・・・見えてきました・・・」
あれが「マデュラシティ」か・・・確かにでかそうな都市・・・いや・・・都市はでかくて当たり前か。
「・・・（活気が溢れていそうなだな・・・いや当たり前か・・・）
「ぼく達・・・変な目で見られないですか・・・？」
まぁ、そうならないんじゃないだろうか？素通りされてるし、大丈夫だろう・・・。
「ふきゅ（少し心配だ・・・）」
そして俺達は都市の中に入る・・・。



都市内はすでに賑わっており、活気もかなり溢れている。
人も沢山いるし、なんだか安心感を感じる。
「・・・（さて、着いたとはいえ・・・まずは拠点を手に入れなくてはな）」
「うん・・・・」
クォーツはやや不安そうだが、ここまで来たんだ、引き返す訳にはいかない。
後はだが・・・資金の調達とこの世界の社会を知ることだな・・・。
前々からずっと魔法生物（マナニア）を無視する人が多い。
「ふきゅ・・・（やれやれ・・・拠点を手に入れても、やることが多そうだ・・・）」
「・・・」
なんか・・・クォーツが黙ったままだ・・・。
「あるじさま・・・提案があるんですが・・・」
「もきゅ？（なんだ？）」
「拠点の方は・・・学校で良いんじゃないですか・・・？」
「・・・ほあ？（はぁ？）」
いやいや、必要なくないか？知れれば問題ないぞ！？
大丈夫か！？正気か！？吹っ飛んだ案だぞ！？
「社会を知る事もできて・・・同じ境遇の人も見つかると思います」
「・・・（そう言う問題じゃないんだが・・・）」
俺達は1度、カフェを見つけ、Dホイールを店の近くに駐車し、店内で今後の事を考えた。
その途中だった。
「すみません、そこの小さいマナニアさん」
「もきゅ？」
いきなり後ろから話しかけられた・・・。
俺はすぐさま声のした方へ振り向いた。
「これはこれは、変わったマナニアですね」
なんだ？探偵服を着ているしハンチング帽を被った赤毛の美人な姉さんは？
探偵か・・・？



次回　探偵と百騎兵