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7:激闘のデッドジャック 作:ほーがん
第7話「激闘のデッドジャック」
「黒き烈風よ!威厳の剣を持ちて、天空を駆け巡れ!シンクロ召喚!舞い踊れ!《BF-威光のフランベルジェ(☆8/闇/鳥獣/シンクロ/3000・1200)》!!」
波打つ剣を持つ鳥人の騎士が、突風を巻き起こしながらフィールドに吹きすさんだ。
「攻撃力3000のシンクロモンスター・・・!」
遊牙の額に汗が伝わる。
「(遊牙、お前の実力を試させてもらう・・・!!)」
ホーガンは遊牙を指差した。
「容赦はしないぞ、遊牙!バトルだ!《BF-威光のフランベルジェ》で《コープスナイト・デッドシェリー》を攻撃!」
鳥人の騎士は波打つ刃の長剣を振りかざし、姫騎士の上空へと羽ばたいた。
「くっ、《コープスナイト・デッドシェリー》の効果発動!1ターンに1度、自分フィールドの「コープスナイト」が相手モンスターの攻撃宣言を受けた時、その攻撃モンスター1体を除外する!」
姫騎士が剣を振ると目の前の次元が裂けた。その裂け目に鳥人の騎士は吸い込まれてゆく。
だが、ホーガンは取り乱すことなく言った。
「《BF-威光のフランベルジェ》の効果発動!1ターンに1度このカードが相手の効果対象になった時、墓地の「BF」モンスターを1体除外する事でその効果を無効にし破壊する!」
ホーガンは墓地からカードを取り出し、遊牙に見せる。
「俺は墓地の《BFー黄昏のバスタード》を除外し、《コープスナイト・デッドシェリー》の効果を無効にし破壊する!!」
鳥人の騎士は剣を振った。その瞬間、次元の裂け目は砕け散り姫騎士は斬撃の余波に吹き飛んだ。
「『デッドシェリー』・・・!」
たじろぐ遊牙を余所に、ホーガンは続けた。
「相手フィールドのモンスターが消えた事により、俺はもう一度攻撃対象を選択できる!行け!《BF-威光のフランベルジェ》!相手プレイヤーにダイレクトアタック!!」
もう一度鳥人の騎士は飛び上がり、上空から一気に高加速して遊牙に迫った。
「俺は《コープスナイト・ヴェルナンド》の効果発動!このカードを手札から墓地に捨てる事で、相手モンスターの直接攻撃を無効にしそのバトルフェイズを終了させる!」
闇の騎士の幻影が遊牙のフィールドに出現し、鳥人の騎士の進撃を受け止めた。
ように、思えた。だが。
「俺は手札から速攻魔法《メンタル・バリアー》を発動!相手が手札からモンスターの効果を発動した時、自分のモンスターはその効果を受けない!よって、《BF-威光のフランベルジェ》の攻撃は無効にならない!さらにこのターン、相手はもう手札からモンスターの効果を発動できない!これでお前の手札は封じた!!」
「そんな!」
またしても闇の騎士の幻影は消え去り、遊牙の目の前に波打つ刃が振り下ろされた。
「『デッドリィ・ブラックスラッシュ』!!!」
「ぐはっ・・!!(LP4000→1000)」
遊牙はダメージにうろたえ膝を付いた。
「すごい・・。あのデュエリスト、常に遊牙の先を行ってる・・・。」
二人のデュエルを見つめる凛香が呟く。
「どうした、遊牙。この程度で音を上げるのか?」
ホーガンの言葉に遊牙は荒い息で答える。
「いいや・・・。まだだ。俺はこんな所では倒れない。倒れる訳には・・・いかない。」
地面を踏みしめ遊牙は立ち上がる。
その様子を見てホーガンはフッと笑った。
「少しは骨があるじゃないか。だが遊牙。自分の考えを改めない限り、このデュエルに勝つ事はできないぞ。」
遊牙はホーガンに問うた。
「俺の考えを改める・・だと?」
ホーガンは言う。
「そうだ。お前が言った”カードは武器”という言葉。あれは間違いだ。・・・心もってカードと接しなければ、カードは破壊の道具になってしまう。」
「破壊の道具・・・。」
ホーガンは遊牙のデッキを指差す。
「遊牙、不思議に思った事は無いか?40枚のデッキの中で、わずか1枚しかないはずの《コープスナイト・ウェイス》はなぜ毎回のデュエルで最初の手札に来るのか。」
遊牙はハッとしてデッキを見た。
「それは・・・。」
遊牙の様子を見てホーガンが口を開く。
「お前のデッキがハイランダーだと言う事は俺も知っている。それなのになぜ、《コープスナイト・ウェイス》は手札に来るのか。それは、《コープスナイト・ウェイス》がお前を信頼しているからだ。」
ホーガンは続ける。
「カードがデュエリストを信頼している。一見、バカな話に聞こえるかもしれない。だが、なぜ俺は1ターン目に切り札の《BF-威光のフランベルジェ》を呼べたと思う?なぜ、《BF-威光のフランベルジェ》の攻撃を確実に通す為に必要なカードまで引き当てたと思う?決して偶然なんかじゃない。それは俺が悩み、選び抜いたデッキのカード1枚1枚を信頼しているからだ!だからこそデッキも俺に応えてくれる!」
遊牙はホーガンの話を黙って聞いた。
「遊牙、お前は自分のデッキを、カード1枚1枚を信頼しているか!心を通わせているか!それが出来た時、お前は今よりももっと強くなれる!!」
遊牙は拳を握りしめた。
「カードと心を通わせる・・・。それが今の俺に足りないもの・・・。」
ホーガンは言った。
「俺はカードを1枚セットし、ターンエンド。さぁ、遊牙!カードとの信頼の力で俺を超えてみせろ!!」
遊牙は目を閉じ、自分のデッキに手を伸ばした。
「(カードと心を通わせる。それが今の俺にできるなら・・!)」
遊牙は目を開き、カードを引いた。
「俺のターン・・ドロー!」
遊牙は引いたカードを確認せずに、そのカードをD・ディスクにセッティングした。
「俺は《コープスナイト・エリー(☆3/闇/アンデット/1000・0)》を召喚!!」
フィールドに短剣をもった少女の騎士が勢い良く飛び出た。
「フッ、いい目になったな。遊牙。」
ホーガンは笑う。
「《コープスナイト・エリー》の効果発動!このカードの召喚に成功した時、墓地からレベル4以下の「コープスナイト」を特殊召喚できる!蘇れ!《コープスナイト・ウェイス》!」
少女の騎士が剣を投げるとフィールドに穴が空き、そこから《コープスナイト・ウェイス》が釣り上げられ復活する。
「俺はレベル4の《コープスナイト・ウェイス》にレベル3の《コープスナイト・エリー》をチューニング!!」
『エリー』の体は光の輪となり、飛び上がった『ウェイス』を包んでゆく。
「闇の甲冑よ!鋼の闘志をその身に宿し、敵を切り裂く騎士となれ!シンクロ召喚!現れよ!《コープスナイト・デッドジャック(☆7/闇/アンデット/シンクロ/2500・2000)》!!!」
溢れる光の中から、漆黒の剣が光を切り裂くように振り下ろされる。誇り高き騎士はフィールドに立ち、その剣を掲げた。
ホーガンはその姿を見て呟いた。
「・・久しぶりだな・・・ジャックス・・。」
遊牙は墓地のカードを取り出し言った。
「俺は墓地の《コープスナイト・ヴェルナンド》の効果を発動!墓地から《コープスナイト・デッドシェリー》を除外し、その攻撃力を《コープスナイト・デッドジャック》の攻撃力に加える!!(ATK2500→4700)」
ホーガンは遊牙の様子を見て笑った。
「さぁ、来い!遊牙!!」
相手のモンスターを指差し、遊牙が叫ぶ。
「バトルだ!《コープスナイト・デッドジャック》で《BF-威光のフランベルジェ》を攻撃!!『殲滅のサイレントスライサー』!!」
誇り高き闇の騎士は、剣を構え駆け出す。凄まじいスピードで放たれた斬撃は音も無く、鳥人の騎士を切り裂いた。
「くっ・・・!!(LP4000→2300)」
闇の騎士の放った斬撃による突風でホーガンは吹き飛ばされそうになるが、なんとかその場で堪えた。
「はぁ、さすが本物の衝撃は凄いな・・。」
息を荒くするホーガンに遊牙は叫ぶ。
「この瞬間、《コープスナイト・デッドジャック》の効果発動!レベル5以上の相手モンスターを戦闘破壊した時、自分の墓地に存在する「コープスナイト」1体につき500のダメージを相手に与える!俺の墓地の「コープスナイト」は《コープスナイト・ヴェルナンド》、《コープスナイト・ウェイス》、《コープスナイト・エリー》の3体!よって1500のダメージを与える!!」
闇の騎士は剣を振り下ろし、相手に向かって衝撃波を飛ばした。
「ぐああぁっ!(LP2300→800)」
ホーガンは衝撃波に弾き飛ばされ、後方の門に激突し倒れ込んだ。
「や、やるな遊牙・・・。一気に形勢逆転じゃないか・・。だが、俺も負けては居られない!リバースカードオープン!罠カード《ブラック・テンペスト》!!」
ホーガンは立ち上がり、伏せていたカードを開いた。
「このカードは、自分フィールドの「BF」シンクロモンスターが破壊されたバトルフェイズの終了時に発動できる罠カード!フィールドのカードを全て破壊する!!」
フィールドに巻き起こった黒い竜巻に、闇の騎士は巻き込まれその姿を消した。
「『デッドジャック』がっ・・・!」
吹き荒れる竜巻の中、ホーガンが叫んだ。
「さらにこの効果で破壊した相手のカード1枚につき200のダメージを相手に与える!!」
竜巻が晴れたと同時に遊牙のLPが削られる。
「くっ!(LP1000→800)」
ホーガンは不敵に笑い、遊牙に言った。
「これでお互いのライフは残り800。フィールドのカードは0。次の一撃で決まってもおかしくはない。」
遊牙は手札のカードを取り出した。
「俺は、まだ諦めない!自分フィールドの「コープスナイト」が破壊されたターン、手札から《コープスナイト・エレン(☆3/闇/アンデット/1200・0)》を守備表示で特殊召喚できる!」
小柄な女騎士がフィールドに膝を付き現れた。
「そしてこのターンのエンドフェイズ、《コープスナイト・ウェイス》の効果発動!デッキから《コープスナイト・アロウ(☆5/闇/アンデット/1900・0)》を手札に加えて、ターンエンド。」
遊牙のターンから、ホーガンのターンへと移行する。
「さて、俺もデッキとの信頼を見せる時だ!ドロー!」
ドローしたカードを確認し、ホーガンはフッと笑う。
「俺は手札から《BFー彗星のバヨネット(☆4/闇/鳥獣/1600・1000)》を特殊召喚!」
銃剣を構えた新たな鳥人がホーガンのフィールドに出現する。
「このモンスターは相手フィールドにモンスターが存在し自分のフィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる!さらに《BFー幻日のスティレット(☆2/闇/鳥獣/チューナー/0・1000)》を召喚!」
短剣を持った鳥人が『彗星のバヨネット』の横に立った。
「チューナーモンスター・・!!」
遊牙はチューナーモンスターの登場に苦い顔をした。
「さぁ、行くぞ!俺はレベル4の《BFー彗星のバヨネット》にレベル2の《BFー幻日のスティレット》をチューニング!!」
『幻日のスティレット』の体が光の輪となり、その輪の中へ『彗星のバヨネット』が飛び込んだ。
「黒き旋風よ!研ぎ澄まされたその刃で、強者の鎧を打ち砕け!シンクロ召喚!轟き叫べ!《BFー至高のスクラマサクス(☆6/闇/鳥獣/シンクロ/2400・1800)》!!」
幅広い刃持つ剣を振りかざし、漆黒の鳥人がフィールドに舞い降りた。
「ここでまだシンクロモンスターを出してくるのか・・!!」
凛香の隣でカケルは驚愕の表情を浮かべる。
「バトルだ!《BFー至高のスクラマサクス》で《コープスナイト・エレン》に攻撃!!」
漆黒の鳥人は剣を振りかざし、女騎士に叩き付けた。
「この瞬間《BFー至高のスクラマサクス》の効果発動!このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、ダメージ計算前にそのモンスターは相手のデッキに戻る!!」
弾き飛ばされた女騎士は墓地に行く事無く遊牙のデッキに戻った。
「(くっ、これじゃエレンの効果は使えない・・・。)」
ホーガンは最後の1枚の手札を取り出し場にセットする。
「俺はカードを1枚セットして、ターンエンド。」
ホーガンは一息吐くと、遊牙に言った。
「おそらく次のターンが最後になるだろう。勝ちたければ、俺の信頼の力をデッキを信じる心で乗り越えてゆけ、遊牙!」
遊牙はデッキに手を伸ばす。
「俺のターン・・!」
そして、勢い良くカード引いた。
「ドロー!!」
遊牙は手札のカードを取り出した。
「俺は手札の《コープスナイト・アロウ》の効果を発動!自分のフィールドにモンスターが存在しない場合、このカードと手札の「コープスナイト」を1体墓地に捨てる事で墓地の「コープスナイト」を特殊召喚できる!俺は手札の《コープスナイト・アリエル》を共に墓地に捨て、墓地から《コープスナイト・デッドジャック》を特殊召喚する!!」
遊牙の墓地が眩く光る。その光を切り裂くように誇り高き騎士は姿を現した。
「蘇れ!俺の信頼する切り札!《コープスナイト・デッドジャック》!!」
剣を掲げ、闇の騎士はフィールドに降り立つ。
「戻って来たか!《コープスナイト・デッドジャック》!だが、切り札を信頼しているのは俺も同じだ!リバースカードオープン!罠カード《BFースクランブル》!!」
ホーガンのフィールドで伏せられていたカードが開く。
「このカードは自分のフィールドおよび墓地からチューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ除外し、エクストラデッキ、または墓地から除外したモンスターのレベルの合計と同じレベルを持つ「BF」シンクロモンスターを効果を無効にして特殊召喚する!!俺は墓地の《BFー幻日のスティレット》とフィールドの《BFー至高のスクラマサクス》を除外し、墓地から《BF-威光のフランベルジェ》を特殊召喚!!!」
2体のモンスターが除外され、鳥人の騎士が墓地より復活し、闇の騎士と対峙する。
「どうする遊牙!《BF-威光のフランベルジェ》の攻撃力は3000!《コープスナイト・デッドジャック》の攻撃力は2500!!このままじゃ『威光のフランベルジェ』に勝つことはできないぞ!!」
遊牙は『デッドジャック』を見つめる。
「(カード信じ、心を通わせる。それが出来たとき、俺は今よりももっと強くなれる。俺は『デッドジャック』を信じる。そして・・・)」
「(俺のデッキの仲間を!!)」
遊牙は覚悟を決めた。
「バトルだ!!俺は《コープスナイト・デッドジャック》で《BF-威光のフランベルジェ》を攻撃!!」
闇の騎士は高速で駆け出す。それ迎え撃つは、波打つ刃の剣を携えた鳥人の騎士。
「迎え撃て!《BF-威光のフランベルジェ》!!」
ホーガンが叫ぶ。
それに合わせるように遊牙も叫んだ。
「俺は手札の《コープスナイト・スケイル(☆3/闇/アンデット/1400・0)》を効果を発動!!このカードを手札から墓地に捨てる事で《コープスナイト・デッドジャック》の攻撃力はバトルする相手モンスターの元々の攻撃力と同じ数値になる!!(ATK2500→3000)」
闇の騎士の一閃を鳥人の騎士が受け止める。激しい火花を散らしながら両者は互いを斬りつけ合い、凄まじいスピードの鍔迫り合いの末、お互いのエネルギーの暴走によって弾き飛ばされた。
「相打ちか・・・これでこのターンでの決着は・・・。」
エネルギーの余波により発生した暴風の中、ホーガンが口を開いた。だが、それをかき消すように遊牙の言葉が響く。
「いや!決着はつく!俺は手札の《コープスナイト・マキト(☆1/闇/アンデット/100・0)》の効果を発動!自分フィールドの「コープスナイト」が相手モンスターを戦闘で破壊した場合に、このカードを手札から捨てる事で、破壊した相手モンスターのレベルまたはランクの数×100のダメージを相手に与える!!」
その言葉にホーガンが驚愕の表情を浮かべる。
「《BF-威光のフランベルジェ》のレベルは8!!・・・そうか、これがお前の見つけた強さなんだな。」
暴風が止んだ瞬間、少年の姿をした騎士の幻影がホーガンのフィールドを突き抜けた。
「その強さだ、遊牙。(LP800→0)」
ホーガンは満足そうな顔で倒れ込んだ。
『勝者:霧野遊牙』
倒れ込んだホーガンに遊牙は歩み寄り、手を差し伸べた。
「ありがとう。あんたのおかげで足りないものに気づく事ができた。」
ホーガンはフッと笑うと遊牙の手を取らずに起き上がった。
「そうかい。それは良かった。だが、その手を掴んだら大変な事になりそうだ。」
遊牙はホーガンの言葉に不思議な顔をするが、差し出している手が昨日怪我を負ったばかりの左手であることに気づいた。
「くっ、今更痛みがっ・・・。」
遊牙は思い出したように左肩を抑えた。
「あーもうやっぱり!大丈夫、遊牙!?」
凛香とカケルが駆け寄る。
ホーガンは門の外を見ながら言った。
「ひとつ言っておこう。ルナは確実に生きている。」
その言葉に遊牙が返す。
「それは本当か。」
ホーガンは言った。
「ああ。俺が知る限り、ルナを連れて来るようにと命令した人物はルナの命に危険が及ぶような事はしないはずだからな。」
遊牙はそれを聞き、少し安心した。
「そうか・・・。」
しかし、ホーガンは少し険しい表情になって言った。
「だが、今まで通りのルナで居るとは言い切れない。」
遊牙が問う。
「どういう意味だ。」
ホーガンは遊牙達の方へ向き直った。
「助けに行くなら、早い方がいい。場所までは俺が案内する。」
遊牙は疑問をぶつける。
「あんたは一緒に戦ってくれないのか。」
その言葉にカケルも口を開く。
「そうだよ!あんたみたいなデュエリストが味方なら、俺たちも心強いぜ!」
だが、ホーガンは曇った顔で言った。
「いや、俺は『DWA』の本部には入れない。」
カケルが困った顔で言う。
「どうしてだよ!」
ホーガンは下を向いた。
「訳あって俺は、奴らのブラックリストに入ってる。うかつに近づけば殺される可能性もある。一緒に行っても返って足手まといだ。」
遊牙達は言葉に詰まる。ホーガンは振り向き外へ向かった。
「明日の朝、またここに来る。それまで体を休めておけ。」
「明日・・・。」
遊牙は拳を握りしめる。それは敵への怒りでもあり、捕われた仲間を助け出すという決意の現れでもあった。
次回第8話「潜入!『DWA(デュエル・ウォリアーズ・アライアンス)』」
「黒き烈風よ!威厳の剣を持ちて、天空を駆け巡れ!シンクロ召喚!舞い踊れ!《BF-威光のフランベルジェ(☆8/闇/鳥獣/シンクロ/3000・1200)》!!」
波打つ剣を持つ鳥人の騎士が、突風を巻き起こしながらフィールドに吹きすさんだ。
「攻撃力3000のシンクロモンスター・・・!」
遊牙の額に汗が伝わる。
「(遊牙、お前の実力を試させてもらう・・・!!)」
ホーガンは遊牙を指差した。
「容赦はしないぞ、遊牙!バトルだ!《BF-威光のフランベルジェ》で《コープスナイト・デッドシェリー》を攻撃!」
鳥人の騎士は波打つ刃の長剣を振りかざし、姫騎士の上空へと羽ばたいた。
「くっ、《コープスナイト・デッドシェリー》の効果発動!1ターンに1度、自分フィールドの「コープスナイト」が相手モンスターの攻撃宣言を受けた時、その攻撃モンスター1体を除外する!」
姫騎士が剣を振ると目の前の次元が裂けた。その裂け目に鳥人の騎士は吸い込まれてゆく。
だが、ホーガンは取り乱すことなく言った。
「《BF-威光のフランベルジェ》の効果発動!1ターンに1度このカードが相手の効果対象になった時、墓地の「BF」モンスターを1体除外する事でその効果を無効にし破壊する!」
ホーガンは墓地からカードを取り出し、遊牙に見せる。
「俺は墓地の《BFー黄昏のバスタード》を除外し、《コープスナイト・デッドシェリー》の効果を無効にし破壊する!!」
鳥人の騎士は剣を振った。その瞬間、次元の裂け目は砕け散り姫騎士は斬撃の余波に吹き飛んだ。
「『デッドシェリー』・・・!」
たじろぐ遊牙を余所に、ホーガンは続けた。
「相手フィールドのモンスターが消えた事により、俺はもう一度攻撃対象を選択できる!行け!《BF-威光のフランベルジェ》!相手プレイヤーにダイレクトアタック!!」
もう一度鳥人の騎士は飛び上がり、上空から一気に高加速して遊牙に迫った。
「俺は《コープスナイト・ヴェルナンド》の効果発動!このカードを手札から墓地に捨てる事で、相手モンスターの直接攻撃を無効にしそのバトルフェイズを終了させる!」
闇の騎士の幻影が遊牙のフィールドに出現し、鳥人の騎士の進撃を受け止めた。
ように、思えた。だが。
「俺は手札から速攻魔法《メンタル・バリアー》を発動!相手が手札からモンスターの効果を発動した時、自分のモンスターはその効果を受けない!よって、《BF-威光のフランベルジェ》の攻撃は無効にならない!さらにこのターン、相手はもう手札からモンスターの効果を発動できない!これでお前の手札は封じた!!」
「そんな!」
またしても闇の騎士の幻影は消え去り、遊牙の目の前に波打つ刃が振り下ろされた。
「『デッドリィ・ブラックスラッシュ』!!!」
「ぐはっ・・!!(LP4000→1000)」
遊牙はダメージにうろたえ膝を付いた。
「すごい・・。あのデュエリスト、常に遊牙の先を行ってる・・・。」
二人のデュエルを見つめる凛香が呟く。
「どうした、遊牙。この程度で音を上げるのか?」
ホーガンの言葉に遊牙は荒い息で答える。
「いいや・・・。まだだ。俺はこんな所では倒れない。倒れる訳には・・・いかない。」
地面を踏みしめ遊牙は立ち上がる。
その様子を見てホーガンはフッと笑った。
「少しは骨があるじゃないか。だが遊牙。自分の考えを改めない限り、このデュエルに勝つ事はできないぞ。」
遊牙はホーガンに問うた。
「俺の考えを改める・・だと?」
ホーガンは言う。
「そうだ。お前が言った”カードは武器”という言葉。あれは間違いだ。・・・心もってカードと接しなければ、カードは破壊の道具になってしまう。」
「破壊の道具・・・。」
ホーガンは遊牙のデッキを指差す。
「遊牙、不思議に思った事は無いか?40枚のデッキの中で、わずか1枚しかないはずの《コープスナイト・ウェイス》はなぜ毎回のデュエルで最初の手札に来るのか。」
遊牙はハッとしてデッキを見た。
「それは・・・。」
遊牙の様子を見てホーガンが口を開く。
「お前のデッキがハイランダーだと言う事は俺も知っている。それなのになぜ、《コープスナイト・ウェイス》は手札に来るのか。それは、《コープスナイト・ウェイス》がお前を信頼しているからだ。」
ホーガンは続ける。
「カードがデュエリストを信頼している。一見、バカな話に聞こえるかもしれない。だが、なぜ俺は1ターン目に切り札の《BF-威光のフランベルジェ》を呼べたと思う?なぜ、《BF-威光のフランベルジェ》の攻撃を確実に通す為に必要なカードまで引き当てたと思う?決して偶然なんかじゃない。それは俺が悩み、選び抜いたデッキのカード1枚1枚を信頼しているからだ!だからこそデッキも俺に応えてくれる!」
遊牙はホーガンの話を黙って聞いた。
「遊牙、お前は自分のデッキを、カード1枚1枚を信頼しているか!心を通わせているか!それが出来た時、お前は今よりももっと強くなれる!!」
遊牙は拳を握りしめた。
「カードと心を通わせる・・・。それが今の俺に足りないもの・・・。」
ホーガンは言った。
「俺はカードを1枚セットし、ターンエンド。さぁ、遊牙!カードとの信頼の力で俺を超えてみせろ!!」
遊牙は目を閉じ、自分のデッキに手を伸ばした。
「(カードと心を通わせる。それが今の俺にできるなら・・!)」
遊牙は目を開き、カードを引いた。
「俺のターン・・ドロー!」
遊牙は引いたカードを確認せずに、そのカードをD・ディスクにセッティングした。
「俺は《コープスナイト・エリー(☆3/闇/アンデット/1000・0)》を召喚!!」
フィールドに短剣をもった少女の騎士が勢い良く飛び出た。
「フッ、いい目になったな。遊牙。」
ホーガンは笑う。
「《コープスナイト・エリー》の効果発動!このカードの召喚に成功した時、墓地からレベル4以下の「コープスナイト」を特殊召喚できる!蘇れ!《コープスナイト・ウェイス》!」
少女の騎士が剣を投げるとフィールドに穴が空き、そこから《コープスナイト・ウェイス》が釣り上げられ復活する。
「俺はレベル4の《コープスナイト・ウェイス》にレベル3の《コープスナイト・エリー》をチューニング!!」
『エリー』の体は光の輪となり、飛び上がった『ウェイス』を包んでゆく。
「闇の甲冑よ!鋼の闘志をその身に宿し、敵を切り裂く騎士となれ!シンクロ召喚!現れよ!《コープスナイト・デッドジャック(☆7/闇/アンデット/シンクロ/2500・2000)》!!!」
溢れる光の中から、漆黒の剣が光を切り裂くように振り下ろされる。誇り高き騎士はフィールドに立ち、その剣を掲げた。
ホーガンはその姿を見て呟いた。
「・・久しぶりだな・・・ジャックス・・。」
遊牙は墓地のカードを取り出し言った。
「俺は墓地の《コープスナイト・ヴェルナンド》の効果を発動!墓地から《コープスナイト・デッドシェリー》を除外し、その攻撃力を《コープスナイト・デッドジャック》の攻撃力に加える!!(ATK2500→4700)」
ホーガンは遊牙の様子を見て笑った。
「さぁ、来い!遊牙!!」
相手のモンスターを指差し、遊牙が叫ぶ。
「バトルだ!《コープスナイト・デッドジャック》で《BF-威光のフランベルジェ》を攻撃!!『殲滅のサイレントスライサー』!!」
誇り高き闇の騎士は、剣を構え駆け出す。凄まじいスピードで放たれた斬撃は音も無く、鳥人の騎士を切り裂いた。
「くっ・・・!!(LP4000→2300)」
闇の騎士の放った斬撃による突風でホーガンは吹き飛ばされそうになるが、なんとかその場で堪えた。
「はぁ、さすが本物の衝撃は凄いな・・。」
息を荒くするホーガンに遊牙は叫ぶ。
「この瞬間、《コープスナイト・デッドジャック》の効果発動!レベル5以上の相手モンスターを戦闘破壊した時、自分の墓地に存在する「コープスナイト」1体につき500のダメージを相手に与える!俺の墓地の「コープスナイト」は《コープスナイト・ヴェルナンド》、《コープスナイト・ウェイス》、《コープスナイト・エリー》の3体!よって1500のダメージを与える!!」
闇の騎士は剣を振り下ろし、相手に向かって衝撃波を飛ばした。
「ぐああぁっ!(LP2300→800)」
ホーガンは衝撃波に弾き飛ばされ、後方の門に激突し倒れ込んだ。
「や、やるな遊牙・・・。一気に形勢逆転じゃないか・・。だが、俺も負けては居られない!リバースカードオープン!罠カード《ブラック・テンペスト》!!」
ホーガンは立ち上がり、伏せていたカードを開いた。
「このカードは、自分フィールドの「BF」シンクロモンスターが破壊されたバトルフェイズの終了時に発動できる罠カード!フィールドのカードを全て破壊する!!」
フィールドに巻き起こった黒い竜巻に、闇の騎士は巻き込まれその姿を消した。
「『デッドジャック』がっ・・・!」
吹き荒れる竜巻の中、ホーガンが叫んだ。
「さらにこの効果で破壊した相手のカード1枚につき200のダメージを相手に与える!!」
竜巻が晴れたと同時に遊牙のLPが削られる。
「くっ!(LP1000→800)」
ホーガンは不敵に笑い、遊牙に言った。
「これでお互いのライフは残り800。フィールドのカードは0。次の一撃で決まってもおかしくはない。」
遊牙は手札のカードを取り出した。
「俺は、まだ諦めない!自分フィールドの「コープスナイト」が破壊されたターン、手札から《コープスナイト・エレン(☆3/闇/アンデット/1200・0)》を守備表示で特殊召喚できる!」
小柄な女騎士がフィールドに膝を付き現れた。
「そしてこのターンのエンドフェイズ、《コープスナイト・ウェイス》の効果発動!デッキから《コープスナイト・アロウ(☆5/闇/アンデット/1900・0)》を手札に加えて、ターンエンド。」
遊牙のターンから、ホーガンのターンへと移行する。
「さて、俺もデッキとの信頼を見せる時だ!ドロー!」
ドローしたカードを確認し、ホーガンはフッと笑う。
「俺は手札から《BFー彗星のバヨネット(☆4/闇/鳥獣/1600・1000)》を特殊召喚!」
銃剣を構えた新たな鳥人がホーガンのフィールドに出現する。
「このモンスターは相手フィールドにモンスターが存在し自分のフィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる!さらに《BFー幻日のスティレット(☆2/闇/鳥獣/チューナー/0・1000)》を召喚!」
短剣を持った鳥人が『彗星のバヨネット』の横に立った。
「チューナーモンスター・・!!」
遊牙はチューナーモンスターの登場に苦い顔をした。
「さぁ、行くぞ!俺はレベル4の《BFー彗星のバヨネット》にレベル2の《BFー幻日のスティレット》をチューニング!!」
『幻日のスティレット』の体が光の輪となり、その輪の中へ『彗星のバヨネット』が飛び込んだ。
「黒き旋風よ!研ぎ澄まされたその刃で、強者の鎧を打ち砕け!シンクロ召喚!轟き叫べ!《BFー至高のスクラマサクス(☆6/闇/鳥獣/シンクロ/2400・1800)》!!」
幅広い刃持つ剣を振りかざし、漆黒の鳥人がフィールドに舞い降りた。
「ここでまだシンクロモンスターを出してくるのか・・!!」
凛香の隣でカケルは驚愕の表情を浮かべる。
「バトルだ!《BFー至高のスクラマサクス》で《コープスナイト・エレン》に攻撃!!」
漆黒の鳥人は剣を振りかざし、女騎士に叩き付けた。
「この瞬間《BFー至高のスクラマサクス》の効果発動!このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、ダメージ計算前にそのモンスターは相手のデッキに戻る!!」
弾き飛ばされた女騎士は墓地に行く事無く遊牙のデッキに戻った。
「(くっ、これじゃエレンの効果は使えない・・・。)」
ホーガンは最後の1枚の手札を取り出し場にセットする。
「俺はカードを1枚セットして、ターンエンド。」
ホーガンは一息吐くと、遊牙に言った。
「おそらく次のターンが最後になるだろう。勝ちたければ、俺の信頼の力をデッキを信じる心で乗り越えてゆけ、遊牙!」
遊牙はデッキに手を伸ばす。
「俺のターン・・!」
そして、勢い良くカード引いた。
「ドロー!!」
遊牙は手札のカードを取り出した。
「俺は手札の《コープスナイト・アロウ》の効果を発動!自分のフィールドにモンスターが存在しない場合、このカードと手札の「コープスナイト」を1体墓地に捨てる事で墓地の「コープスナイト」を特殊召喚できる!俺は手札の《コープスナイト・アリエル》を共に墓地に捨て、墓地から《コープスナイト・デッドジャック》を特殊召喚する!!」
遊牙の墓地が眩く光る。その光を切り裂くように誇り高き騎士は姿を現した。
「蘇れ!俺の信頼する切り札!《コープスナイト・デッドジャック》!!」
剣を掲げ、闇の騎士はフィールドに降り立つ。
「戻って来たか!《コープスナイト・デッドジャック》!だが、切り札を信頼しているのは俺も同じだ!リバースカードオープン!罠カード《BFースクランブル》!!」
ホーガンのフィールドで伏せられていたカードが開く。
「このカードは自分のフィールドおよび墓地からチューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ除外し、エクストラデッキ、または墓地から除外したモンスターのレベルの合計と同じレベルを持つ「BF」シンクロモンスターを効果を無効にして特殊召喚する!!俺は墓地の《BFー幻日のスティレット》とフィールドの《BFー至高のスクラマサクス》を除外し、墓地から《BF-威光のフランベルジェ》を特殊召喚!!!」
2体のモンスターが除外され、鳥人の騎士が墓地より復活し、闇の騎士と対峙する。
「どうする遊牙!《BF-威光のフランベルジェ》の攻撃力は3000!《コープスナイト・デッドジャック》の攻撃力は2500!!このままじゃ『威光のフランベルジェ』に勝つことはできないぞ!!」
遊牙は『デッドジャック』を見つめる。
「(カード信じ、心を通わせる。それが出来たとき、俺は今よりももっと強くなれる。俺は『デッドジャック』を信じる。そして・・・)」
「(俺のデッキの仲間を!!)」
遊牙は覚悟を決めた。
「バトルだ!!俺は《コープスナイト・デッドジャック》で《BF-威光のフランベルジェ》を攻撃!!」
闇の騎士は高速で駆け出す。それ迎え撃つは、波打つ刃の剣を携えた鳥人の騎士。
「迎え撃て!《BF-威光のフランベルジェ》!!」
ホーガンが叫ぶ。
それに合わせるように遊牙も叫んだ。
「俺は手札の《コープスナイト・スケイル(☆3/闇/アンデット/1400・0)》を効果を発動!!このカードを手札から墓地に捨てる事で《コープスナイト・デッドジャック》の攻撃力はバトルする相手モンスターの元々の攻撃力と同じ数値になる!!(ATK2500→3000)」
闇の騎士の一閃を鳥人の騎士が受け止める。激しい火花を散らしながら両者は互いを斬りつけ合い、凄まじいスピードの鍔迫り合いの末、お互いのエネルギーの暴走によって弾き飛ばされた。
「相打ちか・・・これでこのターンでの決着は・・・。」
エネルギーの余波により発生した暴風の中、ホーガンが口を開いた。だが、それをかき消すように遊牙の言葉が響く。
「いや!決着はつく!俺は手札の《コープスナイト・マキト(☆1/闇/アンデット/100・0)》の効果を発動!自分フィールドの「コープスナイト」が相手モンスターを戦闘で破壊した場合に、このカードを手札から捨てる事で、破壊した相手モンスターのレベルまたはランクの数×100のダメージを相手に与える!!」
その言葉にホーガンが驚愕の表情を浮かべる。
「《BF-威光のフランベルジェ》のレベルは8!!・・・そうか、これがお前の見つけた強さなんだな。」
暴風が止んだ瞬間、少年の姿をした騎士の幻影がホーガンのフィールドを突き抜けた。
「その強さだ、遊牙。(LP800→0)」
ホーガンは満足そうな顔で倒れ込んだ。
『勝者:霧野遊牙』
倒れ込んだホーガンに遊牙は歩み寄り、手を差し伸べた。
「ありがとう。あんたのおかげで足りないものに気づく事ができた。」
ホーガンはフッと笑うと遊牙の手を取らずに起き上がった。
「そうかい。それは良かった。だが、その手を掴んだら大変な事になりそうだ。」
遊牙はホーガンの言葉に不思議な顔をするが、差し出している手が昨日怪我を負ったばかりの左手であることに気づいた。
「くっ、今更痛みがっ・・・。」
遊牙は思い出したように左肩を抑えた。
「あーもうやっぱり!大丈夫、遊牙!?」
凛香とカケルが駆け寄る。
ホーガンは門の外を見ながら言った。
「ひとつ言っておこう。ルナは確実に生きている。」
その言葉に遊牙が返す。
「それは本当か。」
ホーガンは言った。
「ああ。俺が知る限り、ルナを連れて来るようにと命令した人物はルナの命に危険が及ぶような事はしないはずだからな。」
遊牙はそれを聞き、少し安心した。
「そうか・・・。」
しかし、ホーガンは少し険しい表情になって言った。
「だが、今まで通りのルナで居るとは言い切れない。」
遊牙が問う。
「どういう意味だ。」
ホーガンは遊牙達の方へ向き直った。
「助けに行くなら、早い方がいい。場所までは俺が案内する。」
遊牙は疑問をぶつける。
「あんたは一緒に戦ってくれないのか。」
その言葉にカケルも口を開く。
「そうだよ!あんたみたいなデュエリストが味方なら、俺たちも心強いぜ!」
だが、ホーガンは曇った顔で言った。
「いや、俺は『DWA』の本部には入れない。」
カケルが困った顔で言う。
「どうしてだよ!」
ホーガンは下を向いた。
「訳あって俺は、奴らのブラックリストに入ってる。うかつに近づけば殺される可能性もある。一緒に行っても返って足手まといだ。」
遊牙達は言葉に詰まる。ホーガンは振り向き外へ向かった。
「明日の朝、またここに来る。それまで体を休めておけ。」
「明日・・・。」
遊牙は拳を握りしめる。それは敵への怒りでもあり、捕われた仲間を助け出すという決意の現れでもあった。
次回第8話「潜入!『DWA(デュエル・ウォリアーズ・アライアンス)』」
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