第117話 染まる色を　作：こんにゃく

真っ白だ…何もない…

一騎『…』

一騎は真っ白な空間の中にいた、何もない何も見えない

ただただ永遠に続く真っ白を見続ける

俺には何もなかった、生まれた時の記憶なんて誰も持っていない…当たり前だ

だけど俺はそれさえも違う、生まれていい存在ではなかった

いやどうでもいい存在だったのかもしれない


もし、デキレストに来たばかりの俺がトウセンから『偽者』だと言われたらきっと俺は

『俺が偽者？なに言ってんだ！！俺は俺だ！』

と言っていただろう、だけど…俺はこのデキレストで知ってしまった

疑問に思ってしまったんだ、自分が何者かって

トウセンの記憶が覗く度に俺は俺でなくなっていく感覚があった

その度に遊姫やクーに助けてもらった

俺が俺でないのなら俺はトウセンなのか？

トウセン『お前は俺の偽物だ』

いや違う

トウセンの偽物…俺は…

…

一騎「俺は…」

トウセン「戦意を失ったようだな」

クーデリカ「一騎…っ！！」ｷｯ

トウセン「…何故睨むクーデリカ」

クーデリカ「当たり前じゃん…一騎が偽物…？」

トウセン「…そうだ」

クーデリカ「だからなに！？偽物はこの世界に存在しちゃいけないの！？」

トウセン「そうだ」

クーデリカ「っ！！？」

トウセン「一騎とは俺のレプリカだ、俺の代わりに俺としてデキレストで生活をしそしてファラリスの扉を開いた、全て俺の計画通りにな」

サーニャ「なんて…事を…！許せませんねっ！人の命を利用するとはっ！！」

トウセン「サーニャ、勘違いしているようだが一騎は『人』ではない…『物』だ」

トウセン「『偽者』ではなく『偽物』…『レプリカ』であり『人形』だ」

トウセン「その物に意思や感情はない、全て周りに合わせた『模倣』であり偽りの感情だよ」

トウセン「思い出や温かさ等は全てまやかし…人の真似事でしかなi」

クーデリカ「黙れ！！！」ﾄﾞﾝｯ!!

サーニャ「く、クーデリカ」ﾋﾞｸｯ

トウセン「…」

クーデリカ「お前が一騎を語るなよ！！一騎の何を知ってるんだよ！！」

トウセン「…俺はこいつのオリジナルだ知っているさ」

クーデリカ「…一騎の好きな食べ物はカレー…右の首筋にほくろがあって、抱きつくとすぐに顔が赤くなる」

トウセン「…」

サーニャ「一体何を言って…」

クーデリカ「誰よりも優しくって困っている人は放って置けなくて、無理なことでも自分なら出来るって思ってて…」

クーデリカ「あたしの事は放って置いてって言っても言うことを聞かなくて…死ぬかもしれないのに一緒にワームホールに飛び込んでくれて守ってくれて…」

クーデリカ「一騎は！！あんたと違う！！あんたはクロスピース計画と言いながら片方の世界を破壊しようとしてる！！でも！！！」

クーデリカ「一騎なら必ず！！『両方の世界を救う』って言うもん！！」

サーニャ「クーデリカ…ふふ…確かにそうですね…彼がトウセン…貴方の立場ならそう言うでしょう」

クーデリカ「あんたがオリジナルだろうが何だろうが一騎がレプリカだろうがそんな事どうでもいい！！あたしが好きになった一騎は…あたしの大好きって気持ちは『本物』で！あたしにとって一騎って言う存在が『本物』なんだ！！」ﾄﾞﾝｯ!!

トウセン「…戯れ言だな、クーデリカ…レプリカに抱く気持ちなんて全て偽り、『偽物』だよ」

クーデリカ「そんな事ない！！一騎！！目を覚まして！！こんな奴の言うことなんかいつもみたいに吹っ飛ばして！！」

一騎「…」


声が聞こえる、ああ、前にもこんなことがあった気がする

いつだったっけな…そうだ…トウセンの記憶に飲まれた時か

俺は俺でないのなら…トウセンでないのなら…何になればいい


その時だった

ピチョン…一騎の目の前、真っ白な地面に黒いインクのようなものが降り注ぐ

一騎『これは…？』ｽｯ

一騎がその黒い染みに触れる

一騎『うおっ！？』ｶｧｰｯ!!

一騎が触れた瞬間、それは黒から赤に変わる

…


このは『私の名前は黒霧このは、よろしくなのでござるですよ！』

これは…このはと初めて出会った時の記憶…

初めてこの世界に来たときは右も左も分からなかった、そんな時このはが…助けてくれたんだ

里の人達も優しくて明るくて…楽しかった

ユキ『一騎君のように僕も強くなりたいんですだから…だから連れていってください！！！』

そして…ユキが俺の旅に着いてきてくれた…新しい仲間ができて嬉しかったんだ

険しい道になる、そう思っていても誰かと一緒に旅ができると思ってワクワクしていたんだ

一騎の真っ白な空間に青色が追加されていく

ジェイド『良いだろう…デュエルで貴様からソロモンズを奪い取ってやる』

これはジェイドと初めて出会った時の…すげぇ強くって…負けて悔しくて

でもそれでもこの頃のアイツは妹の為に必死だったんだ…

それで今は…今だに口うるさいけど大切な俺の仲間だ

ユキ『それに一騎君の強さはデュエルだけじゃない…諦めない心…そして信じる強さでしょ！！』

ジェイドに負けて落ち込んでた時に助けてくれたのはユキだった

ユキが居なかったら今頃どうなってたか…


さらに一騎の白の空間に色が加わる


クーデリカ『手を離して！このままだと一騎まで吸い込まれちゃう！！』

ここは…俺とクーのデュエルで異世界の扉が開かれた時の…

この後吸い込まれてヤバイ状況になるけどクーと二人だったから乗り越えられたんだ

サーニャ『瞳の…いいでしょうサーニャも協力します』

サーニャとは初めは敵だった…けどすぐに協力できる仲間になった

通…遊姫…みんな…

俺は助けてもらってばかりだ、貰ってばかりだ

空っぽだったのかもしれない偽物なのかもしれない

だけど…俺が生きてきたことは…俺が積み重ねてきたことは

…

ﾊﾟｧｯ!!

一騎の周りが白から一瞬にして虹色に変わる

一騎『偽物なんかじゃあけして無い！！』

…

トウセン「…無駄なことを」

一騎「俺の…」ﾎﾞｿｯ

トウセン「む？」

クーデリカ「一騎…？」

一騎「タァァァンッ！！！」

手札1

サーニャ「一騎…！」

トウセン「…ほう…あの状況から立ち直ったのか」

一騎「まったく…クーには…いや…俺は皆に助けてもらってばかりだな…」

一騎「本当にありがとうな…クー…サーニャ…」

一騎「俺はもう自分を見失わない！自分の意思でお前を倒す！トウセン！！」

トウセン「…」

クーデリカ「一騎…良かった…」

一騎「俺は！ヘルトアイズ・ジャスティスドラゴンのもう１つの効果を発動！『このモンスターが融合アイズモンスターを素材としている時！１ターンに１度！エクストラデッキのアイズモンスター1体を選択しそのモンスターを除外しそのモンスターと同名カード扱いとなり同じ効果を使用できる！』」

一騎「俺はエクストラデッキのボンドアイズ・ブリッツ・ドラゴンを選択し除外する！」


ヘルトアイズ・ジャスティスドラゴン➡ボンドアイズ・ブリッツ・ドラゴン


一騎「ゆけ！！ヘルトアイズ・ジャスティスドラゴン！！トウセンにダイレクトアタック！！」

一騎「正義の聖槍！ジャスティス・グングニル！！！」

ｽﾞﾊﾞﾝｯ!!放たれた強大にして巨大な一撃は一直線に飛んでいく

トウセン「トラップ発動！『瞳の刻印（アイズ・ビッドマーク）』！！」

トウセン「このカードは『フィールドのアイズモンスター1体を選択しそのモンスターよりも攻撃力以上のモンスター全てを破壊し、破壊したモンスターの数だけし自分はデッキの上からカードを墓地に送る』」

トウセン「俺はお前のフィールドのヘルトアイズ・ジャスティスドラゴンを選択する」

クーデリカ「くっ…流石に一筋縄じゃいかないか…！」

一騎「ソイツは読めていた！！ヘルトアイズ・ジャスティスドラゴンが同名カードとなっているボンドアイズ・ブリッツ・ドラゴンのモンスター効果発動！『１ターンに１度！フィールドを破壊する効果が発動した時！その発動を無効にし！フィールドのモンスター1体をこのモンスターの元々の攻撃力分アップする！！』」


ヘルトアイズ・ジャスティスドラゴン
攻撃力2800➡5600


クーデリカ「攻撃力5600っ！？」

サーニャ「…これが決まれば…」

一騎「…」

トウセン「墓地の瞳の刻印（アイズ・ビッドマーク）の効果発動！『このカードが墓地に存在する時このカードを除外し手札のアイズモンスター1体をフィールドに特殊召喚する』」

トウセン「現れろ！アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン！！！」
手札3

アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン
攻撃力2500


クーデリカ「トウセンのフィールドにモンスターがっ！」

トウセン「ぐぅぅっ！！！」

ビガァァッ！！！

アンファングアイズに光の槍が突き刺さり爆発を起こす

トウセン「っく！！」
LP4000➡1400

サーニャ「耐えましたかっ！！」

一騎「…俺はカードを１枚セットしてターンエンド…ヘルトアイズ・ジャスティスドラゴンの攻撃力は元の数値へと戻る」

手札0

ヘルトアイズ・ジャスティスドラゴン
攻撃力2800

トウセン「お前は…お前は自分の意思と言ったな？」

一騎「ああ」

トウセン「それは紛い物だということに何故気づかない！！お前は俺の偽物！！そんな感情など初めからないのだ！！！」

一騎「それを決めるのはお前じゃねぇ！！」

トウセン「！！」

一騎「心がないだとか偽物だとかそんなのてめぇが決めることじゃねぇ！俺の心は俺が知っている！」

一騎「クーが…サーニャが…このはが…ジェイドが…通や遊姫…みんなが俺の支えで…俺の心に残ってる…」

一騎「それは紛れもない本物だ」

トウセン「…小賢しい…お前はこの世界に存在してはならないのだ！！！このデキレストとファラリスは前回の異世界の扉の解禁により同化が始まっている！！」

トウセン「そして！ファラリスの力で生まれた俺の分身のお前は同化に伴い俺とお前は同じ世界で生きることはできない！！」

トウセン「偽物は！！生きることを許さない！！！」

クーデリカ「そんな勝手なことをっ！！！」

トウセン「俺のターン！！！」

手札4

トウセン「見せてやろう！これが！本物の力と言うことを！！」

トウセン「偽物では本物に勝つことが不可能ということをな！！」

トウセン「俺は！魔眼の魔術師のもう１つのペンデュラム効果を発動！『もう片方のペンデュラムゾーンに魔術師カードが存在する時！１度だけスケールを１つアップさせる！』」

トウセン「これで魔眼の魔術師のスケールは8から9となった！」


魔眼の魔術師
スケール8➡9


クーデリカ「スケールが9って…まさかっ！！」

トウセン「俺のフィールドに…レベル2から8のモンスターが同時に召喚可能となった！！！ペンデュラム召喚！！！」

トウセン「現れろ！！レベル7！アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン！！！」


アンファングアイズ・リザレクション・ドラゴン
レベル7/光属性/ドラゴン族/スケール8
攻撃力2500/守備力2000


トウセン「同じくレベル7！真紅眼の黒竜（レッドアイズ・ブラックドラゴン）！！！」


レッドアイズ・ブラックドラゴン
レベル7/闇属性/ドラゴン族
攻撃力2400/守備力2000


トウセン「レベル8！！！『青眼の白龍（ブルーアイズ・ホワイトドラゴン）』！！！」


ブルーアイズ・ホワイトドラゴン
レベル8/光属性/ドラゴン族
攻撃力3000/守備力2000


一騎「レッドアイズにブルーアイズ…っ！！！お前…なんで…」

トウセン「…お前がどうしてこのブルーアイズを知っているのかは知らないが俺は全てのアイズを…瞳を司る瞳の一族」

トウセン「全てのアイズは俺の元に集まりその力を宿る…」

一騎「…」

トウセン「…同時にアイズモンスターを操る人間は選ばれし者だけだ」

一騎「…そうか」

一騎（よかった…俺の知っている海馬社長や城之内君は選ばれし者で別に偽物のカードだったとかそういう訳じゃなかったのか）

一騎「だとしてもコイツ…トウセンは…」

トウセン「そして…フィールドにレッドアイズとブルーアイズが存在する時、手札からこのモンスターを特殊召喚する！」

トウセン「現れろ！！『紫眼の偉大な灰竜（パープルアイズ・グレイトドラゴン）』！！！」


パープルアイズ・グレイトドラゴン
レベル7/闇属性/ドラゴン族
攻撃力2800/守備力2500


一騎「なっ！？」

クーデリカ「ドラゴンが…こんなに…！」

トウセン「パープルアイズが『この効果で特殊召喚に成功した時、レッドアイズ、ブルーアイズは戦闘、カードの効果で破壊されくなる』」

サーニャ「耐性を付与する効果とは…」

トウセン「更に！『パープルアイズは１ターンに１度！！ブルーアイズとレッドアイズが存在する時！相手モンスターを2体まで選択し！除外する！！』」

レッドアイズとブルーアイズの2体がパープルアイズの両サイドから強力なエネルギーを放つ

トウセン「吹き飛べ！ヘルトアイズ！！！」

クーデリカ「除外っ！！これじゃあヘルトアイズの効果を使うことが出来ないっ！！」

その瞬間一騎が伏せていたカードが光輝く

一騎「トラップ発動！！『ハーフアン・ブレイブ』！！！」

一騎「このカードは！『自分フィールドのモンスターの戦闘破壊または効果を無効にし！！このターン受ける自分がダメージを半分にする！！』」

ｷﾞｭﾙﾙﾙｯ!!!

その効果は光の盾が全て吸収し弾き飛ばす

一騎「俺はお前に負けない！！！このデュエル！！俺が勝つ！！！」ﾄﾞｸﾝｯ

一騎(あれ…なんだ…この感覚)

一騎の真っ白から虹色に変わったキャンバスに黒い色が染み出てくる

トウセン「強い意思…偽物…そんな事が許されるはずなど無い！！！」

お互いの瞳が輝いてく

譲れない、ここだけは譲れないからだ

クーデリカ「あれ…なんだろう…この感じ…」

サーニャ「どうかしましたか？」

クーデリカ「一騎…？」

一騎「俺は…お前を…倒す！！！」

トウセン「俺は…貴様を…打ちのめす！！！」

瞳の輝きが更に増していく

クーデリカ「なんだろう…いやな感じがする…あの二人のデュエルを…終わらせちゃ…ううん…決着をつけちゃ駄目な気がする…」

サーニャ「え？」

ｺﾞｺﾞｺﾞｯ!

サーニャ「なっ！？こ、今度はなんですか！？」

クーデリカ「遺跡が…揺れてる…っ！？」

ｺﾞｷｬﾝｯ‼

周りの壁や天井が崩れていく

サーニャ「これは不味いです！このままではサーニャ達もろとも瓦礫に押し潰されてしまいます！」

クーデリカ「一騎！！それにトウセンも！！このままデュエルを続けてたらあんた達も潰されちゃうよ！？そのデュエルを中断して！」

一騎「中断だと…？中断なんかさせない…ここでコイツを倒す！！！」

ヘルトアイズ「ゴァァァッ！！！」

トウセン「当然だ…お前を…偽物を葬るのはこの俺だ！！！」

アンファングアイズ「ガァァァッ！！！」

クーデリカ「一騎…？」

サーニャ「様子が…おかしい…です」

…

スピカ「っ！？」

ｺﾞｺﾞｺﾞｯ!

遊姫「な、なに！？」

リアン「ゆ、揺れてる！？」

トラクリボー『遺跡の防衛システムかしら…このままだと…』

スピカ「出口はこちらです」

遊姫「え？」

スピカ「貴方達は私の娘です…私達がこの世界に残した大切な…ここで消え行くべき命ではないはずです」

遊姫「…もし貴方達の敵になると言っても…？」

スピカ「その時は…その時でしょう…私達の目的は必ず成し遂げなければならない…その為なら…」

トラクリボー『スピカ…』

スピカ「急ぎましょう…このままでは押し潰されますよ！」

…

アビス『…世界には色がある』

シャウロン「あ？」

アビス『光が反射しそれが様々な色に見せるのだ…そしてそれは人間も…生きとし生ける生物も同じ』

アビス『…『奴』もまた様々な色を手に入れたようだ…だがその奥底には全ての光を奪う闇の『黒』が存在する』

アビス『それを取り払うことなど出来はしないのだ』

シャウロン「…はいはいそーですか…俺様には関係のない話だなそりゃあ」

アビス『…シャウロン』

シャウロン「あ？」

アビス『直に動くぞ』

シャウロン「分かってるぜ…ケケケッついに来るか…俺様の時代がよぉ」

…

一騎・トウセン「うぉぉぉっ！！！」ﾌﾞｫﾝｯ!!!

クーデリカ「一騎！！！」

サーニャ「不味いですね…これは…こうなったら…！！」

サーニャ「クーデリカ！」

クーデリカ「え？」

サーニャ「やりますよ…無理矢理にでも脱出します」

クーデリカ「う…うん！！！」

サーニャ「アサルト・ユナイト・ガール！！」

クーデリカ「グローブルアイズ！！」

2体のモンスターが華麗に現れる、それは崩れる瓦礫を吹き飛ばしながら一騎へと向かっていく

そしてアサルト・ユナイト・ガールが一騎を掴むと

クーデリカ「乗って！！」

クーデリカとサーニャが既にグローブルアイズの背にのっておりその後に一騎を抱えたアサルト・ユナイト・ガールが乗る

一騎「放せ！！！」

一騎「トウセン！！！俺と…俺と戦え！！！」

トウセン「望むところだ！！！一騎！！！」

互いの竜が周りを吹き飛ばしながら拮抗する

クーデリカ「一騎…！！」ｷﾞｭｯ

一騎「…え？」

クーデリカが一騎に抱きつく

クーデリカ「一騎…どうしちゃったの…？元に戻ったと思ったらまた…！」

一騎「クー…？お…俺は…」ｽｯ

一騎の瞳の光が消えていく

サーニャ「今度こそ元に戻った見たいですね…」

一騎「俺は…」

サーニャ「今は深く考えなくてもいいです…ここを抜けましょう」

一騎「あ、ああ」

…

スピカ「…」

ｺﾞｼｬｧｧ…

スピカ達がいた遺跡が崩れ去っていく

遊姫「ぎ、ギリギリだったわね」

リアン「あ、危なかったよ」

トラクリボー『スピカ…』

スピカ「始まりのソロモンズは渡しませんわ」

遊姫「あっ！そ、そうだよ！！始まりのソロモンズ！」

スピカ「渡しませんと言っているでしょう？」

遊姫「力ずくでもやってやるわ！！一騎との約束だもん！！」

スピカ「一騎…さん…彼もまた複雑な運命を辿ってきたのですね…」

遊姫「…え？」

スピカ「リナ…いえ…遊姫さん…貴方の友達である通さんはこの先必ず貴方達の敵になると言っておきましょう」

遊姫「…は？なんで通が…」

スピカ「それは彼が…」

…


通「よし！着いたな！！ここがレグリスって奴の遺跡か！！」

コレット「どうやらそのようだな」

キルヴィス「英雄レグリスか…俺の憧れの人物の遺跡…」

通「キルヴィスの憧れ…？」

キルヴィス「ああ、レグリス…エクサスで知らぬ者はいないだろう、今のエクサスを作り出したのは間違いなくレグリスのお陰だ」

コレット「レグリスはトウセンと共に世界に秩序と平和をもたらした男であり博愛に生きた人物とされる」

コレット「民衆から愛され親しまれ人のために自らを犠牲にしてでも体を張る男…私も憧れた人物だ」

コレットは目を輝かせながら言った

通「…そーかよ」

キルヴィス「おいおいそんな歴史の人物に嫉妬するなよ」

通「別にしてねぇ」

キルヴィス「してるだろぉ？」ﾆﾔﾆﾔ

通「だからしてねぇっての！！」

コレット(通は嫉妬してくれているのか///ふ//ふふふ///)ﾆﾔﾆﾔｧ

キルヴィス「とはいえそんな英雄もファラリス…つまり…俺達の敵になるって事だな…皮肉な事に」

通「レグリス…か」

コレット「そういえばレグリス…奴の姿はどんななんだ？」

通「前にファラリスがエクサス城に現れた時もそれらしい姿は無かったな…確かに…どんな奴なんだろう…レグリス」

通「ま、とりあえず中に入って見ようぜ」

コレット「それもそうだな、こんな所で立ち止まってなど要られないからな」

キルヴィス「俺達の目的は始まりのソロモンズ…ちゃっちゃと見つけてサクッと帰ろうぜ」

通「おう！」

…


続く


次回

通「これは！！なんだ！！？」

遺跡の番人「始まりのソロモンズを奪いたければ私を倒してみせよ」

通「この記憶…懐かしい…俺は」

コレット「通…？通っ！！！」

一騎「次回『英雄の記憶』一気に駆け上がれ！！」