第18話 冥の初デート　前編　作：風鼠

学校…

冥「…はぁ」

一葉「…冥、ため息して…どうかしたの？」

璃々奈「表情も暗いし…」

冥「…え、あ…一葉…璃々奈…す、すこし、困ったことがあって…」

一葉「…困ったこと？…相談に乗るよ？」

冥「い、いいの？」

璃々奈「いいわよ。友達なんだから」

冥「…あ、ありがと…じゃ、じゃあ…」

冥は少し恥ずかりながらも、2人に相談することにする。

冥「その…こ、今度の土曜日に…な、鳴神くんと…で、デートすることになって…」

璃々奈「へぇ…よかったじゃない。それで何に困っているの？」

冥「で、デートに…何を…着ていけばよくわからなくて…」

一葉「…冥の服…選んであげる」

冥「…い、いいの？」

璃々奈「えぇ、この際だから服屋さん巡ってオシャレな服買いましょ。」

一葉「ついでに…私達のも…ね」

冥「…あ、ありがと…2人とも」

放課後…服屋

璃々奈「…案外、品ぞろえ良いわね」

一葉「うん…それに…安い」

冥「こ、こんなに…可愛い服、に、似合うかなぁ…」

璃々奈達3人は隣町の全国的に有名な服屋へと訪れ、可愛らしいワンピースやＴシャツなどを手に取る。

璃々奈「そういえば…デートでどこに行くの？それによって、選ぶ服がちょっと変わるけど…」

冥「そ、そう…なの？」

一葉「状況で…服変えるの…重要」

璃々奈「そうよ。どこ行くの？遊園地？水族館？」

冥「そ、その…ゆ、有名な…お、お化け屋敷に…」

一葉「…冥…らしい…のかな」

璃々奈「…ま、まぁ、とりあえず動きやすいのが良いみたいね。」

冥「う、うん…あ、ありがと…」

一葉と璃々奈は冥らしいデート先に呆れながらも冥にあった服を選別し始める。

璃々奈「冥、このワンピースなんかどう？動きやすいし、かわいいわよ。こっちのカーディガンと合わせれば、秋でも着れるわよ」

一葉「この…ボトムスも…」

冥「あわわ…り、リア充、って感じがする服ばかりだよぉ…」

璃々奈「もう冥は十分そのリア充？ってやつじゃないの。」

一葉「うん…彼氏がいて…十二分に…充実…してる」

冥「そ、そうかな…」

冥は少し恥ずかしがりながらも2人が選んだ服を次々とカゴに入れていく

璃々奈「こんなところかしらね」

冥「い、いっぱい…」

一葉「…今後のこと考えると…これくらい必要…かも」

璃々奈「でも、これは全部夏や秋用だから…冬用の服も必要ね」

冥「そ、そう…かな」

一葉「…まず…試着して…合わせてみないと…」

璃々奈「そうね。そろそろ試着室に行きましょうか。」

冥「う、うん…」

試着室…

冥「に、似合ってる…かな」

一葉「ん…似合ってるけど…ちょっと…着方が…違う？」

璃々奈「そうね。ここを…こうしてっと」

冥「ひゃ！？く、くすぐったいよぉ。」

一葉と璃々奈は冥のコーディネートを少し修正する。

一葉「できた」

冥「な、なんか…だ、大胆…」

璃々奈「大胆って言っても、少し露出させただけよ。」

一葉「冥も…少し明るくなった感じがする」

冥「そ、そう？」

璃々奈「それに…彼氏ができて、ファッションが気になるなんて、冥少し変わったわね」

冥「うん…ナリカミ君の彼女として少しでもふさわしい女性になろうと思って…それに、こういう経験も大切かなって」

一葉「…意識…改革…大切」

璃々奈「なおさら冥の為にがんばらなきゃね」

冥「ほんと…ありがと」


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デート当日…
冥「（時間…あってるよね…な、なんだか恥ずかしいなぁ）」

待ち合わせの時間より十数分前に到着した冥は緊張により、指先で前髪を弄ったり、ファッションを整えながら鳴神の到着を待つ

鳴神「あ、冥さん。おはようございます」

冥「ひゃ？！…あ、な、ナリカミ君、おはようございます」

鳴神「冥さん、ま、待ちました？」

冥「う、ううん、待ってないよ」

鳴神「よ、よかったぁ」

冥の返答に鳴神は胸をなでおろす。

冥「ちょ、ちょっと…は、はやいけど…お、おばけ…屋敷…行き…ます？」

鳴神「う、うん、そう…しようか」

冥と鳴神は足並みをそろえ、目的の場所へと向かい始める。

璃々奈「…はぁ…結局心配でついてきちゃった…」

一葉「…冥…ネガティブ出なきゃ…良いけど…ん？」

璃々奈と一葉は目立たない恰好で2人の後を静かに尾行する。

璃々奈「どうかしたの？」

一葉「…あの子たちも…2人のこと…尾行してる」

璃々奈「え？…あ…ホントだ…。って…あの子、たしか…」

一葉が冥たちをつける2人の存在に気付き、2人の存在を璃々奈に伝える。

柘榴魔「は、悠人、尾行はまずいよぉ」

悠人「だって…冥さんが鳴神さんと一緒に歩いてるからつい…」

璃々奈「女の子の尾行とはいけないな、柘榴魔君」

柘榴魔「わわ！…え、えっと…璃々奈先輩と一葉先輩」

一葉「尾行…よくない…」

悠人「（き、綺麗な人達だなぁ）」

璃々奈「まぁ、私たちも人のことは言えないけれど」

柘榴魔「じゃ、じゃあ璃々奈先輩たちも…」

一葉「冥のこと、心配だから…」

悠人「じゃ、じゃあ僕たちと一緒に尾行します？」

柘榴魔「は、悠人、それは悪いよ」

璃々奈「…いいわよ」

悠人「やった♪」

一葉「…良いの？」

璃々奈「えぇ。（この子のこと、少しでも知っておくべきね…）」

悠人「（この人達のことも良く知っておこうかな）」

柘榴魔「（また悠人の悪い癖が出てるなぁ）」

つづく…
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おまけ１
鳴神「～♪」

写道「やぁ、ナリカミ君、ご機嫌だね」

鳴神「あ、シャドウ君。デ、デートすることになってね」

写道「へぇ、よかったね。どこに行くんだい？」

鳴神「冥さんの趣味に合わせてお化け屋敷とか、怖い映画とか見ようとおもってね」

写道「…そうか、冥さん、オカルトとか好きだもんね」

鳴神「うん、僕、頑張るよ」

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おまけ２
冥「あ、あの…ふ、2人とも…」

璃々奈「どうかしたの？」

一葉「？」

冥「さ、さすがに…バニーガールは…」

璃々奈「そう？じゃあ、このメイド服に…」

一葉「こっちの…露出度の…高い服も…」

冥「（この2人に頼んだの…間違えたかなぁ）」