33話：姉同士の対決、海理VS魔姫　作：ヒラーズ

思い切ってフィールドに上がった海理は次の対戦相手を目視する。
そこに立っていたのは何やら見たことある人物だった。
魔奈と同じく魔力を秘め、歩く度に威圧を放つ姿。
間違いない、姉の魔姫である。

「あなたが海理さん？妹から聞いたわ。かなりの実力者のようね」
「いえいえ、恐れが多いです先輩。確かに昔はプロでした。けどもうそのような力は…」
何か誤解をされているのだろうか？魔姫の威圧が極々と増し、辺りを包む。
しかしそれには臆せず海理も魔力を放ち、包み返す。
陸也と魔奈も臆せずに見届け、会話を聞き続ける。
そんな時、最初に口を割ったのは陸也だった。

「姉を持ってる同士も楽しいものだな。それにすごい魔力の量だ…」
「ああ、姉上の魔力は測定器を壊すぐらいの量だ。大抵の魔法使いは一撃で逝くぞ」
ぼそぼそと陸也達の会話が聞こえる中、海理は魔姫に話しかけた。
「お互い姉同士、仲良くしようじゃありませんか？魔姫先輩」
「フフッ…そうね。丁度、あなたの本気が見たかったの」

そう言って魔姫はディスクを右腕に取り付ける。
続けて海理も右腕に取り付け、構える。

「知ってるわ、ホワイトアイズを使わないと決めているようだけど、それじゃ勝負にならないわ。ホワイトアイズを使いなさい…私も本気を出すから」
「……」
本気の勝負をご所望した魔姫、答えない訳にはいかなくなった状況下で海理はそれを肯定し、首を縦に振る。その事を理解したのか、辺りを覆っていた魔力が消え、表情が晴れる。

「じゃあ、いくわよ」
「はい…！」

お互いにデッキをセットし、順番を決める。
出てきた先攻後攻の天秤は海理に傾いた。
「くるぞ…」
「姉上達のデュエルが…！」




「「デュエル！！」」

海理　LP8000
手札5

魔姫　LP8000
手札5


「先攻は私です！ドロー！」
海理
手札5→6

即刻手札を確認し策を練る。手間暇かけずに手を動かした。
「私は手札から『調和の宝札』を発動！手札から攻撃力1000以下のドラゴン族チューナー1体を墓地に捨て、カードを2枚ドローします！」
海理
手札4→6

「さらに墓地送られた《神話の白石》の効果を発動！」

神話の白石／Original Card
☆1/水属性/ドラゴン族／チューナー／効果　ATK500／DEF500
①：このカードが墓地に送られた時に発動できる。デッキ、墓地から「ホワイトアイズ」モンスター１体を手札に加える。

「私はデッキから《白眼の聖龍》を手札に加え、さらに手札から儀式魔法『聖龍降臨』を発動します！手札より《白眼の聖龍》を生け贄に捧げ、手札から《聖龍の銃士》を儀式召喚します！！」

聖龍の銃士／Original Card
☆8/水属性/ドラゴン族／儀式／効果　ATK2900／DEF2100
「聖龍降臨」のみ降臨。このカードの攻撃宣言時、相手はモンスター効果を発動できず、効果を無効にする。また、このカードをリリースして発動できる。デッキ、手札、墓地から「ホワイトアイズ」モンスター１体を特殊召喚する。この効果は１ターンに１度しか発動できない。

海理の前に現れたのは銃を持つ謎のドラゴン、両腕には拳銃のような銃火器ものを持ち、魔姫に銃口を向ける。
「カードを3枚伏せてターンエンド！」
「私のターン、ドロー！」
魔姫
手札5→6

「いきなり儀式とは飛ばしてくるじゃない。けど…油断しないわ！手札から《黒眼の機竜》を特殊召喚するわ。このモンスターは自分フィールド上にモンスターが存在しなければ手札から出せるのよ？」

黒眼の機竜（ブラックアイズ・メカニカル・ドラゴン）／Original Card
☆7/闇属性/機械族／効果　ATK2800／DEF1600
自分フィールド上にモンスターが存在しない時、手札からこのカードを特殊召喚できる。
①：１ターンに１度、手札１枚捨てて発動できる。相手に２０００のダメージを与える。
②：このカードが戦闘で破壊された時、デッキから「ブラックアイズ」モンスター１体を召喚条件無視して特殊召喚する。

「【黒眼】…？」
見たことないカテゴリを見たような顔をする海理、元はレッドアイズなのだろうか？それだけが思考を過ぎる。

「さらに魔法カード『黒眼機竜強化』を発動！」

黒眼機竜強化（メカニカル・パワーグロウ・ブラックアイズ）／Original Card
通常魔法
このカード名の効果は１ターンに１度しか発動できない。
①：自分フィールド上の機械族モンスター１体を選択して発動できる。このターン、選択したモンスターの攻撃力は１０００アップする。
②：墓地に存在するこのカードを除外して発動できる。デッキから「ブラックアイズ」モンスター２体を手札に加える。

「攻撃力を1000アップさせ、攻撃！崩壊の電流弾！！」
「させません！罠カード『白眼の守護』を発動します！このターンお互いに戦闘破壊とダメージが起こらない代わりにお互いカードを1枚ドローします！」
光輝く結界が黒眼のブレスをはじき返し、互いにカードが引かれる。
海理
手札1→2

魔姫
手札4→5

「やるわね、けどまだ残ってるわ！魔法カード『融合』！場と手札の機竜を素材に融合！

――――“暗黒の機械暴龍よ、今ここに交わりて――――




――――仇成すものに裁きの鉄槌を下しなさい！”――――





――――融合召喚！！――――




――――《機械暴龍ブラックアイズ・タイラント・ドラゴン》！！――――





魔姫の前に現れたのは巨大な機械の龍、その姿はまるで全ての科学力を集めて作られた邪悪なドラゴンであった。

機械暴龍ブラックアイズ・タイラント・ドラゴン／Original Card
☆10/闇属性/機械族／融合／効果　ATK3800／DEF3000
「ブラックアイズ」モンスター×２
①：このカードが融合召喚に成功した時、相手は次のターンをスキップするか、手札を１枚捨てなければならない。
②：このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、相手に２０００のダメージを与える。
③：このカードをＥＸデッキに戻して発動できる。墓地から「ブラックアイズ」モンスター２体を特殊召喚する。

「①の効果発動よ、さぁどっちを選ぶの？」
「ぐっ…手札を1枚捨てます」
焦った海理は渋々と手札を墓地に落とす。だが落としたのはモンスターカードだった。

「この瞬間！墓地に送られた《白眼の盾龍》の効果発動！デッキからカードを4枚ドローして2枚捨てます！」

白眼の盾龍（ホワイトアイズ・シールド・ドラグーン）／Original Card
☆5/水属性/ドラゴン族／効果　ATK1000／DEF2900
このカードは守備表示のままでも攻撃できる。この効果を使用して攻撃した場合、このカードの守備力を攻撃力として扱いダメージステップを行う。
①：相手モンスターの直接攻撃宣言時、手札のこのカードを墓地に捨てて発動できる。バトルフェイズを終了させ、デッキからカードを１枚ドローする。
②：このカードが相手の効果で墓地に送られた時、デッキからカードを４枚ドローし、その後手札を2枚墓地に捨てる。

海理
手札1→5→3

「さらに墓地に送られた白石の効果で《白眼の亜聖龍》を手札に加えます！」
海理
手札3→4

「ここまで出来るとはさすがプロね。カードを2枚伏せてターンエンドよ」





海理　LP8000
手札4
場
聖龍の銃士　ATK2900　☆8
伏せカード2枚

魔姫　LP8000
手札1
場
機械暴龍ブラックアイズ・タイラント・ドラゴン　ATK3800　☆10
伏せカード2枚