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2:初陣 作:天
「『決闘王』になる・・・だって?」
ユーイの言葉に、シクスは思わず吹き出してしまった。
「くくく、はははは! これは傑作だッ!」
腹を抱えて嗤う。
「他人の夢を笑うもんじゃないと思うんだけど」
自分の夢を馬鹿にされてユーイも流石にカチンときた。
その様子にシクスもヒーヒー言いながらも笑いを止める。
「いやー笑わせてもらったよ。君は黄金の夢を語っている気になっているんだろうが、その実そんな夢には犬のクソ程の価値もない。犬のクソを黄金のように敬っているんだよ。これが笑わずにいられるか?」
シクスは心底馬鹿にした風に鼻で笑う。
「なんだと?」
「では訊くが、君は決闘王になるためにはどうしたらいいと思っているんだい?」
頭に血が上りかけたユーイにシクスが問う。
だがそんな質問の答えなど分かりきっている。
「そんなの、どんな決闘者よりも強くなりゃいいんだろ。決闘王てのは最強の決闘者のことだからな」
ユーイの答えに、しかしシクスはため息をついて肩を竦める。
そして唾を吐くように言う。
「世間知らずの田舎猿が。ただ強くなるだけで世界の王になどなれるものか。身の程を知れ」
その言い方にユーイもムッとする。
確かにユーイは田舎者だし世間知らずではあるが、その言い方はあんまりだろう。
「タイタンだか七星候だか知らないけど、それがそんなに偉いのか?」
ユーイが挑むように言うとシクスともう一人の取り巻きは失笑した。
「七星候も知らんとは、やはり山猿。『秤の国』の国民に我がタイタン家を知らぬ者がいようとは、それこそ吃驚だな」
「悪いがこっちはこの国の国民じゃあないんだ。『デュエル・アカデミア』の入学試験を受けるために今日この国に来たばかりでね」
「アカデミアの―――?」
そこでシクスの顔から笑みが消える。
「なるほど、それならば納得できる。アカデミアの入学試験には近隣の国からも志願者が集まるそうだからな。ならば―――」
シクスは着けていた手袋を外すとそれをユーイの胸に投げつけた。
「ボクも君と同様アカデミアの試験を受ける決闘者なのさ。ここで七星候が一角、タイタン家の力を見せつけてやるのも一興だ」
手袋を投げるのは決闘の申し込みを意味する。
つまりシクスはユーイに決闘(デュエル)を挑んでいるわけである。
「君が勝てばこの場の不敬は見逃してやろう。だがボクが勝てば君のデッキをいただく。どうだ、この決闘受ける勇気はあるかい?」
デッキがなくなればユーイは明後日の入学試験を受けることができなくなってしまう。シクスの狙いはそこにあった。
(タイタン家に逆らえばどうなるか、思い知らせてやる)
衆目の前でこの不敬者を辱しめ、アカデミア入学試験という奴の最大の目標をも叩き潰すつもりなのだ。
だが一方のユーイに気後れはない。
「面白い。そのデュエル、受けて立つぜ!」
むしろ目を爛々と輝かせている。
ユーイはこれまでヒスイ以外の人間とデュエルをしたことがない。これは試験前に自分の腕を試す絶好の機会だ。
すでにユーイの頭には負ければ試験どころではないことなど露ほどもない。未知の決闘者とデュエルできるという期待でいっぱいになってしまっていた。
肩に下げた鞄からデュエルディスクを取り出し左腕に装着する。決闘者の魂とも言えるデッキはすでに装填済みだ。
シクスも取り巻きにデュエルディスクを準備させ、同じく左腕に装着する。
これでデュエルの準備は整った。
「確認しておこう。このデュエル、君が勝てば我々はこの場であったことを全てなかったことにして立ち去ろう。だがボクが勝ったら君のデッキをいただくよ。それで異存はないね?」
「ああ、いいぜ」
シクスの問いにユーイが応え、これでこのデュエルに対する誓約が完了した。
この世界では、デュエルは神聖な儀式だ。
それでもたらされる結果は絶対であり、一度誓約した事柄に反すれば天の怒りを買い、雷によって裁かれると言われている。
ユーイとシクスは十数メートルの距離を取り対峙する。
「 デュエル!! 」
ユーイ4000/シクス4000
お互いに精神を集中させ、体内に流れる魔力を高めていく。
この世界ではデュエルはただのカードゲームではない。
カードは実在するモンスターや魔法の力を閉じ込めた札であり、決闘者の魔力(ヘカ)を使いそれらを顕現させて闘う魔術に近い技法だ。
LPはお互いの現在保有する魔力量を4000として数値化したものであり、ダメージを受けるとその数値分の魔力を奪われることになる。
「先攻はボクだッ!」
デュエルの先攻後攻はその現有魔力量が多い方が先攻を取ることになる。
このデュエルに於いてはシクスの方が魔力量でユーイを上回っていたため、先攻がシクスとなった。
お互いに5枚のカードをデッキから抜き出し初手とする。
「まずはこいつで行くッ!《デーモンの騎兵》を召喚ッ!」
その5枚の手札からモンスターカードを1枚選び、魔力を注ぎ込むことでそのカードに封印されていた《デーモンの騎兵》を召喚する。
シクスのフィールドに馬の嘶きが響き、騎馬に跨がり巨大なランスを構えた悪魔が姿を現した。
デーモンの騎兵(OP1900)
《デーモンの騎兵》はレベル4の下級モンスターにしては高い攻撃力を持つ悪魔族のモンスターだ。
「更にカードを1枚伏せてターン終了」
シクスはもう1枚カードを場に伏せることで魔法か罠を備えて自分のターンを終えた。
次はユーイのターンだ。
「俺のターン! ドロー!」
ユーイはデッキからカードを1枚ドローし、手札を6枚とした。
後攻は最初のターン開始時にカードをドローすることができ、その分多くの選択肢を持って戦術を展開することができる。
(《デーモンの騎兵》の攻撃力は1900。残念ながら俺の手札にそれを上回る攻撃力のモンスターはいない。ならば・・・)
ユーイは手札から2枚のカードを選び魔力を込める。
「俺はモンスターを守備表示でセット。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
ユーイのフィールドに裏側のカードが2枚出現した。特段の動きはなく、これでユーイのターンは終わりだ。
シクスがふふんと鼻を鳴らす。
「威勢のわりにずいぶんと慎重なスタートじゃないか」
しかしユーイはそれには応えずシクスを見据えるだけだ。
「まぁいいさ。ボクのターンだ」
シクスがカードをドローし、すぐさま行動に移る。
「バトルをしかけさせてもらうッ!《デーモンの騎兵》でセットモンスターに攻撃だッ!」
フィールドのモンスターに魔力で指令を出し、ユーイのモンスターへの攻撃を促す。
《デーモンの騎兵》がランスを構えて突進してくる。
それを迎え撃つかのようにユーイのセットモンスターがリバースした。現れたのは剣士の格好をした凛々しい美青年だ。
翻弄するエルフの剣士(DP1200)
眉を潜めたのはシクス。
(てっきり守備力の高いモンスターを壁にしていると踏んでいたが、たかが守備力1200のモンスターだと?)
しかし《デーモンの騎兵》の攻撃はもう止まらない。
「その程度のモンスターで我がモンスターの攻撃が防げるとでも思ったかッ! 構わん、串刺しにしてやれッ!」
《デーモンの騎兵》は構わずランスの一撃を《翻弄するエルフの剣士》に向けて突き出す。
シクスの言葉通りその一撃は《翻弄するエルフの剣士》を見事に捉え、ランスがその胸に深々と突き刺さった。
しかしユーイはニッと笑む。
胸に風穴を開けられたと思われた《翻弄するエルフの剣士》の姿がまるで霧のように掻き消える。
「残念だったな、そいつは残像だ」
《翻弄するエルフの剣士》はやられてはいなかった。
その凛々しき立ち姿は健在、ユーイの傍らに妖艶な笑みを浮かべて侍ている。
「《翻弄するエルフの剣士》は攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されない。攻撃力1900以上のモンスター相手なら、どんなに固い壁モンスターよりもしぶといぜ」
「戦闘破壊耐性か。中々やっかいなしもべを従えてるじゃないか」
「だが―――」とシクス。
その表情に焦りはない。むしろ浮かんでいるのは余裕の笑みだ。
バッと左手を突き出す。
「この瞬間、罠カードを発動させるッ!」
シクスのフィールドに伏せられていたカードが反転した。
「罠カード《悪魔の受肉》!!」
その瞬間、フィールドに存在する2体のモンスターが下から徐々に黒く変色し始めた。まるで蠢く何かに侵食されていくようだ。
「これは・・・!」
「《悪魔の受肉》は互いのフィールドに表側表示で存在するレベル4のモンスターを1体ずつリリースすることで、手札からレベル8の悪魔族モンスターを特殊召喚する罠カードだッ! ボクはこのカードの効果で手札の最上級デーモンを特殊召喚するッ!」
「なにッ!?」
全身を真っ黒に染められたフィールドのモンスター達は、ずぶずぶと地面に沈み込むようにして溶けていった。
これで二人のフィールドにはもう彼らを守るモンスターはいない。
しかしユーイの顔色を変えたのはそれではなかった。
フィールドに禍々しい邪気が立ち込め始めたのだ。それは息苦しささえ覚えるほどの濃密で重い気配。それは明らかにシクスから放たれているものだった。
「供物の腑肉を喰らい、今こそ顕現せよ! レベル8!《戦慄の凶皇―ジェネシス・デーモン》!!」
シクスの魔力を存分に受け、彼の最強モンスターが姿を現した。
それは見上げるほどの巨体。禍々しい鎧のような体躯と血のように赤い瞳、そして漆黒の剣。まさに悪魔の王と呼ばれるに相応しい威風を備えた最上級モンスターだった。
ユーイの言葉に、シクスは思わず吹き出してしまった。
「くくく、はははは! これは傑作だッ!」
腹を抱えて嗤う。
「他人の夢を笑うもんじゃないと思うんだけど」
自分の夢を馬鹿にされてユーイも流石にカチンときた。
その様子にシクスもヒーヒー言いながらも笑いを止める。
「いやー笑わせてもらったよ。君は黄金の夢を語っている気になっているんだろうが、その実そんな夢には犬のクソ程の価値もない。犬のクソを黄金のように敬っているんだよ。これが笑わずにいられるか?」
シクスは心底馬鹿にした風に鼻で笑う。
「なんだと?」
「では訊くが、君は決闘王になるためにはどうしたらいいと思っているんだい?」
頭に血が上りかけたユーイにシクスが問う。
だがそんな質問の答えなど分かりきっている。
「そんなの、どんな決闘者よりも強くなりゃいいんだろ。決闘王てのは最強の決闘者のことだからな」
ユーイの答えに、しかしシクスはため息をついて肩を竦める。
そして唾を吐くように言う。
「世間知らずの田舎猿が。ただ強くなるだけで世界の王になどなれるものか。身の程を知れ」
その言い方にユーイもムッとする。
確かにユーイは田舎者だし世間知らずではあるが、その言い方はあんまりだろう。
「タイタンだか七星候だか知らないけど、それがそんなに偉いのか?」
ユーイが挑むように言うとシクスともう一人の取り巻きは失笑した。
「七星候も知らんとは、やはり山猿。『秤の国』の国民に我がタイタン家を知らぬ者がいようとは、それこそ吃驚だな」
「悪いがこっちはこの国の国民じゃあないんだ。『デュエル・アカデミア』の入学試験を受けるために今日この国に来たばかりでね」
「アカデミアの―――?」
そこでシクスの顔から笑みが消える。
「なるほど、それならば納得できる。アカデミアの入学試験には近隣の国からも志願者が集まるそうだからな。ならば―――」
シクスは着けていた手袋を外すとそれをユーイの胸に投げつけた。
「ボクも君と同様アカデミアの試験を受ける決闘者なのさ。ここで七星候が一角、タイタン家の力を見せつけてやるのも一興だ」
手袋を投げるのは決闘の申し込みを意味する。
つまりシクスはユーイに決闘(デュエル)を挑んでいるわけである。
「君が勝てばこの場の不敬は見逃してやろう。だがボクが勝てば君のデッキをいただく。どうだ、この決闘受ける勇気はあるかい?」
デッキがなくなればユーイは明後日の入学試験を受けることができなくなってしまう。シクスの狙いはそこにあった。
(タイタン家に逆らえばどうなるか、思い知らせてやる)
衆目の前でこの不敬者を辱しめ、アカデミア入学試験という奴の最大の目標をも叩き潰すつもりなのだ。
だが一方のユーイに気後れはない。
「面白い。そのデュエル、受けて立つぜ!」
むしろ目を爛々と輝かせている。
ユーイはこれまでヒスイ以外の人間とデュエルをしたことがない。これは試験前に自分の腕を試す絶好の機会だ。
すでにユーイの頭には負ければ試験どころではないことなど露ほどもない。未知の決闘者とデュエルできるという期待でいっぱいになってしまっていた。
肩に下げた鞄からデュエルディスクを取り出し左腕に装着する。決闘者の魂とも言えるデッキはすでに装填済みだ。
シクスも取り巻きにデュエルディスクを準備させ、同じく左腕に装着する。
これでデュエルの準備は整った。
「確認しておこう。このデュエル、君が勝てば我々はこの場であったことを全てなかったことにして立ち去ろう。だがボクが勝ったら君のデッキをいただくよ。それで異存はないね?」
「ああ、いいぜ」
シクスの問いにユーイが応え、これでこのデュエルに対する誓約が完了した。
この世界では、デュエルは神聖な儀式だ。
それでもたらされる結果は絶対であり、一度誓約した事柄に反すれば天の怒りを買い、雷によって裁かれると言われている。
ユーイとシクスは十数メートルの距離を取り対峙する。
「 デュエル!! 」
ユーイ4000/シクス4000
お互いに精神を集中させ、体内に流れる魔力を高めていく。
この世界ではデュエルはただのカードゲームではない。
カードは実在するモンスターや魔法の力を閉じ込めた札であり、決闘者の魔力(ヘカ)を使いそれらを顕現させて闘う魔術に近い技法だ。
LPはお互いの現在保有する魔力量を4000として数値化したものであり、ダメージを受けるとその数値分の魔力を奪われることになる。
「先攻はボクだッ!」
デュエルの先攻後攻はその現有魔力量が多い方が先攻を取ることになる。
このデュエルに於いてはシクスの方が魔力量でユーイを上回っていたため、先攻がシクスとなった。
お互いに5枚のカードをデッキから抜き出し初手とする。
「まずはこいつで行くッ!《デーモンの騎兵》を召喚ッ!」
その5枚の手札からモンスターカードを1枚選び、魔力を注ぎ込むことでそのカードに封印されていた《デーモンの騎兵》を召喚する。
シクスのフィールドに馬の嘶きが響き、騎馬に跨がり巨大なランスを構えた悪魔が姿を現した。
デーモンの騎兵(OP1900)
《デーモンの騎兵》はレベル4の下級モンスターにしては高い攻撃力を持つ悪魔族のモンスターだ。
「更にカードを1枚伏せてターン終了」
シクスはもう1枚カードを場に伏せることで魔法か罠を備えて自分のターンを終えた。
次はユーイのターンだ。
「俺のターン! ドロー!」
ユーイはデッキからカードを1枚ドローし、手札を6枚とした。
後攻は最初のターン開始時にカードをドローすることができ、その分多くの選択肢を持って戦術を展開することができる。
(《デーモンの騎兵》の攻撃力は1900。残念ながら俺の手札にそれを上回る攻撃力のモンスターはいない。ならば・・・)
ユーイは手札から2枚のカードを選び魔力を込める。
「俺はモンスターを守備表示でセット。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
ユーイのフィールドに裏側のカードが2枚出現した。特段の動きはなく、これでユーイのターンは終わりだ。
シクスがふふんと鼻を鳴らす。
「威勢のわりにずいぶんと慎重なスタートじゃないか」
しかしユーイはそれには応えずシクスを見据えるだけだ。
「まぁいいさ。ボクのターンだ」
シクスがカードをドローし、すぐさま行動に移る。
「バトルをしかけさせてもらうッ!《デーモンの騎兵》でセットモンスターに攻撃だッ!」
フィールドのモンスターに魔力で指令を出し、ユーイのモンスターへの攻撃を促す。
《デーモンの騎兵》がランスを構えて突進してくる。
それを迎え撃つかのようにユーイのセットモンスターがリバースした。現れたのは剣士の格好をした凛々しい美青年だ。
翻弄するエルフの剣士(DP1200)
眉を潜めたのはシクス。
(てっきり守備力の高いモンスターを壁にしていると踏んでいたが、たかが守備力1200のモンスターだと?)
しかし《デーモンの騎兵》の攻撃はもう止まらない。
「その程度のモンスターで我がモンスターの攻撃が防げるとでも思ったかッ! 構わん、串刺しにしてやれッ!」
《デーモンの騎兵》は構わずランスの一撃を《翻弄するエルフの剣士》に向けて突き出す。
シクスの言葉通りその一撃は《翻弄するエルフの剣士》を見事に捉え、ランスがその胸に深々と突き刺さった。
しかしユーイはニッと笑む。
胸に風穴を開けられたと思われた《翻弄するエルフの剣士》の姿がまるで霧のように掻き消える。
「残念だったな、そいつは残像だ」
《翻弄するエルフの剣士》はやられてはいなかった。
その凛々しき立ち姿は健在、ユーイの傍らに妖艶な笑みを浮かべて侍ている。
「《翻弄するエルフの剣士》は攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されない。攻撃力1900以上のモンスター相手なら、どんなに固い壁モンスターよりもしぶといぜ」
「戦闘破壊耐性か。中々やっかいなしもべを従えてるじゃないか」
「だが―――」とシクス。
その表情に焦りはない。むしろ浮かんでいるのは余裕の笑みだ。
バッと左手を突き出す。
「この瞬間、罠カードを発動させるッ!」
シクスのフィールドに伏せられていたカードが反転した。
「罠カード《悪魔の受肉》!!」
その瞬間、フィールドに存在する2体のモンスターが下から徐々に黒く変色し始めた。まるで蠢く何かに侵食されていくようだ。
「これは・・・!」
「《悪魔の受肉》は互いのフィールドに表側表示で存在するレベル4のモンスターを1体ずつリリースすることで、手札からレベル8の悪魔族モンスターを特殊召喚する罠カードだッ! ボクはこのカードの効果で手札の最上級デーモンを特殊召喚するッ!」
「なにッ!?」
全身を真っ黒に染められたフィールドのモンスター達は、ずぶずぶと地面に沈み込むようにして溶けていった。
これで二人のフィールドにはもう彼らを守るモンスターはいない。
しかしユーイの顔色を変えたのはそれではなかった。
フィールドに禍々しい邪気が立ち込め始めたのだ。それは息苦しささえ覚えるほどの濃密で重い気配。それは明らかにシクスから放たれているものだった。
「供物の腑肉を喰らい、今こそ顕現せよ! レベル8!《戦慄の凶皇―ジェネシス・デーモン》!!」
シクスの魔力を存分に受け、彼の最強モンスターが姿を現した。
それは見上げるほどの巨体。禍々しい鎧のような体躯と血のように赤い瞳、そして漆黒の剣。まさに悪魔の王と呼ばれるに相応しい威風を備えた最上級モンスターだった。
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Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。
エルフの剣士などオリカよりも既存のOCGを重視したデュエル構成ですね。どういう手で勝つのか楽しみです。 (2017-12-15 20:12)
コメントありがとうございます!
タイタンと言えばデーモンでしょう!
登場カードは既存+オリカですね。デュエル構成は初めてなのでオリカないとできません(笑)
拙い部分が多いと思いますので温かい目でお願いします (2017-12-16 09:00)