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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第9話:伝説 対 精霊・前編

第9話:伝説 対 精霊・前編 作:光芒







「皆様をお連れしました」

 遊大とクイーン・フォースのデュエルが行われて3日が経った。その間、遊路が何をしていたかと言うと……実はほとんど何をすることもなかった。やったとすれば案の定二人の妻にプレゼントを贈ったり、二人の娘とたくさん遊んだりした程度だ。事情を知らない四人の家族の前ではただただ家族思いの良い父親であり続けたのである。

「ありがとう、ルナ。通してあげてくれ」
「はい、こちらへどうぞ」
「し、失礼します!」
「本日はお招き頂きありがとうございます」
「これはうちの母ちゃんが持ってけって言ってたんだなぁ。家族の皆さんで食べてくれって」

 ルナテシアによって遊路の家に招かれたのは梓と盛雄、そして遊季都の三人―――チーム「チャレンジャーZ」の面々だった。この三人は遊路がクイーン・フォースのように直接コーチをしているわけではないが、チーム結成のきっかけを作ったのが遊路であるため、ある意味では遊路が生みの親とも言える存在だった。

「おおありがとう。盛雄の家は定食屋なんだっけ? 今度家族で食べに行かせてもらうよ。さて、今日君たちを俺の家に呼んだのには当然事情がある」
「では私は“彼”が来たときのために見張りをしておきます」
「ああ、頼んだぞ」

 遊路はルナテシアに番を依頼すると、リビングのソファに三人を座らせる。ここにいる四人の共通点は二つある。一つは全員がデュエリストであること、そしてもう一つは―――

「いきなりで悪いが、君たちも出してくれないか。悪魔を」

 そう言って遊路の右斜め後ろには紫色の丈が短い着物をまとった金色のポニーテールをした美女が現れた。この女性の名はザラメ。遊季都のラズベリー、ポップロック、チャーハンと同じ悪魔であり、遊路を契約を交わした者だ。
 悪魔としての能力は対象物の時間を進めてしまう“星霜の旅人(タイム・ランナー)”という能力で、対象物の時間を最大で500年まで進めてしまうもので、対象になったものを時間経過として劣化させてしまう。使い方次第では容易に命を奪える危険な能力であるが、遊路はカレーの時間を一日進ませてより美味しくするといったことにしか使っていなかったりもする。

「主殿、ここにいるのは悪魔をその身に宿している者ばかり。汝、一体何を企んでおるのじゃ?」
「別に何も企んじゃいないさ。ただ悪魔と契約している皆にちょっと話しておきたいことがあってね」
「わかりました、みんな。出てきて」

 遊季都の後ろにはラズベリー、ポップロック、チャーハンの3体の悪魔がそれぞれ露出の多い若い女性、白衣を纏ったボサボサ頭の若い青年、薄緑の髪をおさげにした少女の姿で現れる。そして遊季都が悪魔を実体化させたのと同じように、梓と盛雄も自身の悪魔を顕現させた。

「わ~、悪魔がいっぱ~い」
「まさかボクたち悪魔が人間の世界で一堂に会する日が来るなんてね」

 梓の契約した悪魔の名前はバジル。人間としての見た目は白と黒のゴスロリドレスを纏った双子の金髪少女であり、その能力である“贋作の陶芸家(フェイク・アーティスト)”によって契約者が出会ったことのある人物のドッペルゲンガーを作り出してはそれを自在に操ることができる。
 そして盛雄が契約した悪魔の名前はブルーハワイ。人間としての見た目はベレー帽を被り、ブレザーのような制服を着た小柄で中性的な少年であり、その能力は“無生物の奏者(ノーライフ・ミュージシャン)”は無機物の性質を念じた通りに変える能力で、盛雄が「グニャグニャ」と言えば対象物は柔らかくなり、「ジュー」と言えば対象物は高熱を持つ。多種多様な能力を持った悪魔たちが今、風峰家の屋根の下に揃ったのである。

「さて、実は今から言うことは悪魔たちにも知らせておきたいことだったからこうして出てきてもらった。今から3日前になるんだが、クイーン・フォースがあるデュエリストに襲われた」
「襲われた!?」
「ああ、そいつは不思議な力で女の子に化けてニューサニーアップ事務所に侵入しては、クイーン・フォースの三人を同時にデュエルで相手をしてそれを打ち破った」
「あのクイーン・フォースの皆様を一人で……?」
「にわかに信じられないぞぉ」
「俺も最初聞いた時は耳を疑ったさ。俺が現在進行形で育てている秘蔵っ子たちがたった一人のデュエリストに総ナメにされちまうんだからな。でも、これは本人たちから聞いた話だし、ルナもその場にいた。紛れもない事実だよ」

 遊季都たちチャレンジャーZも遊路の勧めでクイーン・フォースの三人とデュエルをしているが、いずれも敗れている。日本一のチームである彼女たちの強さは実際に刃を交えた三人だからこそわかっているのだ。

「それで、クイーン・フォースの三人を倒したデュエリストのことはわかっているの?」
「ああ。お前たちはこんな人物のことを聞いたことがないか?―――虹彩の皇子」
「えっ!?」

 その名前を聞いた途端、思わず遊季都は立ち上がる。あっ、と思ったのも時既に遅し。自分の悪魔たち三人が呆れた顔をする中、周囲の視線が否が応でも遊季都に集中する。

「遊季都、お前何か知っているな?」
「あっ……」
「遊季都くん、わかりやすすぎ~! でもそんなところがアタシの好みなんだけど! にゅふふ」
「自重しろ、公衆の面前で盛るな」
「ラズベリー様、どうどう」
「アタシは馬じゃないし!」

 ここで遊季都は自分が虹彩の皇子こと高海 遊大と一度だけ会っていることを皆に話した。一週間ほど前に下校途中に道に迷っている様子の遊大を見つけては、彼をニューサニーアップ事務所の近くまで案内したこと、そしてその道中に中村 羅龍風の報復に現れた裏稼業の者たちをデュエルおよび不思議な力で一蹴したことも。

「つまり遊季都を利用してニューサニーアップ事務所の場所を掴み、俺にスカウトされたと嘘をついて事務所に潜入。クイーン・フォースを襲ったということか」
「まさかそんなことが……」

 当然それは遊季都からみれば信じたくないことであった。あの時自分を守ってくれた遊大の優しさが全て嘘だったということなのか。あの心優しい彼は全て偽りだったのだろうか。

「いや、遊季都は悪くない。お前は何も知らなかったんだからな」
「ですがどうしてその……虹彩の皇子はクイーン・フォースの皆さんを」
「実はな、そのデュエルの後に虹彩の皇子はルナとクイーン・フォースにこんなメッセージを残していった」



―――彼は、風峰 遊路は……悪魔に魂を売った。いや、悪魔そのものだ。俺は彼を倒すためにこの世界にやってきた。俺たちの世界を、俺の大事な人たちを守るために!!



 遊大のこの言葉からわかることは三つある。一つは彼が悪魔の存在を知っているということ、二つ、彼がこの世界の存在ではないということ。そして三つ、彼が自分の守りたいものを守るために戦いに臨んでいるということだった。守りたいものがあるから力を発揮することができる。遊路も遊季都たちもそれはよくわかっていた。それが故に遊大が一筋縄ではいかない相手だということも。

「……あいつは悪魔の存在を知っている。俺が悪魔に魂を売った、ということはすなわち悪魔と契約したことを言いたいんだろう。そしてそんな俺を倒すと言うことは?」
「簡単なことだね、ボクたち悪魔と契約している盛雄たちもその虹彩の皇子のターゲットになる」
「あはは~、じゃあおそかれはやかれそいつバジルたちのまえにでてくるってことになるねー!」
「ああ、そして相手はクイーン・フォースの三人を一人で倒すだけの実力者。こんなことを言ってしまいたくないが……今のお前たちでは一人の時に狙われたら?」

 各自がバラバラに行動していれば、それを遊大は見逃さないだろう。そしてクイーン・フォースより実力の劣る遊季都たちが勝てる見込みなどかなり少なくなる。悔しいが、受け入れざるを得ない現実に遊季都たちは俯くしかなかった。

「今日皆を俺の家に呼んだのはそのためだ。全員が一つに固まっていれば、俺の力でいくらでも守ってやれるからな」
「そういうことでしたか……でも、いつ遊大さんが来るかなんてわからないんじゃ……」
「いや、あいつは今日ここに来る。何故なら3日前にそうルナたちに伝えてきたんだからな」

 そこまで律儀に予告を守るような者なのだろうか。そう思いつつ遊季都たちは今日一日を遊路の家で過ごすことになった。ちなみに美羽と遊月、大和と雛里は万が一に備えて少し離れた高級ホテルに避難させていたため、この家にいるのは家主である遊路と客人である遊季都たちだけだ。

「ということで今日は盛雄の持ってきた料理と俺の手料理でパーティーと行こう! あっ、梓も手伝ってくれよな? Honey Angelで磨いた料理の腕、期待してるぞ」
「そんな大それたことはできませんが……ご協力させて頂きます」

 遊路の言ったHoney Angelというのは、家を飛び出して一人暮らしを始めた梓がバイトをしているデュエルメイド喫茶である。梓は自分が住んでいるアパート・魅河荘の家賃を稼ぐためにそこでメイドとして働いているのだ。

「ねえブルーハワイ、バジルはこれをいれればいいの? えーと……デスソー……」
「それを入れると人間たちの味覚が破壊されるから絶対に入れちゃダメだよ?」
「いれちゃダメってことはいれたほうがいいってことね! このあいだテレビでみたわ!」
「やめんか馬鹿者。あれは芸じゃ」

 そして梓や盛雄と共に悪魔たちも厨房に立っては料理を手伝う。そんな中、遊季都は一人心あらずといった様子だった。

「ねえ、遊季都くん。アタシたち遊季都くんに謝らなきゃいけないことがあるんだ」
「謝らなきゃいけないこと?」
「ああ。実は我々はあの高海 遊大が常人でないことに気が付いていた。最も何処からともなく槍を出すことのできる人間が常人と言えるわけもないだろうが」
「……」
「でも遊季都くん、遊大くんと一緒にいる時本当に楽しそうだったからさ。こっちもそんな遊季都くん見てるとなんだか言い出しにくくてさ」
「遊季都、傷つけたくない」
「みんな……」

 悪魔たちの気遣いが身に染みる遊季都。人ならざる異形のものであったとしても、彼を思う気持ちに変わりはない。そんな悪魔たちの優しい気持ちが遊季都の心を暖める。

(ねえ、みんな。確かに遊大さんは僕を利用していたかもしれないけど……僕は遊大さんを信じたい。あの人は……悪い人じゃない)
―――遊季都くんって本当にお人よしだよね。でも、そんな遊季都くんだからこそアタシは契約したのかもしれないなぁ。











「……ここが風峰 遊路の家、か」

 そしてその夜、遊路の家の前には遊大の姿があった。彼はこの世界の有名人でもある遊路の家を突き止めると、兼ねてからの予告通りクイーン・フォースとのデュエルの3日後にやってきた。
 彼がクイーン・フォースをデュエルで破ったのには理由がある。その一つが自分の存在を遊路に認識させることだ。自分が可愛がっているデュエリストたちが打ち破られたとあれば、そのコーチを務める遊路も黙っていない。必ずその雪辱を晴らさんと機を伺っているはず。そのため遊路に遊大と戦う理由を作らせることで、より確実にその首を取るための舞台が整えさせる。それが遊大の狙いであった。
 決意を新たに遊大は首から下げているペンダントを手に取ってはそのカバーを開く。ペンダントの中には美しい一人の女性の写真が入っていた。

(待っていてください、俺があなたを守ります)
「さて……そこにいるのはわかっている。出てきたらどうですか?」
「ほう、わっちの存在に気が付くか。汝、噂に違わぬ力の持ち主のようじゃな?」

 遊大が上を見上げると、屋根の上からは1体の巨大な金色九尾の狐のような生き物が彼を見下ろしていた。この狐のような生物こそがザラメの悪魔としての真の姿である。
 彼女としては人の姿よりこの姿でいたいのだが、この姿のまま街中をうろつかれては遊路としても困るし、また見ての通り獣の姿であるため大和や雛里の遊び道具にされてしまうためよほどのことがなければ人の姿で過ごすようにしていた。

「悪魔……それだけの巨大な力、感じ取らない方が難しいさ。さて、風峰 遊路さんは何処ですか? わざわざ日程まで決めているんだ、いないなんて言わせないよ」
「俺ならここにいるが?」

 ザラメの巨体から覗き込むように現れる遊路。遊路は巷で話題の虹彩の皇子を、遊大はターゲットを発見してはそれぞれ不敵な笑みを浮かべる。
 この世界において最強であり、生ける伝説とまで化している遊路と異世界より現れたデュエルモンスターズの精霊・遊大。遊季都と同じく普通に生きているだけであれば出会うはずのない二人が運命的な出会いをした。

「初めまして虹彩の皇子様。俺が風峰 遊路。お前にブッ倒されたクイーン・フォースのコーチを務めている」
「これはご丁寧にどうも。俺は高海 遊大と言います。世間では虹彩の皇子と言われているようです。あまりうれしくはありませんが」

 声のトーンこそ穏やかなものであるが、二人の間にはバチバチと火花が散らばっていた。出会った瞬間、というわけではないが遊路も遊大も共にその佇まいから相手の力量をすぐに理解した。

「なるほど……真紅の髪にオッドアイの美少年か。俺の次くらいにはイケメンだと思うぜ? 俺の次くらいにはな?」
「大事なことなので二回言いました……っていうところでしょうか。でもそんな軽口はもう叩けなくなりますよ?」
「ふーん、どうしてだ?」
「俺があなたを倒すからです。あなたを倒し、その禍々しい悪魔を滅ぼす」
「滅ぼす……か。大層なことを言うが、果たして悪魔を滅ぼして何が変わるのかね。まあいいや、お前の目的はわかっている。俺だろう?」

 そう言って遊路は右手の人差し指で自分の首を差す。全て伝わっているのであれば話は早いというものだ。遊大は装着していたデュエルディスクを展開する。

「おい待て待て、ここは住宅街だ。こんな時間にここでデュエルなんてしたら近所迷惑になるだろう。場所を変えようぜ? 俺とお前のデュエルに相応しい舞台を用意してるからよ」
「……それもそうですね。俺の狙いはあくまであなただけ、他の人に迷惑はかけたくありませんから。それでどこへ行けばいいんですか?」
―――妙じゃのう。主殿のことを憎んでいるのであれば周囲の人間どものことなど気に掛けず攻撃に移ると思うのじゃが。
(遊季都の言っていたことは本当かもしれないな)

 遊路とザラメは少し前に遊大の人となりについて遊路に話していた。演技であったかもしれないが、高海 遊大という人間の立ち振る舞いからは悪人特有の邪気らしきものがまるで感じられなかったのである。

(だったらどうして俺を狙うのかも探っていくべきだろうな)
「交渉成立だな。ついてこい」

 そう言って遊路はザラメの背に飛び乗ると、そのまま空を翔けていった。遊大はその場で覇王星竜ドラグリステル・ペンデュラム・ドラゴンの姿に変化すると、同じように翼を広げて遊路の後を追った。

(まさか本当にデュエルモンスターズの精霊だとはな。しかも俺も見たことのないモンスターと来た。そりゃ詩音たちも負けるよな)
―――主殿、ここまでは全て手はず通りじゃがいいのか?
(ああ。可能性はかなり少ないが、賭ける価値はあるだろう)

 一縷の望みに賭けて遊路とザラメは市街地からだいぶ離れた草原へと降り立った。人気のないこの場所であれば仮に地形が変わるほどのデュエルが行われたとしても人的被害は避けられるはず。最もその場にいるのは遊路たちだけではなかった。覇王星竜と化した遊大の瞳に映ったのは降り立とうとしている彼をじっと見つめる遊季都の姿だった。

―――遊季都くん? 何故君がここに……
「僕のことを覚えていてくれたんですね、遊大さん」
―――なるほど、遊季都くん……それにそこの二人も悪魔の使い手ということか。探しに行く手間が省けたというものだ。
(これが、デュエルモンスターズの精霊……御伽噺だけの存在かと思っていましたが)
(凄い威圧感だぞぉ……)

 悪魔を従える者として遊季都と共にその場に居合わせた梓と盛雄であるが、悪魔とはまた違う力を持った精霊を前に立っているだけでも精いっぱいと言えた。しかし、遊季都は遊大と面識があるためか、二人と違って堂々と彼の前に立っては彼に思いのたけをぶつけていた。そんな遊季都を見てチームメイトである自分たちが逃げ出すわけにはいかない。その思いが二人の強い支えになっていた。

「遊大さん、考え直してくれませんか? あなたが何を望んでいるかはわからないけど……遊路さんや悪魔たちを倒して何になるんですか?」

 遊路が賭けたのは遊季都の説得によって遊大が考え直してくれるのではないか、ということだ。この中で唯一遊大と面識があるのが遊季都であり、遊大は過去の呪縛に縛られた彼をその力で救い出している。もちろんデュエリストとしては挑まれたデュエルは受けたいのが遊路の本音であるが、避けられる戦いを避けることで無益な血を流さずに済むのであればそれに越したことはない。

―――考え直す……か。遊季都くん、争いを望まない君の優しい心は理解する。だけど、ここでやめるくらいなら俺は初めからこの世界にはやってこない。
「遊大さん……」
―――俺は悪魔たちの侵略から俺たちの世界を、俺の大事な人を守る。悪魔の尖兵となって悪魔と同調する侵略者を……俺は見逃すわけにはいかない!!
「っ!?」

 天を貫くような覇王星竜の咆哮が音のない夜の世界に響き渡る。こうなればもはや言葉では止めることができないのは誰の目にも明らかであった。

「説得は敵わずか。じゃあ仕方ない!」

 そう言ってザラメの背から飛び降りた遊路もまたデュエルディスクを展開する。彼の普段のデッキは【救世者】というオーダーカードのデッキで構築されたものであるが、クイーン・フォースはオーダーカードではないデッキで挑んで敗れている。そのため彼女たちのコーチも務める者として、自分もオーダーカードを使わずにこのデュエルに臨むことに決めていた。

「さて、異世界からのお客さん。俺の事をよく知らないようだからデュエルの前に自己紹介とさせてもらう。俺は風峰 遊路。自分で言うのもなんだか、この世界で最強のデュエリストだ。俺を相手にすることの意味、よく考えてこのデュエルに臨むんだな!」
―――最強か……面白い。

 遊路の啖呵を聞いた覇王星竜は元の遊大の姿に戻っては同じように臨戦態勢を整える。空に丸く輝く月と瞬く一面の星が二人のデュエルの舞台を照らし出す。

「例え相手が最強のデュエリストであったとしても。俺は絶対に負けない……負けるわけにはいかないんだ!」
「いい決意表明だ。なら……俺を楽しませてくれよ!!」



―――デュエル!!―――



遊路 LP8000 手札5枚
デッキ:35 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:15(0)
遊大 LP8000 手札5枚
デッキ:45 モンスター:0 魔法・罠:0 墓地:0 Pゾーン:青/赤 除外:0 EXデッキ:15(0)












●次回予告

舞原 留奈
「先攻をとったのは遊路。しかし、ようすみでおわった遊路にたいして後攻の遊大ははやくも覇王星竜をふくむおおくのモンスターをペンデュラム召喚してきたぞ! はやくもピンチだが、遊路。どうしておまえはへいぜんとしてられるんだ!?」

次回 伝説 対 精霊・中編

舞原 留奈
「まさか、そんなモンスターをつかうとはな……」





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ギガプラント
ついに主人公同士がぶつかりますね。
遊路先生がどんなデッキを使うのかが楽しみです。
そういえばここまで悪魔が一気に出てくるのは珍しいですね。こうしてみると個性的なのが多いな。
デスソースはアカン……アカンて…。 (2019-01-18 10:00)
ター坊
悪魔のやり取り、私より可愛い。何気にまだザラメと他の悪魔の接触の描写は初めてです。
後半はシリアスな邂逅シーンですが、おちょくるような口調の遊路がらしさがあって良い感じです。次回は中編ということでなかなかの激戦になりそう。
(2019-01-18 11:44)
光芒
ギガプラントさん
遊路のデッキは【救世者】とは異なりますが、救世者の面影を残したデッキになっていますね。主に効果や種族など。たぶん遊路じゃなきゃ使いこなせないんじゃいかと思ってしまいます。

>そういえばここまで悪魔が一気に出てくるのは珍しいですね。こうしてみると個性的なのが多いな。
ター坊さんの発想力には頭が下がりますね。

>デスソースはアカン……アカンて…。
そういった意味ではバジルが一番悪魔していると思います。


ター坊さん
バジルとブルーハワイのキャラを掴むために本編を再読しているのですが、バジルはまだカード形態すら登場していないんですよね。特別コラボなので本編とはあまり関わらないと思いますが、バジルと他の悪魔を絡ませてしまってよかったでしょうか?

>おちょくるような口調の遊路がらしさがあって良い感じです。
真剣なデュエルの最中であっても大真面目に軽口を挟むのが遊路っぽいかな、と思いました。そういったところに大物感を感じて頂ければ……
(2019-01-19 22:50)

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