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21:戻ってゆく日常 作:ほーがん
第21話「戻ってゆく日常」
上へと向かうエレベーターの中、遊牙の腕に抱えられたルナは口を開いた。
「遊牙。」
小さな声に遊牙は優しく反応する。
「どうした、ルナ。」
ルナは遊牙の腕を引っぱり言った。
「・・・来てくれて、ありがとう。」
遊牙は微笑む。
「当然だ。もう、お前を放しはしない。」
その言葉を聞き、ルナは少し頬を赤らめた後、同じように微笑んだ。
「あれが、光の龍の・・・。」
カゲロウは一人呟く。
「ふっ、ミシェルの奴に伝えねばな・・・。」
そして、3人はエレベーターを降りた。そこはあの「生体培養実験室」の一角。立ち並ぶガラス管を流し見ながら、遊牙は呟く。
「さらばだ・・・俺の故郷・・・。」
部屋を出て、通路に立ったとたん、床が揺れ始める。
「ヨシトが戦っているのか・・・。」
カゲロウは言った。
「少年よ!急いでここを出るぞ!!」
カゲロウに合わせ、遊牙は走り出した。
来た道を進む中、沢山の人影が見えた。
「おい!あれ遊牙じゃねぇか!!」
人影の中、遊牙にとって見慣れた姿が見えた。
「カケル!!凛香!!」
遊牙は叫ぶ。
「遊牙・・・!それにルナも!良かった・・・。」
凛香はミシェルの腕の中、安堵した顔で口を開いた。
そして、帰って来た遊牙の肩に手を回し、カケルは涙混じりに言う。
「よかったぜぇ・・・遊牙・・・!!俺は、お前に何かあったらってよぉ・・・。」
遊牙は笑った。
「もう大丈夫だ、カケル。凛香も心配を掛けた。それより、今は早くここを脱出しよう。この地下でヨシトが戦っているんだ。」
その言葉にホーガンが反応する。
「ヨシト・・!!遊牙、ヨシトに会ったのか!!?」
遊牙は答えた。
「ああ。今、ヨシトは暴走した黒い龍と戦っている。もう一度ゲートが開かないように。だから、ヨシトは早くここを避難するよう俺に言ったんだ!」
カケルが口を挟む。
「じゃあ、早い所ここを出ようぜ!!」
カケルの隣に居る木嶋が頷く。
「俺が誘導する!!お前らさっさとここを出るぞ!!」
木嶋の言葉に、制服を着た1番隊と2番隊が敬礼をし、列を作って走り出した。
「さぁ、後に続け!!」
遊牙はその後に続いて走り出す。カケルはミシェルの腕から凛香を引っぱり、自らの腕に抱きかかえた。
「ちょ、ちょっとカケル・・!」
カケルは抱えた凛香に言う。
「任せときな!凛香!俺がしっかり家まで運んでやるからよ!」
凛香は困ったように言った。
「全く、格好つけなんだから・・・。」
ミシェルの横で走るカゲロウは口を開いた。
「のう、ミシェル。某は見たぞ。」
ミシェルは走りながら言った。
「見たって、何をだい?」
カゲロウは何かを思い出すように上を見上げた。
「光の龍だ・・・。あの時見た光の龍を、某は先ほどこの目で見た。」
ミシェルは驚いたように言う。
「そ、それは本当かい!!?あの時の光の龍、あれはなんだっただい!!?」
その言葉を受け、カゲロウは前を見た。
「あれは月から来たそうだった。『神の鉄槌』も同じく月の住人。あの龍はあの時、この地で彷徨う仲間を諌めたのだろうな。」
その話を聞いたミシェルは、カゲロウの予想に反し満足そうに言った。
「そう・・・やっぱりあれは幻なんかじゃなかったんだね・・・。」
そしてついに、出口へと辿りついた遊牙達。門が開き、外の空気が入り込んで来た瞬間。皆の目を眩い光が刺激した。
「なんだ・・・。」
思わず、目を細める遊牙。そしてゆっくりと目を開けたそこには。
「こ、これは・・・!!」
視界いっぱいに広がる青い空。一片の雲さえない青空は遊牙達を優しく迎え入れた。
「ま、眩しいぜ・・・。」
同じように目を細めるカケル。その腕の中で凛香も呟く。
「でも、とってもあったかい・・・。」
ホーガンは唖然として言う。
「戻った・・・青空が・・太陽が・・・!!戻ったんだ!!!」
まるで子どものようにホーガンは走り出し、太陽と青空の下で飛び跳ねた。
「全く、大人げないわね。ワタクシを見習ったらどうかしら?」
ホーガンの前に現れたのは、ゴスロリに身を包んだ少女と屈強な男。
「き、君はマーナ!それに、ドレガン!!生きていたのか!!」
その男、ドレガンは頭を掻いて言った。
「まぁな。実は『DWA』を離れて独自に『神の鉄槌』の研究をしてんだ。」
マーナはドレガンに向かってむすっとした顔をする。
「でも、かわいい娘を置いて行くなんて、ちょっとパパ酷くない!?」
ドレガンは言った。
「本当に済まなかった、マーナ。実はお前の事はこっそり二人に任せていんだ。」
ドレガンの目線の先にマーナは向いた。そこに居た人物、カゲロウとミシェルは肩を竦める。
「全く、ヘラルドに気づかれないように世話をするのは大変だったのだぞ、ドレガン。」
「これからは毎日、娘の側にいるんだよ。」
ドレガンは頷く。マーナはドレガンの足にしがみついた。
「これからはぜーったい離れちゃダメだからねパパ!!」
その娘を抱き上げ、ドレガンは言った。
「ああ。パパはもうどこにも行かないよ。」
その光景を見ていたリチャードが空へ視線を移し口を開いた。
「しっかし、なんで今になって青空が戻って来たんだ?」
「おそらく、ノーンが太陽を隠していたんだろう。月以外の光を遮る為に。」
遊牙の横に立った人物は、被っていたフードを外した。
「ヨシト・・・!!」
その人物、ヨシトは遊牙を方を見て笑う。
「また会えたね。遊牙。」
ドレガンが言う。
「ヨシト!!無事だったのか!!」
ヨシトは困ったように言った。
「無事ってわけでもないかな、ドレガン。僕はもう月には帰れなくなった。」
遊牙は訊ねる。
「それはどういう・・・。」
ヨシトは空を見上げる。
「たった今、僕と月狂眼との戦いは終わった。結果として互いの龍は消滅。その代償として僕は赤き力を失った。この地下で2体の龍は永遠に封印され、二度と蘇る事は無いだろう。同じくゲートももう開かれる事は無い。」
光り輝く太陽。ヨシトは悲しげな目でその光を見つめた。
「僕はもう二度と月には帰れない。けれど、きっと皆元気にやって行けるだろう。僕が居なくとも・・・。それに。」
ヨシトは周りの人々を見渡す。
「この世界も、悪くない。」
ホーガンはヨシトに近づいた。
「君が、ヨシト・・・。」
その目を見たヨシトは何かを察するように言った。
「そうか、君もまたジャックスの・・・。大丈夫、約束は遊牙が代わりに果たしてくれた。」
その言葉を聞き、ホーガンもまた何かを察したように頷いた。
「さぁ、帰ろうぜ!俺達の我が家にさ!」
カケルは凛香を抱えたまま、勢いよく走り出した。
「カ、カケル!落とさないでよね!」
遊牙は笑う。
「さぁ、俺達も行こう、ルナ。」
ルナは遊牙の腕の中微笑む。
「うん・・・!」
カケルの後に続いて遊牙も走り出した。
—それから数日後。
「じゃあ、行って来るぜ!」
カケルは道具箱を持ち、屋敷を飛び出した。
「カケル、今日も手伝いに行ってるのか。」
モップを持ち床の掃除をしている遊牙は、手を止めて呟く。ソファーに座ってティーカップを啜る凛香は言った。
「この街の平和を取り戻す。それがあいつの約束だからね。それにしても、青空が戻ったとたん皆に活気が戻った・・・。凄いわね、太陽の力って。」
遊牙は窓の外を見つめる。差し込む日差しに目を細めた。
「だが、俺にも分かる気がする。この光は皆の元気を取り戻してくれる光だ。」
凛香も窓の外に目をやる。
「ええ、そうね・・・。そうだ!ねぇ、遊牙。ルナってもうデュエルしても大丈夫なんでしょ?」
その言葉に遊牙は答える。
「ああ。ホーガンの検査によると、もう『神の鉄槌』の鱗片は、俺やルナの身体に残っていなかったらしい。おそらくはあのヨシトのおかげだろう・・・。だから、今はデュエルをしても全く問題ないはずだ。俺にも、もう攻撃を実体化する能力はない。」
凛香は笑って言った。
「じゃあ、遊牙が教えてあげれば?ルナにデュエルを。」
二人の間へひょこっと白い髪の頭が飛び出した。
「二人でなんの話してるの?」
その顔を見た凛香は、いたずらっぽい笑みを浮かべ言う。
「ルナ、遊牙がデュエルを教えてくれるって!」
凛香の言葉を聞き、ルナは遊牙の方を向いた。
「ほんと遊牙!?」
遊牙は困ったような顔をする。
「お、俺は人にものを教えるのは得意じゃないんだが・・・。」
その様子を見た凛香は言う。
「いいじゃない。お姫様のお願いなんだから!」
ルナは遊牙に期待の目を向ける。遊牙は肩を竦めた。
「わかった、教えるよ。ただ、俺はカードが余っていないから、凛香のを貸してくれ。」
凛香は腰に手を当て言った。
「いいわよ。ルナにぴったりのデッキを組んであげるわ。」
ルナは笑顔で言う。
「ありがとう!遊牙、凛香!」
その時。屋敷の扉が勢いよく開いた。
「おーい!みんな!」
その声に振り向いた凛香が口を開く。
「あら、カケル?随分早いわね。」
カケルは鼻をこする。
「へへっ、ちょっとな。みんなに見せたいものがあってさ!」
そういってカケルは腰のポケットから丸めた紙を取り出し、それを広げ皆に見せた。
「なになに?ええっと、『チャリティーデュエル大会』・・・?」
そこに記されていた文字をルナが読み上げる。
「これはどういうことだ、カケル?」
遊牙の疑問にカケルが答える。
「今、木嶋やリチャードとこの街の復興の為に、チャリティーデュエル大会をしようって話しててさ!街の皆が参加するんだぜ!」
関心したように凛香が言う。
「へぇ〜面白そうね。やるじゃないカケル。」
カケルは得意げに言った。
「最初は街のデュエリスト全員が参加するバトルロイヤル!デュエルで勝てば、その場でD・ディスクにDポイントが記録されて、その成績が良かった上位16人が本選トーナメントに出場できる!本選には別の街から、有名なプロデュエリストも呼ぶ予定だぜ!」
遊牙は言った。
「なるほど。楽しそうな企画だな。」
カケルは頭を掻いた。
「まあ、まだ開催は先なんだけどな。一応告知ってことで回ってるんだ。」
キラキラした目でルナが言う。
「ねぇ!それいつから始まるの!」
カケルは紙の端を読んだ。
「開催は今から一週間後だな。なんだ、ルナもデュエルすんのか?」
凛香が口を挟む。
「これから遊牙が教えてあげるのよ。」
カケルは笑う。
「へぇー!なるほどな!俺も見たい所だけど、まだ仕事が残ってるんだ。また帰ったらな!」
そう言うとカケルは再び、屋敷を飛び出した。
「さぁ、ルナ!一緒にデッキつくりましょ。」
「うん!」
凛香はルナの手を引っ張り、自室へと向かった。
「・・・本当によかった。全部元に戻って・・・。」
二人の背中を遊牙は見つめる。
「ちゃんと約束を守ってくれたわね、遊牙。」
遊牙の後ろから、優しい声がする。
「ガネリおばさん・・・。」
おばさんは遊牙の手からモップを取った。
「あなたも行っておいで。ルナの元へ。」
遊牙はおばさんを見つめ言った。
「・・・ありがとう。おばさん。」
そして、遊牙も凛香の後へ付いて行った。
「対戦相手がデッキの内容知っちゃだめでしょ!今は入ってこないで!」
凛香の部屋の前。遊牙は溜め息を付いた。
次回第22話「遊牙先生のデュエル教室」
上へと向かうエレベーターの中、遊牙の腕に抱えられたルナは口を開いた。
「遊牙。」
小さな声に遊牙は優しく反応する。
「どうした、ルナ。」
ルナは遊牙の腕を引っぱり言った。
「・・・来てくれて、ありがとう。」
遊牙は微笑む。
「当然だ。もう、お前を放しはしない。」
その言葉を聞き、ルナは少し頬を赤らめた後、同じように微笑んだ。
「あれが、光の龍の・・・。」
カゲロウは一人呟く。
「ふっ、ミシェルの奴に伝えねばな・・・。」
そして、3人はエレベーターを降りた。そこはあの「生体培養実験室」の一角。立ち並ぶガラス管を流し見ながら、遊牙は呟く。
「さらばだ・・・俺の故郷・・・。」
部屋を出て、通路に立ったとたん、床が揺れ始める。
「ヨシトが戦っているのか・・・。」
カゲロウは言った。
「少年よ!急いでここを出るぞ!!」
カゲロウに合わせ、遊牙は走り出した。
来た道を進む中、沢山の人影が見えた。
「おい!あれ遊牙じゃねぇか!!」
人影の中、遊牙にとって見慣れた姿が見えた。
「カケル!!凛香!!」
遊牙は叫ぶ。
「遊牙・・・!それにルナも!良かった・・・。」
凛香はミシェルの腕の中、安堵した顔で口を開いた。
そして、帰って来た遊牙の肩に手を回し、カケルは涙混じりに言う。
「よかったぜぇ・・・遊牙・・・!!俺は、お前に何かあったらってよぉ・・・。」
遊牙は笑った。
「もう大丈夫だ、カケル。凛香も心配を掛けた。それより、今は早くここを脱出しよう。この地下でヨシトが戦っているんだ。」
その言葉にホーガンが反応する。
「ヨシト・・!!遊牙、ヨシトに会ったのか!!?」
遊牙は答えた。
「ああ。今、ヨシトは暴走した黒い龍と戦っている。もう一度ゲートが開かないように。だから、ヨシトは早くここを避難するよう俺に言ったんだ!」
カケルが口を挟む。
「じゃあ、早い所ここを出ようぜ!!」
カケルの隣に居る木嶋が頷く。
「俺が誘導する!!お前らさっさとここを出るぞ!!」
木嶋の言葉に、制服を着た1番隊と2番隊が敬礼をし、列を作って走り出した。
「さぁ、後に続け!!」
遊牙はその後に続いて走り出す。カケルはミシェルの腕から凛香を引っぱり、自らの腕に抱きかかえた。
「ちょ、ちょっとカケル・・!」
カケルは抱えた凛香に言う。
「任せときな!凛香!俺がしっかり家まで運んでやるからよ!」
凛香は困ったように言った。
「全く、格好つけなんだから・・・。」
ミシェルの横で走るカゲロウは口を開いた。
「のう、ミシェル。某は見たぞ。」
ミシェルは走りながら言った。
「見たって、何をだい?」
カゲロウは何かを思い出すように上を見上げた。
「光の龍だ・・・。あの時見た光の龍を、某は先ほどこの目で見た。」
ミシェルは驚いたように言う。
「そ、それは本当かい!!?あの時の光の龍、あれはなんだっただい!!?」
その言葉を受け、カゲロウは前を見た。
「あれは月から来たそうだった。『神の鉄槌』も同じく月の住人。あの龍はあの時、この地で彷徨う仲間を諌めたのだろうな。」
その話を聞いたミシェルは、カゲロウの予想に反し満足そうに言った。
「そう・・・やっぱりあれは幻なんかじゃなかったんだね・・・。」
そしてついに、出口へと辿りついた遊牙達。門が開き、外の空気が入り込んで来た瞬間。皆の目を眩い光が刺激した。
「なんだ・・・。」
思わず、目を細める遊牙。そしてゆっくりと目を開けたそこには。
「こ、これは・・・!!」
視界いっぱいに広がる青い空。一片の雲さえない青空は遊牙達を優しく迎え入れた。
「ま、眩しいぜ・・・。」
同じように目を細めるカケル。その腕の中で凛香も呟く。
「でも、とってもあったかい・・・。」
ホーガンは唖然として言う。
「戻った・・・青空が・・太陽が・・・!!戻ったんだ!!!」
まるで子どものようにホーガンは走り出し、太陽と青空の下で飛び跳ねた。
「全く、大人げないわね。ワタクシを見習ったらどうかしら?」
ホーガンの前に現れたのは、ゴスロリに身を包んだ少女と屈強な男。
「き、君はマーナ!それに、ドレガン!!生きていたのか!!」
その男、ドレガンは頭を掻いて言った。
「まぁな。実は『DWA』を離れて独自に『神の鉄槌』の研究をしてんだ。」
マーナはドレガンに向かってむすっとした顔をする。
「でも、かわいい娘を置いて行くなんて、ちょっとパパ酷くない!?」
ドレガンは言った。
「本当に済まなかった、マーナ。実はお前の事はこっそり二人に任せていんだ。」
ドレガンの目線の先にマーナは向いた。そこに居た人物、カゲロウとミシェルは肩を竦める。
「全く、ヘラルドに気づかれないように世話をするのは大変だったのだぞ、ドレガン。」
「これからは毎日、娘の側にいるんだよ。」
ドレガンは頷く。マーナはドレガンの足にしがみついた。
「これからはぜーったい離れちゃダメだからねパパ!!」
その娘を抱き上げ、ドレガンは言った。
「ああ。パパはもうどこにも行かないよ。」
その光景を見ていたリチャードが空へ視線を移し口を開いた。
「しっかし、なんで今になって青空が戻って来たんだ?」
「おそらく、ノーンが太陽を隠していたんだろう。月以外の光を遮る為に。」
遊牙の横に立った人物は、被っていたフードを外した。
「ヨシト・・・!!」
その人物、ヨシトは遊牙を方を見て笑う。
「また会えたね。遊牙。」
ドレガンが言う。
「ヨシト!!無事だったのか!!」
ヨシトは困ったように言った。
「無事ってわけでもないかな、ドレガン。僕はもう月には帰れなくなった。」
遊牙は訊ねる。
「それはどういう・・・。」
ヨシトは空を見上げる。
「たった今、僕と月狂眼との戦いは終わった。結果として互いの龍は消滅。その代償として僕は赤き力を失った。この地下で2体の龍は永遠に封印され、二度と蘇る事は無いだろう。同じくゲートももう開かれる事は無い。」
光り輝く太陽。ヨシトは悲しげな目でその光を見つめた。
「僕はもう二度と月には帰れない。けれど、きっと皆元気にやって行けるだろう。僕が居なくとも・・・。それに。」
ヨシトは周りの人々を見渡す。
「この世界も、悪くない。」
ホーガンはヨシトに近づいた。
「君が、ヨシト・・・。」
その目を見たヨシトは何かを察するように言った。
「そうか、君もまたジャックスの・・・。大丈夫、約束は遊牙が代わりに果たしてくれた。」
その言葉を聞き、ホーガンもまた何かを察したように頷いた。
「さぁ、帰ろうぜ!俺達の我が家にさ!」
カケルは凛香を抱えたまま、勢いよく走り出した。
「カ、カケル!落とさないでよね!」
遊牙は笑う。
「さぁ、俺達も行こう、ルナ。」
ルナは遊牙の腕の中微笑む。
「うん・・・!」
カケルの後に続いて遊牙も走り出した。
—それから数日後。
「じゃあ、行って来るぜ!」
カケルは道具箱を持ち、屋敷を飛び出した。
「カケル、今日も手伝いに行ってるのか。」
モップを持ち床の掃除をしている遊牙は、手を止めて呟く。ソファーに座ってティーカップを啜る凛香は言った。
「この街の平和を取り戻す。それがあいつの約束だからね。それにしても、青空が戻ったとたん皆に活気が戻った・・・。凄いわね、太陽の力って。」
遊牙は窓の外を見つめる。差し込む日差しに目を細めた。
「だが、俺にも分かる気がする。この光は皆の元気を取り戻してくれる光だ。」
凛香も窓の外に目をやる。
「ええ、そうね・・・。そうだ!ねぇ、遊牙。ルナってもうデュエルしても大丈夫なんでしょ?」
その言葉に遊牙は答える。
「ああ。ホーガンの検査によると、もう『神の鉄槌』の鱗片は、俺やルナの身体に残っていなかったらしい。おそらくはあのヨシトのおかげだろう・・・。だから、今はデュエルをしても全く問題ないはずだ。俺にも、もう攻撃を実体化する能力はない。」
凛香は笑って言った。
「じゃあ、遊牙が教えてあげれば?ルナにデュエルを。」
二人の間へひょこっと白い髪の頭が飛び出した。
「二人でなんの話してるの?」
その顔を見た凛香は、いたずらっぽい笑みを浮かべ言う。
「ルナ、遊牙がデュエルを教えてくれるって!」
凛香の言葉を聞き、ルナは遊牙の方を向いた。
「ほんと遊牙!?」
遊牙は困ったような顔をする。
「お、俺は人にものを教えるのは得意じゃないんだが・・・。」
その様子を見た凛香は言う。
「いいじゃない。お姫様のお願いなんだから!」
ルナは遊牙に期待の目を向ける。遊牙は肩を竦めた。
「わかった、教えるよ。ただ、俺はカードが余っていないから、凛香のを貸してくれ。」
凛香は腰に手を当て言った。
「いいわよ。ルナにぴったりのデッキを組んであげるわ。」
ルナは笑顔で言う。
「ありがとう!遊牙、凛香!」
その時。屋敷の扉が勢いよく開いた。
「おーい!みんな!」
その声に振り向いた凛香が口を開く。
「あら、カケル?随分早いわね。」
カケルは鼻をこする。
「へへっ、ちょっとな。みんなに見せたいものがあってさ!」
そういってカケルは腰のポケットから丸めた紙を取り出し、それを広げ皆に見せた。
「なになに?ええっと、『チャリティーデュエル大会』・・・?」
そこに記されていた文字をルナが読み上げる。
「これはどういうことだ、カケル?」
遊牙の疑問にカケルが答える。
「今、木嶋やリチャードとこの街の復興の為に、チャリティーデュエル大会をしようって話しててさ!街の皆が参加するんだぜ!」
関心したように凛香が言う。
「へぇ〜面白そうね。やるじゃないカケル。」
カケルは得意げに言った。
「最初は街のデュエリスト全員が参加するバトルロイヤル!デュエルで勝てば、その場でD・ディスクにDポイントが記録されて、その成績が良かった上位16人が本選トーナメントに出場できる!本選には別の街から、有名なプロデュエリストも呼ぶ予定だぜ!」
遊牙は言った。
「なるほど。楽しそうな企画だな。」
カケルは頭を掻いた。
「まあ、まだ開催は先なんだけどな。一応告知ってことで回ってるんだ。」
キラキラした目でルナが言う。
「ねぇ!それいつから始まるの!」
カケルは紙の端を読んだ。
「開催は今から一週間後だな。なんだ、ルナもデュエルすんのか?」
凛香が口を挟む。
「これから遊牙が教えてあげるのよ。」
カケルは笑う。
「へぇー!なるほどな!俺も見たい所だけど、まだ仕事が残ってるんだ。また帰ったらな!」
そう言うとカケルは再び、屋敷を飛び出した。
「さぁ、ルナ!一緒にデッキつくりましょ。」
「うん!」
凛香はルナの手を引っ張り、自室へと向かった。
「・・・本当によかった。全部元に戻って・・・。」
二人の背中を遊牙は見つめる。
「ちゃんと約束を守ってくれたわね、遊牙。」
遊牙の後ろから、優しい声がする。
「ガネリおばさん・・・。」
おばさんは遊牙の手からモップを取った。
「あなたも行っておいで。ルナの元へ。」
遊牙はおばさんを見つめ言った。
「・・・ありがとう。おばさん。」
そして、遊牙も凛香の後へ付いて行った。
「対戦相手がデッキの内容知っちゃだめでしょ!今は入ってこないで!」
凛香の部屋の前。遊牙は溜め息を付いた。
次回第22話「遊牙先生のデュエル教室」
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119 | オリカ説明:リチャード編 | 804 | 2 | 2015-06-22 | - | |
96 | 23.5:輝岩鎧竜の逆鱗 | 859 | 4 | 2015-06-23 | - | |
47 | 24:開幕!チャリティーデュエル大会 | 904 | 3 | 2015-06-24 | - | |
78 | メインキャラ解説 | 735 | 4 | 2015-06-25 | - | |
106 | 25:ルナ、デュエルします! | 1055 | 3 | 2015-06-25 | - | |
66 | 26:心に巣食う魔物 | 913 | 3 | 2015-06-26 | - | |
76 | 27:太古のデュエル!恐竜VSマンモス? | 944 | 3 | 2015-06-27 | - | |
82 | 28:銀河に響け!スペースアイドル再び | 953 | 3 | 2015-06-29 | - | |
121 | 29:二日目開始!誘惑される遊牙? | 887 | 3 | 2015-07-01 | - | |
94 | 30:ルナ、またまたデュエルします! | 930 | 3 | 2015-07-10 | - | |
127 | 31:光差す道となれ! | 998 | 5 | 2015-07-11 | - | |
105 | 32:ぶつかり合う本気 | 899 | 4 | 2015-07-20 | - | |
214 | 33:出揃った出場者 | 2024 | 3 | 2015-07-22 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/11/23 新商品 TERMINAL WORLD 2 カードリスト追加。
- 11/24 18:52 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 11/24 18:37 評価 4点 《コスモクイーン》「唯一のレベル8・魔法使い族の通常モンスター…
- 11/24 18:18 評価 1点 《エビルナイト・ドラゴン》「《真紅眼の黒竜》で良すぎるモンスタ…
- 11/24 18:11 評価 3点 《千年原人》「のちに《千年の眠りから覚めし原人》としてリメイク…
- 11/24 18:06 評価 3点 《トライホーン・ドラゴン》「のちに《メメント・ホーン・ドラゴン…
- 11/24 18:01 評価 4点 《ファイヤー・ウイング・ペガサス》「唯一のレベル6・炎・獣族。 …
- 11/24 17:54 評価 3点 《メテオ・ドラゴン》「《メテオ・ブラック・ドラゴン》の融合素材…
- 11/24 17:49 評価 4点 《メテオ・ブラック・ドラゴン》「同じ素材で《流星竜メテオ・ブラ…
- 11/24 17:43 ボケ ウィッチクラフトマスター・ヴェールの新規ボケ。ほーう?では君が、私…
- 11/24 17:38 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 11/24 17:32 評価 3点 《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》「デーモンとレッドアイズを繋…
- 11/24 17:19 評価 4点 《串刺しの落とし穴》「発動タイミングが攻撃宣言時というレアな落…
- 11/24 17:12 評価 6点 《トゥーン・ブラック・マジシャン・ガール》「召喚酔いしないトゥ…
- 11/24 16:39 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 11/24 16:25 評価 4点 《ジェムナイト・ルマリン》「《ジェムナイト・パーズ》の融合素材…
- 11/24 16:15 デッキ 俺の最強のシュラッグ
- 11/24 16:11 評価 7点 《メタル・リフレクト・スライム》「主にラーデッキ等でEXデッキか…
- 11/24 15:52 評価 1点 《レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン》「《メタル・デビルゾア…
- 11/24 15:52 評価 5点 《ジェムナイト・ラピス》「《ジェムナイトレディ・ラピスラズリ》…
- 11/24 15:42 評価 8点 《ジェムナイト・ルビーズ》「《ジェムナイト》の融合モンスターの…
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ようやく平和が戻りました。やっぱり太陽の光って結構重要だと思います。私もバトルシティ的な大会があったらぜひ参加してみたいですね。 (2015-06-18 22:41)