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21.「Climax」 作:tres
「あらあら、大幅に削られちゃったか。LPが逆転してしまったよ。やっぱり譜理子ちゃんは強いね」
「…」
「でも残念ながら、あと600を削りきれなかった。フフフ、ダメだよ?ちょっとでも残しちゃったら…」
「ボクが先にいただいちゃうかもしれないのに」
「…!」
(な、何この感じ…!?)
「ボクのターン、ドロー」
「フフフ、欲しいカードを引いちゃった。スタンバイ、メイン」
「ペンデュラム召喚」
「《EMペンデュラム・マジシャン》」
《EMペンデュラム・マジシャン》攻撃表示
ペンデュラム・効果モンスター
星4/地属性/魔法使い族/攻1500/守 800
(う…ペンデュラム・マジシャン、って1体だけ…?i(アイドル)・シンガーは…?)
「ペンデュラム・マジシャンのモンスター効果発動。x(ザイロフォン)・ヒッターとl(リュート)・フリッカーを破壊してデッキから」
「《EMカード・ガードナー》と《EMオッドアイズ・ユニコーン》を手札に加える」
「!…」
(カード・ガードナーとオッドアイズ・ユニコーン…!?)
「フフフ、何故i(アイドル)・シンガーを呼ばなかったか、そして何故カード・ガードナーとオッドアイズ・ユニコーンなのか。そんな顔をしているね」
「…」
「ボクとしてはこの時点で察して欲しかったな、って思ってたり。カード・ガードナーをPゾーンに発動して、オッドアイズ・ユニコーンもPゾーンに発動」
《EMカード・ガードナー》
【Pスケール:青8/赤8】
(1):1ターンに1度、自分フィールドの表側守備表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの守備力は、自分フィールドの全ての表側守備表示モンスターの元々の守備力を合計した数値になる。
《EMオッドアイズ・ユニコーン》
【Pスケール:青8/赤8】
(1):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、
自分の「オッドアイズ」モンスターの攻撃宣言時、
そのモンスター以外の自分フィールドの「EM」モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで、
対象のモンスターの元々の攻撃力分アップする。
「!」
(まさか…!)
「こういうことさ」
「ボクはスケール8「エンタメ」カードのカード・ガードナーとスケール8「エンタメ」カードのオッドアイズ・ユニコーンを」
「コネクト」
「アーク召喚」
「Ladies and Gentlemen! Its climax of the showtime!」
「《エンタメP(ピエロ)・クラウンジョーカー》」
そのまさかだった。
スケールを繋いで現れたのは、着ぐるみのようなピエロ。
名前の通り、その姿は今まさに対峙している相手であるクラウンそのものだった。
《エンタメP(ピエロ)・クラウンジョーカー》攻撃表示
アーク・効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
7以上の同じスケールのカード名が異なる「エンタメ」カード×2
「フフフ、驚きを隠しきれないようだね。ボクとしても期待通りの反応が貰えて嬉しいよ」
~~~ついに来たわねアーク召喚、ってちょっと!驚いてる場合じゃないわよ!
「!」
アイリスの声を聞いて、「はっ」と我に返る。確かに驚いてる場合じゃない。クラウンほどの存在ならアーク召喚をしても別に不思議じゃないのだから。
それより効果を確認しないと。
「!?…」
このカード名の(2)(3)(4)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがA召喚に成功した時に発動する。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター5体を選んで除外し、このカード以外のフィールドのカードを全て裏側表示で除外する。
(2):相手の墓地のモンスター1体または相手のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外し、このカードの攻撃力・守備力はそのモンスターのそれぞれの数値分アップする。
(3):除外されている自分のPモンスターが5種類以上存在する場合に発動できる。除外されている自分のPモンスター5種類を選んで相手に見せ、相手はその中からランダムに1体選ぶ。相手が選んだPモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、残りのPモンスターを墓地に戻す。
(4):相手スタンバイフェイズにフィールド魔法が表側表示で存在する場合に発動できる。デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。
(5):お互いのエンドフェイズ毎に発動する。フィールドの元々の持ち主がコントロールしていない表側表示モンスターを全て手札に戻す。
(6):このカードが破壊された場合に発動する。自分の手札・デッキ・墓地からレベル8「パフォーマー」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
「クラウンジョーカーの効果発動。このカードがアーク召喚に成功した時に発動する」
「自分のEXデッキの表側表示のPモンスター5体を選んで除外し、このカード以外のフィールドのカードを全て裏側表示で除外する」
「ボクはEXデッキのw(ホイッスル)・サモナー、l(リュート)・フリッカー、x(ザイロフォン)・ヒッター、オッドアイズ・ユニコーン、カード・ガードナーを選んで除外する」
フィールドに舞い降りたクラウンジョーカーの効果でカードが一掃されていく。
しかし、ただ除外されるというわけにはいかない。
「チェーンしてトラピーズ・マジシャンの効果発動…!対象はクラウンジョーカー」
「まあ、当然そうするよね。でも破壊じゃ途切れない」
クラウンジョーカーは破壊された場合、レベル8「パフォーマー」モンスターを呼ぶ効果を持っている。
レベル8「パフォーマー」モンスターといえば、これまでわたしが戦ってきたトランプのスートたちの、切り札だったモンスター。
あの4体の中からどれか1体を呼んでこれる。あるいは…
しかしその前にふたつ、厄介な効果も。
「クラウンジョーカーの効果発動。1ターンに1度、相手の墓地のモンスター1体または相手のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる」
「そのモンスターを除外し、このカードの攻撃力・守備力はそのモンスターのそれぞれの数値分アップする。ボクが対象とするのは、譜理子ちゃんのEXデッキの《アシンメトリアル・K(カイト)》」
「フフフ、V(ヴォイド)・テレポーターを除外すると除外されちゃうからね」
《エンタメP(ピエロ)・クラウンジョーカー》攻撃力0→2500 守備力0→1000
「さらにクラウンジョーカーの効果発動。除外されている自分のPモンスターが5種類以上存在する場合に発動できる」
「除外されている自分のPモンスター5種類を選んで相手に見せ、相手はその中からランダムに1体選ぶ。相手が選んだPモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、残りのPモンスターを墓地に戻す」
「ボクが選ぶのはモンキーボード、リザードロー、ヒグルミ、ドクロバット・ジョーカー、x(ザイロフォン)・ヒッターの5種類」
「さあ、次は譜理子ちゃんが選ぶ番だよ」
デュエルディスクに表示された5枚の裏向きのカード。その中で引き当てたくないカードは3枚。
(引き当てたいのは…モンキーボードかリザードロー…)
少し待ってから選んだのは、右端のカード。
「フフフ、それを選んだんだね」
「…」
「おめでとう。当たりだよ」
譜理子選択→《EMリザードロー》
「というわけでリザードローをEXデッキに、残りを墓地に戻すよ」
ひとまずは、悪い目を回避できた。でも今のところはそれだけ。
劣勢であることに変わりは無く、気を緩めることはできない。
「じゃあバトルフェイズに移ろう。クラウンジョーカーで攻撃」
「Climax Trick!」
2500の直接攻撃、当然受けるわけにはいかない。
「墓地の《チアフル・ツイン・フェアリー》の効果発動。相手モンスターの直接攻撃宣言時、自分LPがそのモンスターの攻撃力の数値以下の場合に墓地のこのカードを除外して発動できる」
「お互いはデッキから1枚ドローし、ターン終了時まで、自分が受ける戦闘ダメージは全て0になる」
「だけどこれで譜理子ちゃんを守るカードは無くなった。フフフ、次のターンが楽しみだね」
「バトルフェイズ終了時、トラピーズ・マジシャンの効果でクラウンジョーカーが破壊されてクラウンジョーカーの効果が発動するよ」
破壊が確定した瞬間、クラウンジョーカーの胴体は空気が抜けたかのように萎んでいく。
「ボクはデッキからレベル8「パフォーマー」モンスター」
萎みきった胴体がパサッと足元に落ちると同時に、残った頭部が自身の手によって取り外される。
そうしてクラウンジョーカーだったピエロの着ぐるみの中から現れたのは…
「《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》を特殊召喚」
さっき戦った偽者の手品師ことクラウンの分身だった。
《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》攻撃表示
効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守3000
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合にPモンスター2体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。
●自分のEXデッキの表側表示のPモンスターを2体まで選択して自分のPゾーンに置く。
●お互いのPゾーンのカードを全て破壊する。
(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドのモンスターはコントロールを変更できず、相手フィールドのPモンスターは、召喚・特殊召喚したターンには攻撃できない。
(4):このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃でき、Pモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算前にそのモンスターを破壊する。
(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。
(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。
「面白い演出でしょ?ボクの中からボクが登場するんだ、って反応が薄いなあ」
「…」
「やっぱりアーク召喚の時がピークだったかな、まあいいや」
「メイン2、墓地のダメージ・ジャグラーの効果発動。墓地のこのカードを除外してデッキから2体目の《Emヒグルミ》を手札に加える」
「モンスターをセットして、ボクはこれでターンエンド」
EX2 墓地11 除外11
クラウン LP600 手札1
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ ア 裏 ◇
ア=《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》攻撃表示
TURN9→10 クラウン→譜理子
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
譜理子 LP1100 手札2
EX3 墓地3 除外9
(クラウンジョーカーから現れたP(パフォーマー)・ジョーカー…名前や効果から、きっとこのモンスターが5つ目の切り札)
(だけどこのジョーカーは他の4種のスートと違って、全体攻撃ができる上に自分モンスターのコントロールの変更をさせず、さらに相手Pモンスターの攻撃を1ターン縛ってくる…!身代わりも復活コストも属性を問わなくなってるし…)
(ただ、その代わり攻撃対象を自身に向けさせる効果と貫通効果は消えてる…それなら正面から倒さずに攻撃力の低いアシンメトリアルを送れば)
(いや、だめ…!召喚したターンに攻撃できないから攻撃するモンスターを出したとしても1ターン耐えなきゃいけない…!)
(その上わたしのデッキに入ってるモンスターは全部Pモンスターだから、例え攻撃力が上回ったとしても…返しのターンでダメージ計算前に、P(パフォーマー)・ジョーカーの効果が発動して破壊される…!)
(じゃあ効果で破壊するしかないんだけど…身代わり効果があるから2回破壊しなきゃいけないし、もし破壊できたとしてもコストとなるPモンスターがあれば、ターン終了時に復活するからそのターン中に仕留めないとだめ…しかもそのモンスターは前のターンに出してないと攻撃できない…!)
(どうすれば、いいの…?)
「ドロー…」
(…ううん、何かあるはず。何か倒す方法が、きっと…)
「スタンバイ、メイン」
「永続魔法発動、《シンメトリアル・セット》。相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを発動するターン、自分はPモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない」
「このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される」
《シンメトリアル・セット》
永続魔法
相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを発動するターン、自分はPモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。
(2):1ターンに1度、自分のPゾーンのカード1枚または自分フィールドのPモンスター1体を除外し、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。
(っ…P効果が無効化されるのもそうだけど、PモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない制約が致命的に重い…!)
(それが無かったらスケール3か5を並べて、《幻双煌翼竜ドラゴネシア》、《シャープハント・デーモン》をアーク召喚して…それで勝てたのに…!)
「…わたしは《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》を青のPゾーンに、《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》を赤のPゾーンに置く」
《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》
【Pスケール:青3/赤6】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。
《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》
【Pスケール:青5/赤5】
(…でも、制約があっても…できる限りのことは、する)
「ペンデュラム召喚」
「《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》」
《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》表側守備
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200
【モンスター効果】
(1):フィールドまたは墓地のこのカードが除外された場合に相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。
「フィールドを全部除外されても、すぐさまスケールを張り直してペンデュラム召喚。そのしぶとさに感心するよ」
「《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》を召喚」
《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》
ペンデュラム・効果モンスター
星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800
【モンスター効果】
(1):
「M(ミラー)・ダイヴァーのモンスター効果発動。1ターンに1度、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」
「そのモンスターをターン終了時まで除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。わたしはV(ヴォイド)・テレポーターを除外」
「そしてV(ヴォイド)・テレポーターのモンスター効果発動。フィールドまたは墓地のこのカードが除外された場合に相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる」
「そのカードを除外する。わたしが除外するのはクラウンの裏側守備表示のモンスター」
「除外は辛いなあ。まあ発動するにはLPが足りないから同じなんだけどね」
クラウン裏側守備→《Emトリック・クラウン》除外
「!…」
(ヒグルミじゃない…!?)
「フフフ、次のドローでPモンスターを引くかもしれないからね」
「…カードを1枚セット」
(…今はただ信じるしかない。次のクラウンのターンを生き残り、逆転に繋がるカードをドローすることを…!)
「ターンエンド。ターン終了時にV(ヴォイド)・テレポーターはフィールドに戻る」
EX2 墓地11 除外12
クラウン LP600 手札1
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ ア ◇ ◇
ア=《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》攻撃表示
TURN10→11 譜理子→クラウン
あ=《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》攻撃表示
い=《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》表側守備
青=《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》青スケール3
赤=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》赤スケール5
お=《シンメトリアル・セット》
◇ あ い ◇ ◇
青 空 赤
◇ 裏 お ◇ ◇
譜理子 LP1100 手札0
EX0 墓地3 除外9
「…」
「でも残念ながら、あと600を削りきれなかった。フフフ、ダメだよ?ちょっとでも残しちゃったら…」
「ボクが先にいただいちゃうかもしれないのに」
「…!」
(な、何この感じ…!?)
「ボクのターン、ドロー」
「フフフ、欲しいカードを引いちゃった。スタンバイ、メイン」
「ペンデュラム召喚」
「《EMペンデュラム・マジシャン》」
《EMペンデュラム・マジシャン》攻撃表示
ペンデュラム・効果モンスター
星4/地属性/魔法使い族/攻1500/守 800
(う…ペンデュラム・マジシャン、って1体だけ…?i(アイドル)・シンガーは…?)
「ペンデュラム・マジシャンのモンスター効果発動。x(ザイロフォン)・ヒッターとl(リュート)・フリッカーを破壊してデッキから」
「《EMカード・ガードナー》と《EMオッドアイズ・ユニコーン》を手札に加える」
「!…」
(カード・ガードナーとオッドアイズ・ユニコーン…!?)
「フフフ、何故i(アイドル)・シンガーを呼ばなかったか、そして何故カード・ガードナーとオッドアイズ・ユニコーンなのか。そんな顔をしているね」
「…」
「ボクとしてはこの時点で察して欲しかったな、って思ってたり。カード・ガードナーをPゾーンに発動して、オッドアイズ・ユニコーンもPゾーンに発動」
《EMカード・ガードナー》
【Pスケール:青8/赤8】
(1):1ターンに1度、自分フィールドの表側守備表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの守備力は、自分フィールドの全ての表側守備表示モンスターの元々の守備力を合計した数値になる。
《EMオッドアイズ・ユニコーン》
【Pスケール:青8/赤8】
(1):このカードがPゾーンに存在する限り1度だけ、
自分の「オッドアイズ」モンスターの攻撃宣言時、
そのモンスター以外の自分フィールドの「EM」モンスター1体を対象として発動できる。
その攻撃モンスターの攻撃力はバトルフェイズ終了時まで、
対象のモンスターの元々の攻撃力分アップする。
「!」
(まさか…!)
「こういうことさ」
「ボクはスケール8「エンタメ」カードのカード・ガードナーとスケール8「エンタメ」カードのオッドアイズ・ユニコーンを」
「コネクト」
「アーク召喚」
「Ladies and Gentlemen! Its climax of the showtime!」
「《エンタメP(ピエロ)・クラウンジョーカー》」
そのまさかだった。
スケールを繋いで現れたのは、着ぐるみのようなピエロ。
名前の通り、その姿は今まさに対峙している相手であるクラウンそのものだった。
《エンタメP(ピエロ)・クラウンジョーカー》攻撃表示
アーク・効果モンスター
星10/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
7以上の同じスケールのカード名が異なる「エンタメ」カード×2
「フフフ、驚きを隠しきれないようだね。ボクとしても期待通りの反応が貰えて嬉しいよ」
~~~ついに来たわねアーク召喚、ってちょっと!驚いてる場合じゃないわよ!
「!」
アイリスの声を聞いて、「はっ」と我に返る。確かに驚いてる場合じゃない。クラウンほどの存在ならアーク召喚をしても別に不思議じゃないのだから。
それより効果を確認しないと。
「!?…」
このカード名の(2)(3)(4)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがA召喚に成功した時に発動する。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター5体を選んで除外し、このカード以外のフィールドのカードを全て裏側表示で除外する。
(2):相手の墓地のモンスター1体または相手のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外し、このカードの攻撃力・守備力はそのモンスターのそれぞれの数値分アップする。
(3):除外されている自分のPモンスターが5種類以上存在する場合に発動できる。除外されている自分のPモンスター5種類を選んで相手に見せ、相手はその中からランダムに1体選ぶ。相手が選んだPモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、残りのPモンスターを墓地に戻す。
(4):相手スタンバイフェイズにフィールド魔法が表側表示で存在する場合に発動できる。デッキからPモンスター1体を選んで手札に加える。
(5):お互いのエンドフェイズ毎に発動する。フィールドの元々の持ち主がコントロールしていない表側表示モンスターを全て手札に戻す。
(6):このカードが破壊された場合に発動する。自分の手札・デッキ・墓地からレベル8「パフォーマー」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
「クラウンジョーカーの効果発動。このカードがアーク召喚に成功した時に発動する」
「自分のEXデッキの表側表示のPモンスター5体を選んで除外し、このカード以外のフィールドのカードを全て裏側表示で除外する」
「ボクはEXデッキのw(ホイッスル)・サモナー、l(リュート)・フリッカー、x(ザイロフォン)・ヒッター、オッドアイズ・ユニコーン、カード・ガードナーを選んで除外する」
フィールドに舞い降りたクラウンジョーカーの効果でカードが一掃されていく。
しかし、ただ除外されるというわけにはいかない。
「チェーンしてトラピーズ・マジシャンの効果発動…!対象はクラウンジョーカー」
「まあ、当然そうするよね。でも破壊じゃ途切れない」
クラウンジョーカーは破壊された場合、レベル8「パフォーマー」モンスターを呼ぶ効果を持っている。
レベル8「パフォーマー」モンスターといえば、これまでわたしが戦ってきたトランプのスートたちの、切り札だったモンスター。
あの4体の中からどれか1体を呼んでこれる。あるいは…
しかしその前にふたつ、厄介な効果も。
「クラウンジョーカーの効果発動。1ターンに1度、相手の墓地のモンスター1体または相手のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を対象として発動できる」
「そのモンスターを除外し、このカードの攻撃力・守備力はそのモンスターのそれぞれの数値分アップする。ボクが対象とするのは、譜理子ちゃんのEXデッキの《アシンメトリアル・K(カイト)》」
「フフフ、V(ヴォイド)・テレポーターを除外すると除外されちゃうからね」
《エンタメP(ピエロ)・クラウンジョーカー》攻撃力0→2500 守備力0→1000
「さらにクラウンジョーカーの効果発動。除外されている自分のPモンスターが5種類以上存在する場合に発動できる」
「除外されている自分のPモンスター5種類を選んで相手に見せ、相手はその中からランダムに1体選ぶ。相手が選んだPモンスターを自分のEXデッキに表側表示で加え、残りのPモンスターを墓地に戻す」
「ボクが選ぶのはモンキーボード、リザードロー、ヒグルミ、ドクロバット・ジョーカー、x(ザイロフォン)・ヒッターの5種類」
「さあ、次は譜理子ちゃんが選ぶ番だよ」
デュエルディスクに表示された5枚の裏向きのカード。その中で引き当てたくないカードは3枚。
(引き当てたいのは…モンキーボードかリザードロー…)
少し待ってから選んだのは、右端のカード。
「フフフ、それを選んだんだね」
「…」
「おめでとう。当たりだよ」
譜理子選択→《EMリザードロー》
「というわけでリザードローをEXデッキに、残りを墓地に戻すよ」
ひとまずは、悪い目を回避できた。でも今のところはそれだけ。
劣勢であることに変わりは無く、気を緩めることはできない。
「じゃあバトルフェイズに移ろう。クラウンジョーカーで攻撃」
「Climax Trick!」
2500の直接攻撃、当然受けるわけにはいかない。
「墓地の《チアフル・ツイン・フェアリー》の効果発動。相手モンスターの直接攻撃宣言時、自分LPがそのモンスターの攻撃力の数値以下の場合に墓地のこのカードを除外して発動できる」
「お互いはデッキから1枚ドローし、ターン終了時まで、自分が受ける戦闘ダメージは全て0になる」
「だけどこれで譜理子ちゃんを守るカードは無くなった。フフフ、次のターンが楽しみだね」
「バトルフェイズ終了時、トラピーズ・マジシャンの効果でクラウンジョーカーが破壊されてクラウンジョーカーの効果が発動するよ」
破壊が確定した瞬間、クラウンジョーカーの胴体は空気が抜けたかのように萎んでいく。
「ボクはデッキからレベル8「パフォーマー」モンスター」
萎みきった胴体がパサッと足元に落ちると同時に、残った頭部が自身の手によって取り外される。
そうしてクラウンジョーカーだったピエロの着ぐるみの中から現れたのは…
「《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》を特殊召喚」
さっき戦った偽者の手品師ことクラウンの分身だった。
《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》攻撃表示
効果モンスター
星8/闇属性/悪魔族/攻3000/守3000
このカード名の(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできない。
(1):フィールド魔法が表側表示で存在する場合にPモンスター2体をリリースすることで、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した時に以下の効果から1つ選択して発動できる。
●自分のEXデッキの表側表示のPモンスターを2体まで選択して自分のPゾーンに置く。
●お互いのPゾーンのカードを全て破壊する。
(3):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドのモンスターはコントロールを変更できず、相手フィールドのPモンスターは、召喚・特殊召喚したターンには攻撃できない。
(4):このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃でき、Pモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算前にそのモンスターを破壊する。
(5):1ターンに1度、モンスターゾーンに存在するこのカードが相手の効果によってフィールドを離れる場合、代わりに自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を除外できる。この効果は相手ターンでも発動できる。
(6):このカードが破壊され墓地へ送られたターン終了時に発動できる。自分のEXデッキの表側表示のPモンスター1体を除外することで、墓地のこのカードを特殊召喚する。
「面白い演出でしょ?ボクの中からボクが登場するんだ、って反応が薄いなあ」
「…」
「やっぱりアーク召喚の時がピークだったかな、まあいいや」
「メイン2、墓地のダメージ・ジャグラーの効果発動。墓地のこのカードを除外してデッキから2体目の《Emヒグルミ》を手札に加える」
「モンスターをセットして、ボクはこれでターンエンド」
EX2 墓地11 除外11
クラウン LP600 手札1
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ ア 裏 ◇
ア=《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》攻撃表示
TURN9→10 クラウン→譜理子
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
譜理子 LP1100 手札2
EX3 墓地3 除外9
(クラウンジョーカーから現れたP(パフォーマー)・ジョーカー…名前や効果から、きっとこのモンスターが5つ目の切り札)
(だけどこのジョーカーは他の4種のスートと違って、全体攻撃ができる上に自分モンスターのコントロールの変更をさせず、さらに相手Pモンスターの攻撃を1ターン縛ってくる…!身代わりも復活コストも属性を問わなくなってるし…)
(ただ、その代わり攻撃対象を自身に向けさせる効果と貫通効果は消えてる…それなら正面から倒さずに攻撃力の低いアシンメトリアルを送れば)
(いや、だめ…!召喚したターンに攻撃できないから攻撃するモンスターを出したとしても1ターン耐えなきゃいけない…!)
(その上わたしのデッキに入ってるモンスターは全部Pモンスターだから、例え攻撃力が上回ったとしても…返しのターンでダメージ計算前に、P(パフォーマー)・ジョーカーの効果が発動して破壊される…!)
(じゃあ効果で破壊するしかないんだけど…身代わり効果があるから2回破壊しなきゃいけないし、もし破壊できたとしてもコストとなるPモンスターがあれば、ターン終了時に復活するからそのターン中に仕留めないとだめ…しかもそのモンスターは前のターンに出してないと攻撃できない…!)
(どうすれば、いいの…?)
「ドロー…」
(…ううん、何かあるはず。何か倒す方法が、きっと…)
「スタンバイ、メイン」
「永続魔法発動、《シンメトリアル・セット》。相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを発動するターン、自分はPモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない」
「このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される」
《シンメトリアル・セット》
永続魔法
相手フィールドにのみモンスターが存在する場合に発動できる。このカードを発動するターン、自分はPモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない。
(1):このカードの発動時の効果処理として、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスターを2体まで選んで自分のPゾーンに置く。この効果で置いたPモンスターのP効果は無効化される。
(2):1ターンに1度、自分のPゾーンのカード1枚または自分フィールドのPモンスター1体を除外し、自分のEXデッキの表側表示の「シンメトリアル」Pモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。
(っ…P効果が無効化されるのもそうだけど、PモンスターしかEXデッキから特殊召喚できない制約が致命的に重い…!)
(それが無かったらスケール3か5を並べて、《幻双煌翼竜ドラゴネシア》、《シャープハント・デーモン》をアーク召喚して…それで勝てたのに…!)
「…わたしは《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》を青のPゾーンに、《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》を赤のPゾーンに置く」
《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》
【Pスケール:青3/赤6】
このカード名のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):もう片方の自分のPゾーンにカードが存在しない場合に、自分フィールドのモンスター1体をリリースして発動できる。デッキから水属性以外の「アシンメトリアル」モンスター1体を選び、手札に加える。
《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》
【Pスケール:青5/赤5】
(…でも、制約があっても…できる限りのことは、する)
「ペンデュラム召喚」
「《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》」
《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》表側守備
ペンデュラム・効果モンスター
星4/光属性/サイキック族/攻1200/守1200
【モンスター効果】
(1):フィールドまたは墓地のこのカードが除外された場合に相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。
「フィールドを全部除外されても、すぐさまスケールを張り直してペンデュラム召喚。そのしぶとさに感心するよ」
「《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》を召喚」
《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》
ペンデュラム・効果モンスター
星2/光属性/爬虫類族/攻 800/守 800
【モンスター効果】
(1):
「M(ミラー)・ダイヴァーのモンスター効果発動。1ターンに1度、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる」
「そのモンスターをターン終了時まで除外する。この効果は相手ターンでも発動できる。わたしはV(ヴォイド)・テレポーターを除外」
「そしてV(ヴォイド)・テレポーターのモンスター効果発動。フィールドまたは墓地のこのカードが除外された場合に相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる」
「そのカードを除外する。わたしが除外するのはクラウンの裏側守備表示のモンスター」
「除外は辛いなあ。まあ発動するにはLPが足りないから同じなんだけどね」
クラウン裏側守備→《Emトリック・クラウン》除外
「!…」
(ヒグルミじゃない…!?)
「フフフ、次のドローでPモンスターを引くかもしれないからね」
「…カードを1枚セット」
(…今はただ信じるしかない。次のクラウンのターンを生き残り、逆転に繋がるカードをドローすることを…!)
「ターンエンド。ターン終了時にV(ヴォイド)・テレポーターはフィールドに戻る」
EX2 墓地11 除外12
クラウン LP600 手札1
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◇ 空 ◇
◇ ◇ ア ◇ ◇
ア=《エンタメP(パフォーマー)・ジョーカー》攻撃表示
TURN10→11 譜理子→クラウン
あ=《シンメトリアル=M(ミラー)・ダイヴァー》攻撃表示
い=《シンメトリアル=V(ヴォイド)・テレポーター》表側守備
青=《アシンメトリアル・Q(クオーツ)》青スケール3
赤=《シンメトリアル=W(ホイール)・ローラー》赤スケール5
お=《シンメトリアル・セット》
◇ あ い ◇ ◇
青 空 赤
◇ 裏 お ◇ ◇
譜理子 LP1100 手札0
EX0 墓地3 除外9
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いっぱい効果を持っているのはボスの特権。といっても本作ではもうお約束ですが。
うーむ全除外がシンプルにキツい。どう立て直していくかが重要か。 (2019-12-06 19:02)
コメントありがとうございます。今の対戦相手と、ひとつ前の対戦相手が現れました(カードなので本人ではありませんが)
いっぱい効果があるとボスって感じがしますよね。テキスト欄に全部収まりそうにないのは…大目に見て下さい。
生きてるカードの枚数ではクラウンを上回ってるんですが、制圧力の高いジョーカーを攻略する手立ては、まだ見えないまま…
次回、決着へと向かいます。 (2019-12-06 19:58)
こりゃあキツイぞ…。
主人公の逆転を期待するばかり…。次回が待ちきれぬ。 (2019-12-07 07:56)
コメントありがとうございます。効果もそうですがステータスが高いところも、攻略が難しい要因ですね。どう対処していくのかは次回、明らかになります。 (2019-12-07 13:34)