32話：水樹の因縁、元族同士の争い　作：ヒラーズ

「何でてめぇがこのチームにいやがる！」
「失礼ね、ムショに入ったのはあなただけではないでしょ？スターリンレディースの元総長さん？」
「こんのぉ…！ぜってぇぶっ飛ばすからな！」
水樹はディスクを構え、臨戦態勢に入り、デッキをセットする。
そんな中、観客席で海理は魔奈と会話をしていた。
「あの人…誰ですか？」
「あいつは水樹の族組に潰された暴走族グループ『紫電レディース』の総長、粗木 紫電（ざらき しでん）だ」

魔奈はペラペラとその情報を教えてくれた。水樹と同じ暴走族であり、潰されたと同時に刑務所に送られたらしい。それが引き金となり水樹を恨むようになったなど様々な情報が出た。

「…あっちでは私の分析をしているようだけど、デュエルなら無駄ね」
「けっ！んな事より始めようぜ」
紫電もディスクを構え、デッキをセットするが、よく見てみると腕につけるタイプではなく、胸につけるタイプのようだった。

「容赦はないわ！」
「応！叩き潰してやるぜ！！」


「「デュエル！！」」

コンピューターが起動し、先攻後攻が決定される。
先攻：紫電
後攻：水樹


「先攻は私ね、ドロー！」
紫電　LP8000
手札5→6

「魔法カード『高等儀式術』を発動、デッキから青眼の白龍を墓地に送り、手札からブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴンを儀式召喚！」

ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン
☆8/闇属性/ドラゴン族／儀式／効果　ATK4000／DEF0
「カオス・フォーム」により降臨。
このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。
(1)：このカードは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。
(2)：このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が越えた分の倍の数値だけ戦闘ダメージを与える。

目の前に現れたのは混沌に包まれ闇属性と化した青眼、攻撃力が高い。
「カオス・MAX…相変わらず儀式青眼がお好きのようだな…！」
「まだよ？さらに魔法カード『調和の宝札』を発動、手札から伝説の白石を墓地に捨てて2枚引く。白石の効果で青眼の白龍を手札に加えるわ。さらに『トレード・イン』の効果で青眼を捨てて2枚引き、『復活の福音』を発動！墓地から青眼の白龍を蘇生させ、ターンエンドよ」
色々な動きを見せる紫電は満足そうな顔をしてターンを回す。
「アタシのターン」
水樹　LP8000
手札5→6

手札を確認し考える。手を動かし行動し始めた。
「カルメンを召喚しゾロを特殊召喚、2体のモンスターでチューニング！出でよ大海賊K・キッド！」
大海賊K・キッド　ATK3500　☆9

「まだだ！効果で2体のモンスターは戻ってくるぜ！再び2体でチューニング！シンクロ召喚！！伝説怪盗アルセーヌ！！」
伝説怪盗アルセーヌ　ATK3600　☆9

次々と現れる水樹のシンクロモンスター、賊霊カードが来てもおかしくない状況下、水樹は新たなシンクロを行うのであった。
「終わったと思ったか！効果で再び戻し、2体でチューニング！“波乱の時代に見参する日の本の大泥棒よ！弱き者を救うべく立ち上がれ！” シンクロ召喚！レベル9、日ノ本泥棒ゴエモン！！」

日ノ本泥棒ゴエモン／Original Card
☆9/地属性/戦士族／シンクロ／効果　ATK3500／DEF1000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
①：このカードは相手に直接攻撃できる。
②：このカードが相手に２０００以上の戦闘ダメージを与えた時、相手は自分から見て一番攻撃力が高いモンスターを墓地に送る。
③：手札の魔法カード1枚を墓地に捨てて発動できる。このターン、このカードの攻撃力は倍になる。

「ゴエモン！？」
「手札の『死者蘇生』を捨てて発動するぜ！よって攻撃力は7000だ！」
日ノ本泥棒ゴエモン　ATK3500→7000

「そしてバトルだ！ゴエモンでダイレクトアタック！大太刀・一閃！！」
紫電　LP8000→1000

「…っ！カオス・MAXを墓地に…！」
「さぁボコボコにしてやるぜ、数の暴力って恐ろしいってヤツをな！アルセーヌで青眼を攻撃！」
紫電　LP1000→400

「まずい…！」
「今更命乞いは遅いぜ？キッドでダイレクトアタック！ブレイブザッパー！」
紫電　LP400→0


「きゃあ！！」
「相手にもなんねぇな！出直してこい！」

You WIN！
水樹

You Lose…
紫電


「よっしゃあ！これで2勝だ！」
「くっ…油断したわ」
デュエルの様を見ていた陸也は少しながら思った。
出てくる相手が弱い、それだけが頭に過ぎる。
何か怪しげなものでもあるのだろうか？
そう考え、陸也は相手の出方をうかがう。

「へへっ！これで後1勝すればアタシらは準決勝まっしぐらだぜ！」
「次は私が行きますね」
海理は立ち上がり、デュエルフィールドに向かった。
別の所では暗雲が立ちこめていることを知らずに…。













クロノヴェイル、とある会社のビルの屋上。
「陸也君を見つけた？それは厄介だねぇ…まぁ君たちが作った例の薬、あれの試作撃ちのチャンスはあるんじゃないのかい？」
『…』
「仮に…アカデミアの生徒に向かって撃てば大変な事になるんだよ？」
『…』
「ああ、分かっているとも。その代わり、ちゃんと払ってくれ。いいね？」
『…』
「ミスはしないさ…。このネクロ・ヴァルハラに任せたまえ」
ﾋﾟｯ！

裏では黒幕が通信を終わらせ、行動の機を伺っていた。