6話：事故を阻止せよ！海理VS鉄島　作：ヒラーズ

時を遡り午後8時半前、魔奈は電車に乗り、帰宅する途中だった。
だがその帰宅時間は思いも寄らない方向へ向いた。
「…？おい、電車の速度がかなり上がってないか？」
魔奈は気になって先頭車両の運転席に目を向ける。
「あ…ああ…」
当然運転手の目が白目になり、スピードを制御するレバーを上げる。
そして電車の速度が上がり、車内はざわめき始めた。
「…！？おい！運転手！何してるんだ！？」
魔奈の大声で辺りは運転席を見る。
「おい！」「一体どうしたんだ！？」
「まさか、暴走かよ！」「今度は俺達が生け贄か！？」
「いやだぁ！！死にたくねぇ！！」

魔奈は扉を開けようと蹴ったり叩いたりするが、しかし扉は硬く閉ざされており、開く気配がない。
「くっ…どうすれば…！」














そして今の時刻へ…

鉄島　LP8000
手札5

海理　LP8000
手札5

「先攻は貰う、ドロー！」
鉄島
手札5→6

「私は手札から『テラフォーミング』を発動！『転回操車』をサーチし、発動！そして深夜急行騎士ナイト・エクスプレス・ナイトをリリースなしで召喚。効果で攻撃力が0になるが、先攻だから攻撃できん。そしてフィールド魔法の効果により、デッキより豪腕特急トロッコロッコを特殊召喚し、効果でレベルを4から10に変更し、オーバーレイネットワークを構築！X召喚！出でよNo.81超弩級砲塔列車スペリオル・ドーラ！！」
No.81超弩級砲塔列車スペリオル・ドーラ　ATK3200→4000　ランク10

（スペリオル・ドーラ！？）
「トロッコロッコの効果で攻撃力を800アップした。早々は超えられまい。カードを2枚伏せてターンエンド！」
「私のターン！」
海理
手札5→6

いきなり出された列車モンスターの主力、手札を確認し、策を講じる。
そして動いた。
「手札から『ハーピィの羽箒』を発動！相手の魔法・罠を全て破壊します！」
「ほう？やって良いのかな？」
「え――――」
海理の除去を計算に入れていたかのように鉄島は笑い、破壊された魔法・罠を見せる。

『黄金の邪神像』
『聖なるバリア－ミラーフォース－』

「『黄金の邪神像』を伏せていたんですか…厄介ですね」
効果で邪神トークンが召喚され、再び展開を許すことになった。
キツいとは言わないが、さらに策を組む必要性が増えたという苦悩をさせられる。
「…手札から白眼の子竜を召喚し、効果でリリースして白眼の聖龍を特殊召喚！効果で相手フィールドのモンスターを全て破壊します！」
「ならばスペリオル・ドーラの効果で自身の破壊を防ぎ、残りは破壊される」
トークンだけが流され、巨大な砲塔列車が残る。
効果を知っているとはいえ、打点4000を超えるのは難しい。
海理はカードを2枚伏せることにし、次のカードを待つことに賭けた。
白眼の聖龍　ATK3000　☆8

「カードを2枚伏せてターンエンド」
「私のターン」
鉄島
手札2→3

「ふむ…フィールド魔法が除去されるのは痛いな。まぁ良い、再びナイト・エクスプレスを召喚し、デリックレーンを特殊召喚。2体でオーバーレイネットワークを構築！X召喚！グスタフ・マックス！」
超弩級砲塔列車グスタフ・マックス　ATK3000　ランク10

「効果で素材を1つ取り除き、相手に2000のダメージを与える」
「させません！罠カード『地獄の扉越し銃』！効果ダメージを跳ね返します！」
超弩級の砲撃が跳ね返り、鉄島のLPを削る。
鉄島　LP8000→6000

「ふん…それしきの程度で！グスタフ・マックスで同士討ちだ！」
「それも通りません！手札からオネストを捨てて相手モンスターの攻撃力分打点をアップし、返り討ちです！リヴァイアサン・ショット！！」
白眼の聖龍　ATK3000→6000

聖龍の打点が上がり、パワーアップした超水圧ブレスがグスタフ・マックスを貫く。
鉄島　LP6000→3000

「聖龍の効果により、もう一体の聖龍を特殊召喚し効果で破壊します！」
大きな砲塔を持つ列車は跡形もなく流され、破壊される。
あっけなく破壊された事から、海理は警戒した。








（まだ何か…残ってる？）
「礼を言うぞ小娘、これで私のエースを召喚できる」
「！！」
「自分の墓地に機械族モンスターが5体以上存在する時、このモンスターを特殊召喚する！」

（まさか…！あの精霊を！？）



鉄島の墓地に存在するのは2体の機械族Xモンスターを除き、4体の機械族・効果モンスターが眠っている。恐らく鉄島のエースモンスターを出す重い条件を達成させるのを手伝ってしまうと言う、タチの悪い事態が起きた。
「出でよ！洗脳機マザーブレイン！！」

洗脳機マザーブレイン／Original Card
☆10/闇属性/機械族／効果　ATK3500／DEF2600
このカードは通常召喚できない。自分の墓地に機械族モンスターが5体以上存在する時のみ、手札から特殊召喚できる。この効果はバトルフェイズ中でも発動できる。
①：1ターンに1度、LPを半分払って発動できる。相手フィールド上に存在する全てのモンスターのコントロールを2ターンまで得る。
②：このカードはカード効果では破壊されない。
③：このカードが存在する限り、自分は他のモンスターを召喚・特殊召喚できない。

鉄島の前に現れたのはメイド服を着た半機械化した女性、しかし先程見た感じとは違い腕には無数の糸が絡みついていた。
（これが…精霊のカード…！なんて圧力ですか…！！）

「では効果を発動！LPを半分払い、小娘のフィールドに存在するモンスターのコントロールを得る！」
鉄島　LP3000→1500

マザーブレインの放った糸は白眼の聖龍達に絡みつき、コントロールを奪う。
そして白眼モンスターの眼には「洗」という文字が浮かび、敵に寝返る。
「…そんな！」
「ははははっ！しかもまだバトルフェイズだ！自分のモンスターに苦しめられるがいい！攻撃！」
寝返った白眼の攻撃が海理を襲い、ライフを削る。
海理　LP8000→5000

「…まずい状況になりましたね…このままじゃ…！」
そう、1体はオネストの効果で攻撃力が上がっている。この攻撃が通れば敗北する。
「とどめだ！残りのモンスターで攻撃！」
「罠カード『ガード・ブロック』！このターン、私にくる戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローします」
海理
手札1→2

「ふん、耐えきったか…、ターンエンドだ」
（ここからどうすれば…！）


その時だった。
頭の中に夢に出た蝶蝶の声が聞こえた。
【もし…この声があなたに聞こえているなら……まだ勝機があります】

「……！！」
【諦めず、挫けずに立ち上がり、理不尽なゲームに勝ちなさい…その手札にはまだ…力が眠っています】

「…私のターン」
海理
手札2→3

（このカードは…！！）





※延長修正いたしました。