第161話 滅んだ科学の国　作：ヒラーズ

「ここが東京だと・・・！？」
「唯一の科学の国と呼ばれた東京も隕石の衝撃には敵わなかったようだね」
俺とネクロは出会った場所から数百㎞離れた国、東京へ来ていた。
辺りは完全に廃墟と化し、国を守っていたのだろうと壊れたセキュリティロボットが無残に捨てられている。
「ひでぇ有様だ、よくこんな有様のまま生き残ってこれたな・・・」
「シェルターでもあったんじゃないのかい？それらしい建物もいくつかあるけど」
その時、俺の視界に電気がついた建物が見えた。
「おいネクロ、あの建物だけ電気が生きてるぞ」
「そのようだね、調べて見る価値はありそうだ」
俺達は建物の中に入り、階段を登る。












「ここが電源が生きていた階か」
「何か重要なものがあれば良いんだけどねぇ・・・」
俺達は辺りを調べると1つだけ起動したままのパソコンを見つける。
「・・・どうやらヒントはここのようだな」
俺はカチャカチャとキーボードを動かし、セキュリティを破る。
「これはボイスレコードのようだねぇ・・・時間がなかったんだろうか？」
「録音データは残っている。聞き逃しがないようにしないとな」
俺は録音を再生し、音声を聞く。

『私が転移して3日、抗体を持つ私、レンギア＝ヴァレスは汚染されたこの世界を彷徨い・・・ここまで来た。まさか本当に闇の地球が存在してるとは思いもしなかった。水も食料もない、この世界で私はどう生きれば良いんだろう？けど、転移する前に聞いたことはある。この世界のどこかに汚染すら寄せ付けない「伝説の樹（世界樹）」の存在があるという事。私は以後、その樹を目指そうと思うの・・・。もしこの録音データをクォーツ、ジェムが聞いているならこのデータを頼りに来て・・・作り主のレンギアより・・・』ｶﾞﾁｬﾝ

「・・・ここで録音が終了してるな」
「世界樹ねぇ・・・嘘くさいけど、今後の目標になるんじゃない？」
この世界にそんな樹があるのか？RPGじゃあるまいし、汚染されてるから枯れている可能性があるぞ・・・。
「行こう、互いに能力を使い。日本国外を探索するぞ」
「だねぇ・・・、じゃあテレポートで米国まで飛んで貰おう」
俺はタクシーじゃないんだが・・・まぁいい。
「いくぞ、途中で気絶するなよ！」
俺はネクロの手を掴み、米国へ瞬間移動する。


















しばらくして米国内ヴァージニア州。
俺達は汚染の発生源とも言われる隕石を発見した。
「うわぁ・・・これは酷い、データ通りすごい汚染率だ。汚染の発生源は確実にここだろう」
「どうする？完全に破壊して汚染を止めるという手はあるが？」
その時、ネクロは隕石に触れ、確かめる。
「ふーむ・・・陸也君、この毒隕石をブラックホールに捨てれないかい？」
「別に可能だが・・・なるほどな」
俺は能力を使い、隕石を消す。
まぁ、テレポートで対象を隕石にして、転移先をブラックホールの目の前にしただけなんだがな。
「これで良し、今頃潰されてるだろう」
そう言って俺は携帯用端末を取り出し、汚染率を計る。
「お？総合汚染率が一気に低下したぞ？96％がいきなり39％に変わった！？」
39％か・・・クォーツやジェム、トウマやファルディアはぎり平気か？どのみち隕石を駆除しながら作り主を探すしかないようだな。
「確かこの先にペンタゴンがあるんだよな？そこにヒントが隠れているのかも知れん、行くぞ」
「さすが陸也君、鋭いねぇ！」
褒めてるのか、貶してるのか分からないが俺達は急いでペンタゴン内部に入り、ヒントを探す。








「うーん・・・間違えたかなぁ？」
「・・・」
俺は電算室に入り、辺りを捜索する。
「・・・あったぞ、ボイスレコード入りだ」
俺は即座にパソコンを見つけ、ログを開く。
「ふむ・・・どうやら5ヶ月前のものだ」
「5ヶ月前？つい最近じゃないか」
俺は録音データを再生し、音声を聞く。

『日本国を出て4日が経過した。残ったシェルターに食料と新鮮な水があったことを私は喜びたい。けど、見つかったのはたったの1週間分。世界樹が見つからない。次はカナダに行ってみようと思う。正直、クォーツ達がマナニアハンターズに捕まってない事を私はずっと祈ってばかりいた。あの時、機械の神のデータを奪っていなければ・・・こんな目に遭わずに済んだ。・・・そろそろ行かなくては・・・もしこれをクォーツかジェム、または両方を保護している人がこの録音データ聞いていたら・・・カナダに来て欲しい・・・私はそこで待っています・・・・作り主のレンギアより・・・』

「ここで終わってるな」
「色んなところに移動するねぇ・・・どんだけ体力があるんだい？」
しかしカナダか・・・良い思い出がない。正直行きたくもないが・・・。
「行こう、次はカナダのどこかだな」
「手間を焼かせる作り主だねぇ」
その時だった。

…ﾚﾀﾞ…ｺｺ…ｹ…

「！」
「・・・どうやら障害が出てきたようだね」
俺達が後ろを振り向くと、沢山の人体パーツがついたロボットが立っていた。
「ダレ・・・ダ？ココカラ・・・デテイケ・・・クリカエ・・・ス！」
「うわぁ・・・何これ気持ち悪い。何かねこのポンコツは？」
同感だ、正直気持ち悪いな・・・ホラー映画の新たなクリーチャーか？
「ディスク・・・ワタシ・・・トデュエルダ・・・」
どうやらこの世界でもデュエルモンスターズはあるらしいな。
「いくぞネクロ、サポートは任せろ」
「じゃあそうさせて貰おう」




「「「デュエル！！」」」


セキュリティマシン　LP8000
手札5

陸也　LP8000
手札5
ネクロ　LP8000
手札5




こんなところで足止めを喰らっている暇ではない。
速攻でかたづけなければ・・・・。







次回、データを追って
※タイトルが変わる可能性があります。