第9話 精獣の森 前半　作：こんにゃく

一騎「ふぁぁ…」スタスタ

このは「さっきから眠そうでござるなぁ」

一騎「だってよぉ朝起きたばっかだし昨日からずっと歩きっぱなしだぜ？」

このは「まったくいっきは体力が無さすぎるのでござるですやっぱり鍛えた方が良いのでござるよ」

ユキ「なら僕が稽古をつけてあげようか？」

一騎「忍者の修行とか俺死んじまうよ…」

このは「これから先はずっと歩くのでござるよ？そんなので大丈夫でござるか？」

一騎「大丈夫大丈夫歩くだけなら余裕だぜ」

ユキ「あっ！アレを見て」ﾋﾟｼｯ

一騎「ん？…アレは森？」

ユキ「うん、アレは精獣の森だね」

一騎「精獣の森？」

このは「精獣の森は精霊達と共に暮らす温厚な種族が暮らす森でござるよぉ」

ユキ「シンクリスを通ならここを抜けた方が良いね、それに森の中は意外と舗装されてるから安全だよ」

一騎「へぇ…それならさっさと抜けちまうか」

…

一騎「すげぇ…」

このは「そうでござろう？」

一騎「森の中だから暗いはずだけど…このキノコめっちゃ光ってる！！」

ユキ「これはホシタケだね、少しの光だけでも反応し青白い光を放つ綺麗なキノコだよ」

一騎「へぇぇすげぇな本当」

このは「そろそろでござるよなぁ」

一騎「えっ？何が？」

ガサガサ…バッ

一騎「うおっ！？」

うさぎ「…ﾜｯ！？」

一騎「…」

うさぎ「…」

一騎「うさぎ…？」

うさぎ「…ウ」

一騎「ウ？」

ウサギ「うにぁぁぁあああ！！？」ジタバタ

一騎「うぉぉぉ！！！喋ったぞ！？」

ウサギ「に…人間にぁぁ！！！？」

その場でグルグルと慌てふためき走り回るウサギ

このは「お…落ち着くでござるよ、私たちはなにもしないでござるよ」

ユキ「そうだよ僕達は君達の敵じゃない」

ウサギ「本当？」ピタッ

一騎「えっ？えっ！？」

ウサギ「君達は敵じゃない？」

このは「はいなのです！」

一騎「お…おいこのはなんでウサギが喋ってんだよ！」

このは「さっきも言ったでござろう？ここは精獣の森…精霊と共に暮らす精獣が暮らす森でござるよ」

一騎「つまりこのウサギが…」

ウサギ「ウサギではないのですよ！！私にはシュルトという立派な名前があります！！」

ユキ「えっと…それじゃあシュルトちゃん？」

シュルト「ちゃんはいらないです！！私は男ですので！！」

ユキ(…男なんだ…でも可愛い///)

一騎「…で？なんでお前らは人間にビビってんだ？」

シュルト「ヒッなんですか！あなたは！！目付き悪い！！怖い！！」シュバ

シュルトはこのはの胸に飛び込む

このは「いっきそんな顔で話したら怯えてしまうのです」ギュム

シュルト「えへへ…そうですよぉ(柔らかいし良い匂いですぅ)」

一騎「あぁそうかい悪かったな(このエロウサギが…)」

ユキ「怯えている理由はやっぱりエクサス…かな」

シュルト「そうです私達は元々ここの森で精霊達と共に生きてきましたしかしそこにエクサスの人達が来て」

一騎「襲われたってことか」

シュルト「そのせいで精霊達は消え私達の種族は人間不信となってしまったのです」

このは「そうでござるか… 」

シュルト「それに…今では私達の村の長であるエイリアスさんが人間達に報復すら考えています」

ユキ「なんだって！？」

一騎「おいおいエクサスにならまだ分かるが人間って…」

シュルト「最近は特にそういった勢力というか…過激派が増えている見たいです」

ユキ「…このはちゃん一騎君このままだと被害が出るかも」

一騎「…そうだな、なぁシュルト村に案内してくれるか？」

シュルト「えぇ！！？無理ですよ！！今人間を村に入れるなんて！！」

一騎「それでも他の人達が襲われるのを黙ってみてはいられない、話だけでもさせてくれないか？」

ユキ「一騎君…」

シュルト「うぅ…分かりましたついてきてください」

…

一騎「ここが…」

そこは木々に家々があり、ファンタジー世界によくある村の光景が広がっていた

一騎「本当に動物の見た目をしてるんだな」

そこには様々な動物の見た目をした二足歩行の生物が歩いていた

犬「！？シュルト！！どういうことだ！！なぜ人間がここに！！？」

シュルト「申し訳ありません！！けしてこの人達は悪い人間ではないのです！！」

犬「っ！俺はいいがエイリアス殿にバレればどうなるか…」

エイリアス「私に何かようかな？」

声の主は人間よりも２回りほど巨大な体を持つライオンの姿をした男だった


犬「っ！？エイリアス殿…」

シュルト「エイリアスさん！！あの…この人達は…そのエイリアスさんとお話がしたくて…」

エイリアス「私と…？人間と話すことなどはない」

このは「エイリアス殿、あなたと私達黒霧の里は昔より仲良くさせてもらっていたのです」

エイリアス「ほう…黒霧の所の娘か…」

このは「我々も２年前エクサスの人間達により襲われ大切なものを奪われましたしかしそこまでして排他的になるのはおかしいのでござるよ！」

エイリアス「人間は我々にとっては敵だたとえそれがエクサスだろうとなかろうと関係ない」

一騎「なに！？」

シュルト「わ…私もその考えには反対なのでして！さ…さすがにやりすぎなのでは？」

エイリアス「…」

バキッ！！

シュルト「うぁぁぁ！？」ドサッ

一騎「なっ！！？」

ユキ「シュルト君！！」

ユキはシュルトに駆け寄り抱き抱える。

一騎「てめぇ、シュルトは仲間じゃねぇのかよ！！」

エイリアス「軽率な言動は控えるんだなシュルト…言っておくが人間…貴様らも排除の対象だぞ？」

すると周りにはいつの間にか獣人に囲まれていた。

一騎「ってめぇ！！」

エイリアス「我々に逆らえばどうなるか思い知らせてやろう」

するとエイリアスの体からどす黒いオーラが現れる

このは「なっ…こ…これは」

一騎「まさか…！？」

ユキ「…間違いないよソロモンズだ…乗っ取られた僕だからよくわかる」

エイリアス「貴様らが最初の狩りの対象だ！！！」

一騎「だったら俺とデュエルだ！！！」

このは「いっき！？」

一騎「相手がソロモンズだったら尚更！！ここでアイツからソロモンズを引き離すチャンスじゃねぇか！！」

このは「で…でも」

ユキ「このはちゃん…一騎君なら大丈夫だよ…信じよう？」

このは「ユキ…分かったのです」

エイリアス「ほう…人間が私に挑むか…良いだろう受けてたつ！！」

一騎「行くぜ！デュエルディスクセット！！」ガシャン

一騎・エイリアス「デュエル！！！」
ライフ4000

一騎「先行は俺だ！！俺は手札からモンスターを裏側守備表示で召喚！！カードを１枚伏せてターンエンド！！」
手札3

エイリアス「ほう…」

一騎(伏せたのはＣ・豪傑の巨人…守備表示なら１度だけ破壊されないこれで…)

エイリアス「私のターン！！私は永続魔法『獣族の決闘(ビーストデュエル)』」

エイリアス「『この効果によりフィールドに存在するモンスターは全て攻撃表示となる』」

一騎「なに！！？」

このは「これではいっきのモンスターは！！」

エイリアス「お前のそのモンスターは攻撃表示だ！！」

Ｃ・豪傑の巨人

攻撃力1800

エイリアス「そして私は『反骨獣人ブロウウルフ』を召喚！」

ブロウウルフ 地属性 獣族 レベル4
攻撃力1800

エイリアス「ブロウウルフで豪傑の巨人を攻撃！！」

ユキ「攻撃力は同じ！相討ち狙い！！？」

エイリアス「そんなわけが無いであろう！！私は永続魔法獣族の決闘のさらなる効果！！」

エイリアス「『バトルをするモンスターは全て攻撃力が300アップする』！！」

ブロウウルフ
攻撃力2100

一騎「っうっぐぁぁぁあぁ！！」
ライフ4700

一騎「俺は罠カード！！『チェンジアップ』！！」

一騎「『この効果により豪傑のゴーレムは破壊されず攻撃力が300アップする！！』」

エイリアス「だが私は速攻魔法『セカンドパンチ』を発動！！」

エイリアス「これにより『相手は攻撃したモンスターの攻撃力の半分のダメージを受ける』！！」

一騎「うぉぉぉああぁぁ！！」ドサッ
ライフ2650

エイリアス「私はカードを１枚伏せてターンエンド」
手札3

一騎「うっく…」

エイリアス「私のデュエルはここからだぞ…」

後半へ続く