第131話 対極の忍　作：こんにゃく

アルフレド「…君を倒して僕が僕になる！！」

このは「…それはどういう意味ですか？」

アルフレド「そのままの意味さ！僕は君に負けた…あの日から僕はアルフレドになったはずだったんだ…だけど違った…！！」

アルフレド「君という存在が僕を僕という存在にしないんだ！！だから！！君には消えてもらわなくちゃならないんだ！！」

このは「…発想が子供ですね」

アルフレド「…なに？」

このは「…お前が過去に何だったのだろうが私と…里で暮らした記憶は過去は消えない…」

このは「お前が私の弟だったという過去は消えたりしない！！」

アルフレド「いいや消える！！今！！ここでね！！君を倒して無かったことにするんだ！！僕のターン！！」
手札5


アルフレド「僕は手札から『畏怖怪物（スケアリーモンスターズ） デストロイ・オーガ』を召喚！」


デストロイ・オーガ
レベル4/闇属性/悪魔族
攻撃力1800/守備力1200


アルフレド「そして『フィールドの畏怖怪物（スケアリーモンスターズ）1体をリリースする事で手札から『畏怖怪物（スケアリーモンスターズ）スライムスワロー』を特殊召喚する！！』」


スライムスワロー
レベル5/水属性/悪魔族
攻撃力2200/守備力500


アルフレド「そして！！『フィールドから墓地へ送られたデストロイ・オーガの効果によりデッキからデストロイ・オーガ2体を特殊召喚する！！』」


デストロイ・オーガ
攻撃力1800


デストロイ・オーガ
攻撃力1800


アルフレド「更に！！スライムスワローの効果発動！『１ターンに1度！自分フィールドに同名モンスターが1組以上存在する時デッキからマジックカード１枚を手札に加える！』」
手札4


アルフレド「僕はレベル4のデストロイ・オーガ2体でオーバーレイ！！」

アルフレド「生物の恐怖と絶望を喰らいその身を邪悪に宿す鬼神！！ランク4！！『畏怖怪物（スケアリーモンスターズ） デビルズ・ハンニバル』！！」


デビルズ・ハンニバル
ランク4/闇属性/悪魔族/エクシーズ
攻撃力2500/守備力2000


このは「…エクシーズ…」

アルフレド「こいつは前座さ…君の調子を伺うね」

アルフレド「僕はこれでターンエンド…さ、君のターンだ」
手札4

このは「私のターン！」
手札6

このは「…何れにせよお前とはちゃんと話をつけたかった」

アルフレド「話？…話だと？僕は君と話をしたいわけじゃない…デュエルがしたいんだ！」

アルフレド「そして勝ち…僕が僕であることを証明する！！」

このは「自分が自分であることなんてそんなの分かりきってることなのですよ！！」

アルフレド「っ！」

このは「お前はアルフレドでありそして私の弟のもみじなのです！！」

アルフレド「それを僕は…僕は認めないと言っているんだよ！このは！！」

このは「相変わらず負けず嫌いというかなんと言うか…変わってませんよ…もみじは…」

このは「私は手札から永続魔法『妖怪忍法 誘われ花風』を発動し手札の『妖怪忍空 仙念入道』を召喚！」


仙念入道
レベル4/闇属性/獣族
攻撃力1500/守備力1000


このは「そして仙念入道の効果を発動し『仙念入道をデッキに戻しデッキからレベル４の妖怪忍空1体を特殊召喚する』」

アルフレド「だけど永続魔法の誘われ花風の効果で『デッキに戻る効果は手札に戻るんだろう？』」

このは「その通り、仙念入道はデッキにいかずそしてデッキからレベル4『妖怪忍空 風死ノ鎌鼬』を特殊召喚！」
手札4


風死ノ鎌鼬
レベル4/風属性/獣族
攻撃力1800/守備力600


アルフレド「そんなモンスターを出したところで…」

このは「『フィールドに妖怪モンスターが存在する時手札から『妖怪忍空 糸ノ鵺』を特殊召喚』！！」


糸ノ鵺
レベル4/闇属性/獣族
攻撃力1600/守備力1000


アルフレド「この流れ…」

このは「私はフィールドの風死ノ鎌鼬と糸ノ鵺でオーバレイ！漆黒の闇より出し妖怪よ！！四天を貫くその尾で全てを凪ぎ払え！エクシーズ召喚！！！ランク4！！現れよ！！『妖怪忍空！四天ノ狐（してんのきつね）』！！」


四天ノ狐
ランク4/闇属性/獣族/エクシーズ
攻撃力1800/守備力1600


アルフレド「…またその狐か…懲りないね」

このは「四天ノ狐の効果！『オーバレイユニットを１つ使い、デッキから妖怪忍空モンスター1体を手札に加える！』」
手札4

アルフレド「あっそう…それで？僕のデビルズ・ハンニバルを倒す準備は出来たの？」

このは「…私はカードを１枚セット…ターンエンド」
手札3

アルフレド「…何もしてこないのか」

このは「…忍者のデュエルとは…」

アルフレド「ん？」

このは「静を司り、静かにそして隠密に…」

アルフレド「…」

このは「そして黒霧の里では高みを目指し相手を覆すランクアップ…それこそが黒霧の里のデュエル」

アルフレド「…それが？」

このは「もみじは一番理解していると思うのですよ」

アルフレド「はっ！忍者の志をこの僕に問うのかい？意味がないね！そんな事になんの意味も！」

アルフレド「それに黒霧の里の志なんてどうでもいい！僕には僕の戦い方がある！！それを証明するために戦っているんだ！！僕のターン！！」
手札5

アルフレド「僕はフィールドのデビルズ・ハンニバルの効果発動！『オーバレイユニットを１つ使うことで手札、墓地、フィールドのモンスター1体を選択しそのカード以外のそのモンスターと同名のモンスター1体が手札、墓地に存在する時特殊召喚できる！』」

アルフレド「僕はスライムスワローを選択！手札から同じくスライムスワローを特殊召喚！！」


スライムスワロー
攻撃力2200


アルフレド「スライムスワローの効果によりデッキからマジックカード１枚を手札に加える…」
手札5

アルフレド「僕はレベル5のスライムスワロー2体でオーバーレイ！！」

アルフレド「気高き戦の狸よ、我が大いなる力を携え、迫る者共を焼き尽くせ！！エクシーズ召喚！ランク5！『妖怪忍童  牙楼風狸（がろうふうり）』！！」


牙楼風狸
ランク5/闇属性/獣族/エクシーズ
攻撃力2800/守備力2400


アルフレド「これで終わらせてあげるよ！デビルズ・ハンニバルで四天ノ狐を攻撃！！」

アルフレド「くらえっ！！！」

このは「手札から『妖怪忍空 無雨ノ唐笠』の効果！『相手が攻撃してきた時、このカードを特殊召喚しその攻撃を無効にするのでござるです！』」


無雨ノ唐笠（むさめのからかさ）
レベル1/水属性/悪魔族
攻撃力0/守備力0


アルフレド「それがどうしたっ！僕にはまだ牙楼風狸が残っている！！」

アルフレド「牙楼風狸！！四天ノ狐をやれ！！！」

ｽﾞｶﾞｶﾞｶﾞｯ!!

牙楼風狸
攻撃力2800

⬇

四天ノ狐
攻撃力1800


このは「ぐぅぅっ！」
LP4000➡3000

このは「この瞬間伏せてある『RUM（ラックアップマジック）アペレーションフォース』を発動！」

このは「『破壊されて墓地に送られた存在する妖怪エクシーズモンスター1体をランクの2つ高いモンスターにランクアップさせる！』」

このは「天明から授かりし盃に映る朧月！狐王の漁り火(いさりび)に燃え上がらせよ！！ランクアップ！！エクシーズチェンジ！ランク6！！！『妖怪忍空！！六尾白狐（むびびゃっこ）』！！」


六尾白狐
ランク6/闇属性/獣族/エクシーズ
攻撃力2700/守備力2400


アルフレド「ははっ！！そんな事…分かってたに決まっているだろう！！君がランクアップすることなんて！！僕は速攻魔法『RUM（ランクアップマジック） ラクーンフォース』を発動！」

アルフレド「『フィールドの妖怪忍童1体をランクアップさせる！！』」

アルフレド「誇り高き戦の狸よ…全てを統率し数多の戦場を切り開け！！ランクアップエクシーズチェンジ！！ランク6！！我が大いなる力！！『妖怪忍童 蛮皇守鶴（ばんこうしゅかく）』！！！」


蛮皇守鶴
ランク6/闇属性/獣族/エクシーズ
攻撃力3000/守備力2800


ｽﾞｶﾞｧｧﾝｯ

アルフレド「これでどうだ！！！蛮皇守鶏で六尾白狐を攻撃！！」


蛮皇守鶏
攻撃力3000

⬇

六尾白狐
攻撃力2700


アルフレド「烈風のアルケミストォォ！！！」


ｽﾞﾄﾞｫｫﾝｯ!!

このは「っくぅぅぅっ！！！」
LP3000➡2700

アルフレド「そして！！蛮皇守鶏の効果発動！『このカードが相手モンスターを破壊した時！そのモンスターを僕のフィールドに特殊召喚する！！』」


六尾白狐
攻撃力2700


アルフレド「六尾白狐！！その邪魔なモンスターを消し去れ！！」

アルフレド「セクス・ブラスタァァ！！」


六尾白狐
攻撃力2700

⬇

無雨ノ唐笠
守備力0


このは「っ！！」

アルフレド「…僕はカードを2枚セット…これでターンエンドだ」
手札2

アルフレド「君のモンスターは僕が奪った…君に勝ち目なんて無い」

このは「…それは…どうですかね」

アルフレド「何？」

このは「何時だって…お前は詰めが甘いのですよ…」

アルフレド「僕が…詰めが甘い…？はっ何を誰に向かって言っているんだよ」

アルフレド「僕は仙忍と呼ばれた男だ…君なんかよりずっと物事を知っている…その僕に言っているのか？」

このは「そうなのです…見せてあげましょう…私の…私達のデュエルをっ！！」
手札3


…


遊姫「…ここまで…」

遊姫の周りに黒い霧が迫ってきていた

トラクリボー『…アビス…本当にこの世界を…』

遊姫「ファラリスも…全部まとめて滅ぼそうとするなんて…」

トラクリボー『…まるで道化ね…あの子達は…』

遊姫「…それでも…あの人達…スピカさん達に他に方法は無かったんだと思う」

トラクリボー『…』

遊姫「アビスなんているかも分からない存在を気にしているより目の前でおこる悲劇を何とかして回避しなくちゃって…私でもきっとそうしたと思う…」

遊姫「真に許せないのはアビス…そんな人達を利用して悪事を働こうとしているなんて許せないの！」

トラクリボー『私も遊姫と一緒…そもそも私や精霊達を封じ込めたってだけでも彼には大きな借りがあるわ…それをきっちりと返さないとね』

遊姫「トラちゃん…うん…行こう」

トラクリボー『ええ』

…

ジェイド「…」ﾊﾞｼｭﾝｯ

ジェイドが触れると黒い霧が霧散する

ジェイド「これは…」

ファラリスの女性「あ、ありがとうございます！お陰で助かっております！！」

ジェイド「いや…」

ジェイドは黒い霧に襲われていたファラリスの人々をその自分の不思議な力で守っていた

ジェイド「…」

ミラ「気になるか？ジェイド」

ジェイド「…お前がここにいると言うことは…」

ミラ「そうさね…アリーシャは懸命に戦ったよ…」ｽｯ

ミラはダークマターアイズのカードを取り出す

ジェイド「…ならいい…アイツもその覚悟はあったはずだ」

ミラ「…その絆…妬いてしまいそうだ」

ジェイド「…お前はこの現象をどうみる」

ミラ「この黒い霧かい？そうだね…この現象はデキレストとファラリスで起こっている…少なくともこの2つの世界に隣接している世界にも影響が出ているだろうな」

ジェイド「…」

ミラ「これが崩壊と呼ばれる物であるなら…私は仕方ないと思っているさ」

ジェイド「仕方ないだと？」

ミラ「ふふっ…止める術はトウセン達が見つけてくれるだろうさ…私はお前と戦いたい」

ジェイド「…どうやらお前とは分かり合えないようだな」

…

このは「私は手札から妖怪忍空 仙念入道を召喚しその効果を発動！このカードをデッキに戻してデッキからレベル4以下の妖怪忍空1体を特殊召喚するのです！」

このは「勿論！誘われ花風の効果によりデッキに戻る効果は手札に戻るのです！」
手札3

このは「私はデッキから『妖怪忍空 面兎』を特殊召喚！！」


面兎
レベル1/闇属性/獣族
攻撃力0/守備力0


アルフレド「あん？そんなちっぽけなモンスターを出してどうするつもりなんだい？」

このは「こうするのです…面兎の効果発動！『このカードをデッキに戻し！相手フィールドのエクシーズモンスター1体を選択しそのコントロールを奪いますのです！！』」

このは「私は六尾白狐を選択！！」

アルフレド「何ぃ！？」

このは「お帰りなのです…そして！『コントロールを奪ったモンスターを素材としてランクの１つ高い妖怪忍空にランクアップさせます！！』」

このは「全てを照らすは希望の星、宇宙(そら)に輝く星七つ！！ランクアップエクシーズチェンジ！！ランク7！！！『妖怪忍空 七星黒狐』！！」


七星黒狐
ランク7/闇属性/獣族/エクシーズ
攻撃力2900/守備力2500


アルフレド「くっそ…っ！！！」

このは「七星黒狐が『妖怪忍空を素材としている場合！相手フィールドのモンスター全ての攻撃力を0にしてそのうちの1体の攻撃力分のダメージを相手に与えます！！』」


デビルズ・ハンニバル
攻撃力2500➡0


蛮皇守鶏
攻撃力3000➡0


このは「選択するのは蛮皇守鶏！！！これで3000のダメージなのです！！」

アルフレド「ちぃ！！こうなったら…手札の『エディオンズ・アサシン フランケン』の効果発動」

このは「そのモンスターはっ！？」

アルフレド「『このカードを手札から墓地に送り、戦闘、効果ダメージを無効にする！！』」
手札1

ｽﾞｶﾞｧｧﾝｯ!!

アルフレド「ふ、ふふっ…危なかった…もしやと思ってね…使えるカードは前のデッキから引き抜いておいたんだよ…」

アルフレド「どうやら正解だったみたいだね…」

このは「…」

アルフレド「僕は…この世界を守るんだ…今度こそ弟達を守るんだ！！」

アルフレド「君には分からないはずだ！！この気持ちが！！」

アルフレド「君は何千年もの間の僕の気持ちがわかるのかっ！！？」

…


アルフレド『シズク…』

タツフミ『お兄…シズクはまだ見つからないの？』

アルフレド『…ああ』

タツフミ『僕達はなんで年を取らないの？』

アルフレド『！！そ、それは…』

タツフミ『他の人達はみんな年を取って死んでいく…だけど僕達は…僕達は一回死んでるから？』

アルフレド『…すまない…でもきっとこの世界は素晴らしいんだ…そして必ずシズクを見つけて見せるさ』

タツフミ『…うん！』

だからこそ僕は足掻いた…この世界が滅ぶと知った時、僕達が生きるこの世界が滅ぶと知った時

僕達が生きる場所はここしかないんだ…

何千年と縛られてきた世界だけど生きていくのはここしかない！！

シズクもまだ見つかっていない…タツフミも限界だ

だけど真の平和を取り戻すためなら僕は…


トウセン『…なに？』

アルフレド『僕が行くよー』

トウセン『…』

シリウス『…アルフレド…その意味が分かっているのか？』

アルフレド『もしかしたら…僕達は転生することができず…この世界から消えるかもしれない…でしょ？』

シリウス『だったら…』

トウセン『いや…アルに任せよう』

シリウス『トウセン！』

トウセン『アルが決めたことだ…俺達がどうこう言える訳ではないし何よりこの作戦には結局誰かが行かなくてはならないからな』

シリウス『…』

アルフレド『トウセン…ありがとう』

レグリス『…私も連れていってもらおうか』

アルフレド『！レグリス！！』

トウセン『…レグリス…』

レグリス『なに…分かっているよ…だがトウセン…お前は七賢者のリーダーだ…リーダーが行っては誰が指揮をとる』

トウセン『…分かった』

レグリス『まぁ私達に任せておけ』

トウセン『…シャウロン』

シャウロン『分かってるよぉ…おら、レグリス、アルフレド…ついてこい』


アルフレド『それじゃ…レグリス…』

レグリス『…ああ』

ﾋﾞｭｫｫｫ

とてつもないエネルギーが崖の下に広がっている

アルフレド『お先に失礼するよ』

レグリス『…俺もあとから行く』

そして僕は…崖から身を投げた





ｵｷﾞｬｧ…ｵｷﾞｬｧ…

長老『おお…なんと元気な男の子じゃ…』

落葉『もう名前は決めているんですよ』

長老『おお！まことか！』

そしてベッドの上にはこのはを随分と大きくそして美しい女性へと育ったような人物がいた

長老『一葉殿が？』

その人物は僕の生みの親…

一葉『いえいえ…私でも落葉さんでもありませんよ』

長老『はて…では…』

ｽﾞﾀﾀﾀ…

猛スピードで近づいてくる音

ﾊﾞﾝｯ!!と勢いよく開くドア

このは『もみじ！もみじ！！！』

当時3歳のその少女は舌足らずな言葉遣いで僕の名前を呼んだ

長老『ほう…このはが名付けたのかのぉ…』

…


アルフレド「僕は振り払うんだ…過去を…残してきたファラリスの皆の為に…！！！」

アルフレド「そして何より負けた僕の意地のためにだ！！！」

このは「…」

アルフレド「さぁこいよ！！君の攻撃は残ってる！！僕はそれさえも乗り越え！！君という存在を消し…本当の僕へと戻るんだ！！！」

…


続く


次回



このは「本来の自分に戻るとは何なのですか！！」

アルフレド「僕がアルフレドに戻るって事だよ！！」

このは「…そうなのです…でも…私にとっては…！！！」

一騎「次回『姉弟の絆』一気に駆け上がれ！」



イラスト
一騎、このは、ユキ追加！