03話　採用試験　前編　作：名無しのゴーレム

そんなこんなで、俺と京子、それに仙波さんの3人は塾内にあるデュエルフィールドに移動していた。
「…広いな。」
思わずそう漏らしてしまうほどに、そのデュエルフィールドは広かった。学校の体育館くらいといったものか。俺のつぶやきを聞いた京子は、
「まあ広くても、機材がないからスタンディングデュエルしかできないんだけどね。」
…え？その言い方はまるでスタンディング以外にもデュエルの方法があるというように聞こえるのだが？俺は京子にそのことをたずねようとしたが、
「さあ、さっそくはじめようよ！　お兄さんの採用をかけたデュエルを！」
京子は俺に対峙し、デュエルディスクを構えた。俺もそれに合わせて、デュエルディスクを構える。審判を務めるのは仙波さん。いよいよデュエルが始まる。
「「デュエル！」」

京子　LP4000 手札5枚
強志　LP4000手札5枚

「先攻はもらうよ！」
京子の先攻でデュエルが始まった。っていうかおい。なに勝手に先攻取ってんだ。
「私はモンスターをセット。カードを1枚伏せてターンエンド！」

京子　LP4000 手札3枚　フィールド　伏せモンスター1 伏せカード1

あのテンションの割には地味なスタートだな。まあ先攻だしそんなもんか。
「俺のターン、ドロー。」
手札は…まあいい方だろう。
「俺は手札から機密機械01 イグニスを召喚する。」

機密兵器01 イグニス　（オリジナルカード）
効果モンスター
星4/闇属性/機械族/攻600/守1500
①：このカードが「機密兵器」と名のついたカードの効果によって除外されたときに発動する。次の自分のターンのスタンバイフェイズにこのカードを表側攻撃表示で特殊召喚する。②：このカードの召喚に成功したときに発動できる。自分の手札の「機密兵器」と名のついたカード1枚を除外する。

「なにそれ！ 見たことないモンスターだ！」
京子は目を輝かせて俺のモンスターを見ている。
「イグニスの効果発動。このモンスターの召喚に成功したとき、手札の機密兵器と名のつくカード1枚を除外できる。俺は手札の機密兵器03 ストリグスを除外する。俺はカードを1枚伏せてターンエンド。」

強志　LP4000手札3枚　フィールド　機密兵器01 イグニス　伏せカード1枚

「えっ？攻撃しないの？」
俺がターンエンドすると、京子は驚いたようにして、俺に聞いてきた。
「するかよ。攻撃力600だぞ。」
「そう…。まあいいや、私のターン、ドロー！ 私は、手札から剣闘獣ラクエルを召喚！」
なるほど、剣闘獣か…戦闘を介することで効果を発動するモンスター群。だからさっき攻撃しないのかと聞いてきたのか。
「さらに私は剣闘獣ホプロムスを反転召喚！ バトル！ ラクエルでイグニスを攻撃！」
「させるか！ 永続罠、機密技術―バリア発動！」

機密技術―バリア　（オリジナルカード）
永続罠
①：1ターンに一度、手札の「機密」と名のついたカード1枚を墓地に送り発動できる。このターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージは０になり、自分フィールド上の機械族モンスターは戦闘では破壊されない。

「このカードの効果で、手札の機密兵器04　シーラーを墓地に送り、戦闘ダメージを0にする。そしてイグニスも破壊されない。」
「ならホプロムスでイグニスを攻撃！」
「くっ…だがイグニスは破壊されず、ダメージも受けない！」
「別にいいよ。ラクエル、ホプロムスの効果発動！　2体をデッキに戻し、デッキから剣闘獣ベストロウリィ、剣闘獣ムルミロを特殊召喚！」
ラクエルとホプロムスが消え、新たに2体の剣闘獣が現れた。
「ベストロウリィの効果発動！　お兄さんの永続罠を破壊するよ。」
風が俺の場に吹き荒れ、俺の機密技術―バリアが破壊された。
「さらにムルミロの効果発動！イグニスを破壊！」
水流がイグニスを押し流し、イグニスが破壊される。
「……」
「これでお兄さんの場はがら空き。私はこれでターンエンド！」

京子　LP4000 手札3枚　フィールド　剣闘獣ベストロウリィ、剣闘獣ムルミロ　伏せカード1
強志　LP4000 手札2枚