第96話 PartnerLose　作：ヒラーズ

クォーツ達を迎えに行く際、俺は大きなトラックとすれ違う。
「もきゅ？（はて？今誰かとすれ違ったような・・・）」
「？」
そうも考えている内に俺は旅館に着く。
「きゅ・・・（ちょっと待っててくれ、クォーツ達を連れてくる）」
俺はＤウィリーを降り、旅館に入る。








「ふきゅ・・・（クォーツ？シャル？リュウカ、いるか？）」
俺は客室の襖を開け、中を見ると・・・。
「！（え・・・？）」
中は荒らされていた。
辺りを見ると抵抗した跡があることに気づいた。
「・・・（これは一体、どういうことだ？）」
足跡はない・・・銃や刃物を使った跡はない。
恐らく犯人は丸腰で挑んできた・・・次にリュウカは転生特典で身体能力が人外並、並大抵の人間が捕らえるには難しい。どうやって・・・。
「・・・もきゅ？（ん？窓が割れてる）」
辺りを探索してると、俺達が泊まっていた部屋の窓ガラスが割れていることを今更ながらに気づく。
「・・・」
俺が窓を覗き、外を見ると駐車場が見える。そんな中、俺は壊れたＤホイールを見つける。
「！（あのＤホイール・・・・シャルのＤホイールじゃないか！）」
俺が見たシャルのＤホイールは無残に中破していた。
無論、シャルの姿もない。
「！（大変だ・・・仲間がさらわれた！）」
俺は急いで蒼羽の所に戻ろうとすると・・・。
「！」
ﾄﾞｼｬｱ！

すっころんだ。だがその衝撃で、1枚の紙が俺の頭上に落ちる。
「・・・（これは？）」
落ちた紙を手に取り、内容を見る。

内容
『愚かなマナニアへ、お前の仲間は今、我々の所にいる。返して欲しければスクラップシティ南付近の哨戒基地にて待つ。ＭＨｓの魔女隊長 グリモアより』

その内容に俺は怒りを感じた。
自分を捕らえるか、倒すためだけにしたという事・・・俺はそれが許せなかった。
「ふきゅ・・・（ほう・・・？これは俺に対して宣戦布告を宣言したという事か・・・）」
俺は紙を破り、客室を出る。
「うみぇっ！（血で血を洗う戦いがお好きなようなら・・・お望み通り殺ってやる）」
よくも仲間を誘拐しやがって・・・絶対ひどい目に遭わせてやる！
俺は蒼羽の元に行き、一通りを話す。
「え、、、誘拐！？」
「きゅ・・・（ああ、しかも警察は無能となればこれだ。悪いが、観光は後回しだ）」
俺は1度、作戦を整えるべく、蒼羽の小屋へ戻る。
「きゅ・・・（グリモア・・・ノイエ達の仲間でなければいいが・・・）」






一方、クォーツ達は－
「ぼく達・・・これからどうなるんですか？」
「分かりません。けど、百騎兵さん目当てなら、私たちは人質のはずです」
「仮に来なかったら？」
「それは・・・始末されますね」
その言葉に二人は顔を真っ青にする。
「そんな・・・・」
「ボク・・・1度死んで、即座に2度死ぬの？」
その時だった。
「静かにできんかえ？若いの」
実に若い女性の声が聞こえた。
クォーツが声のした方を見ると、黄色の魔女帽子とマント、中には黄色の服を着た19歳の女性が木箱の上に座っていた。
「あの・・・ハナコさんのお友達ですか？」
クォーツの言葉に黄色の魔女は怒り出す。
「こらぁ！儂をあんな下級の魔女と一緒にするでない！！」
「「（下級の・・・魔女）」」
「全く、坊達をさらってみれば・・・なんじゃい！この緊張感の無さは！？」
どうやらあまり感情を出さないクォーツに対して怒ってるようだ。
「まぁ良い。百騎兵が来れば、こっちのものじゃ！せいぜい坊のあるじさまが来るのを待ってるのじゃな」
「・・・」
「何じゃその顔は！儂が可哀想な奴と見ておるのか！！」
怒っている魔女に対し、クォーツは思う。
「（むしろ・・・君の方がうるさい）」
「くぅ・・・こんな奴らさらって何の得がするんじゃ！これでは儂の名「グリモア・ハスター」の名が廃るわい！」
ご機嫌斜めのグリモア、それを聞いた他の兵士はやれやれとした表情になっている。
「来なかったら・・・こやつら全員、儂の魔法でバラバラにしてくれるわい！」
「（あるじさま・・・早く来ないかなぁ・・・）」



次回、WarMananear

※タイトルが変わる可能性があります。