第25話 決戦前夜　作：こんにゃく

一騎「…」

時刻は午後9時を指していた。一騎、このは、ユキは近場にあったホテルに宿泊することに

もちろん今回は一騎は一人部屋、ユキとこのはで二人部屋となっている。

一騎はその部屋から見える夜景を眺めつつ思い更ける…

一騎(この街に遊姫がいる…本来ならこの世界じゃない別の世界俺達が住んでいた世界にいるはずの遊姫がここにいる…)

一騎はもう随分と遊姫に会っていない。それだけではないデュエルで命を落とすような世界に彼女がいるということがとても恐ろしかった。

一騎(それだけじゃない…ジェイドの言っていた)

…

ジェイド『シンクリス四王女…奴等には裏がある』

…

一騎(…ハートにはそんなに裏があるようには見えなかった、それどころか俺には…)

…

ハート『僕は皆を楽しませることが好きなんだ！』

…

スッと一騎はハーデストアイズを取り出す

一騎(俺には彼女が遊矢のように見えた…だけど実際ハートが掴み所が無かったのも事実…)

一騎(…シンクリス四王女…か)

…

このは「いっきはどうしたでござろうな」足パタパタ

ベットの上に寝転ぶこのは

ユキ「どうしたんだろうね？なんだか考え事をしていたみたいだったし」スッ

ユキはこのはの隣へ座る

このは「それにいつの間にかハートは消えていたのも気がかりでござるな」

ユキ「うん…僕達が気配も感じず姿を消せる人間なんて…そんな人はいない…はず」

このは「…明日いっきに聞いてみるのですよ」

ユキ「うん、そうだね」

…

シンクリス高層ビル屋上

ジェイド「…」

…

ハート『僕達シンクリス四王女と戦えるチャンスが…』

…

ジェイド「…」ｷﾞﾘｨ

…

ジェイド『レイナ！』

レイナ『あっお兄ちゃん！来てくれたんだ！』

ジェイド『当たり前だろ？それで？シンクリス向かうんだろ？』

レイナ『うん！アリーシャさんに色々と教えてもらわなくちゃ！』

ジェイド『ふふ…行ってこい、お前の夢のために』

レイナ『お兄ちゃんこそアリーシャさんに会わなくてもいいの？』

ジェイド『…な…なんでだ？』

レイナ『ウフフ…しーらない♪』

ジェイド『お…おい！レイナ！！』

…

ジェイド「…必ず俺は…お前を…！」

…

翌日…朝…

キルヴィス「起きろ通」

通「…ん？もう朝か…」

キルヴィス「どうやら今日のようだな」

通「ああ、結構この街を堪能したからな…そろそろ動けて楽しみだぜ」

キルヴィス「ふん、お前は飯を食い過ぎだ」

通「そういうお前だって食ってたじゃねぇか！！」

ｺﾝｺﾝ

キルヴィス「む？」

ダイヤ「入るぞ」

通「ダイヤじゃねぇか、どうした」

ダイヤ「話がある」

キルヴィス「ほぉうダイヤ殿が直接話とは…」

ダイヤ「貴様ではない」

キルヴィス「」

ダイヤ「通、貴様に話がある」

通「お…俺？」

ダイヤ「あぁ」

…

遊姫「ふぁぁ…良く寝た…この景色を見るのも慣れたものね…」

クローバー「遊ぅぅ姫ぃぃ！」バッ

遊姫「っ！クローバー！？」

ﾄﾞﾝｶﾞﾗｶﾞｯｼｬﾝ！

遊姫「ちょっちょっと！いきなり抱きつくのはやめなさいって！いつもいってるでしょう！？」

クローバー「そんなことより！今日だよ！今日！！」

遊姫「今日？」

クローバー「うち達主催のデュエル大会！フューチャーフレンドカップ！…の前夜祭！！」

遊姫「…ああ！そうだったわね！」

クローバー「ふっふっふ！遊姫！よろこべ！遊姫は特別席にご招待なんだよ！」

遊姫「特別席？」

クローバー「うむ！うちと一緒ってことよ！」ｷﾞｭﾑｩ

遊姫「だ…だから苦しいってば/」

クローバー「それにそれまで時間があるから今日も遊びにいこう！！」

遊姫「うーんクローバーってここ最近仕事したっけ？」

クローバー「？？？」

遊姫「…ダイヤさんに怒られるわよあんた…」

…

スペード「…」

ジョーカー『何を考えているんだい？』

スペード「！お母様！！」

ジョーカー『…今回のフューチャーフレンドカップはフュージニアとの交流を深めることが目的』

スペード「はい、分かっております…今の私達ではこれ以上エクサスに対抗できるすべはありませんの」

ジョーカー『だからこそ今、お互いに動けない今こそフュージニアと手を組むチャンスというわけだ』

スペード「はい」

ジョーカー『それに…エクサスはどうやらソロモンズを集めているからね…今回のフューチャーフレンドカップでフュージニアそしてシンクリスはたまたエクサス領土の人間が集まり力を競う』

スペード「その中には必ずソロモンズを使用する人間が…」

ジョーカー『そう…そこで我々、シンクリスの女王達の力…そして遊姫…彼女の力で集めてほしい…全てはエクサスを倒すため…そして』

スペード「我々の悲願のために…ですの」

ジョーカー『任せたよ…スペード…』
ｳｩﾝ

スペード「…私たちのために…ですの」

…
シンクリス…高速道路街灯上

ハート「うーんやっぱりここから見る景色はさいっこう♪♪」ｸﾞｨｰ

背伸びをしてリラックスをするハート


ハート「…それにしてもジェイドに…一騎…」

クスクスと笑うその少女は小悪魔のようにそして妖艶に…

ハート「これは一波乱がありそうで楽しみだ」ﾆﾔｧ

…

このは「いっき、そのフューチャーフレンドカップとはなんでござるか？」

一騎「ん？ああ昨日ハートから貰ったカードに書いてある」

このは「ふむふむ…」

ユキ「これって僕達も参加していいの？」

一騎「どうやらそうらしい」

このは「何はともあれ今夜この場所にいけば全てが分かるのでござるです」

一騎「そうだな、よっし！それまでこの街を堪能するぞ！！」

このは「やったぁでござるよぉ！」

ユキ「あっ僕行きたいところがあるんだけど…」

…

そして…


一騎「ここであってるよな？」

このは「そのようでござるな」

そこには巨大なドームがあった。そして沢山の人の山

一騎「もしかしてこれ全員が参加者？」

ユキ「か…可能性は否定できないよね」

一騎「よし、気を引き締めｔ」

ハート「やぁ～と来てくれたんだ☆待ってたよ☆」ｷﾞｭﾑｩ

一騎「おうっ！？」

瞬間、一騎の胸に衝撃が走ったその理由はハートが一騎の胸目掛けてダイブしてきたのだ

一騎「は…ハート！？」

ハート「もう待ってたんだよぉ？」

このは「…」

ユキ「ｱﾜﾜ…」ｱﾀﾌﾀ

ユキはこのはの殺意の波動にアタフタしていた。

ハート「まぁ来てくれたんだったらいいんだ☆」パッ

ユラリと一騎から離れる

一騎「…この大会にソロモンズが集まると言うのは本当か？」

ハート「…どうだろうね、面目上はフュージニアとの交流が第一だしそれに必ず集まるとは言えないじゃん？」

一騎「…それとジェイドのことなんだけど」

ハート「あれ？意外だねてっきり遊姫の事を聞くと思っていたんだけど」

一騎「ジェイドとは何かあったのか？」

ハート「……さぁ…どうだろう」

一騎「ジェイドはお前たちには裏があるって言っていた、俺には君がそうには見えない」

ハート「…ならそうなんじゃない？僕は隠すつもりは…ないよ」

一騎とハート…二人は静かに視線を交わす。

ハート「まぁこの大会で優勝すれば君は晴れてチャンピオンだ、君達に要求があれば快くそれを受けよう」

一騎「…」

ハート「君にとっては好都合なんじゃないかな？ソロモンズも集められるし…それにこの大会を優勝出来るくらいの実力じゃなきゃ…エクサスには勝てないんじゃない？」

一騎（確かに…俺はジェイドに負けた…理由は分からないがジェイドはこの大会に参加するだろう…）

一騎「俺はジェイドに勝たなくちゃならない…それにソロモンズだって危険なものだ…それを誰かが持っているとするのならば…俺はそれを回収したい！！」

ハート「なら来るといい、シンクリスの頂点へ」

そう言い放つと人混みに紛れ…ハートは消えた

このは「…なにやらただ事ではなくなったようでござるな」

一騎「ああ…エクサスに行く前に俺はやることが増えたみたいだ」

…

会場内

周りには人、人、人…各国の腕に自信がある猛者たちがある一点を見つめる。

そこにはライトアップされた舞台が１つ。

ハート「はーい♥ハートだよ☆」

会場が一気に盛り上がる

ジェイド「…」


通「おぉ…すげぇ盛り上がりだなぁ、おい」

キルヴィス「彼女は…」


クローバー「ここだよここ！」

遊姫「すごいわね…会場が見渡せるなんて…」

クローバー「あっほらあそこにハートがいる！」

遊姫「へぇーちゃんと司会進行できるのね…」



一騎（…）ﾁﾗｯﾁﾗ

このは「どうしたでござるか？いっき」

一騎「えっ？いや…遊姫はいないかなって…やっぱり見つからねぇか…」

ユキ「こんな人混みじゃぁ…あっ説明が始まるみたいだよ」


ハート「ではでは、明日から始まるフューチャーフレンドカップの説明をハートから説明させてもらうよ！」

バッと周りから紙吹雪が出現する

ダイヤ「まったく…無駄なものを仕込みおって…」

ハート「それではまずは皆さんにお配りしたパッドを見てくださ～い」

一騎達を含め、ここにいる会場の人間全てに小型のパッドが配られている。

ハート「これにはね明日から配信される対戦者とその場所が記される物だよ☆それを見ることによって対戦者そして対戦場所が分かるようになるんだぁ！」

ジェイド「…ふん」

ハート「そしてそして重要なのはここからこの大会ではまず予選をしてもらうよ！その予選が明日から3日間のものでよりデュエルに勝った比率を競ってもらうものだよ！」

このは「つまり負けてもいいですが」

ユキ「いっぱい勝てってことだね」

ハート「そして勝ち進んだ20名には決勝戦が待っているよ☆さぁ！勝ち進んで目指せ！シンクリスの頂点へ！！」

ｳｫｫｫ！！！…


ヴァイス「聞いたかよ」

暁「うん」

ヴァイス「デュエル大会なんて面白そうじゃねぇか！！たぎってきたぜぇ！」

暁「はいはい暑苦しいよ…もう…僕達の目的を忘れてない？」

ヴァイス「分かってるよ、奴等の監視とソロモンズの回収…だろ？」

暁「…そゆこと、それじゃあ…」ガシャン

ヴァイス「へっ」ガシャン

暁「僕達も動こうか…」ﾆﾔｧ

…

キルヴィス「通」

通「あ？」

通そしてキルヴィスは会場を後にし、近くの公園のような場所を通っていた。

キルヴィス「ダイヤからは何て言われたんだ？」

通「あっ？あぁ…朝のか…なんでもソロモンズを回収するのを手伝えだとよ」

キルヴィス「なんだと！？」

通「ソロモンズってたしかお前の弟のアイヴィスが使っていたあのカードだろ？」

キルヴィス「ソロモンズは危険なものだぞ！？それを回収しろとは…！！！」

通「なんでもスペードってやつが俺が適任だと言ったらしい」

キルヴィス「なんだと？」

通「キルヴィス…ソロモンズってのは危険なものなんだろ？俺はやるからには優勝するけど…それ以外でも危険だって分かっているものはほっておけない」

キルヴィス「通…」

通「そうと決まれば目指すは優勝！！それでシンクリスとも手を組んでソロモンズも回収して一石二鳥よ！！な！」

キルヴィス「ふ…ああそうだな、目指すぞ優勝を」

…

遊姫「…クローバー寝ちゃったか」

クローバー「スゥ・・・スゥ・・・」

遊姫「…」

トラクリボー『遊姫』

遊姫「トラちゃん…！？」

トラクリボー『眠れないの？』

遊姫「うん…少しね…考えていたの」

トラクリボー『…不安？』

遊姫「…うんでも私がんばる、クローバーもソロモンズを集めるって言ってたし…」

トラクリボー『ソロモンズ…このカードは人間にとっては毒…とてつもなく危険なカード…』

遊姫「だからこそ…頑張らなくちゃ…！」

トラクリボー『私は遊姫に従うわ…あなたをこの世界に導いたのは私達精霊…貴方が信じる道を私も行くわ…』

遊姫「トラちゃんってなんの目的で私を呼んだの？」

トラクリボー『…私達を解放してもらうため…かな』

遊姫「え？ 」

トラクリボー『私達は精霊界に閉じ込められている状況なのよ…』

遊姫「閉じ込められている？」

トラクリボー『えぇ…理由は外部からの何らかの干渉によりこの世界と精霊界の入り口が閉ざされてしまったの…』

遊姫「…もしかして」

トラクリボー『ソロモンズの影響ってことは分かっているわ…まぁそれ以上のこともわからないのだけれど…』

遊姫「そう…なんだ」

トラクリボー『今さら言うのもおかしいんだけど…私達を助けてほしいの…あなたの力で』

遊姫「…分かったわ…やってみる！」

…
翌日 早朝


一騎「…」ｸﾞｲｯ

一騎は朝早くから起床し、服装を整える。

一騎（よし、準備はOKだ、今日からか…）

一騎（俺にはやるべきことがある…ソロモンズを集めること…そして遊姫を見つけ出すこと…後は）

…

ジェイド『奴等には裏がある』

…

一騎「…裏…ね…いやまずは優勝することだ。これに勝てば俺がデュエリストとして成長したって証…エクサスに戦いを挑むのであれば越えなくちゃいけない壁なんだ…！」

その時だった、昨日貰ったパッドが音を鳴らす。

一騎「…俺の最初の相手ってことか…」

・鏡音 鏡太郎
…

一騎「よし！一気に行ってやるぜ！！」

続く

次回
一騎「遂に始まったフューチャーフレンドカップ、俺の最初の相手は鏡音 鏡太郎…って戦う相手は俺！？」

一騎「次回『戦う相手は自分自身！？鏡の魔術師！』一気に駆け上がれ！！」


歴代25話

・ 涙のデュエル フレンドカップ

・万丈目サンダー（前編）アームドドラゴンの脅威」

・「フォーチュンカップ ファイナル！孤高のキング ジャック･アトラス」

・時の訪れ　現われし3つの太陽

・不動の覚悟!!権現坂 昇
でしたー