TURN 24 勝利―黒とチンピラ―　作：Dann

　雀夜の勝利で決闘は終わったと同時に、地上絵のコースも消滅した。
　ダークシグナーの傀儡のＤ－ホイールも白煙を上げて停止していた。

　「勝ったか……」
　「雀夜！　さっきの《ヴァリアブル》っていったい……」

　真が勝利した雀夜に駆け寄る。

　「その話は後だ。すぐ上に上がるぞ！　乗れ！」
　「あ、ああ！」
　「行くぞ……雀夜……！」

　狩もボルト・ランナーに乗って来ていた。
　そのまま3人は葵の下へ行くためにシティへと向かった。


　◆


　葵宅前。

　日向【LP：300】　ダークシグナー傀儡【LP：1800】

　「はぁ……はぁ……これで終わりだ。私はレベル4の《氷結界の軍師》とレベル2《氷結界の御庭番》に、レベル3《氷結界の守護陣》をチューニング！！」

　【★4 + ★2 + ★3 = ★9】

　「おのれぇ……！」
　「天空の音律に凍て付いた音律が重なる時、封じられた最後にして最古の龍が放たれる！　シンクロ召喚！　世界の鼓動を止めろ、《氷結界の龍　トリシューラ》！！」

　3つ首を持つ世界を凍て付かせた禁断の龍が召喚された。
　【ATK/2700】

　「私は《トリシューラ》の効果を発動！　墓地とフィールド、手札のカードを1枚ずつをゲームから除外する！」
　「馬鹿な……！！　我がダークシンクロが……！？」

　ダークシグナー傀儡の墓地のダークチューナー、フィールドのダークシンクロモンスター、手札の魔法カードが凍り付き、ゲームから除外された。

　「これで貴様はの世界は滅んだ。《トリシューラ》で直接攻撃……！」
　「我が……負ける……！？」

　【LP：1800 → 0】

　勝者―神崎　日向。


　決闘が終わると同時に傀儡は気絶し、辺りの炎は消滅した。

　「これが……闇の決闘か……」

　「葵！　無事か！？」

　日向がディスクを仕舞ってすぐに雀夜達が来た。

　「雀夜！　なんでここに！？」
　「ダークシグナーの傀儡が俺達の所に来たからな。同じIDの葵の所にも行ったかと思ってな……」
　「やはり君たちの所にも来たのか」
　「日向さん……なんでそんなにボロボロなんだ？」

　日向の姿を見た雀夜が問う。

　「何……娘を守っただけだ。君こそボロボロじゃないか」
　「あ、ああ……でもあんた程じゃない……ん？」

　雀夜がふと横を見ると、先程まで倒れていたダークシグナー傀儡が起き上がろうとしていた。

　「ん……うん？　俺何でこんなとこに……？」

　男は起き上がり、辺りを見渡す。

　「……ん？　何だあんたらは……？」
　「それはこっちの台詞だ。何でダークシグナーなんかに……」

　雀夜が男に問いかける。

　「だ～く……しぐ……な？　なんじゃそりゃ……」
　「……デッキ見せてくれ」
　「あ……？　何でそんな事。頭痛いんだ、俺は帰る……」

　雀夜は男に頼むがあっさりと断られ、帰ってしまった。
　が、男はまた別の男の声で足を止めた。

　「あれ……黒句さんじゃありませんか！？」
　「んあ、ラッシュじゃねえか……」

　声を掛けた男はサテライトのチンピラ、ラッシュ・ギャザーだった。