TURN 20 深夜―闇の痣を持つ者―　作：Dann

◆PM 22：00雀夜宅。

　「……あの一言は一体……」
　「まだ考えてんのか？　そんなに深い意味は無いと思うが……」
　「いや深い意味が無いはずが無いだろ……」

　日向との決闘も終わり、神崎家を見送り、狩と真との夕食を終えた雀夜は日向の発言についてずっと考えていた。

　“葵も君になら任せられるだろう。よかったな葵、未来の婿を確保できて”

　「どういう意味だってんだ……？」
　「下手すりゃお前は俺の敵になるぞ」
　「は？」
　「リア充は俺の敵だ……」
　「……どういう意味だそれ？」
　「その内分かる……」
　「……分からなくても良いような事だというのは分かった。今日はもう寝るか」
　「そうだな、今日は泊まってくぜ」

　真は雀夜の家に泊まる事にした。
　真は普段野宿なのである。

　「ああ、いいぜ。泊まってけ、部屋は余ってるし」
　「やっぱお前の家って広いな」
　「それはまあ、あれだ」
　「流石は“Ｉ2社”の子会社が用意した住宅だ……だが……1人で住むには大きすぎだろ」

　狩が雀夜の家の感想を述べる。

　「それは俺も言ったんだがな……じゃ、お休み」
　「「お休みぃ～」」


◆AM2：41雀夜宅前。


　「……ここか“ＩＤ”とやらが居る場所は……」

　黒ずくめの男がＤ－ホイールを雀夜の家を停めていた。


　「……！　なんだ……？」

　一方その頃、雀夜は右手の証が疼くのを感じて目を覚ました。
　見てみると証は光を放っていた。

　「なんだよこれ？」
　「雀夜……何が起こってる？」
　「狩、真……お前らも何かを感じてるのか？」
　「ああ……おかげで気持ち良い睡眠を邪魔された……」

　見ると狩と真の証も発光していた。

　「何かが近づいてる……家の前に何かいるのか？」
　「確認するのが手っ取り早い。行くぞ」
　「ああ……」

　雀夜達はデッキを持ち、玄関前へと移動した。

　「……何かいるのは間違いないな」

　雀夜が呟くと急にドアが開き、闇のオーラが辺りを漂った。
　そのオーラの中心には人影あった。

　「……っ！？」
　「何だこれ……」
　「この前の“ζ”みたいな奴か……？」

　すると黒ずくめの男は口を開いた。

　「“ζ”？何だそいつは？」

　「お前……何者だ……？」
　「我は“ダークシグナー”……ルドガー様より、邪魔者となるであろう“ＩＤ”の抹殺を命じられた者だ……」
　「“ダークシグナー”……フィニー！」

　『 ここにいるぜ。ほう、そこにいるのは“ダークシグナー”か 』

　「“ダークシグナー”って何者だ？」

　『 分かりやすく言えばだな、“シグナー”が正義、“ダークシグナー”が悪だ 』

　「この前の“ζ”みたいな奴らなのか？」

　『 いや、アレはまた別だ。あいつらの事はよく分からん…… だがコイツは“ダークシグナー”の操り人形だ』

　「“ダークシグナー”が操る民間人か……なら俺が勝てばそれは解ける……」
　「そちらの話は終わりかな？」
　「ああ、どうせ俺達を殺す手段は決闘だろ？」
　「その通りだ。お前もＤ－ホイールはあるのだろう？」
　「おい、“ＩＤ”の下に“ダークシグナー”に操られた人が来るって事は……」
　「葵ちゃんの所にも行っているだろうな……」
　「じゃあ狩達は葵の所に……」

　「逃がしはしない……」

　黒ずくめの男は呟くと地面から紫色の炎が現れコースとなった。
　それは蜘蛛の地上絵に似ていた。


　「これは……！？」
　「これが我らが走るコースだ。決闘の決着が付くまでは誰もここを出ることは許されない。仲間の所へは行かせんぞ」
　「なに！？」
　「ここを出たいなら我を倒すのだな」
　「くそっ！」

　雀夜はディスクを展開し、1枚のカードを発動した。

　『 F・Drigar 』

　Ｆ・ドライガーは雀夜の下へと走って来ると、雀夜はディスクをすぐに接続した。

　「ほう……面白いＤ－ホイールに乗っているな」
　「さっさと終わらせる！」


　「「フィールド魔法、《スピード・ワールド》セットオン！」」

　『『DuelMode_ON AutoPilot_Standby』』

　「「ライディング・デュエル、アクセラレーション！！」」

――遊幻　雀夜【LP：4000】VSダークシグナー傀儡【LP：4000】――


//PCのOSがXPから7に変更しました。まだWordが入ってないのが一番辛いのじゃ……
//前のPCのハードディスクからデータ取り出すのはまた今度らしい