第146話 卑怯者の変化　作：ヒラーズ

「私のターン！」
フィーナ
手札4→5

「伏せカード邪魔だからLP1000払っｔ」
「使うのが遅すぎたな、罠カード『発動反転』を発動！我のカードは破壊されず受けるのは貴様らだ」
その言葉に俺は少しだけ沈黙してから話す。
「ふきゅ（おい、ニアラート）」
「何だ？」
「・・・（俺のライフを生け贄にしてお前さんを倒す方法・・・教えてやろうか？）」
「ふん、馬鹿か？言葉の意味が違うぞ？それは貴様の仲間に言う台詞だ」
あっそ、知らないのね。
「ヴァイヴァーイ（罠カード『自爆スイッチ』発動）」




「・・・何？」
「え！？」
「百騎兵さん！？」
「きゅ・・・（俺と共に死ぬが良い！自爆スイッチをポチッと！）」
自爆スイッチを押した瞬間、屋上は大爆発を起こし、俺とニアラートのライフが同時に吹き飛び、その衝撃で俺は屋上から落ちた。
百騎兵　LP7000→0
ニアラート　LP21800→0

「貴様ぁぁぁぁ！！」

You WIN！
フィーナ
詞音

You Lose！
百騎兵
ニアラート


実質上、俺達の勝ちなんだが、何かやばい予感がするから仕切り直して貰うように仕向けたのだ。



「百騎兵さん！」
慌てて詞音が屋上から下の階を覗く。
しかし時すでに遅し、その先には俺はいなかった。
「そんな・・・私達のために・・・」
まだ死んじゃいないがね。





一方俺は・・・。
「・・・」ﾌﾞｸﾌﾞｸ
水中で泳ぎ回り、ならべく万物の怪物を俺の方に引き寄せる。
それが俺の作戦であった。
作戦はこうだ。
1、クォーツ達を元の世界に逃がす。
2、デュエル終了後、鏡を持って逃げる。またはたたき壊す。
3、途中で取り残された人がいれば一緒に屋上へ逃げる。
4、万物の怪物に襲われている場合、3の作戦は強制的に適応される。3の作戦が適応してる場合、自分から生存者を安全場所に残し、ならべく人がいない所で万物の怪物を排除する。
5、3と4の出来事が起きない場合、この作戦を適応する。水が消えるのをひたすら待つ。

以上が作戦であった。

「待てぃ！」
「もきゅ？」
俺は咄嗟に後ろを向くと、ニアラートが鏡を持ち、俺を写す。
「・・・（いつの間に鏡持ってたんだよ）」
水中にもかかわらず、俺の体が蒼く燃える。
そして前世の姿に戻る。
「ほう？それが貴様の前世体か」
「・・・（そうだけど）」
俺は即座に水から離れ、壁に張り付く。
「そういや俺・・・サイキッカーだったけ？【レビテーション（空中浮遊）】でも使って浮いてるか」
だがこの時、俺は思い出した。
思い出した記憶
1、自分は不老不死者のサイキッカーだった。
2、任務が完了したため、レクス公国に帰還する途中だった。

だがこれで一つの矛盾が出る。
不老不死なのに何故死んだ？
今後、ダークテラに向かう際、探っておく必要がある。
そう考えている時だった。
ｻﾞﾊﾞｧ

ニアラートが水中から飛翔し、俺の前まで来る。
「まだ終わっておらんぞ！」
「ふん、来いよ卑怯者め！この【白き邪神】の俺が相手してやるよ」
ロワイヤルの次はシングル、ボス戦の2回戦目か、面倒だな。


「「デュエル！！」」


陸也　LP4000
手札5

ニアラート　LP4000
手札5





その頃、元の世界ではクォーツ達は俺の帰りを待っていた。

「あるじさま・・・」
「百騎兵・・・」
「むきゅちゃん・・・戻ってくるよね」
そう皆が心配している時だった。
「陸也君なら、あの程度でくたばりはしないよ」
その言葉にクォーツ達が振り向く。
「！」
「ネクロさん？」
「彼は最強の兵士でありデュエリストだ、安心して待っていたまえ。それに君たちとも話をしたくてねぇ・・・陸也君、いや百騎兵が戻ってくるまで私とお話としよう」
「・・・」

誰も予想しただろうか？ネクロ自ら話しかけてくるのは・・・。
だが少なくともクォーツ達は知ってはいけないこの世界の真実を知ってしまうのであった。




次回、邪神と万物の鎮魂歌
※タイトルが変わる可能性があります。