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第18話 忍術と魔術、影と裏 その3 作:にしん
恵那「使うしか・・・ない、ですっ!お願いしますっ!」
恵那:手札2枚→1枚→3枚
デッキ→裏側除外:10枚
俺にはこの<強欲で貪欲な壺>を止める手段はないし、止める必要もない。罠封じの<ベリー>もいない今、この影に潜ませている忍術でなんとかなる。と確信しているからだ。さっきとは違い、100%の確信。正直どんなカードを引けど、俺の勝ちはほとんど決まっているようなもの。
恵那「・・・来ました。影を照らす光・・・!」
恵那さんが引いた2枚のカードを見て、結花たちや観客が盛り上がる。その反応に俺は確信していた勝利が揺らいだのを感じた。
恵那「まずは<再誕の天使レナ>を召喚・・・」
恵那:手札3枚→2枚
攻撃表示召喚>再誕の天使レナ
恵那「すーっ、はーっ・・・ふう、ふう・・・つ、次にその天使をリリース、魔法カード<Rebirth>を発動します・・・っ」
恵那:手札2枚→1枚
要「!!?」
<Rebirth>・・・<再誕(リバース)>。そのカード名が表すもの・・・そして即座に頭に浮かんだリバースの別の意味。逆転。反転。
・・・俺の反応を見てか、何故か結花と静流さんが俺のフィールドと墓地のカードを全てデッキに戻していた。俺は慌てて<Rebirth>の効果を見る。
―――
①:自分フィールド・墓地に「再誕」悪魔族モンスターが6種類存在し、自分フィールドから「再誕の天使レナ」1体をリリースした場合に発動できる。相手フィールド・墓地のカード全てをデッキに戻す。(オリカ側と若干の表現変更あり)
―――
要「消えた・・・!」
恵那「・・・わ、私はこれでターンエンドです。お兄さん、次どうぞ・・・っ」
恵那さんの切り札と思われる<Rebirth>を発動させたのにも関わらず、まだひどく緊張しているようだ。2の効果があるように見えたが、よく見ていなくて分からなかった。何が起ころうとしているのか。盛り上がるギャラリーをよそに俺と恵那さんは極限の緊張感に襲われていた。
ターン10終了
要
LP:7000
手札:5枚
モンスター:なし
魔法・罠:なし
フィールド魔法:なし
備考:墓地のカードなし
VS
恵那
LP:3400
手札:1枚
モンスター:マシュマロン(守備表示)、再誕の聖女ティアラ(守備表示)、再誕の使者エステル(守備表示)
魔法・罠:再誕の布施(永続魔法)
フィールド魔法:再誕の塔
【ターン11:要のターン】
要「このターン中に決めなければ俺が影に葬られる・・・というわけか」
要:手札5枚→6枚
メインフェイズを開始しようとした瞬間、恵那さんは突如立ち上がる。この様子にギャラリーも静まり返る。結花と瀬戸さんだけは不敵な笑みを浮かべていた。
恵那「お兄さん、スタンバイフェイズ終了時まで何もしない・・・です?」
要「あ、うん。いや、そうだ。主な作戦をこれから始めようとしていた所存・・・」
恵那「・・・なら、私は<ティアラ>と<エステル>をリリースし、私の本気・・・<覚醒の天使レナ>を特殊召喚です!」
恵那:手札1枚→0枚
攻撃表示特殊召喚>覚醒の天使レナ:星10:攻3000/守3500
イラストにはさっきリリースされた、自信なさそうな天使<レナ>が名前の通り“覚醒”したかのような神々しい姿で描かれていた。効果もびっしり。
恵那「私の勝ち・・・です。多分」
結花「覚醒レナちゃんキタコレ!」
静流「Sinノビのユージはこの子相手にどこまで抵抗できるのだろう・・・」
要「・・・ふむ」
そこにいるのは相手ターンに抑制しまくる<再誕>の切り札。恐らく何でも抑制してくるやばい奴なのだろう。だが俺の手札は6枚。そして有効なカードが沢山ある。
俺はまず汎用カードを手あたり次第に出してみる。
要「こうなれば忍の最終奥義・・・忍具旋風を使うしかない!まずは<二重召喚>!」
要:手札6枚→5枚
恵那「・・・はい」
要「<ブラックホール>!」
要:手札5枚→4枚
恵那「無効化します・・・!」
要「くっ・・・ならば<無風>参上、効果で忍具を手に影に潜む!」
要:手札4枚→3枚
攻撃表示召喚→裏側守備表示>影忍・無風:星2:攻800/守1100:仕込み1枚
恵那「通しますっ」
要「そして忍術<影忍法・忍び寄せの術>・・・」
要:手札3枚→2枚
恵那「ドロー&サーチを無効化します・・・!」
要「くっ・・・ならその仕込んだ忍具を<苦無>にする!」
要:手札2枚→1枚
影忍・無風>仕込み1枚→0枚
恵那:LP:3400→2400
要「・・・くっ、ここまでか・・・っ!」
残りの手札は<Sinサイバー・エンド・ドラゴン>。まさか大いなる存在が枷となるとは思ってもいなかった。だけどまだLPは7000ある。次の俺のターンでなんとかしなければ。
ターン11終了
要
LP:7000
手札:1枚
モンスター:影忍・無風(裏側守備表示)
魔法・罠:なし
フィールド魔法:なし
VS
恵那
LP:2400
手札:1枚
モンスター:マシュマロン(守備表示)、覚醒の天使レナ
魔法・罠:再誕の布施(永続魔法)
フィールド魔法:再誕の塔
【ターン12:恵那のターン】
恵那「・・・ドローします」
恵那:手札0枚→1枚
ここが正念場だと思ってもいい。相手ターンで動く恵那さんがこのターンに何をするかで俺の運命が決まる。気がする。もはや“Sinノビのユージ”をやっている余裕もなくなっていたが、恵那さんも、結花も、瀬戸さんも、観客も気にせずこのデュエルの行方を見ていた。
恵那「<貪欲な壺>で<レナ>3枚、<アイム>、<ベリー>をデッキに戻してシャッフル・・・2枚ドロー」
恵那:手札1枚→0枚→2枚
ここで天使と魔法&罠封じ要員を戻してきたか。さっきの<強欲で貪欲な壺>の影響で出やすくなっているのも厄介な点。
恵那「そして<布施>の効果で<再誕の覚醒>を捨てて1枚ドロー・・・<覚醒レナ>で守備表示の無風を倒してターンエンドです」
恵那:手札2枚→1枚→2枚
<覚醒の天使レナ>:攻撃力3000 VS 裏側守備表示→リバース<影忍・無風>:守備力1100
結果:<影忍・無風>破壊
ターン12終了
要
LP:7000
手札:1枚
モンスター:なし
魔法・罠:なし
フィールド魔法:なし
VS
恵那
LP:2400
手札:2枚
モンスター:マシュマロン(守備表示)、覚醒の天使レナ
魔法・罠:再誕の布施(永続魔法)
フィールド魔法:再誕の塔
【ターン13:要のターン】
要「ド、ドロー」
要:手札1枚→2枚
じっくり見させてもらったが、<覚醒レナ>の効果は2枚以上から。だから手札が少ない今のうちということらしい。
要「<斬水>を召喚、効果で仕込み・・・」
要:手札2枚→1枚
恵那「その手札消費に対して<ティアラ>特殊召喚で手札5枚に増やさせます」
恵那:手札2枚→1枚
攻撃表示召喚>影忍・斬水:星4:攻1900/守900
攻撃表示特殊召喚>再誕の聖女ティアラ:星8:攻1000/守3000
要:手札1枚→5枚
そして仕込み効果のタイミングを逃す。さっきの<貪欲な壺>で悪魔が再び現れることができたということか。覚醒レナだけでも大変なのに悪魔も出てこられたらもはや何もできなくなる。ここはまず手札肥やしのティアラを除去せねば。まずは適当なカードをセットしてティアラの耐性を削る。だけど・・・
要(覚醒レナ、魔法・罠をターン1で2回無効にしてくるし二重召喚使っても4枚以上だとアウトだからなぁ。ここはもう肉斬骨断の覚悟で行くしかないな)
要「1枚セットしてバトルフェイズ、<斬水>で<ティアラ>を攻撃!」
要:手札5枚→4枚
恵那「その攻撃する瞬間、私は<再誕の暴魔ヘラ>を特殊召喚してお兄さん1枚ドローですっ」
恵那:手札1枚→0枚
攻撃表示特殊召喚>再誕の暴魔ヘラ:星9:攻????→5000/守????→5000
要:手札4枚→5枚
要「なっ・・・!攻撃宣言がトリガーの悪魔もいたのか・・・!?」
恵那「<ヘラ>の攻撃力はお兄さんの手札×1000です。更に<ティアラ>もお兄さんの手札が5枚なので戦闘・効果破壊耐性を得ます」
要「くぅーっ」
<影忍・斬水>:攻撃力1900 VS <再誕の聖女ティアラ>:攻撃力1000
結果:戦闘ダメージ
恵那:LP:2400→1500
戦闘ダメージだけは入った。あとはとにかく被害を抑えなければ。
要「2枚セットしてターンエンド」
要:手札5枚→3枚
セットカード:1枚→3枚
再誕の暴魔ヘラ>攻5000→3000/守5000→3000
ターン13終了
要
LP:7000
手札:3枚
モンスター:影忍・斬水
魔法・罠:セットカード3枚
フィールド魔法:なし
VS
恵那
LP:1500
手札:0枚
モンスター:マシュマロン(守備表示)、覚醒の天使レナ、再誕の聖女ティアラ、再誕の暴魔ヘラ
魔法・罠:再誕の布施(永続魔法)
フィールド魔法:再誕の塔
【ターン14:恵那のターン】
恵那「ドローします」
恵那:手札0枚→1枚
恵那「<ハーピィの羽根箒>でお兄さんのそのセットカード全部吹き飛ばしますっ」
恵那:手札1枚→0枚
超強力故に常に制限となっている<ハーピィの羽根帚>。手札減らしに使ったセットカードは今はほとんど使い物にならない忍具。だけどあがくことはできる。
要「チェーンして<サイクロン>発動で<再誕の布施>を破壊!」
恵那「<覚醒レナ>の手札3枚以上の効果で無効です」
要「やっぱりか・・・」
チェーン1>ハーピィの羽根帚
チェーン2>サイクロン:対象>再誕の布施
チェーン3>覚醒の天使レナ
結果:要の魔法・罠ゾーン全破壊
手札を減らそうともティアラの効果で必ず3枚以上になってしまう。そしてその3枚以上は覚醒レナの魔法・罠を2回無効化する効果。そしておまけにドローやサーチする効果も2回無効化される。この状況、非常にまずい。
恵那「そしてヘラでその忍を攻撃し、他で直接攻撃です!」
<再誕の暴魔ヘラ>:攻撃力3000 VS <影忍・斬水>:攻撃力1900
結果:<影忍・斬水>戦闘破壊+戦闘ダメージ
要:LP7000→5100
<覚醒の天使レナ>:攻撃力3000 VS 直接攻撃
要:LP5100→2100
<再誕の聖女ティアラ>:攻撃力1000 VS 直接攻撃
要:LP2100→1100
要「や、やばいな・・・」
結花「おおっと、ついに“シノビのユージ”・・・改め“Sinノビのユージ”が負けてしまうのか!?」
静流「だけど“Sinノビのユージ”は次のドロー次第では逆転勝利もあり得る手札になっているわね」
恵那「えっ・・・!?」
要「バラすなバラすな」
そう。恵那さんの手札は0枚、俺の手札には<Sinサイバー・エンド・ドラゴン>に<影忍黙暗城>、<影忍・紫>。次のドローを含めて突破すべきは魔法・罠カードの発動2回無効だけ。だけどその無効効果も“できる”効果なのでティアラのドロー含めて必要なカードは2枚だけかつ2パターン。それはまず<Rebirth>でリセットされ、デッキに2枚入っている<影忍黙暗城>か1枚だけ入っている<神縛りの塚>もしくは<テラ・フォーミング>のフィールド魔法関連が合計2枚、そしてもう1つのパターンは<上影忍・神風>を引くことだ。
要「まぁいいか。恵那さん、次のターンで逆転勝利の確率はある・・・当時の俺、いや“オレ”にあったデスティニードローを見せてやる」
恵那「“シノビのユージ”・・・!」
昔、俺が九良市最強だったのは当時にあったそのデスティニードローが大半だと今では思っている。だからその“シノビのユージ”に本気でかかってきている恵那さんの前で俺はもしかしたらできるかもしれない。
ターン14終了
要
LP:1100
手札:3枚
モンスター:なし
魔法・罠:なし
フィールド魔法:なし
VS
恵那
LP:1500
手札:0枚
モンスター:マシュマロン、覚醒の天使レナ、再誕の聖女ティアラ、再誕の暴魔ヘラ
魔法・罠:再誕の布施(永続魔法)
フィールド魔法:再誕の塔
【ターン15:要のターン】
要「来い、オレの忍具・・・ドロー!」
要:手札3枚→4枚
<再誕の暴魔ヘラ>:ステータス変動省略
引いたカードは・・・<テラ・フォーミング>。それを見て俺は再び“シノビのユージ”化する。これが最後の“シノビのユージ”だ。オレは鋭い眼光(イメージ)を恵那さんに向ける。
恵那「!?」
結花「これは・・・もしや来た!?」
静流「最初のとは更に“シノビのユージ”らしい雰囲気・・・かも!」
そして静観していた加藤さんがいきなり立ち上がる。
加藤「この気配・・・本物の“シノビ”じゃ!!これはくるな・・・」
恵那「か、加藤さんまで!?」
要「オレの忍は必ず作戦を完遂させん・・・そのためには影城が不可欠。<影忍黙暗城>を場に表す・・・」
要:手札4枚→3枚
恵那「その発動を無効化します・・・!」
まずは1回。あと魔法・罠カードの発動を1回無効化させ、キーカードを引けばオレの勝ち。引けなければ負けだ。
要「ならば外の術・・・<テラ・フォーミング>で作成するのみ・・・!」
要:手札3枚→2枚
恵那「フィールド魔法を出そうとしている・・・手札に<Sinサイバー・エンド・ドラゴン>ありますね・・・そのテラフォも無効化です」
要「忍具2つになったことで聖女の効果で調達せん・・・」
恵那「えっ、ティアラの効果・・・あっ」
そう。ティアラの相手ドロー効果は永続効果かつ強制効果であり、覚醒レナのように任意ではない。それを利用させてもある。
要(当時を思い出せ、オレ・・・!!)
オレは手裏剣を川に平らな石に回転をかけて投げる時みたいに右手でデッキから1枚ドローする。そのカードに全員の視線が行く。だけど俺にはそのカードが影のように黒く・・・だけど、神々しい風を纏っているように感じた。
要「・・・影に潜む忍が、今動き出す」
その“シノビのユージ”らしいセリフを聞いた恵那さんは両手を口に当ててまさかという表情をしていた。そのまさかだ。オレは・・・デスティニードローした。
加藤さん「流石“シノビ”じゃ・・・やりおったわい」
結花&静流「キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!」
子供たち「おおーーー!!」
観客「うおおおお!」「神!!」「神引きした!?」「デスティニードロー・・・!」
狭い店内の空間が揺れるほどの歓声が上がる。
要「<無風>はその名の通り音も風も無く作戦を遂行する忍・・・最も忍者らしいとは言われるがな。だけど影に潜み、その風は神の風となって対象を必殺せんとす・・・」
恵那「まままま、まさかお兄さん・・・っ、引いちゃった・・・?」
要「<無風>を仕込みと共に影に潜ませ、その仕込みを利用して<上影忍・神風>現る・・・」
要:手札3枚→2枚→3枚→2枚→3枚(ドローはティアラの効果)
攻撃表示召喚→裏側守備表示:影忍・無風:星2:攻800/守1100:仕込み1枚→0枚
攻撃表示特殊召喚>上影忍・神風:星8:攻2600/守2500
神風の如くデッキから現れたこの忍に観客が今日一番盛り上がる。結花と瀬戸さんは何故かハイタッチをしていた。
恵那「そ、そんな・・・やっと、“シノビのユージ”に勝てそうだったのに・・・」
要「無風のように感じるが、その実、神にしか分からぬ風が吹いているからである・・・」
無風からの神ドローによる神風。この流れは“シノビのユージ”でもやったことのない展開だ。大抵<影忍法・忍寄せの術>や無風自身など忍で寄せていたものだ。
・・・だけど、あの頃のデスティニードローを今の俺は発現することができた。だけど、恵那さんの敗因はこのデスティニードローではない。
要「・・・んー、一つ間違えていなければ恵那さんが勝っていたかもな」
恵那「・・・えっ?」
突然きょとんとする恵那さん。突然また普通の“俺”に戻ったからだろうか。
要「勝利を確信して<ティアラ>を攻撃表示にしたままでしょ。<神風>の“特殊召喚効果”を知らずに」
恵那「あっ、あああああっ!?そういえばさっきはアドバンス召喚で出してた・・・!効果をよく見てなかったです・・・」
要「というわけで<神風>で<ティアラ>を攻撃。終了!」
<上影忍・神風>:攻撃力2600 VS <再誕の聖女ティアラ>:攻撃力1000
結果:<再誕の聖女ティアラ>破壊+戦闘ダメージ
恵那:LP1500→0
デュエル終了
要 遊二 WIN!!
LP1100
VS
桃井 恵那
LP 0
―――
ぱちぱちぱちぱちぱち・・・
再び歓声と拍手が起きる。どっと疲れた俺は椅子の背もたれに背中を預け、ずりずりと下がる。恵那さんはというと上の空という感じでぽかんとしていた。数秒後に首を振って真剣な顔になる。
恵那「・・・お兄さんっ」
要「ん?」
そして恵那さんの顔は満面の笑み。だけどわずかに涙を浮かばせていた。
恵那「その・・・デュエル、ありがとうございました・・・っ!感動しましたっ」
要「うむ。暇なとき限定だけどリベンジ待ってる。数年前みたいな気持ちいいデュエルだった」
恵那「は、はいっ」
結花&静流「ヒュ~ヒュ~」
・・・
熱きデュエルが終わり、俺の普段通りのモードに戻り、子供たちによるデュエル大会が予定通り行われた。終わる頃にはお外は真っ暗だった。
子供たちや親御さん含む観客、そしていつの間にか加藤さんも帰り、盛り上がっていたコンビニとカードショップに静寂が訪れた。
結花「突然だけど、明日土曜日だし、遊二の家で打ち上げしよー?というかするしかないっしょ」
要「なんだ藪から棒に」
静流「いいね。新“シノビのユージ”も見れたし、完全復帰祝いということで」
要「だから今日限りの復かt」
結花「もちろん大会主催者の恵那ちゃんもねっ☆」
恵那「えぇっ!?で、でもここが・・・」
おばあちゃん「やっと終わったみたいだねぇ。打ち上げとならばいってきんさい、恵那や。いつも通りわたしがおるて」
恵那「おばあちゃん・・・ありがとう」
片づけが終わり、俺と結花は帰路に就く。途中、結花が何やらにやにやしていた。
結花「ひっひっひ・・・」
要「あからさまに怪しい変な笑いをしている」
結花「明日の打ち上げ・・・面白いものを仕入れたのだよ。恵那ちゃんびっくりするかもねぇ、ひーっひっひ」
要「・・・嫌な予感しかしないが」
恵那:手札2枚→1枚→3枚
デッキ→裏側除外:10枚
俺にはこの<強欲で貪欲な壺>を止める手段はないし、止める必要もない。罠封じの<ベリー>もいない今、この影に潜ませている忍術でなんとかなる。と確信しているからだ。さっきとは違い、100%の確信。正直どんなカードを引けど、俺の勝ちはほとんど決まっているようなもの。
恵那「・・・来ました。影を照らす光・・・!」
恵那さんが引いた2枚のカードを見て、結花たちや観客が盛り上がる。その反応に俺は確信していた勝利が揺らいだのを感じた。
恵那「まずは<再誕の天使レナ>を召喚・・・」
恵那:手札3枚→2枚
攻撃表示召喚>再誕の天使レナ
恵那「すーっ、はーっ・・・ふう、ふう・・・つ、次にその天使をリリース、魔法カード<Rebirth>を発動します・・・っ」
恵那:手札2枚→1枚
要「!!?」
<Rebirth>・・・<再誕(リバース)>。そのカード名が表すもの・・・そして即座に頭に浮かんだリバースの別の意味。逆転。反転。
・・・俺の反応を見てか、何故か結花と静流さんが俺のフィールドと墓地のカードを全てデッキに戻していた。俺は慌てて<Rebirth>の効果を見る。
―――
①:自分フィールド・墓地に「再誕」悪魔族モンスターが6種類存在し、自分フィールドから「再誕の天使レナ」1体をリリースした場合に発動できる。相手フィールド・墓地のカード全てをデッキに戻す。(オリカ側と若干の表現変更あり)
―――
要「消えた・・・!」
恵那「・・・わ、私はこれでターンエンドです。お兄さん、次どうぞ・・・っ」
恵那さんの切り札と思われる<Rebirth>を発動させたのにも関わらず、まだひどく緊張しているようだ。2の効果があるように見えたが、よく見ていなくて分からなかった。何が起ころうとしているのか。盛り上がるギャラリーをよそに俺と恵那さんは極限の緊張感に襲われていた。
ターン10終了
要
LP:7000
手札:5枚
モンスター:なし
魔法・罠:なし
フィールド魔法:なし
備考:墓地のカードなし
VS
恵那
LP:3400
手札:1枚
モンスター:マシュマロン(守備表示)、再誕の聖女ティアラ(守備表示)、再誕の使者エステル(守備表示)
魔法・罠:再誕の布施(永続魔法)
フィールド魔法:再誕の塔
【ターン11:要のターン】
要「このターン中に決めなければ俺が影に葬られる・・・というわけか」
要:手札5枚→6枚
メインフェイズを開始しようとした瞬間、恵那さんは突如立ち上がる。この様子にギャラリーも静まり返る。結花と瀬戸さんだけは不敵な笑みを浮かべていた。
恵那「お兄さん、スタンバイフェイズ終了時まで何もしない・・・です?」
要「あ、うん。いや、そうだ。主な作戦をこれから始めようとしていた所存・・・」
恵那「・・・なら、私は<ティアラ>と<エステル>をリリースし、私の本気・・・<覚醒の天使レナ>を特殊召喚です!」
恵那:手札1枚→0枚
攻撃表示特殊召喚>覚醒の天使レナ:星10:攻3000/守3500
イラストにはさっきリリースされた、自信なさそうな天使<レナ>が名前の通り“覚醒”したかのような神々しい姿で描かれていた。効果もびっしり。
恵那「私の勝ち・・・です。多分」
結花「覚醒レナちゃんキタコレ!」
静流「Sinノビのユージはこの子相手にどこまで抵抗できるのだろう・・・」
要「・・・ふむ」
そこにいるのは相手ターンに抑制しまくる<再誕>の切り札。恐らく何でも抑制してくるやばい奴なのだろう。だが俺の手札は6枚。そして有効なカードが沢山ある。
俺はまず汎用カードを手あたり次第に出してみる。
要「こうなれば忍の最終奥義・・・忍具旋風を使うしかない!まずは<二重召喚>!」
要:手札6枚→5枚
恵那「・・・はい」
要「<ブラックホール>!」
要:手札5枚→4枚
恵那「無効化します・・・!」
要「くっ・・・ならば<無風>参上、効果で忍具を手に影に潜む!」
要:手札4枚→3枚
攻撃表示召喚→裏側守備表示>影忍・無風:星2:攻800/守1100:仕込み1枚
恵那「通しますっ」
要「そして忍術<影忍法・忍び寄せの術>・・・」
要:手札3枚→2枚
恵那「ドロー&サーチを無効化します・・・!」
要「くっ・・・ならその仕込んだ忍具を<苦無>にする!」
要:手札2枚→1枚
影忍・無風>仕込み1枚→0枚
恵那:LP:3400→2400
要「・・・くっ、ここまでか・・・っ!」
残りの手札は<Sinサイバー・エンド・ドラゴン>。まさか大いなる存在が枷となるとは思ってもいなかった。だけどまだLPは7000ある。次の俺のターンでなんとかしなければ。
ターン11終了
要
LP:7000
手札:1枚
モンスター:影忍・無風(裏側守備表示)
魔法・罠:なし
フィールド魔法:なし
VS
恵那
LP:2400
手札:1枚
モンスター:マシュマロン(守備表示)、覚醒の天使レナ
魔法・罠:再誕の布施(永続魔法)
フィールド魔法:再誕の塔
【ターン12:恵那のターン】
恵那「・・・ドローします」
恵那:手札0枚→1枚
ここが正念場だと思ってもいい。相手ターンで動く恵那さんがこのターンに何をするかで俺の運命が決まる。気がする。もはや“Sinノビのユージ”をやっている余裕もなくなっていたが、恵那さんも、結花も、瀬戸さんも、観客も気にせずこのデュエルの行方を見ていた。
恵那「<貪欲な壺>で<レナ>3枚、<アイム>、<ベリー>をデッキに戻してシャッフル・・・2枚ドロー」
恵那:手札1枚→0枚→2枚
ここで天使と魔法&罠封じ要員を戻してきたか。さっきの<強欲で貪欲な壺>の影響で出やすくなっているのも厄介な点。
恵那「そして<布施>の効果で<再誕の覚醒>を捨てて1枚ドロー・・・<覚醒レナ>で守備表示の無風を倒してターンエンドです」
恵那:手札2枚→1枚→2枚
<覚醒の天使レナ>:攻撃力3000 VS 裏側守備表示→リバース<影忍・無風>:守備力1100
結果:<影忍・無風>破壊
ターン12終了
要
LP:7000
手札:1枚
モンスター:なし
魔法・罠:なし
フィールド魔法:なし
VS
恵那
LP:2400
手札:2枚
モンスター:マシュマロン(守備表示)、覚醒の天使レナ
魔法・罠:再誕の布施(永続魔法)
フィールド魔法:再誕の塔
【ターン13:要のターン】
要「ド、ドロー」
要:手札1枚→2枚
じっくり見させてもらったが、<覚醒レナ>の効果は2枚以上から。だから手札が少ない今のうちということらしい。
要「<斬水>を召喚、効果で仕込み・・・」
要:手札2枚→1枚
恵那「その手札消費に対して<ティアラ>特殊召喚で手札5枚に増やさせます」
恵那:手札2枚→1枚
攻撃表示召喚>影忍・斬水:星4:攻1900/守900
攻撃表示特殊召喚>再誕の聖女ティアラ:星8:攻1000/守3000
要:手札1枚→5枚
そして仕込み効果のタイミングを逃す。さっきの<貪欲な壺>で悪魔が再び現れることができたということか。覚醒レナだけでも大変なのに悪魔も出てこられたらもはや何もできなくなる。ここはまず手札肥やしのティアラを除去せねば。まずは適当なカードをセットしてティアラの耐性を削る。だけど・・・
要(覚醒レナ、魔法・罠をターン1で2回無効にしてくるし二重召喚使っても4枚以上だとアウトだからなぁ。ここはもう肉斬骨断の覚悟で行くしかないな)
要「1枚セットしてバトルフェイズ、<斬水>で<ティアラ>を攻撃!」
要:手札5枚→4枚
恵那「その攻撃する瞬間、私は<再誕の暴魔ヘラ>を特殊召喚してお兄さん1枚ドローですっ」
恵那:手札1枚→0枚
攻撃表示特殊召喚>再誕の暴魔ヘラ:星9:攻????→5000/守????→5000
要:手札4枚→5枚
要「なっ・・・!攻撃宣言がトリガーの悪魔もいたのか・・・!?」
恵那「<ヘラ>の攻撃力はお兄さんの手札×1000です。更に<ティアラ>もお兄さんの手札が5枚なので戦闘・効果破壊耐性を得ます」
要「くぅーっ」
<影忍・斬水>:攻撃力1900 VS <再誕の聖女ティアラ>:攻撃力1000
結果:戦闘ダメージ
恵那:LP:2400→1500
戦闘ダメージだけは入った。あとはとにかく被害を抑えなければ。
要「2枚セットしてターンエンド」
要:手札5枚→3枚
セットカード:1枚→3枚
再誕の暴魔ヘラ>攻5000→3000/守5000→3000
ターン13終了
要
LP:7000
手札:3枚
モンスター:影忍・斬水
魔法・罠:セットカード3枚
フィールド魔法:なし
VS
恵那
LP:1500
手札:0枚
モンスター:マシュマロン(守備表示)、覚醒の天使レナ、再誕の聖女ティアラ、再誕の暴魔ヘラ
魔法・罠:再誕の布施(永続魔法)
フィールド魔法:再誕の塔
【ターン14:恵那のターン】
恵那「ドローします」
恵那:手札0枚→1枚
恵那「<ハーピィの羽根箒>でお兄さんのそのセットカード全部吹き飛ばしますっ」
恵那:手札1枚→0枚
超強力故に常に制限となっている<ハーピィの羽根帚>。手札減らしに使ったセットカードは今はほとんど使い物にならない忍具。だけどあがくことはできる。
要「チェーンして<サイクロン>発動で<再誕の布施>を破壊!」
恵那「<覚醒レナ>の手札3枚以上の効果で無効です」
要「やっぱりか・・・」
チェーン1>ハーピィの羽根帚
チェーン2>サイクロン:対象>再誕の布施
チェーン3>覚醒の天使レナ
結果:要の魔法・罠ゾーン全破壊
手札を減らそうともティアラの効果で必ず3枚以上になってしまう。そしてその3枚以上は覚醒レナの魔法・罠を2回無効化する効果。そしておまけにドローやサーチする効果も2回無効化される。この状況、非常にまずい。
恵那「そしてヘラでその忍を攻撃し、他で直接攻撃です!」
<再誕の暴魔ヘラ>:攻撃力3000 VS <影忍・斬水>:攻撃力1900
結果:<影忍・斬水>戦闘破壊+戦闘ダメージ
要:LP7000→5100
<覚醒の天使レナ>:攻撃力3000 VS 直接攻撃
要:LP5100→2100
<再誕の聖女ティアラ>:攻撃力1000 VS 直接攻撃
要:LP2100→1100
要「や、やばいな・・・」
結花「おおっと、ついに“シノビのユージ”・・・改め“Sinノビのユージ”が負けてしまうのか!?」
静流「だけど“Sinノビのユージ”は次のドロー次第では逆転勝利もあり得る手札になっているわね」
恵那「えっ・・・!?」
要「バラすなバラすな」
そう。恵那さんの手札は0枚、俺の手札には<Sinサイバー・エンド・ドラゴン>に<影忍黙暗城>、<影忍・紫>。次のドローを含めて突破すべきは魔法・罠カードの発動2回無効だけ。だけどその無効効果も“できる”効果なのでティアラのドロー含めて必要なカードは2枚だけかつ2パターン。それはまず<Rebirth>でリセットされ、デッキに2枚入っている<影忍黙暗城>か1枚だけ入っている<神縛りの塚>もしくは<テラ・フォーミング>のフィールド魔法関連が合計2枚、そしてもう1つのパターンは<上影忍・神風>を引くことだ。
要「まぁいいか。恵那さん、次のターンで逆転勝利の確率はある・・・当時の俺、いや“オレ”にあったデスティニードローを見せてやる」
恵那「“シノビのユージ”・・・!」
昔、俺が九良市最強だったのは当時にあったそのデスティニードローが大半だと今では思っている。だからその“シノビのユージ”に本気でかかってきている恵那さんの前で俺はもしかしたらできるかもしれない。
ターン14終了
要
LP:1100
手札:3枚
モンスター:なし
魔法・罠:なし
フィールド魔法:なし
VS
恵那
LP:1500
手札:0枚
モンスター:マシュマロン、覚醒の天使レナ、再誕の聖女ティアラ、再誕の暴魔ヘラ
魔法・罠:再誕の布施(永続魔法)
フィールド魔法:再誕の塔
【ターン15:要のターン】
要「来い、オレの忍具・・・ドロー!」
要:手札3枚→4枚
<再誕の暴魔ヘラ>:ステータス変動省略
引いたカードは・・・<テラ・フォーミング>。それを見て俺は再び“シノビのユージ”化する。これが最後の“シノビのユージ”だ。オレは鋭い眼光(イメージ)を恵那さんに向ける。
恵那「!?」
結花「これは・・・もしや来た!?」
静流「最初のとは更に“シノビのユージ”らしい雰囲気・・・かも!」
そして静観していた加藤さんがいきなり立ち上がる。
加藤「この気配・・・本物の“シノビ”じゃ!!これはくるな・・・」
恵那「か、加藤さんまで!?」
要「オレの忍は必ず作戦を完遂させん・・・そのためには影城が不可欠。<影忍黙暗城>を場に表す・・・」
要:手札4枚→3枚
恵那「その発動を無効化します・・・!」
まずは1回。あと魔法・罠カードの発動を1回無効化させ、キーカードを引けばオレの勝ち。引けなければ負けだ。
要「ならば外の術・・・<テラ・フォーミング>で作成するのみ・・・!」
要:手札3枚→2枚
恵那「フィールド魔法を出そうとしている・・・手札に<Sinサイバー・エンド・ドラゴン>ありますね・・・そのテラフォも無効化です」
要「忍具2つになったことで聖女の効果で調達せん・・・」
恵那「えっ、ティアラの効果・・・あっ」
そう。ティアラの相手ドロー効果は永続効果かつ強制効果であり、覚醒レナのように任意ではない。それを利用させてもある。
要(当時を思い出せ、オレ・・・!!)
オレは手裏剣を川に平らな石に回転をかけて投げる時みたいに右手でデッキから1枚ドローする。そのカードに全員の視線が行く。だけど俺にはそのカードが影のように黒く・・・だけど、神々しい風を纏っているように感じた。
要「・・・影に潜む忍が、今動き出す」
その“シノビのユージ”らしいセリフを聞いた恵那さんは両手を口に当ててまさかという表情をしていた。そのまさかだ。オレは・・・デスティニードローした。
加藤さん「流石“シノビ”じゃ・・・やりおったわい」
結花&静流「キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!」
子供たち「おおーーー!!」
観客「うおおおお!」「神!!」「神引きした!?」「デスティニードロー・・・!」
狭い店内の空間が揺れるほどの歓声が上がる。
要「<無風>はその名の通り音も風も無く作戦を遂行する忍・・・最も忍者らしいとは言われるがな。だけど影に潜み、その風は神の風となって対象を必殺せんとす・・・」
恵那「まままま、まさかお兄さん・・・っ、引いちゃった・・・?」
要「<無風>を仕込みと共に影に潜ませ、その仕込みを利用して<上影忍・神風>現る・・・」
要:手札3枚→2枚→3枚→2枚→3枚(ドローはティアラの効果)
攻撃表示召喚→裏側守備表示:影忍・無風:星2:攻800/守1100:仕込み1枚→0枚
攻撃表示特殊召喚>上影忍・神風:星8:攻2600/守2500
神風の如くデッキから現れたこの忍に観客が今日一番盛り上がる。結花と瀬戸さんは何故かハイタッチをしていた。
恵那「そ、そんな・・・やっと、“シノビのユージ”に勝てそうだったのに・・・」
要「無風のように感じるが、その実、神にしか分からぬ風が吹いているからである・・・」
無風からの神ドローによる神風。この流れは“シノビのユージ”でもやったことのない展開だ。大抵<影忍法・忍寄せの術>や無風自身など忍で寄せていたものだ。
・・・だけど、あの頃のデスティニードローを今の俺は発現することができた。だけど、恵那さんの敗因はこのデスティニードローではない。
要「・・・んー、一つ間違えていなければ恵那さんが勝っていたかもな」
恵那「・・・えっ?」
突然きょとんとする恵那さん。突然また普通の“俺”に戻ったからだろうか。
要「勝利を確信して<ティアラ>を攻撃表示にしたままでしょ。<神風>の“特殊召喚効果”を知らずに」
恵那「あっ、あああああっ!?そういえばさっきはアドバンス召喚で出してた・・・!効果をよく見てなかったです・・・」
要「というわけで<神風>で<ティアラ>を攻撃。終了!」
<上影忍・神風>:攻撃力2600 VS <再誕の聖女ティアラ>:攻撃力1000
結果:<再誕の聖女ティアラ>破壊+戦闘ダメージ
恵那:LP1500→0
デュエル終了
要 遊二 WIN!!
LP1100
VS
桃井 恵那
LP 0
―――
ぱちぱちぱちぱちぱち・・・
再び歓声と拍手が起きる。どっと疲れた俺は椅子の背もたれに背中を預け、ずりずりと下がる。恵那さんはというと上の空という感じでぽかんとしていた。数秒後に首を振って真剣な顔になる。
恵那「・・・お兄さんっ」
要「ん?」
そして恵那さんの顔は満面の笑み。だけどわずかに涙を浮かばせていた。
恵那「その・・・デュエル、ありがとうございました・・・っ!感動しましたっ」
要「うむ。暇なとき限定だけどリベンジ待ってる。数年前みたいな気持ちいいデュエルだった」
恵那「は、はいっ」
結花&静流「ヒュ~ヒュ~」
・・・
熱きデュエルが終わり、俺の普段通りのモードに戻り、子供たちによるデュエル大会が予定通り行われた。終わる頃にはお外は真っ暗だった。
子供たちや親御さん含む観客、そしていつの間にか加藤さんも帰り、盛り上がっていたコンビニとカードショップに静寂が訪れた。
結花「突然だけど、明日土曜日だし、遊二の家で打ち上げしよー?というかするしかないっしょ」
要「なんだ藪から棒に」
静流「いいね。新“シノビのユージ”も見れたし、完全復帰祝いということで」
要「だから今日限りの復かt」
結花「もちろん大会主催者の恵那ちゃんもねっ☆」
恵那「えぇっ!?で、でもここが・・・」
おばあちゃん「やっと終わったみたいだねぇ。打ち上げとならばいってきんさい、恵那や。いつも通りわたしがおるて」
恵那「おばあちゃん・・・ありがとう」
片づけが終わり、俺と結花は帰路に就く。途中、結花が何やらにやにやしていた。
結花「ひっひっひ・・・」
要「あからさまに怪しい変な笑いをしている」
結花「明日の打ち上げ・・・面白いものを仕入れたのだよ。恵那ちゃんびっくりするかもねぇ、ひーっひっひ」
要「・・・嫌な予感しかしないが」
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96 | 登場人物および簡単な設定Ver7.0 | 1226 | 2 | 2019-04-24 | - | |
55 | 第1話 スタート | 919 | 0 | 2019-04-30 | - | |
82 | 第2話 謎のカードと知らないルール | 786 | 0 | 2019-05-02 | - | |
106 | 第3話 シノビのユージ | 835 | 2 | 2019-05-07 | - | |
66 | 第4話 ライバル・幼馴染 | 690 | 2 | 2019-05-11 | - | |
96 | 第5話 小さなコンビニと少女の告白 | 829 | 0 | 2019-05-17 | - | |
58 | 第6話 小さなコンビニと遊戯王 | 867 | 2 | 2019-05-29 | - | |
73 | 第7話 一区切りして | 683 | 0 | 2019-06-15 | - | |
91 | 第8話 チュートリアル娘 | 714 | 0 | 2019-06-29 | - | |
65 | 第9話 リンク召喚のススメ その1 | 761 | 0 | 2019-07-07 | - | |
84 | 第10話 リンク召喚のススメ その2 | 691 | 0 | 2019-07-11 | - | |
75 | 第11話 忍は梅雨に消える | 668 | 2 | 2019-08-05 | - | |
83 | 第12話 ゲリラ遊戯王 | 738 | 0 | 2019-08-17 | - | |
95 | 第13話 ファミレスで遊戯王はできません | 931 | 0 | 2019-08-26 | - | |
91 | 第14話 チェック | 698 | 2 | 2019-09-18 | - | |
83 | 第15話 暑い熱いコンビニと遊戯王 | 603 | 2 | 2019-10-08 | - | |
61 | EX-1 シノビのゆーじ | 724 | 0 | 2019-10-15 | - | |
80 | 第16話 忍術と魔法、影と裏 その1 | 605 | 0 | 2019-10-18 | - | |
114 | 第17話 忍術と魔術、影と裏 その2 | 623 | 0 | 2019-10-21 | - | |
62 | 第18話 忍術と魔術、影と裏 その3 | 701 | 4 | 2019-10-28 | - | |
74 | 第19話 禁断の果実? | 784 | 2 | 2019-11-01 | - | |
84 | 第20話 留学生と遊戯王 | 732 | 0 | 2019-11-13 | - | |
76 | 第21話 テスト勉強と遊戯王 | 760 | 0 | 2019-12-02 | - | |
85 | 第22話 夏休みの始まり | 659 | 0 | 2019-12-09 | - | |
60 | 第23話 プールと夏の風物詩 | 455 | 0 | 2019-12-17 | - | |
78 | 第24話 くじマシーン | 580 | 3 | 2019-12-23 | - | |
124 | 第25話 to be continue | 708 | 0 | 2019-12-28 | - | |
90 | 第26話 終わらないデュエルと失われry | 675 | 0 | 2020-01-13 | - | |
55 | 第27話 始まりのデュエルと星々の遊戯王 | 648 | 4 | 2020-01-16 | - | |
68 | 第28話 プールデュエル開幕!? | 520 | 0 | 2020-01-24 | - | |
57 | 第29話 プールデュエル開幕! | 435 | 2 | 2020-02-04 | - | |
77 | 第30話 コンビニも夏休みモードです | 452 | 0 | 2020-02-15 | - | |
75 | EX-2 普通のゆーじだった頃 | 538 | 0 | 2020-02-22 | - | |
72 | 第31話 サービスシーンはありません | 577 | 0 | 2020-02-25 | - | |
85 | 第32話 ファミレス郷結花 | 583 | 0 | 2020-03-10 | - | |
117 | 第33話 身内だからできるルール | 646 | 0 | 2020-03-19 | - | |
75 | 第34話 決闘準備中 | 548 | 0 | 2020-04-03 | - | |
69 | 第35話 休息 | 522 | 0 | 2020-04-16 | - | |
79 | 第36話 余興と興味 | 498 | 0 | 2020-04-26 | - | |
80 | 第37話 ランダムデュエルデース | 608 | 0 | 2020-05-11 | - | |
58 | 第38話 きっかけ | 572 | 0 | 2020-05-28 | - | |
69 | EX-3前半 きっかけのきっかけ | 544 | 0 | 2020-06-01 | - | |
81 | EX-3後半 きっかけを与えてくれたもの | 616 | 0 | 2020-06-05 | - | |
48 | 第39話 小さなコンビニの要 | 453 | 0 | 2020-06-15 | - | |
61 | 第40話 静かで熱い場所 | 713 | 0 | 2020-06-27 | - | |
76 | 第41話 温泉の陣 | 593 | 0 | 2020-07-06 | - | |
75 | 第42話 混沌とした戦 | 637 | 0 | 2020-07-13 | - | |
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80 | 第46話 シノビのあの頃 | 684 | 0 | 2020-10-07 | - |
更新情報 - NEW -
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