第154話：星竜・2　作：光芒

☆TURN02（遊希）

（先攻1ターン目で攻撃力2500以上のモンスターが3体……）

　遊大のフィールドに並ぶのは攻撃力2800のオッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンと攻撃力2500の覇王眷竜ダーク・リベリオンの2体のXモンスターと攻撃力2500のオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン。P召喚の展開力を絡めたのもそうだが、最上級ラインの攻撃力を持った3体のドラゴンを並べてみせたプレイングに素直に感心した。

（アブソリュートはオーバーレイユニットを1つ取り除くことでモンスター1体の攻撃を無効にし、墓地のオッドアイズを特殊召喚することができる。そしてダーク・リベリオンは戦闘を行う時に相手モンスターの攻撃力を0にして自分の攻撃力に加算する……下手に攻めたところでこっちが手痛い反撃を受ける可能性が高いわね）

　更にアブソリュートにはX召喚された自身が墓地に送られることでEXデッキからオッドアイズ1体を特殊召喚することができる。これで特殊召喚時にモンスター1体をバウンスするオッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンを出されれば遊希にとっては痛いなどというレベルでは済まないだろう。

（そしてPゾーンにはオッドアイズが破壊されることでデッキ・手札・墓地からオッドアイズ1体を特殊召喚するアークペンデュラムとXモンスターにそのランク分のレベルを与える相克の魔術師。このターンでアブソリュートを撃破しなければ、次のターンには覇王烈竜が出てくるわね）

　覇王烈竜オッドアイズ・レイジング・ドラゴンの効果を一度でも通せば、3000オーバーの攻撃力と2回攻撃で遊希のライフは大きく削られる。このデュエルは遊大の成長を確かめるものでもあれば、自分が物にした精霊の力を奮うためのデュエルである。そのデュエルでワンショットキルを食らうことは遊希にとって到底許されることではなかったのだ。

（いきなりで申し訳ないけど、応えてちょうだい。私のデッキ……そして、光子竜！）
「私のターン、ドロー！！」

　遊希の手に握られたカード。それはまさに今の彼女自身と言っていいであろうカードであった。

「私は魔法カード、トレード・インを発動。手札のレベル8モンスター1体を墓地に送って2枚ドローするわ。そして魔法カード、増援を発動。デッキからレベル4以下の戦士族モンスター1体を手札に加える」

　遊希がトレード・インのコストにしたモンスターの姿はよく見えなかったが、そのモンスターが墓地に送られた瞬間、遊大の身体には一瞬ではあるが緊張感が走った。レベル8のモンスターということしかわからないが、精霊となった彼がそう感じるということはきっと強力なカードであることは言うまでもない。

「私がデッキから手札に加えるのは……《フォトン・スラッシャー》。そして自分フィールドにモンスターが存在しない場合、フォトン・スラッシャーは手札から特殊召喚できるわ！」

　空間を切り裂きながら現れたのは自らの身体くらいの大きさがある両手剣を持った青い戦士のようなモンスターだった。かつて遊希がその身に宿していた精霊・銀河眼の光子竜と同じ【光子（フォトン）】の名を持つカード。遊大が精霊界より現れた銀河眼の光子竜たちから受け取り、彼を通して遊希のところに戻ったデッキ―――【光子銀河】を為す一枚であった。

《フォトン・スラッシャー》
特殊召喚・効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻2100/守0
このカードは通常召喚できない。自分フィールドにモンスターが存在しない場合に特殊召喚できる。
(1)：自分フィールドにこのカード以外のモンスターが存在する場合、このカードは攻撃できない。

「そして私のフィールドにフォトンモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できるわ！ 現れなさい！《フォトン・バニッシャー》！」

《フォトン・バニッシャー》
特殊召喚・効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻2000/守0
このカードは通常召喚できない。自分フィールドに「フォトン」モンスターまたは「ギャラクシー」モンスターが存在する場合に特殊召喚できる。自分は「フォトン・バニッシャー」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1)：このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「銀河眼の光子竜」1体を手札に加える。
(2)：このカードは特殊召喚したターンには攻撃できない。
(3)：フィールドのこのカードを素材としてX召喚したモンスターは以下の効果を得る。●このカードが戦闘で破壊したモンスターは墓地へは行かず除外される。

「特殊召喚に成功したフォトン・バニッシャーの効果を発動するわ。デッキから《銀河眼の光子竜》1体を手札に加える」
「銀河眼の光子竜……」

　天都 遊希というデュエリストを象徴するカードが世界で彼女のみが所持するこの銀河眼の光子竜である。この光り輝く竜と共に幼い身で世界を相手に戦う彼女に多くの少年・少女が魅了された。

「……懐かしいわね。まさかまた光子竜と一緒に戦えるなんて。高海くんがこのデッキを受け取ってくれたおかげよ」
「俺としても遊希さんと言えば光子竜というイメージが強いですから。光子竜を駆っている遊希さんに勝たないと意味がないです」
「言うようになったわね、あなたも。でもそう簡単に勝たせてあげないわ！ 私はレベル4のフォトン・スラッシャーとフォトン・バニッシャーでオーバーレイ！ 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚！」

　2体のフォトンの名を持つモンスターの魂が一つとなって生まれたのは光子の力によって道を切り拓く1体の竜であった。

「“光子の世界を舞い踊る竜よ。輝く翼の力を以て、光の道を切り拓け！” 現れなさい《輝光竜フォトン・ブラスト・ドラゴン》！」

《輝光竜（きこうりゅう）フォトン・ブラスト・ドラゴン》
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/ドラゴン族/攻1800/守2500
レベル4モンスター×2
(1)：このカードがX召喚に成功した場合に発動できる。手札から「フォトン」モンスター1体を特殊召喚する。
(2)：X召喚したこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの攻撃力2000以上のモンスターは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(3)：相手ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から「銀河眼の光子竜」1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。

輝光竜フォトン・ブラスト・ドラゴン　DEF2500

　ランク4のXモンスターではあるが、攻撃力は素材となったフォトンモンスターたちを下回る1800。そのため遊希はこのフォトン・ブラスト・ドラゴンを守備表示でX召喚した。この守備力なら少なくともオッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃であれば受け止められる。

「エクシーズ召喚に成功したフォトン・ブラスト・ドラゴンの効果を発動。手札からフォトンモンスター1体を特殊召喚するわ」
「フォトンモンスター……まさか」
「そのまさかよ！ 私が特殊召喚するのは、ギャラクシーアイズかつフォトンモンスターでもある銀河眼の光子竜！！」

　遊希は左手を天高く掲げた。そしてその手には赤い十字架を象った物体が現れた。かつてプロデュエリストとして活躍していた頃の遊希は“精霊”の力が宿ったそのモンスターをデュエルで使用する際、その物体を天空へと放り投げていた。
　プロデュエリスト、天都 遊希の見せるそのポーズは彼女の代名詞として、同年代の少年少女デュエリストたちの間で流行となっていた。

《銀河眼の光子竜（ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン）》
効果モンスター
星8/光属性/ドラゴン族/攻3000/守2500
(1)：このカードは自分フィールドの攻撃力2000以上のモンスター2体をリリースして手札から特殊召喚できる。
(2)：このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップに、その相手モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターとフィールドのこのカードを除外する。この効果で除外したモンスターはバトルフェイズ終了時にフィールドに戻り、この効果でXモンスターを除外した場合、このカードの攻撃力は、そのXモンスターを除外した時のX素材の数×500アップする。

「銀河眼の光子竜はエクシーズキラーよ。このモンスターの前にエクシーズモンスターを並べたのはミスだったわね、高海くん」
「ですがアブソリュートの効果で攻撃は通させません！」
「そうね。あなたの目論見はアブソリュートの効果でこっちの攻撃を止めて次のターンで覇王烈竜をエクシーズ召喚し、こっちのフィールドを一掃すること。でも、フォトン・ブラスト・ドラゴンが存在する限り、私の攻撃力2000以上のモンスターは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。フォトン・ブラスト・ドラゴンを破壊できても、光子竜は生き残るわ」

　遊大が遊希が銀河眼の光子竜を使うのをよく知っているように、遊希もまた遊大の切り札が覇王烈竜であることをよく知っている。そのため彼女も覇王烈竜に対する手は当然打っていた。ただ、逆を返せばそれは遊希が遊大を対策を取る必要があるだけの存在と認めている証でもあるのだが。

「でも私はこのターンで状況をひっくり返してみせるわ。私は《銀河の魔導師》を通常召喚」

《銀河の魔導師（ギャラクシー・ウィザード）》
効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻0/守1800
(1)：1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。このカードのレベルをターン終了時まで4つ上げる。
(2)：このカードをリリースして発動できる。デッキから「銀河の魔導師」以外の「ギャラクシー」カード1枚を手札に加える。

「銀河の魔導師をリリースして効果を発動。デッキから魔導師以外のギャラクシーカード1枚を手札に加える。手札に加えるのは《銀河遠征》。そしてこの銀河遠征を発動」

《銀河遠征（ギャラクシー・エクスペディション）》
通常魔法
「銀河遠征」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1)：自分フィールドにレベル5以上の、「フォトン」モンスターまたは「ギャラクシー」モンスターが存在する場合に発動できる。デッキからレベル5以上の、「フォトン」モンスターまたは「ギャラクシー」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。

「自分フィールドにレベル5以上のフォトンまたはギャラクシーモンスターが存在する場合に発動できる。デッキからレベル5以上のフォトンまたはギャラクシーモンスター1体を守備表示で特殊召喚するわ。私が特殊召喚するのはレベル8の銀河眼の光子竜よ」

　遊希のフィールドに現れたのは2体目の銀河眼の光子竜。これで彼女のフィールドにはレベル8のモンスターが2体並ぶことになった。

「……ランク8のエクシーズ召喚ですか。遊希さんのデッキは確かランク8の選択肢も豊富でしたね」
「……違うわ」
「えっ？」
「私はこのターン、もうエクシーズ召喚はしない。ねえ高海くん、あなたも薄々と感付いているんじゃないかしら。トレード・インのコストで墓地へ送られたモンスターのことを」
「他のカードとは何かが違う。本能的にですが、そう感じていましたが……」
「トレード・インのコストとして墓地へ送られたのは……私自身よ。そして私の中に眠る“精霊”の力を解き放つ準備は整ったわ！！」





―――私は自分フィールドに存在する「銀河眼の光子竜」1体と光属性・ドラゴン族のモンスター1体をリリース！！―――





　遊希のフィールドの2体の銀河眼の光子竜が光となって消えていく。

「光子竜2体をリリース！？」
「このカードは通常召喚できず、自分フィールドに存在する銀河眼の光子竜と光属性・ドラゴン族のモンスター1体をリリースすることでのみ、手札・墓地・EXデッキから特殊召喚できるわ！！ さあ、目覚めなさい！ 私の中に眠る精霊の力！！」

　遊希のフィールドの上空にはリリースされて消えたはずの銀河眼の光子竜が悠然と立っていた。そんな銀河眼の光子竜は咆哮と共に自らの身体を激しく、そして眩く輝かせては全身に美しい水晶のような鎧を纏っていく。その姿はこのデュエルフィールドへと飛んできた遊希が変身していた竜と全く同一のものであった。










―――“銀河の瞳を持つ竜は星の力を宿した竜皇の力をその身に纏い、天界を守護する覇王として新生する。我が内に秘められし力、我が内に眠る精霊よ。蒼き光の竜となって降臨せよ！！”―――















―――《覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン》！！―――













　遊大がズァークの力を送り込んで遊希の命を救った時。遊希の中にあった【星龍皇】の力と銀河眼の光子竜によってもたらされた【ギャラクシーアイズ】【フォトン】【ギャラクシー】の力が、遊大の持つ【覇王】の力の下に紡がれた。そして生まれたのが人間・天都 遊希の精霊としての姿―――覇王と星龍皇、そして銀河眼の力を併せ持つ竜であった。



《覇王星竜（はおうせいりゅう）ドラグリステル・フォトン・ドラゴン》
ペンデュラム・特殊召喚・効果モンスター（オリジナルカード）
星8/光属性/幻竜族/攻3000/守3000
【Pスケール：青9/赤9】
(1)：Pゾーンのこのカードを破壊して発動できる。ゲームから除外されている「フォトン」または「ギャラクシー」と名のついたモンスター1体を選んで自分フィールドに特殊召喚する。「覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン」のP効果は1ターンに1度までしか発動できない。
【モンスター効果】
このカードはルール上「ギャラクシーアイズ」モンスターとしても扱う。このカードは通常召喚できず、自分フィールドに存在する「銀河眼の光子竜」1体と自分フィールドに存在する光属性・ドラゴン族のモンスター1体をリリースした場合にのみ、手札・墓地・EXデッキから特殊召喚できる。
(1)：このカードは1度のバトルフェイズ中に3回まで相手モンスターに攻撃できる。
(2)：？？？
(3)：？？？
(4)：このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。
「覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン」は自分フィールドに1体までしか存在できず、「覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン」の効果はそれぞれ1ターンに1度までしか発動できない。



「覇王星竜……」

　かつてこの世界にこれほどまで美しくも気高く、そして力強いモンスターは存在しただろうか。その姿を見た遊大は思わず言葉を失った。人としても美しい容貌をした遊希の精霊としての姿に相応しい存在ともいえる。

「高海くんのズァークの力が私の星龍皇の力と光子竜の力を一つにしてくれたからこのカードは生まれたの。だからあなたは私の命の恩人であると同時に生みの親でもあるのよね。だからあなたには感謝してもしきれないの。でも……それとデュエルは話は別。バトルフェイズに移行するわ！！」

　まるでサファイアの如く蒼く美しい竜が剣のような全身の鱗を逆立てて咆哮する。しかし、いくら精霊のカードと言えどもモンスターであることには変わりはない。

「覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンで覇王眷竜ダーク・リベリオンを攻撃！」
「ダーク・リベリオンを……？ ダーク・リベリオンの効果を発動します！ オーバーレイユニットを1つ取り除き、自身と戦闘を行うモンスター1体の攻撃力を0にしてその攻撃力を自身の攻撃力に加えます！」
「私が無策で突っ込んでくると本当に思っているわけ？ だったらまだまだ甘いわよ！ ダーク・リベリオンの効果にチェーンして覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンの効果を発動！！」

チェーン2（遊希）：覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン
チェーン1（遊大）：覇王眷竜ダーク・リベリオン

「チェーン2の覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンの効果！ 墓地のフォトンまたはギャラクシーカード1枚を除外することで、相手魔法・罠・効果モンスターの効果の発動を無効にする！ そしてこのターン、相手は無効にされたカードと同じ種類のカードの効果を発動することができなくなる！」

　覇王星竜より放たれた光の矢がダーク・リベリオンの胴を貫いた。力を封じられたダーク・リベリオンはガクリと眠ったように項垂れる。

「つまりこのターン、俺は……」
「全てのモンスターの効果を発動することができなくなる！ 覇王星竜よ、その光の刃で全てを断ち切りなさい！！ “覇王星断・銀河竜閃”！！」

　蒼い竜の形をした光の刃となった覇王星竜がダーク・リベリオンの身体を真っ二つに両断した。ダーク・リベリオンは断末魔の叫びをあげて光となって消えた。

覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン　ATK3000　VS　覇王眷竜ダーク・リベリオン　ATK2500（効果無効）

遊大　LP8000→LP7500

「っ！！」

　受けたダメージはわずか500である。しかし、精霊の攻撃だけあって500とは思えないだけの衝撃が遊大を襲った。

「まだよ！ 覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンは1度のバトルフェイズに3回までモンスターに攻撃できる！ 次の攻撃対象はペンデュラム・ドラゴン！ 覇王星断・銀河竜閃！！」）

覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン　ATK3000　VS　オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン　ATK2500

遊大　LP7500→LP7000

「アブソリュートの効果は発動できません。ですが、Pゾーンのアークペンデュラムの効果は発動できます！」
「ペンデュラムモンスターはPゾーンでは魔法カードとして扱う。一度モンスターの効果を無効にした覇王星竜ではその効果を止めることはできないわね」
「俺はデッキからオッドアイズ・ミラージュ・ドラゴンを守備表示で特殊召喚します！」
「ミラージュ・ドラゴンはPゾーンにオッドアイズカードが存在する場合、フィールドのオッドアイズを1ターンに1度だけ破壊から守ることができる。でも覇王星竜の効果は後からフィールドに現れたモンスターにも適用されるわ。よってこのターン、ミラージュ・ドラゴンはただのバニラモンスターにすきないということよ。さて3回目、オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴンに攻撃！」

覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン　ATK3000　VS　オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン　ATK2800

（俺はモンスターの効果を発動することができない。攻撃を止める効果はもちろん、アブソリュートが墓地に送られることでEXデッキからオッドアイズを特殊召喚する効果も……）
「私は覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンの更なる効果を発動するわ！」
「覇王星竜の効果！？」



《覇王星竜（はおうせいりゅう）ドラグリステル・フォトン・ドラゴン》
ペンデュラム・特殊召喚・効果モンスター（オリジナルカード）
星8/光属性/幻竜族/攻3000/守3000
【Pスケール：青9/赤9】
(1)：Pゾーンのこのカードを破壊して発動できる。ゲームから除外されている「フォトン」または「ギャラクシー」と名のついたモンスター1体を選んで自分フィールドに特殊召喚する。「覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン」のP効果は1ターンに1度までしか発動できない。
【モンスター効果】
このカードはルール上「ギャラクシーアイズ」モンスターとしても扱う。このカードは通常召喚できず、自分フィールドに存在する「銀河眼の光子竜」1体と自分フィールドに存在する光属性・ドラゴン族のモンスター1体をリリースした場合にのみ、手札・墓地・EXデッキから特殊召喚できる。
(1)：このカードは1度のバトルフェイズ中に3回まで相手モンスターに攻撃できる。
(2)：このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップにその相手モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターとこのカードをゲームから除外し、相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。この効果で除外したモンスターはバトルフェイズ終了時にフィールドに戻る。
(3)：魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した場合に発動できる。自分フィールド・墓地の「フォトン」または「ギャラクシー」カード1枚をゲームから除外し、その発動を無効にする。この効果の発動に対して、相手はカードの効果を発動することはできず、このターン、相手はこの効果で無効にしたカードと同じ種類のカードを発動することができない。
(4)：このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。
「覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン」は自分フィールドに1体までしか存在できず、「覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン」の効果はそれぞれ1ターンに1度までしか発動できない。



「覇王星竜の3つ目の効果！ このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップにその相手モンスター1体を対象として発動。その相手モンスターとこのカードをゲームから除外する！！」

　覇王星竜の刃がアブソリュートに触れようとしたその瞬間、2体のドラゴンの姿が消える。まさにそれはこのカードの進化前ともいえる銀河眼の光子竜を彷彿とさせるものであった。光子竜の効果はXモンスターを除外することでそのオーバーレイユニットの数×500ポイント自らの攻撃力を上昇させる効果であるが、覇王星竜の場合は違う。

「そしてこの効果で除外されたモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与えるわ！ “覇王星撃・龍皇波”！！」

遊大　LP7000→LP4200

「っ！！」
「バトルフェイズを終了。そしてこのバトルフェイズ終了時に除外された覇王星竜とアブソリュートは戻ってくる。最も一度フィールドを離れたことでアブソリュートのオーバーレイユニットは全て墓地へ送られてしまったけど。メインフェイズ2、私はカードを1枚セットしてターンエンドよ」
（わずか1ターンで戦線が崩壊させられるなんて……これが精霊の、遊希さんの力……）

　遊希と共にフィールドに悠然と存在する精霊・覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン。この精霊を越えてこそ、遊大は初めて遊希よりも強くなれたということを証明できるようになる。しかし、そんな彼の前に立ちはだかる壁は高く分厚かった。



遊大　LP4200　手札0枚
デッキ：32　モンスター：2（オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン ORU:0、オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン）魔法・罠：0　墓地：7　Pゾーン：青3（相克の魔術師）/赤8（オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン）除外：0　EXデッキ：13（1）
遊希　LP8000　手札2枚
デッキ：28　モンスター：2（覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン、輝光竜フォトン・ブラスト・ドラゴン ORU:2）魔法・罠：1　墓地：5　Pゾーン：青/赤　除外：0　EXデッキ：14（1）














☆後書き～覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴンについて


《覇王星竜（はおうせいりゅう）ドラグリステル・フォトン・ドラゴン》
ペンデュラム・特殊召喚・効果モンスター（オリジナルカード）
星8/光属性/幻竜族/攻3000/守3000
【Pスケール：青9/赤9】
(1)：Pゾーンのこのカードを破壊して発動できる。ゲームから除外されている「フォトン」または「ギャラクシー」と名のついたモンスター1体を選んで自分フィールドに特殊召喚する。「覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン」のP効果は1ターンに1度までしか発動できない。
【モンスター効果】
このカードはルール上「ギャラクシーアイズ」モンスターとしても扱う。このカードは通常召喚できず、自分フィールドに存在する「銀河眼の光子竜」1体と自分フィールドに存在する光属性・ドラゴン族のモンスター1体をリリースした場合にのみ、手札・墓地・EXデッキから特殊召喚できる。
(1)：このカードは1度のバトルフェイズ中に3回まで相手モンスターに攻撃できる。
(2)：このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップにその相手モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターとこのカードをゲームから除外し、相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。この効果で除外したモンスターはバトルフェイズ終了時にフィールドに戻る。
(3)：魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した場合に発動できる。自分フィールド・墓地の「フォトン」または「ギャラクシー」カード1枚をゲームから除外し、その発動を無効にする。この効果の発動に対して、相手はカードの効果を発動することはできず、このターン、相手はこの効果で無効にしたカードと同じ種類のカードを発動することができない。
(4)：このカードが相手によって破壊された場合に発動できる。このカードを自分のPゾーンに置く。
「覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン」は自分フィールドに1体までしか存在できず、「覇王星竜ドラグリステル・フォトン・ドラゴン」の効果はそれぞれ1ターンに1度までしか発動できない。


●設定
遊希の持っていた【星龍皇（ドラグリステル）】の力と彼女にかつて宿っていた《銀河眼の光子竜》ら【ギャラクシーアイズ】【フォトン】【ギャラクシー】の力が、遊大の持つ《覇王龍ズァーク》の力によって一つに集められたことで生まれた精霊。死の淵に瀕した遊希に精霊である遊大が力を注ぎこんだことで奇跡的に蘇生した遊希が精霊となった姿である。
　見た目は銀河眼の光子竜が全身を剣のように鋭く尖った水晶の鎧を纏ったようなものであり《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》のようなスマートなものに近い。光子竜の身体が青く輝いていることから、サファイアのような美しい青をしている。

●カードとして
特殊召喚のためには銀河眼の光子竜と光属性・ドラゴン族のモンスター1体を必要とするが、手札・墓地・EXデッキから特殊召喚が可能であり、レベル8なのでトレード・インのコストとして墓地へ送ってから墓地から蘇生ということも可能。ルール効果で「ギャラクシーアイズ」とも扱われるため、《銀河戦士》《銀河の魔導師》の効果でのサーチも可能。
銀河眼の光子竜を特殊召喚できる《輝光竜フォトン・ブラスト・ドラゴン》との相性は抜群であり、覇王星竜の効果で除外した銀河眼の光子竜をフォトン・ブラスト・ドラゴンの効果で帰還させることもできる。
仮に破壊されてもPゾーンに置くことができるため、P効果で除外されている銀河眼の光子竜を特殊召喚して自壊し、EXデッキに送ることで特殊召喚の補助が可能。
（仮にマスタールール4で運用する場合は《天球の聖刻印》をリリースすれば更なる展開にも繋げられる。PモンスターなのでEXデッキから特殊召喚された場合はEXゾーンに特殊召喚しなければならないが、自身の効果でフィールドを離れられるため、EXゾーンを空けるのは容易）。