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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第二章 ー魔術師の弟子①ー

第二章 ー魔術師の弟子①ー 作:T@KAKKU☆

第二章 ―魔術師の弟子―

○丘の上

 マハードの家から出ると、そこは小高い丘の上だった。晴れていれば見晴らしは良さそうだが、今は絶えず砂嵐が吹き荒れているため、見晴らしはあまり良くない。そして荒涼とした大地の向こうには大きな町があり、その中心には、巨大な王宮らしき建物がそびえ建っていた

ユウナ「そんな・・・ウソでしょ・・・!?こんなこと、あり得ない・・・あり得るはずがない・・・!」

 目の前に広がる景色が信じられず、ただただ呆然とするしかないユウナ。と、そのとき。ユウナの目にあるものが飛び込んできた

ユウナ「・・・あ!あれって・・・も、もしかしてピラミッド・・・!?」

 砂漠の向こうにかすかではあるが、四角錐の巨大な建造物が見えた

ユウナ「(それにこの砂漠・・・ってことは、ま、まさか!もしかしてここはエジプト!?エジプトなの!?でも、何でいきなりエジプト!?まさか、寝ている間に勝手に連れて来られちゃったの・・・?)」

 思わぬ事に、戸惑いを隠せないユウナ

ユウナ「(・・・いや、そんなわけないわ。第一、日本からじゃ遠すぎるし、もし仮に誘拐されたのだとしても、わざわざこんなところまで運ぶわけがない・・・。それに、私はあの時確かに車にひかれた。それはハッキリ覚えてる。でもそれなのに、気が付いたらこんなところにいて、しかも見た目まで変わってしまっているなんて・・・。一体全体、何がどうなってるの・・・?)」

 自らの感覚と起きている現象に戸惑うしかないユウナ。すると次の瞬間

マハード「マナ!」

ユウナ「!?」

 突如、ユウナの後方からマハードがやってきた

マハード「どうしたんだ、急に?」

ユウナ「あ、い、いや、別になんでも・・・」

思わずたどたどしく返すユウナ。すると次の瞬間

マハード「ならいいが。・・・さて、ではお前も起きたことだし、そろそろ食事にしようか。家に戻りなさい」

ユウナ「・・・」

 マハードに促され、しぶしぶ家の中へと戻るユウナ



○マハードの家

 その後、家に戻った二人。ユウナはリビングのテーブルで椅子に腰かけ、マハードは奥で食事の準備をしている

ユウナ「(・・・思わず戻って来ちゃったけど、あの人、大丈夫なのかしら?さっきは魔力とか修行とかわけのわからないことを言ってたし、もし誘拐犯だとしたら、早く逃げないとヤバイわよね・・・。でも、誘拐なら逃げないように手足を拘束するはず・・・なんでしないんだろ?・・・でも、これなら上手くやれば逃げ出せるかも・・・!)」

 逃亡計画を練るユウナ。しかし次の瞬間

ユウナ「(・・・でも、考えてみればエジプトに知り合いなんていないし、仮にここから逃げ出せたとしても、他に行くところなんてない。ざっと見た限り、電話やパソコンもないみたいだから、事前に連絡も取れない。それに、向こうに町が見えたけど、何か乗り物がなきゃあんな遠くまで行けるわけもない・・・。・・・一体、どうすればいいの・・・?)」

 一人考え込むユウナ。すると次の瞬間

マハード「よし、出来たぞ」

ユウナ「!?」

 支度を終えたマハードが、食事を持ってやって来た。そして皿をテーブルの上に置き、席に着くマハード。すると次の瞬間

マハード「・・・では、ファラオに感謝して、いただきます」

ユウナ「(ふぁ、ふぁらお?何それ?)い、いただきます・・・」

 手を合わせ、食事を始める二人。しかし、ユウナは食事どころではなかった

ユウナ「・・・(まさか、毒なんて入ってないでしょうね・・・?それかヤバいクスリとか・・・)」

マハード「・・・ん?どうした?冷めないうちに早く食べなさい」

ユウナ「あ、は、はい・・・」

 すると次の瞬間。マハードの口から意外な言葉が飛び出す

マハード「今日はお前の好きなラクダ肉だぞ?」

ユウナ「・・・ええっ!?ら、ラクダ!?ラクダってあのラクダよね?た、食べちゃうのっ!?」

 思わぬ事に戸惑いを隠せないユウナ。すると次の瞬間

マハード「何を言っているんだ、当たり前だろう」

 普通に返すマハード

ユウナ「・・・へぇー。そ、そうなんだ・・・。さすがはエジプトね・・・」

 驚きながらも、目の前に置かれたラクダ料理を見つめるユウナ。そして次の瞬間

ユウナ「(ラクダか・・・。うーん、なんかあんまり美味しそうじゃないケド・・・。でも、お腹も空いてるし・・・。・・・ええい!まぁいいや!いただきまーす!)」

 パクッ モグモグ・・・

 意を決し、おもいきって食べるユウナ。すると次の瞬間

ユウナ「!・・・美味しい!なにこれ?こんなに美味しいもの、初めて食べた!」

 思わず笑顔になるユウナ

マハード「ふふ。それはよかった。まだあるから、沢山食べなさい」

ユウナ「はーい!」

 その様子に、自然と笑顔になるマハード



続く
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