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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第11話:伝説 対 精霊・後編

第11話:伝説 対 精霊・後編 作:光芒







―――あなたが誰であろうと関係ない! このバトルフェイズでライフは尽きる!

 真紅の竜を模したオーラに身を包んだ覇王星竜の攻撃が迫る。攻撃力は自身の効果と魂のペンデュラムの効果で5100にまで跳ね上がっており、他のオッドアイズたちで追撃を仕掛ければ遊路のライフは尽きてしまう。だが、そんな追い込まれた状況下にあっても遊路はいつもの飄々とした様子だった。

「異世界のデュエリスト、しかも精霊とデュエルできる機会なんてそうはないからな。だからこのデュエルをここで終わらせるわけにはいかない! 相手モンスターの直接攻撃宣言時に《速攻のかかし》を手札から捨てて発動する!」

《速攻のかかし》
効果モンスター
星1/地属性/機械族/攻0/守0
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時にこのカードを手札から捨てて発動できる。その攻撃を無効にし、その後バトルフェイズを終了する。

 遊路の目と鼻の先にまで迫った覇王星竜の前には機械仕掛けのかかし1体が立ちはだかる。如何に攻撃力の高いモンスターであっても、モンスターである限りこのかかしを越えて迫ることはできなかった。

―――速攻のかかし……!
「今やデュエルモンスターズのライフ8000はあっという間に削り取られる時代だ。それに詩音たちとのデュエルでお前のデュエルスタイルは粗方把握した。俺を刺激するためにルナたちにクイーン・フォースとのデュエルの詳細を事細かに記憶するように言ったそうだが……そのお人よしが仇となったな」
―――バトルフェイズを終了する。メインフェイズ2、俺はレベル7のオッドアイズ2体でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築。エクシーズ召喚! 来い、ランク7!《真紅眼の鋼炎竜》!!」

《真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタル・ドラゴン)》
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻2800/守2400
レベル7モンスター×2
(1):X素材を持ったこのカードは効果では破壊されない。
(2):X素材を持ったこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に相手に500ダメージを与える。
(3):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、自分の墓地の「レッドアイズ」通常モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる。

真紅眼の鋼炎竜 ATK2800→ATK3400

―――オーバーレイユニットを持ったこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、あなたが魔法・罠・モンスターの効果を発動する度に相手に500ダメージを与える。
「つまりそいつがいるだけで俺のライフが削られるってことか。この楽しいデュエルを長く続けさせてはくれないってことか……」
―――俺は……これでターンエンド。覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンの攻撃力アップの効果はこのターン終了時に切れる。

覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン ATK5100→ATK3600


遊路 LP8000 手札6枚
デッキ:28 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:4 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:15(0)
遊大 LP8000 手札1枚
デッキ:38 モンスター:3(覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン、真紅眼の鋼炎竜 ORU:2、EMオッドアイズ・ドラグーン)魔法・罠:2(天空の虹彩、魂のペンデュラム)墓地:3 Pゾーン:青2(オッドアイズ・ジークペンデュラム・ドラゴン)/赤8(オッドアイズ・アークペンデュラム・ドラゴン)除外:1 EXデッキ:13(0)


「ワンターンキルを防いだ……」
―――運もあるけど、あそこで速攻のかかしを引き込めるのはさすが風峰 遊路ってだけはあるね。
「ですが遊大さんのフィールドには覇王星竜をはじめとしたモンスターが3体存在します。そしてどのモンスターも攻撃力は最上級モンスタークラスにまで上がっているのが……」
「一番低いオッドアイズ・ドラグーンでも2500もあるぞぉ」
「……遊路さんを信じましょう」


☆TURN03(遊路)

「俺のターン、ドロー。俺は《強欲で金満な壺》を発動」

《強欲で金満な壺》
通常魔法
(1):自分メインフェイズ1開始時に、自分のEXデッキの裏側表示のカード3枚または6枚をランダムに裏側表示で除外して発動できる。除外したカード3枚につき1枚、自分はデッキからドローする。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でドローできない。

「俺のEXデッキのカードをランダムに6枚裏側表示で除外し、除外したカード3枚につき1枚ドローする。6枚除外したことで2枚ドローだ」
―――鋼炎竜の効果で500ダメージを与える!

遊路 LP8000→LP7500

「まずはその邪魔なカードたちから破壊させてもらう。魔法カード《ハーピィの羽根帚》を発動」

《ハーピィの羽根帚》
通常魔法(制限カード)
(1):相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

―――羽根帚っ……!!
「天空の虹彩がある限り、Pゾーンのカードを対象に取ることはできない。だが、羽根帚で全部まとめて破壊してしまえば全部のカードを破壊できる!」

 強烈な突風によって遊大のフィールドに存在する計4枚の魔法・罠カードが破壊される。遊路にとってはPゾーンに存在する2枚のオッドアイズの存在はどうしても看過できない存在だった。
 仮にこのターンで遊路が強力なモンスターを召喚して遊大のモンスターを破壊しても、Pゾーンにアークペンデュラムが存在すれば別のオッドアイズを呼び出せるし、ジークペンデュラムが存在すればせっかく召喚したモンスターであっても破壊されてしまう恐れがあるのだ。

遊路 LP7500→LP7000

「魂のペンデュラムが破壊されたことでお前のフィールドのモンスターを強化する効果は失われた」

覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン ATK3600→ATK3000
真紅眼の鋼炎竜 ATK3400→ATK2800
EMオッドアイズ・ドラグーン ATK2500→ATK1900

「さて、これで後顧の憂いは断った。一気に行かせてもらう! 俺は手札のヘカテリスの効果を発動!」

《ヘカテリス》
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1500/守1100
(1):自分メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ捨てて発動できる。デッキから「神の居城-ヴァルハラ」1枚を手札に加える。

「このカードを手札から墓地へ捨てることでデッキから《神の居城-ヴァルハラ》1枚を手札に加える。そして今手札に加えたヴァルハラを発動」

《神の居城-ヴァルハラ》
永続魔法
(1):1ターンに1度、自分メインフェイズにこの効果を発動できる。手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する。この効果は自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動と処理ができる。

「ヴァルハラの効果を発動、手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する」
(―――天使族モンスター……何が来る?)
「俺が特殊召喚するのはこいつだ。来い!!」









―――《アルカナフォースXXI-THE WORLD》!!―――










 遊路のフィールドには、天使と称するにはあまりにも無機質であまりにも異質なモンスターが降臨する。THE WORLD―――タロットカードの大アルカナ21番目のカード「世界」の名を冠するモンスターだ。

遊路 LP7000→LP6500

《アルカナフォースXXI(トゥエンティーワン)THE WORLD(ザ・ワールド)》
効果モンスター
星8/光属性/天使族/攻3100/守3100
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、コイントスを1回行い、その裏表によって以下の効果を得る。
●表:自分のエンドフェイズ時に自分フィールド上のモンスター2体を墓地へ送って発動できる。次の相手ターンをスキップする。
●裏:相手のドローフェイズ毎に、相手の墓地の一番上のカードを相手の手札に加える。

(―――【アルカナフォース】……実際に相手をするのは初めてだけど、その効果は……)
「特殊召喚に成功したTHE WORLDの効果を発動!」

 ソリッドビジョンとして現れたTHE WORLDの真上にTHE WORLDのものと同じカードが現れる。そしてそのカードはまるで時計の針のようにグルグルと回転を始めた。

「アルカナフォースは召喚・特殊召喚・反転召喚に成功した場合に効果を発動する。それはカードの正位置・逆位置によって異なる効果を得るということだ。正位置か逆位置か……止めるのはお前だ」
―――確率は二分の一……ストップ。

 THE WORLDのカードはカード名が上に来る形で止まった。この場合、アルカナフォースモンスターは正位置の効果を得る。

「THE WORLDは正位置の効果を得る。まあ、今の時点では効果は発動しないけどな」

遊路 LP6500→LP6000

「続いて俺は《雲魔物-タービュランス》を召喚!」

《雲魔物(クラウディアン)-タービュランス》
効果モンスター
星4/水属性/天使族/攻800/守0
このカードは戦闘では破壊されない。このカードがフィールド上に表側守備表示で存在する場合、このカードを破壊する。
このカードが召喚に成功した時、フィールド上の「雲魔物」と名のついたモンスターの数だけこのカードにフォッグカウンターを置く。また、このカードに乗っているフォッグカウンターを1つ取り除く事で、自分のデッキまたはお互いの墓地から「雲魔物-スモークボール」1体を選んで特殊召喚する。

―――【雲魔物】!? まさか、雲魔物とアルカナフォースを組み合わせたデッキ……
「どっちも天使族だからな、ヴァルハラのような種族サポートは共有できるってわけだ。召喚に成功したタービュランスの効果を発動。フィールド上の雲魔物モンスターの数だけタービュランスにフォッグカウンターを乗せる」

雲魔物-タービュランス フォッグカウンター:1

遊路 LP6000→LP5500

「そして魔法カード《雲魔物の雲核》を発動」

《雲魔物の雲核(クラウディアン・エアロゾル)》
通常魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):手札から「雲魔物」モンスター1体を捨て、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。対象のモンスターにそのレベルの数だけフォッグカウンターを置く。
(2):自分の墓地からこのカードと「雲魔物」モンスター1体を除外して発動できる。デッキから「雲魔物」モンスター1体を特殊召喚する。

「俺は手札の《雲魔物-スモークボール》を捨て、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動。そのモンスターのレベルの数だけフォッグカウンターを置く。対象はタービュランスだ」

 タービュランスのレベルは4。よってタービュランスには更に4つのフォッグカウンターが置かれることになる。

雲魔物-タービュランス フォッグカウンター:1→5

遊路 LP5500→LP5000

「そしてタービュランスのフォッグカウンターを1つ取り除いて効果を発動! デッキ・互いの墓地からスモークボールを特殊召喚する! 来い、スモークボール!」

雲魔物-タービュランス フォッグカウンター:5→4

《雲魔物-スモークボール》
通常モンスター
星1/水属性/天使族/攻200/守600
小さな小さな雲魔物の子供雲。ひとりぼっちが大嫌いで、仲間達とそよ風に乗ってゆらゆらと散歩をするのが大好き。

遊路 LP5000→LP4500

「この効果にターン制限はない! よって2つカウンターを取り除いてデッキから残り2体のスモークボールを特殊召喚する!」

雲魔物-タービュランス フォッグカウンター:4→2

遊路 LP4500→LP3500

(―――鋼炎竜の効果でライフを削られることも厭わずこんなに効果を……)
「そして俺はスモークボール3体を墓地へ送る!」
―――モンスター3体を墓地へ!?
「現れろ、闇の支配者!《アルカナフォースEX-THE DARK RULER》!!」

《アルカナフォースEX-THE DARK RULER》
効果モンスター
星10/光属性/天使族/攻4000/守4000
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に存在するモンスター3体を
墓地へ送った場合のみ特殊召喚する事ができる。このカードが特殊召喚に成功した時、コイントスを1回行い以下の効果を得る。
●表:このカードはバトルフェイズ中2回攻撃する事ができる。この効果が適用された2回目の戦闘を行った場合、このカードはバトルフェイズ終了時に守備表示になる。次の自分のターン終了時までこのカードは表示形式を変更できない。
●裏:このカードが破壊される場合、フィールド上のカードを全て破壊する。

―――攻撃力4000……
「特殊召喚に成功したDARK RULERの効果を発動。こいつもアルカナフォースだからな、正位置と逆位置によって異なる効果を得る」
―――ストップ!
「DARK RULERの正位置の効果! このカードはバトルフェイズ中2回攻撃ができる。最もこの効果が適用された2度目の戦闘を行った場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になり、次の俺のターン終了時まで表示形式を変更できなくなるがな」

遊路 LP3500→LP3000

「言っておくが、こんなんじゃ済まないぜ? 墓地の雲魔物の雲核のもう1つの効果を発動。墓地のこのカードとスモークボール1体をゲームから除外し、デッキから雲魔物モンスター1体を特殊召喚する。来い!《雲魔物-アイ・オブ・ザ・タイフーン》!」

《雲魔物-アイ・オブ・ザ・タイフーン》
効果モンスター
星8/風属性/水族/攻3000/守1000
このカードは戦闘によっては破壊されない。このカードが表側守備表示でフィールド上に存在する場合、このカードを破壊する。このカードの攻撃宣言時、「雲魔物」と名のついたカード以外の全ての表側表示モンスターの表示形式を変更する。

遊路 LP3000→LP2500

「さあ、準備は整った、バトル! まずはTHE WORLDでオッドアイズ・ドラグーンを攻撃!”オーバー・カタストロフ”!」

アルカナフォースXXI-THE WORLD ATK3100 VS EMオッドアイズ・ドラグーン ATK1900

遊大 LP8000→LP6800

「続けてDARK RULERで真紅眼の鋼炎竜を攻撃!“ジ・エンド・オブ・シャドー”!」

アルカナフォースEX-THE DARK RULER ATK4000 VS 真紅眼の鋼炎竜 ATK2800

遊大 LP6800→LP5600

―――っ!?
「そして正位置のDARK RULERはもう1度攻撃できる! 精霊よ、闇を支配する者の一撃を受けてみな! DARK RULERで覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンを攻撃!! “ジ・エンド・オブ・シャドー・セカンド”!!」

アルカナフォースEX-THE DARK RULER ATK4000 VS 覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴン ATK3000

―――ぐあああっ……!!

遊大 LP5600→LP4600

「……やって、くれたな……」

 THE DARK RULERの二つの竜型の頭から放たれた闇の波動が覇王星竜の身体を撃ち抜いた。咆哮と共に崩れ落ちていく覇王星竜。まるで砕けたガラスのように散っていった覇王星竜の残骸からは、頭から血を流した遊大がふらふらと立ち上がった。その美しい顔を血で染めながらも、遊大はその眼に闘志と怒りを込めて遊路を睨みつけていた。

(マジか、なんて気迫だ)
「これでお前を守るモンスターは消えた。アイ・オブ・ザ・タイフーンでダイレクトアタック! そしてアイ・オブ・ザ・タイフーンの攻撃宣言時に効果を発動。雲魔物以外のモンスターの表示形式を変更する」

アルカナフォースEX-THE DARK RULER DEF4000
アルカナフォースXXI-THE WORLD DEF3100

雲魔物-アイ・オブ・ザ・タイフーン ATK3000

遊大 LP4600→LP1600

「このターンでは終わらないか。タービュランスでダイレクトアタック!」

雲魔物-タービュランス ATK800

遊大 LP1600→LP800

「……俺はバトルフェイズを終了。メインフェイズ2に移る。タービュランスのフォッグカウンターを1つ取り除き、墓地のスモークボール1体を特殊召喚する」

雲魔物-タービュランス フォッグカウンター:2→1

「俺はこれでターンエンド」
「結局……このターンでは決められませんでしたね。俺はフィールドのカードを全て失いましたが、まだライフが残っている限り俺は諦めない。どれほど泥臭く、みっともない勝ち方だとしても!! 俺は―――!!」
「いいや、このデュエルはもう終わりだ。エンドフェイズにTHE WORLDの正位置の効果を発動。アイ・オブ・ザ・タイフーンとスモークボールの2体を墓地へ送る。そして―――次の相手のターンをスキップする」
「ターン、スキップ……っ!?」
「つまり、お前にターンは回ってこないんだよ。だから反撃のしようがないってことだ」


遊路 LP3000 手札2枚
デッキ:21 モンスター:3(アルカナフォースEX-THE DARK RULER、アルカナフォースXXI-THE WORLD、雲魔物-タービュランス フォッグカウンター:1)魔法・罠:1(神の居城-ヴァルハラ)墓地:10 Pゾーン:青/赤 除外:8 EXデッキ:9(0)
遊大 LP800 手札1枚
デッキ:38 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:8 Pゾーン:青/赤 除外:1 EXデッキ:13(4)


―――高海 遊大は反撃をしようにも、そのためのターンが回ってこない。
―――これは決まりのようだね、さすがザラメが契約した人間だよ。
―――アハハ、楽しいデュエルだったね! バジルもあんな楽しいデュエルがしたーい!
―――ラズベリー様、どうしたの?
―――ううん、なんでもないわ。
「遊大さん……あなたはどうして……どうしてそうまでしてデュエルを……」
(遊季都くん……)


☆TURN04(遊大)


※アルカナフォースXXI-THE WORLDの効果でスキップ


☆TURN05(遊路)

「俺のターン、ドロー。そんな状態でデュエルを続けられてもこっちがやり辛いだけだから一気に終わらせるぞ。DARK RULERとTHE WORLDを攻撃表示に変更。DARK RULER自身の効果の前にアイ・オブ・ザ・タイフーンの効果で守備表示になったからこのターンでも攻撃表示に戻せる。バトルだ! THE DARK RULERでダイレクトアタック! ジ・エンド・オブ・シャドー!!」

アルカナフォースEX-THE DARK RULER ATK4000

遊大 LP800→LP0












 THE DARK RULERの一撃で止めを刺された遊大はそのまま呆然と立ち尽くしていた。精霊の力を解放したのにも関わらず、勝利することができなかったのだ。その現実を彼は受け入れることができなかったのである。

「俺の勝ちだ。さあ、俺たちをつけ狙うのはやめてもらおうか」
「……まだだ」
「ん?」
「まだ……俺は……終われないっ!!」
「遊大さん! もうやめてください!!」

 遊大は覚束ない足取りで遊路の方へと歩いて来る。血まみれになりながら迫りくる様はもはや正気であるとは言い難い。遊季都が遊大を止めに入ろうとしたが、遊路はそれを何も言わずに制する。

「遊季都、何もしなくていい」
「風峰 遊路……お前を止めないと……みんなを……守れない……」
「……」
「……遊……希、さん……ごめんな……さ、い」

 遊路に向かって拳を振り上げる遊大。しかし、その拳を遊路に突き立てることなく、遊大はその場に倒れた。遊路は遊大が倒れるまでずっと彼の眼をじっと見つめていた。

(なんて執念だ。俺は今までいろいろな奴と戦ってきたが……ここまで純粋に、誰かのために戦おうとする奴はそうはいなかった。一体何がこいつをここまで動かしているんだ?)
―――主殿、こやつはどうする? 危険な存在であることには変わりないと思うのじゃが。
(言うまでもない。助けるぞ)
「遊季都、救急車を頼む!!」
「は、はい!」

 崩れ落ちた遊大の身体を抱きかかえる遊路。

「高海 遊大……お前を絶対に死なせはしないからな」











●次回予告

大空 仁
「まさか遊大が敗れるとはな。風峰 遊路……少なくとも俺たちでは到底及ばない存在と言っていいだろう。遊路たちの手によって病院に担ぎ込まれた遊大。普通の人間であるならともかく、今のあいつは精霊だ。そう簡単に命を落とすことは無いだろう。しかし、どうしてお前はそこまでして遊路を狙うんだ?」

次回 救いを求めた声

大空 仁
「お前に助けを求めた者がいるだと? 何者だそいつは」








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ヒラーズ
時を支配(ターンスキップ)はどの環境でも通じるものなんですね。
デッキは…【アルカナクラウディアン】?コイントスややたらとコストが重いデッキですがまさに大統領らしいデッキ。
助けを求めるほどやばい悪党がいるのだろうか? (2019-01-21 07:46)
ター坊
ギャンブル効果と言えばやはりアルカナフォースでしたね。しかし相方が雲魔物って…代行天使とかのメジャーどころじゃない捻った感じが良い。光の結界でもなく光の波動でもなく素の運のみでWORLDとダークルーラーの正位置効果を適用させるのも遊路らしい演出です。 (2019-01-21 08:33)
ギガプラント
雲魔物の雲核…確かにすげえ便利だ…。
デュエルタクティクスは言うまでもありませんが、当然正位置ィ!を素でやってのけるあたり流石遊路先生…とんでもないっす。
次回予告を見るに…なんかもっと悪い黒幕的なのがでてきそう……。 (2019-01-21 09:32)
光芒
遊路の本作でのデッキは【アルカナクラウディアン】になります。
元々は【救世者】に近い効果を持つ【アルカナフォース】デッキにする予定でしたが、天使族で繋がる【雲魔物】の新規カード《雲魔物の雲核》の登場およびEX2種の3体リリース特殊召喚の条件をタービュランスからのスモークボール大量展開で満たせるので、この2つのデッキを混ぜました。また、雲魔物を使わせた点には遊路の「これまでの型にはまらない天衣無縫さ」=「形を持たず何物にも縛られない雲」に例えています。
そして「豪運」という名の主人公補正で望む位置を引き当てまくります。それもまたレジェンドデュエリストですね。

ヒラーズさん
どんなに重いロマンデッキでも簡単に回してしまうのが遊路という存在ですからね。伊達に世界最強のデュエリストは名乗っていないわけです。

>助けを求めるほどやばい悪党がいるのだろうか?
それはまた次回……

ター坊さん
実は初めは【代行天使】の予定でした。ヴィーナス効果で大量展開からのトライワイトゾーンでルーラー2種類並べたりとか。でも雲核が出たので急遽切り替えましたが。そして結界とか逆転を使わずに揃えるのもまた遊路の桁外れなところを表わしています。

ギガプラントさん
11年ぶりに出た新規とだけあって結構な壊れカードですよね雲核。まあ雲魔物カードはほとんどが再録なしの絶版なので組むのはかなりハードルが高いのですが。それでもタービュランス1枚からリンク4行けるのでフリーとかでは結構行けると思いますよ。

>次回予告を見るに…なんかもっと悪い黒幕的なのがでてきそう……。
もしや預言者の才能がお有りでは?(殴
(2019-01-21 23:35)

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