序章　ーデュエル・スタンバイー　作：T@KAKKU☆

登場人物

真堂　遊奈（まどう　ゆうな）
　主人公。明るく活発で、デュエルが大好きな女の子。ある日突然、ブラック・マジシャン・ガールに転生してしまい、そこから冒険の日々が始まってしまう（予定）。デュエリストであるが故に発想力が高く、よく思考が飛躍＆暴走してしまう

使用デッキ：マジシャン

剣崎　竜太（けんざき　りょうた）
　遊奈の幼馴染で、デュエル仲間。一緒に大会に出場したが、予選で敗退した。

使用デッキ：バスター・ブレイダー

マハード
　遊奈の転生後の師匠。古代エジプトの王（ファラオ）に仕える神官で、別名ブラック・マジシャンの異名を持つ最強の黒魔術師

マナ
　遊奈が転生する魔術師見習いの少女。後のブラック・マジシャン・ガール

海座
　最初の敵。どこかの社長っぽいモブ



序章

○イベント会場
　ここは都礼花（とれか）町のとあるイベント会場。そこでは遊戯王OCGの大会が行われており、今はまさに決勝戦の真っ最中であった

MC「さぁー、この大会もいよいよ大詰め！決勝に残ったのは前大会優勝者の海座選手！そして、今回初めて決勝まで勝ち残った女性決闘者、真堂　遊奈選手だぁ！」

ギャラリー「ワァーッ！」

　会場中央のステージ上では、決勝に進出した二人の熱いデュエルが繰り広げられている

MC「デュエルもついに最終局面！果たして、優勝するのはどっちだぁ！？」

海座「・・・ふん、女にしてはよくやったが、所詮この程度か。俺のブルーアイズの敵ではないわ」

　デュエルの展開は一方的だった。海座のライフポイントは未だ無傷。対して、ユウナのライフポイントはもう残りわずか。しかも海座の場にはブルーアイズが三体並び、リバースカードも伏せてある。対して、ユウナの場にはモンスターが一体しかいない

ユウナ「くっ・・・！」

　苦悶の表情を浮かべるユウナ

海座「次が貴様のラストターンだ！さぁ、デッキからカードを引け！」

ユウナ「（このままじゃ、負ける・・・！でも、あのカードさえ引ければ、まだ逆転できるはず・・・！でも、そんなことできるわけが・・・）」

MC「お～っと、真堂選手！これはもう打つ手なしかぁ～っ？」

海座「どうした？さっさとカードを引け！」

　諦めかけるユウナ。だが次の瞬間、ユウナの耳に会場からとある声が聞こえてきた

竜太「ユウナ！頑張れ！諦めんな！」

ユウナ「！（竜太！そうだ！私は負けるわけにはいかない！私を信じてくれる人のためにも！）」

　ユウナの表情が変わった。そして次の瞬間

ユウナ「私はこのカードを信じる！私のターン、ドロー！」

ユウナ「！」

海座「どうだ？来たか？クズカードが」

　勝利を確信する海座。だが、次の瞬間。ユウナの表情が変わった

ユウナ「・・・ええ。来たわ。私の切り札がね！」

海座「何ッ！？」

ユウナ「私はモンスター一体をリリースし、このカードをアドバンス召喚！」

　ユウナの場のモンスターが渦を巻いて消える。そして次の瞬間

ユウナ「さぁ来て、私の切り札！『ブラック・マジシャン・ガール』！」

　キュピーーーン！

　ブラック・マジシャン・ガールが召喚された

MC「おーっと、ここで真堂選手は『ブラック・マジシャン・ガール』を召喚したぞーっ！果たして、ここからの逆転はあるこのかーっ！？」

ギャラリー「ワァーッ！」

海座「・・・ふん、一体何を出すかと思えば、『ブラック・マジシャン・ガール』だと？笑わせるな。『ブラック・マジシャン』ならいざ知らず、たかが攻撃力2000のモンスターなど、俺のブルーアイズの敵ではないわ」

　一瞬動揺した海座だったが、すぐに平静を取り戻す。しかし次の瞬間

ユウナ「それはどうかしら？」

海座「何？」

ユウナ「言ったはずよ、これが私の切り札だってね！今からそれを見せてあげるわ！」

海座「！」

　すると次の瞬間

ユウナ「手札から、魔法カード、発動！」

ユウナ「『賢者の宝石』！」

海座「何ッ！？」

ユウナ「このカードは自分の場に『ブラック・マジシャン・ガール』がいるとき、デッキから師匠である『ブラック・マジシャン』を呼び出すことができる！」

海座「なんだと！？」

ユウナ「さぁ来て、お師匠サマ！『ブラック・マジシャン』！」

　シャキーーーン！

　ブラック・マジシャンが召喚された

海座「くっ！だ、だが魔導士が二人揃ったところで、一体何ができるというんだ！」

　すると次の瞬間

ユウナ「だから、それをこれから見せてあげるっての！手札から魔法カード、発動！『ブラック・マジック』！」

海座「何ッ！？」

ユウナ「このカードは自分の場に『ブラック・マジシャン』がいるとき、相手の場の魔法・罠カードを全て破壊できる！」

海座「なんだって！？」

ユウナ「頼んだわ、お師サマ！くらえ！必殺、黒・魔・導！（ブラック・マジック）」

　ズガガガガガガ！

海座「ぐわぁぁぁぁ！」

　海座の伏せカードは全て破壊された

MC「おーっと、これで海座選手のリバースカードはなくなったぞ～っ！」

ギャラリー「ワァーッ！」

竜太「いいぞ！ユウナ！」

海座「くっ！だ、だが俺のフィールドにはまだブルーアイズが三体も残っている！攻撃力3000のこの壁を壊さない限り、貴様に勝ち目はない！」

　だが、次の瞬間

ユウナ「ふっ、そんなの、戦うまでもないわ！」

海座「なんだとっ！？」

　すると次の瞬間

ユウナ「だってこのカードにかかればイチコロだもの！手札から魔法カード、発動！『ブラック・バーニング』！」

海座「何ぃ！？」

ユウナ「このカードは自分の場に『ブラックマジシャンガール』がいるとき、相手の場の表側表示のモンスターを全て破壊する！」

海座「な、なんだってぇ！？」

ユウナ「さぁ、行って！『ブラック・マジシャン・ガール』！必殺、黒・魔・導・爆・裂・破（ブラック・バーニング）！」

　ドゴオオオオン！

海座「ぐわぁぁぁぁぁ！」

　ブラック・バーニングが炸裂。海座のブルーアイズは全て跡形もなく消し飛んだ

海座「ば、バカな・・・お、俺のブルーアイズが・・・ぜん・・・めつ・・・めつ・・・！？」

　そして次の瞬間

ユウナ「これであなたを守るものは何もなくなったわ！私のバトルフェイズ！マジシャンズによる攻撃！必殺、黒・爆・裂・破・魔・導！（ブラック・バーニング・マジック）」

　ドガァァァァァン！！！

海座「ぐわぁぁぁぁぁ！！！」

　マジシャンズによる連携攻撃が炸裂し、海座のライフポイントは０になった

MC「決まったぁーーーっ！『ブラック・マジシャン』たちによる攻撃で海座選手のライフポイントは０！よって、優勝は真堂　遊奈選手だぁーーーっ！！」

ギャラリー「わぁーーーっ！」

ユウナ「やったーーーっ！私、勝ったんだぁーーーっ！！！」

海座「ば、バカな！？この俺が・・・負けた・・・！？」

　ステージ上で飛び跳ねるユウナと、膝から崩れ落ちる海座。と、そのとき

竜太「やったな！ユウナ！」

　観客席から竜太が声をかけた。それに答えるように、ユウナは親指を立てて合図した



　to be continued・・・