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34.「Scenario」 作:tres
「はあ…はあ…」
押し寄せる疲労感と解放感。立っているのも難しく、気を抜いたら意識さえも飛びそうなほどのそれは、これまで経験したことが無い。
長い長いアイリスとのデュエルは、つい先ほど終わりを迎えた。
(勝ったんだよね…?わたし…)
だけどその実感が湧かない。いや…心が追い付いていない、と言った方が近いかもしれない。
念のためにデュエルディスクを確認する。
(…)
デュエルディスクには過去6回のデュエルと同様、勝者としてわたしの名前が表示されていた。
(…うん、そうだよね…勝ったんだよね、わたし)
良かった…あの奇跡の逆転は幻じゃなかった、本当に…これで終わり。
===おめでとう、譜理子ちゃん。
『クラウン…』
===よく頑張ったね、お疲れ様。
『あ…』
その労いの言葉をきっかけに、わたしの感情の堰が切れた。
ぽろぽろと涙があふれて止まらない。涙を拭こうにも、今のわたしは着ぐるみの中。
===あらあら、泣いているのかい?
『…わかんない』
何となく悟られたくなかったので、とりあえずそう返事しておく。もちろん声を出さない方で。
とはいえクラウンにはとっくにお見通しだろう。何回か鼻水もすすっちゃったし。
===フフフ、あふれ出てるね。内側にも涙の痕が付いちゃいそうだ。
『そんなに出てない…』
しかしこの瞬間も、涙はまぶたを越えて頬を伝っていくのだった。
「まさかアタシが負けるなんてね…」
「…」
涙も止まりかけた頃、アイリスが静かに口を開く。
「ふふ、奇跡の逆転、ね…あんなすごいもの見せられたら、諦めるしかないじゃない」
アイリスの表情はデュエル中と打って変わって、穏やかで落ち着いていた。
「アイリス…」
「おめでとう、アナタのおかげでアタシの野望は阻止されたわ」
「なんて言うとでも思った?」
「…えっ?」
と思ったのも束の間。アイリスの表情と雰囲気は再びデュエル中のそれに戻る。
「デュエルに負けた?だから何?それなら勝つまでやればいいだけの話よ!」
アイリスの言っていることに頭が追い付かない。
「な、何言って…」
「デュエルが1回きりなんていつ言ったの?」
「う、嘘…だって、負けたら光が」
「光?何のことかしら?」
「!…」
これまでの対戦相手はデュエル終了後、程なくして光っていた。過去6回とも例外なく。
正確な時間はわからないけど、感覚的にこれまでと同じならもう光っているはず。
しかし、アイリスにそのような気配は微塵も感じなかった。
「ふふ、アタシを誰だと思ってるの?他の奴なんかと一緒にしないで欲しいわね!」
「そんな…」
アイリスの言葉を信じたくなかった。信じるわけにはいかなかった。
だってもしそれが本当なら…あのデュエルが、奇跡の逆転が、結局全て無かったことになる。
それどころか何度もアイリスとデュエルをし続けなければならなくなってしまう。当然そのデュエルは1度たりとも負けられない。
何故ならアイリスの勝ちはデュエルだけでなく、全てが終わることを意味するのだから。
終わりの見えない連戦を、無敗で切り抜ける。
(無理だよ…そんなの、無理…さっきのデュエルだけで…もういっぱいいっぱいなのに…)
「アタシの圧倒的な力に敵う人間なんて誰もいないのよ!さあ、次のデュエルに入るわよ!早く構えなさい!」
「うう…」
===大丈夫だよ、譜理子ちゃん。
『…え』
直後、力が抜けるような感覚に襲われ、視界が一瞬ブラックアウトする。
「うっ…」
この感覚は、1度経験している。
アイリスがわたしの姿で現れた時だ。
すぐに意識を取り戻し、目を開けると…
(あ…)
視界が広くなっていた。体も軽く感じる。
アイリスは依然、わたしの姿のまま。
「なっ…!」
しかしその表情は視界が広がる前と異なり、目を大きく見開いて何かに驚いている様子だった。
少なくともわたしから着ぐるみが消えた、という理由ではなさそうだ。
そう思った瞬間、背後から声が聞こえてきた。
「フフフ、久しぶりだね」
後ろを振り向くと、わたしが着ていた着ぐるみが立っていた。
(クラウン…!)
「いつ以来だったかな、こうやって直接話すのは」
そう言いながらクラウンはゆっくりとアイリスとの距離を縮めていく。
「…知らないわよ。っていうか何しれっと復活してんのよ!まだアタシの邪魔をする気なの!?」
「しないよ。しなくても同じだからね」
「…は?」
「やっぱりまだ気付いてないんだね。デュエルディスクを見てごらん」
「デュエルディスク?それがどうしたってーーー」
「!?」
デュエルディスクに目を移したアイリスの表情が固まる。
「何よこれ…デッキが、無い…!?」
「デッキが無ければ、もうデュエルはできない。残念ながら終幕だ」
「ふん、何が終幕よ!デッキの1つや2つ、アタシの力があればーーー」
「!…えっ、嘘…何で…!?」
「やっと気付いたかい?その力が、もうほとんど残ってないことに」
「そんな…!有り得ないわ!アタシの力は特別なのよ!?たった1回負けた程度で無くなるはずないでしょ…!?」
「特別だったから」
「え…?」
「工夫する必要があったんだ。確実に1回で終わらせるために」
「どういうことよ…?」
「シナリオ通りに事を運ぶ必要があったってことさ。最終的にその状況を作り上げるための道筋がね」
「まあ、順を追って話そう。そばで聞いてる譜理子ちゃんのためにも」
クラウンは一度わたしの方に振り返ると、アイリスから少し距離を取って話し始めた。
「まずはお互いの目的について。ボクとキミ、即ちクラウンとアイリスが何を目指していたのか」
「譜理子ちゃんも知っての通り、アイリスは人類の滅亡。ボクはそれの完全阻止」
「どちらも簡単には達成できない。そうするための手順が必要。アイリスの場合は」
「(1):人間と繋がり、人間に力を与えつつその人間の情報を読み取る」
「(2):その人間にボクを倒させ、ボクの力を弱らせることによって封じられた(3)の力を解放する」
「(3):読み取った情報を元に人間の体を構築し、一時的に肉体を得た後、情報元の人間を倒し、乗っ取る」
「あとはその人間として復活すれば、自身の力を持って目的は達成というわけだ。そうだよね?」
「…」
アイリスはクラウンから視線を逸らすだけで何も答えない。
「だけど、厳しいよね。特に(2)以降が。ボクを人間に倒させること自体は本気を出せば容易いけど、かといって力を与えすぎるとボクが仕掛けてくるであろう様々な妨害に耐えられなくなる」
「この辺の力加減が難しい。試行錯誤を繰り返してバランス感覚を掴むしかない」
「幸いクラウンが人間を何度もここに連れてきてくれている。何十回、何百回とチャンスはある」
「ただ、クラウンも何か目的があって人間を連れてきている。どうやら人間を集めて何かしてきそうな雰囲気。大量に集まる前に倒さないと」
「そんなところだよね?流れとしては」
「…」
アイリスはやっぱり視線を逸らしたまま何も答えない。
「対してボクの場合は完全阻止、つまりアイリスの力を消滅させること」
「そのためには、まず舞台を整える必要があった」
「それがこの手品師のテント。姿の見えないアイリスを捕らえておくための劇場だね。キミは牢獄と称していたようだけど」
「…ふん、中途半端に封印されて余計にストレス溜まったわよ」
吐き捨てるように呟くアイリス。クラウンを横目で睨み付けては、すぐに再び視線を外した。
「ごめんね、ボクの未熟な力じゃキミを完全に抑えることは出来なかったんだ」
「だからこその舞台だよ。力が足りないのならそれ以外のもので補うだけさ」
「ボクが作ったこのテントには色んな機能が備わっているんだけど、それらは全て1つの目的を達成するためにあるんだ。譜理子ちゃん、わかるかな?」
突然の質問、もちろん答えは明白。
「アイリスの力を消滅させる」
「その通り。そしたら自ずと見えてくるよね?」
「見えてくる…?」
だけど次は難問。答えが見えてこない。
「フフフ、わからないかい?ヒントはもう十分過ぎるほど出てるんだけどなあ」
「…」
(自ずと見えてくる…そのヒントはもう十分出てる…)
クラウンの話を思い返す。しかし、それらしいものは見つからない。
(そばで聞いてるわたしのためにも、って言ってたから…答えはわたしの知ってる情報の中にあるはずだよね)
アイリスとのデュエルを終えてから新たに知り得た情報を再度整理する。答えはきっとここにあるはずだから。
「そんなに考えなくても、見えてくるはずだよ」
「ちょっと、さっきから何言ってんのよ?見えてくるって何が?」
「アイリスからは見えなかったものさ」
「…意味わかんない」
クラウンの答えになっていない言葉にアイリスは不機嫌そうに呟く。
しかし、わたしにとってクラウンのその言葉は、
答えを見つけ出すきっかけとなった。
「…あっ!」
「見えてきたようだね」
(そっか…クラウンはアイリスがどう動いてくるかわかってた、ってことだから…それって、つまり)
「誘導…!」
「そういうこと、流石譜理子ちゃんだ。というよりさっきのデュエルの途中から既にお見通しだったよね」
「誘導…?お見通し…?どういうことよ?ねえ」
「今から譜理子ちゃんが説明してくれるよ。ね?」
クラウンがわたしに任せた、と言わんばかりにこちらを向く。
「えっと…」
説明するのはいいんだけど、それらが全て合ってるかどうかは…わからない。
「全部合ってるって自信は無いけど…」
なのでそう前置きしてから、わたしなりの答えを話すことにした。
押し寄せる疲労感と解放感。立っているのも難しく、気を抜いたら意識さえも飛びそうなほどのそれは、これまで経験したことが無い。
長い長いアイリスとのデュエルは、つい先ほど終わりを迎えた。
(勝ったんだよね…?わたし…)
だけどその実感が湧かない。いや…心が追い付いていない、と言った方が近いかもしれない。
念のためにデュエルディスクを確認する。
(…)
デュエルディスクには過去6回のデュエルと同様、勝者としてわたしの名前が表示されていた。
(…うん、そうだよね…勝ったんだよね、わたし)
良かった…あの奇跡の逆転は幻じゃなかった、本当に…これで終わり。
===おめでとう、譜理子ちゃん。
『クラウン…』
===よく頑張ったね、お疲れ様。
『あ…』
その労いの言葉をきっかけに、わたしの感情の堰が切れた。
ぽろぽろと涙があふれて止まらない。涙を拭こうにも、今のわたしは着ぐるみの中。
===あらあら、泣いているのかい?
『…わかんない』
何となく悟られたくなかったので、とりあえずそう返事しておく。もちろん声を出さない方で。
とはいえクラウンにはとっくにお見通しだろう。何回か鼻水もすすっちゃったし。
===フフフ、あふれ出てるね。内側にも涙の痕が付いちゃいそうだ。
『そんなに出てない…』
しかしこの瞬間も、涙はまぶたを越えて頬を伝っていくのだった。
「まさかアタシが負けるなんてね…」
「…」
涙も止まりかけた頃、アイリスが静かに口を開く。
「ふふ、奇跡の逆転、ね…あんなすごいもの見せられたら、諦めるしかないじゃない」
アイリスの表情はデュエル中と打って変わって、穏やかで落ち着いていた。
「アイリス…」
「おめでとう、アナタのおかげでアタシの野望は阻止されたわ」
「なんて言うとでも思った?」
「…えっ?」
と思ったのも束の間。アイリスの表情と雰囲気は再びデュエル中のそれに戻る。
「デュエルに負けた?だから何?それなら勝つまでやればいいだけの話よ!」
アイリスの言っていることに頭が追い付かない。
「な、何言って…」
「デュエルが1回きりなんていつ言ったの?」
「う、嘘…だって、負けたら光が」
「光?何のことかしら?」
「!…」
これまでの対戦相手はデュエル終了後、程なくして光っていた。過去6回とも例外なく。
正確な時間はわからないけど、感覚的にこれまでと同じならもう光っているはず。
しかし、アイリスにそのような気配は微塵も感じなかった。
「ふふ、アタシを誰だと思ってるの?他の奴なんかと一緒にしないで欲しいわね!」
「そんな…」
アイリスの言葉を信じたくなかった。信じるわけにはいかなかった。
だってもしそれが本当なら…あのデュエルが、奇跡の逆転が、結局全て無かったことになる。
それどころか何度もアイリスとデュエルをし続けなければならなくなってしまう。当然そのデュエルは1度たりとも負けられない。
何故ならアイリスの勝ちはデュエルだけでなく、全てが終わることを意味するのだから。
終わりの見えない連戦を、無敗で切り抜ける。
(無理だよ…そんなの、無理…さっきのデュエルだけで…もういっぱいいっぱいなのに…)
「アタシの圧倒的な力に敵う人間なんて誰もいないのよ!さあ、次のデュエルに入るわよ!早く構えなさい!」
「うう…」
===大丈夫だよ、譜理子ちゃん。
『…え』
直後、力が抜けるような感覚に襲われ、視界が一瞬ブラックアウトする。
「うっ…」
この感覚は、1度経験している。
アイリスがわたしの姿で現れた時だ。
すぐに意識を取り戻し、目を開けると…
(あ…)
視界が広くなっていた。体も軽く感じる。
アイリスは依然、わたしの姿のまま。
「なっ…!」
しかしその表情は視界が広がる前と異なり、目を大きく見開いて何かに驚いている様子だった。
少なくともわたしから着ぐるみが消えた、という理由ではなさそうだ。
そう思った瞬間、背後から声が聞こえてきた。
「フフフ、久しぶりだね」
後ろを振り向くと、わたしが着ていた着ぐるみが立っていた。
(クラウン…!)
「いつ以来だったかな、こうやって直接話すのは」
そう言いながらクラウンはゆっくりとアイリスとの距離を縮めていく。
「…知らないわよ。っていうか何しれっと復活してんのよ!まだアタシの邪魔をする気なの!?」
「しないよ。しなくても同じだからね」
「…は?」
「やっぱりまだ気付いてないんだね。デュエルディスクを見てごらん」
「デュエルディスク?それがどうしたってーーー」
「!?」
デュエルディスクに目を移したアイリスの表情が固まる。
「何よこれ…デッキが、無い…!?」
「デッキが無ければ、もうデュエルはできない。残念ながら終幕だ」
「ふん、何が終幕よ!デッキの1つや2つ、アタシの力があればーーー」
「!…えっ、嘘…何で…!?」
「やっと気付いたかい?その力が、もうほとんど残ってないことに」
「そんな…!有り得ないわ!アタシの力は特別なのよ!?たった1回負けた程度で無くなるはずないでしょ…!?」
「特別だったから」
「え…?」
「工夫する必要があったんだ。確実に1回で終わらせるために」
「どういうことよ…?」
「シナリオ通りに事を運ぶ必要があったってことさ。最終的にその状況を作り上げるための道筋がね」
「まあ、順を追って話そう。そばで聞いてる譜理子ちゃんのためにも」
クラウンは一度わたしの方に振り返ると、アイリスから少し距離を取って話し始めた。
「まずはお互いの目的について。ボクとキミ、即ちクラウンとアイリスが何を目指していたのか」
「譜理子ちゃんも知っての通り、アイリスは人類の滅亡。ボクはそれの完全阻止」
「どちらも簡単には達成できない。そうするための手順が必要。アイリスの場合は」
「(1):人間と繋がり、人間に力を与えつつその人間の情報を読み取る」
「(2):その人間にボクを倒させ、ボクの力を弱らせることによって封じられた(3)の力を解放する」
「(3):読み取った情報を元に人間の体を構築し、一時的に肉体を得た後、情報元の人間を倒し、乗っ取る」
「あとはその人間として復活すれば、自身の力を持って目的は達成というわけだ。そうだよね?」
「…」
アイリスはクラウンから視線を逸らすだけで何も答えない。
「だけど、厳しいよね。特に(2)以降が。ボクを人間に倒させること自体は本気を出せば容易いけど、かといって力を与えすぎるとボクが仕掛けてくるであろう様々な妨害に耐えられなくなる」
「この辺の力加減が難しい。試行錯誤を繰り返してバランス感覚を掴むしかない」
「幸いクラウンが人間を何度もここに連れてきてくれている。何十回、何百回とチャンスはある」
「ただ、クラウンも何か目的があって人間を連れてきている。どうやら人間を集めて何かしてきそうな雰囲気。大量に集まる前に倒さないと」
「そんなところだよね?流れとしては」
「…」
アイリスはやっぱり視線を逸らしたまま何も答えない。
「対してボクの場合は完全阻止、つまりアイリスの力を消滅させること」
「そのためには、まず舞台を整える必要があった」
「それがこの手品師のテント。姿の見えないアイリスを捕らえておくための劇場だね。キミは牢獄と称していたようだけど」
「…ふん、中途半端に封印されて余計にストレス溜まったわよ」
吐き捨てるように呟くアイリス。クラウンを横目で睨み付けては、すぐに再び視線を外した。
「ごめんね、ボクの未熟な力じゃキミを完全に抑えることは出来なかったんだ」
「だからこその舞台だよ。力が足りないのならそれ以外のもので補うだけさ」
「ボクが作ったこのテントには色んな機能が備わっているんだけど、それらは全て1つの目的を達成するためにあるんだ。譜理子ちゃん、わかるかな?」
突然の質問、もちろん答えは明白。
「アイリスの力を消滅させる」
「その通り。そしたら自ずと見えてくるよね?」
「見えてくる…?」
だけど次は難問。答えが見えてこない。
「フフフ、わからないかい?ヒントはもう十分過ぎるほど出てるんだけどなあ」
「…」
(自ずと見えてくる…そのヒントはもう十分出てる…)
クラウンの話を思い返す。しかし、それらしいものは見つからない。
(そばで聞いてるわたしのためにも、って言ってたから…答えはわたしの知ってる情報の中にあるはずだよね)
アイリスとのデュエルを終えてから新たに知り得た情報を再度整理する。答えはきっとここにあるはずだから。
「そんなに考えなくても、見えてくるはずだよ」
「ちょっと、さっきから何言ってんのよ?見えてくるって何が?」
「アイリスからは見えなかったものさ」
「…意味わかんない」
クラウンの答えになっていない言葉にアイリスは不機嫌そうに呟く。
しかし、わたしにとってクラウンのその言葉は、
答えを見つけ出すきっかけとなった。
「…あっ!」
「見えてきたようだね」
(そっか…クラウンはアイリスがどう動いてくるかわかってた、ってことだから…それって、つまり)
「誘導…!」
「そういうこと、流石譜理子ちゃんだ。というよりさっきのデュエルの途中から既にお見通しだったよね」
「誘導…?お見通し…?どういうことよ?ねえ」
「今から譜理子ちゃんが説明してくれるよ。ね?」
クラウンがわたしに任せた、と言わんばかりにこちらを向く。
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最初に何回でも戦うと行ってきた時はまた絶望状態かと焦りました。想像以上にクラウンは有能だったようです。今までも何人も犠牲者がいるということは試行回数がかなり多いということか……?つまりは…… (2020-02-06 23:33)
コメントありがとうございます。さすがにそれはありませんでした。クラウンの力が無かったらまず勝てなかったでしょうからね。
3桁を超えてるということは、そういうことですね。その辺りに関してはアイリス戦前の会話を見返して頂ければわかるかと思います。 (2020-02-07 00:09)