第119話　前世戻しの鏡　作：ヒラーズ

しばらくして俺達はノイエの空間魔法で夜会会場前に来たのだった。
来る途中、都を見てみたが、見た目は中世ヨーロッパに似ており、ファンタジー系の世界にやってきた感じに襲われたが、会場に着いてしまえばこっちのもの。
どんな強者が来ているかは知らないが、目標は勿論、優勝だ。
あのころは優勝は出来なかったが、今度こそ優勝する。
それが俺の心を揺さぶった。
「・・・」
俺は受付に行き、登録する。
この大会のルールを説明によるとこの大会は禁止、制限のカードが使えるらしく。
名の通り聖域である。
チーム名は俺が転生する前に自分で作った反政府組織『リペアラーズ』の名を使った。いちいち考えるのが面倒くさかったからな。
しばらくして俺達は待機室の前まで集まっていた。
「役員魔女があるじさまに用って・・・」
役員の係の魔女が俺に怪しげな鏡を見せる。
「それでは百騎兵様、この鏡を覗いてみて下さい」
「もきゅ？」
俺は怪しげな鏡を覗く。
「！（え？前世の俺？！）」
その時だった。

「え？」
「あるじさま！？燃えてますよ！！」
クォーツ達は驚いたんだろうか・・・俺の体が青い炎に燃やされ、やがては火柱になる。
「熱っ！熱ぃ！！」
俺は燃やされていることと同時に気づいた・・・何と人語を話せるようになったのだ。
それから5分立たずに青い炎が消え、俺は転生前の俺に戻った。
「こっ・・・これは一体？」
「デュエル中はその姿でいてください、百騎兵様・・・・いえ「白皇　陸也」様」
「！何故その名を！？」
その言葉に役員係の魔女はクスクス笑いながら答える。
「さぁ？何故でしょうね・・・ふふふっ！」
役員係の魔女が鏡をしまうと、俺は百騎兵に戻る。
どうやらノイエが言っていたことは本当のようだ。
この大会、優勝する価値はある。







もうしばらくして俺達はハナコとアナベルと合流する。
「あ、むきゅちゃん！久しぶり！」
ハナコはいきなり俺を抱きしめ、辺りを冷たい空気にさらす。
「百騎兵の奴、ズルイなぁ」
トウマ、そんなこと言ってる暇があるなら助けてくれ。
「それと、最初の試合は誰が出るの？」
俺はハナコから離れ、アナベルに言う。
「うにぇ！（俺が出る）」
「じゃあ、百騎兵ちゃん。早くフィールドに行って」
俺はアナベルの言われた通り、デュエルフィールドに行き、対戦者を待つ。
そして・・・。

『レディース＆ジェントルメン！ついに始まった第76回ヴァルプルギス杯、デュエルサンクチュアリ！！まず最初の戦いはリペアラーズＶＳブラックレインズ！』
うるせぇ、とにかくそれしか言えん。
『まずは赤コーナー、リペアラーズリーダー、百騎兵兼白皇　陸也！』
その声と同時に俺は転生前の体になる。
恐らく鏡の効果だろう。
『そして青コーナー、ブラックレインズリーダー、黒秋　眼魔！』
俺の前に現れたのは黒髪で仮面をつけた男だった。
「お前は転生者か、初めて見るな」
「まぁな、好きでこうなったんじゃないがな」
『辺り騒然！いきなりの大将戦！これは勝利の女神も悩むでしょう！それではルールスロット起動！』
魔法で作られた映像が現れ、文字が浮かぶ。
俺の目に映ったルールは・・・。

1、LP8000
2、ビルドデッキ＆デッキマスター戦
3、禁止、制限カードは1枚まで


おう・・・随分とアバウトなルールだな。
突如、俺達の前に沢山のトランクが出現し、中を見ると、世代も関係なく、多種類のカードが3枚ずつ入っていた。
「・・・」
（相手はどんなカードを使ってくるか分からない以上、無闇にメタデッキは使えないな・・・どう構築するか・・・）





俺がデッキを構築して10分、ようやくしてデッキが完成する。
だがその前に相手も完成していた。
『それでは！互いにデッキが完成したところで！始めましょう！！デュエルの時間だ！』



「悪いが、この勝負は俺が貰う」
「それはどうかねぇ・・・まぁ、お手柔らかに」




「「デュエル！！」」


次回、不沈の混沌

※タイトルが変わる可能性があります。