【番外編】杏奈と優のデート　作：風鼠

カンナ「これなんかどうです？」

杏奈「ん…ちょっときついかな」

カンナは杏奈に似合いそうな服を手渡し、

葵「どうしたの、杏奈。」

瑞樹「優くんと今日デートするんだって」

葵「デートか…」

カンナ「はい、できましたよ」

杏奈「ありがと、カンナちゃん」

杏奈は水色を基調としたワンピースに、桜の花びらをモチーフとした髪留め、控えめながらも薄い化粧をし、普段のボーイッシュを多少残しながらも女の子としてのかわいらしさを表現されている

葵「杏奈、かわいいよ」

瑞樹「えぇ。」

杏奈「なんだか恥ずかしいなぁ」

カンナ「恥ずかしがることないですよ」

杏奈「ふ、普段こんな格好しないから…あ、足がスースーするなぁ…」

瑞樹「杏奈ちゃんらしい感覚ね。」

葵「杏奈、いつもズボンだしね。」

杏奈は普段着ない女の子の恰好により普段とは違う感覚に戸惑い、自身の恰好をしきりに確認する。

瑞樹「で、どこで待ち合わせなの？」

杏奈「ん、12時に駅で待ち合わせかな。」

瑞樹「そう。遅れないようにね」

杏奈「うん。わかったよ。」

１２時
桜嵐駅

杏奈「や、やぁ、まさる。おはよう」

優「杏奈、おはよ…う」

杏奈「ん？ど、どうかした？」

優「あ、杏奈、今日は一段とオシャレしてるなって。似合ってるよ、そのワンピース」

杏奈「そ、そう？ありがと、まさる。」

優は普段見慣れない杏奈の女の子らしい恰好に、少し顔を赤くし、視線を杏奈からそらす。

杏奈は恥ずかしがりながらも褒められ口元を緩める。

杏奈「じゃあ…どこに行こうか」

優「そうだね。今日はえ、映画でも行こうかなって思ってて…」

杏奈「映画か～。いいね、行こうか。」

優「あ、杏奈。」

杏奈「まさる、どうかした？」

優「その…デートっぽく手でもつなぐ？」

杏奈「そ、そそ、そうだね。」

杏奈は顔を赤めらせ少しとまどうが、優と手をつなぎ、映画館が並ぶ通りを歩き始める。

優「…あ、この映画館、人気の映画やってるみたいだから見る？」

優は映画館に飾られた一つの映画ポスターを指さす。

その映画は純愛を描いた恋愛映画であり、老若男女年齢を問わず好評を得ている映画である。

杏奈「…そうだね。」

優「じゃあチケット買ってくるよ」

杏奈「あ、僕の分は自分が出すよ」

優「いいって、今日くらい僕が出すよ」

杏奈「…あ、ありがと」

優はチケットを買いに購買所に向かう。

杏奈は映画館の入口で優のチケット購入を待つ。

優「や、待たせたね」

杏奈「ううん、全然」

優「じゃあ、行こうか」

杏奈「うん」

杏奈と優は手をつなぎ、映画館の入口へと向かう。


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杏奈「…」（///）

映画終盤、主人公である男性と女性の結婚式のシーン。

杏奈は顔を少し顔を赤くしながらも、その光景を羨ましそうな視線で見つめる。

優「（杏奈も女の子だなぁ）」

優は杏奈のその表情を片目で見つめ、口元を緩める。

杏奈「よかったね、映画」

優「うん」

映画終了後、杏奈と優は映画館の休憩コーナーに備え付けられた椅子にて飲み物を口にする。

優「杏奈、結構真剣に見てたね」

杏奈「うん、優とあ、ああなればいいなっと思ってね」

優「…なれるよ、僕たちなら、ね」

杏奈「もう、まさるは、そ、そういうこというんだから」

杏奈は映画の感想を述べ、優が優しく杏奈のことを見つめると杏奈は顔を赤くする。

優「…さてと、この後食事でもする？」

杏奈「だね。お腹もすいてきたし…」

優「じゃあ、新しく出来たおいしいイタリアンのお店行ってみる？」

杏奈「いってみたい♪」

優「（いい笑顔だなぁ）案内するよ」

杏奈は優に連れられ、映画館を後にしイタリアン料理のお店へと向かう

杏奈「うん、おいしい♪」

優「よかった、杏奈の口に合って」

料理は杏奈の口に合い、嬉しそうに食べ、優はその姿を嬉しそうに眺める。

杏奈「まさるは食べないの？」

優「う、うん、杏奈がおいしそうに食べるから。ね。」

杏奈「そ、そんなに見られると恥ずかしいなぁ、ささ、まさるも食べて食べて」

優「わわ」

杏奈は顔を赤めらせながら、照れ隠しのように優の皿の上に料理を盛る。

杏奈「ふぅ、おいしかったね」

優「だね。」

杏奈「でも、まさる、あのお店、よく知ってたね」

優「クラスの女の子達から聞いてね」

イタリアンのお店を出た後、あてもなく手をつなぎ談笑しながら街を歩く

杏奈「本当にまさるは、女の子と話すの得意だよね」

優「うん、話題が合うんだよね。ファッションとか、料理とか。毎日楽しいよ」

杏奈「もう…本当に女の子にもてるんだから…ほかの女の子に手だしたら、だめなんだからね」

優「わ、わかってるよ」

杏奈「それならよかった。」

杏奈は他の女の子と交流する優に嫉妬し、握る強さを少し強める。
夕方…

杏奈「ん～♪今日は楽しかったよ、まさる」

優「だね、僕も楽しかったよ」

日も暮れはじめ、杏奈と優は、街のベンチに座り街をゆっくりと眺める。

杏奈「さてと、今日は帰ろうか、まさる」

優「だね。明日もあるんでしょ、稽古。頑張ってね」

杏奈「うん。ありがと、まさる。まさるも明日からまた塾漬けでしょ。頑張ってね。」

優「ありがとう。また、会おうね、杏奈」

杏奈「まさる、また…おいしい料理屋さん一緒に行こうね。」

優「じゃあ杏奈、わ、別れの…その…き、キス…する？」

杏奈「え…う、うん…いいよ」

優は恥ずかしそうに切り出すと、杏奈は顔を赤めらせ、普通に女の子の表情になり、目を瞑る。

優は不慣れな動作でありながらも杏奈の唇と自身の唇を重ねる。

優「き、キスって恥ずかしいもんだね」

杏奈「だ、だね。（初めてのキス、奪われちゃった…）」

優「じゃ、じゃあ今日はこれで…」

杏奈「う、うん、また…ね」

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その日の夜
葵「ね～ね～杏奈♪今日のデートどうだったの～♪」

杏奈「も、もう、葵、そ、そう聞かないでよ」

葵は勉強をする杏奈の背中にもたれ掛かるように抱き着き、デートのことを聞き始める。

葵「だって、気になるんだもん♪教えてよ～」

杏奈「だ～め！」

瑞樹「もうあの子は…」

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優サイド
優「（杏奈の唇柔らかかったなぁ♪それに今日の杏奈、かわいかったなぁ♪）」