31話：Bブロック戦、陸也VS2年生　作：ヒラーズ

翌日、クラス対抗デュエル大会のチャイムが鳴り、全生徒がデュエルフィールドに集まり、いつもより賑やかさを増させる。あるものは腕を鳴らし、興奮するもの。あるものは勝ち負けを問わず、じっくり楽しもうというものも現れている。そんな中、海理達は集まり作戦会議をしていた。

「本気のデッキは使わない？」
「ええ、序盤から本当のデッキを使えば相手に手の内を晒すようなものですし、そうした方が都合良く行くと思います」
「ちなみに俺も2番目を使う。経典を攻略されたくないんでな」
姉弟揃って手加減するのかと魔奈は言うが、海理と陸也は変わったからとはいえ呆気なく負ける気は一切ないと主張する。ただ陸也の方はちょっと不安だがなと言う。

「だが安心してくれ、布陣はだいぶ硬くするデッキだから弱くないはずだ」
「そうか、期待させて貰うぞ」
そう言った後、Bブロックの1回戦目が始まるチャイムが響く。陸也は席から立ち、海理達に伝える。

「最初は俺が行く。相手の出方をうかがうには初手で俺が出た方が容易だろう」
「気をつけてくださいね」
「しっかり戦ってこいよ！」
陸也は海理達の声援を受けながらデュエルフィールドに上がる。それと同時に対を成す男子生徒がデュエルフィールドに立つ。胸につけているバッジを確認したところ、相手は2年生のようだ。

「俺の名は陸也、先輩…あなたの名は？」
「オレの名は半次、よろしくな！1年のルーキー！」
両者ともディスクを構え、同時にデュエル開始の合図を言った。

「「デュエル！！」」


半次　LP8000
手札5

陸也　LP8000
手札5


「先攻はオレから行くぜ！ドロー！」
半次
手札5→6

「モンスターを裏側でセット、カードを2枚伏せてターンエンドだ」
初手からの逃げの一手を使った半次、陸也は手札をよく確認し、デッキのカードに手を置く。
「俺のターン！」
陸也
手札5→6

「先ずは小手調べだ、魔法カード『手札抹殺』を発動、互いのプレイヤーは手札を全て捨てて、捨てた枚数分デッキからカードを補充する。さらにゴゴゴジャイアントを召喚、効果で墓地からゴゴゴギガースを特殊召喚し、2体でオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚！出でよNo.52 ダイヤモンド・クラブ・キング！」

Ｎｏ.５２ ダイヤモンド・クラブ・キング
ランク4/地属性/岩石族／エクシーズ／効果　ATK0／DEF3000
レベル４モンスター×２
１ターンに１度、このカードのエクシーズ素材を１つ取り除いて発動できる。ターン終了時まで、このカードの守備力を０にし、攻撃力を３０００にする。このカードが攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。また、エクシーズ素材の無いこのカードは、攻撃された場合ダメージステップ終了時に攻撃表示になる。「Ｎｏ.５２ダイヤモンド・クラブ・キング」は自分フィールド上に１体しか表側表示で存在できない。

陸也の前に現れたのはダイヤモンドで出来た巨大な蟹、何故か守備表示ではなく攻撃表示で召喚されている。

「いくぞ！ダイヤモンドの効果を発動！このカード素材を取り除いてこのカードの攻守を入れ替える！そして伏せモンスターに攻撃！ダイヤ・クラッシュ！！」
巨大な蟹のナンバーズが素材を1つハサミで砕き、打点と守備を入れ替え、そして伏せモンスターに腕を大きく振り下ろし、伏せモンスターを破壊する。

「伏せモンスターはゴーストリックか…野放しにしておくと厄介だな。カードを2枚伏せてターンエンド」
「オレのターン！」
半次
手札3→4

「オレの主体がリバース系だと思ったか？馬鹿め！墓地の光属性と闇属性をゲームから除外して…」

（恐らく、カオスモンスターだな……）
「では特殊召喚そのものを無効にして貰うぞ、罠カード『神の宣告』！ライフを半分払い無効だ」

神の宣告
カウンター罠
ライフポイントを半分払って発動する。魔法・罠カードの発動、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚のどれか１つを無効にし破壊する。

陸也　LP8000→4000

「ちっ…ターンエンド」
半次は舌打ちしてターンを終わらせ、陸也に回す。
「俺のターン」
陸也
手札2→3

「このターンで終わらせるぞ！2体の岩石族を除外して地球巨人ガイア・プレートを特殊召喚、さらに手札から『一騎加勢』を発動し選択はガイア・プレートに、ダイヤモンドの表示形式を攻撃表示に変更し効果で入れ替え、先史遺産マッドゴーレム・シャコウキを通常召喚しバトル！」

一騎加勢
通常魔法
①：フィールドの表側表示モンスター１体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで１５００アップする。

地球巨人ガイア・プレート
☆8/地属性/岩石族／効果　ATK2800→4300／DEF1000
このカードは自分の墓地の岩石族モンスター２体をゲームから除外して特殊召喚する事ができる。このカードと戦闘を行う相手モンスターの攻撃力・守備力を半分にする。自分のスタンバイフェイズ時に自分の墓地の岩石族モンスター１体をゲームから除外する。除外しない場合、このカードを墓地へ送る。

先史遺産マッドゴーレム・シャコウキ
☆4/地属性/岩石族／効果　ATK1700／DEF1000
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分フィールド上の「先史遺産」と名のついたモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

陸也の前に次々と展開される岩石族モンスター達、この数ならオーバーキルは免れないだろう。
「クソ！なんだこの岩石オンリーのデッキは…！！」

次々に襲いかかる岩石族モンスター達の直接攻撃を喰らい、半次のライフが一気に削れたのであった。
半次　LP8000→0（－1000）

「クッソォ…！」
「序盤勝負は貰った、後は姉さん達次第だな」

You WIN！
陸也

You Lose…
半次




「やるなぁ…お前、油断したよ」
「いえいえ、今日は運が良かっただけです」
陸也は謙虚に言葉を返し、フィールドを降りる。呆気なく終わったとは言うものの、相手は何を隠しているのか分からない。その事を考え海理達のところに戻り、勝利を報告した。
「ふむ…どうやら相手は最終兵器を取っておくのが作戦らしいな」
「じゃあ次はアタシがいくぜ！」
水樹は席を立ち、フィールドに向かい、立つ。
だが次の相手の登場に水樹の表情は険しくなった。

「てめぇは……！」
「久しぶりね、水樹。ムショ上がりの暴走族が一戦を取っただけで調子に乗らない方が良いわよ？」

水樹の前に現れた相手は銀髪ショートの蒼目少女だった。