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第10話「紅一点も所詮は出る杭」 作:えのきっち
私が違和感に気づいたのはすぐのことだった。私の知らないような顔ぶれがお互いに潰し合い始めたのを見て「ああ、そういうイベントなんだ」と確信した。
幸いにも私は強い方だった。自身の力だけで多くの雑種を喰らい、血肉とし、そしてまたある時は使役もした。森を潰すには勢力を広げるのが手っ取り早い。雑種とはいえ全てが無能ってわけでもない。ある個体は小さい身体ながらも索敵や潜入はお手のものであったし、ある個体は私と似てほどほどの戦闘力はあった。でもダメだった。所詮は雑種だった。
「どいつもこいつも」
無意識のうちにそんな不満がこぼれていた。私の要求値が高すぎるだけなのだろうか。主従関係であるのならばこのくらい求めてもいいとは思うのだがどうだろう?
私が始めた行動は単純なものであった。まず、自身と同タイプであるカマキリの蟲惑魔であるヒメカを私の下につけた。肉食昆虫だから戦闘力としては申し分なく、また体躯は私よりも一回り小さいため万一反逆されても問題なく制圧できる。その後、ひっつき虫のハギをヒメカに使役させる。ハギには他の蟲惑魔の動向などを探らせる役割だ。ピラミッド状の階級システムを構築することでトップである私の存在を悟らせないようにしている。合理的だ。私の勝ちは確実。そう思ったのも束の間、雑種だけじゃ限界があった。
「ハギもヒメカもアトラ1匹に捕食されました、と。最悪じゃない。ここまで私の思うように進んでたと思ったんだけど……」
苛立ち、当たるように大木を斬りつける。それは簡単に折れてしまった。そんなものがストレス解消になるはずもなくだ。今は兎に角何かを口にしたい。そうでなければ憤死してしまう。正直この際原住種でもなんでもいい。腕には自信がある。
今でも、この戦争が対人間であれば良かったのにと思う。何故なら私は対蟲惑魔であると得意の騙し討ちが使えないのだ。というのも、私の元となった蘭蟷螂は花に擬態して油断した相手を喰らうのが基本。もちろん、植物・昆虫は私の存在に(大体は)気づいてしまうため、この戦術は罷り通らない。だから見つけ次第地力だけで戦うしかない。そんなことも想定した上で、しっかりと鍛えてきたわけだが。
ため息混じりに辺りを見回す。餌はないかと期待してみる。今日の私の運勢はいかがなものか。……大吉だった。二人組が目に入った。
「今日はアレでいいかな」
重い腰を上げ、人影のある方へと向かう。あとどれほどの距離かは分からないが、まだそう距離はつけられていないはず。追いつくのも時間の問題かな。
「ねぇ君」
「……?」
が、その行動はすぐに中断することとなる。後ろから声をかけられた。振り返ると、先ほどの二人組。気づかれていたようだ。
一人は駄肉の多い疑似餌の娘。二枚葉の装飾からしてハエトリグサか。声をかけてきたもう一人は水草のような装飾。……こっちは分からない。何だろう?
「わざわざそっちから出向いてくれるなんて律儀なことね。ちょうど空腹で困ってたんだけどさ」
挑発するように言葉を返すも、二人は大して怯む様子もなくこちらを見ている。
「いやね?君がやけに僕達のことを見てるもんだから気になっちゃってさ?ちょっとだけ事情聴取しようと思ったんだけど……そういうことだったんだね」
「話が早くて助かるわ。じゃあ早速」
「ダメだよ。何でもかんでも自分の思い通りに行くと思っちゃあさ。僕を超えたければまずは……ってことでさ、行けるかい?ティオ」
ティオと呼ばれたハエトリグサの方はオドオドしながらこちらに顔を出した。戦い慣れはしていなさそうだ。これならイージーゲームだろう。が、どうにもティオはその気ではないらしい。
「お姉ちゃん、私今日全然ダメだったよ?あの子にも負けちゃったし、今日はあんまりやりたくないな」
「不安なのかい?……まあでも、そんな状態でご飯に臨んでも不安なだけだね。今日はやめておく?」
「……うん」
逃げる気なのだろうか。私としては何とかして戦闘に持ち込ませたいのだが。最悪無理にでも喰いついてやればいい。そして、その必要はすぐに無いとわかった。
「じゃあこうしよう。えーと、名前は何かな?とりあえず、君が誰かはわからないけど暇させるのは失礼だよね。だから、僕が相手することにするよ。ティオ、君は僕の戦い方をよく見ていてね。勉強にするんだ」
「……へえ?あたかも自分がこれから勝つみたいな言い草だけど?」
「うん。そうだけど?」
その必要がない、と言ったのは都合がいいという意味か。はたまた、私の癪に触ったという意味か。答えは「どちらも」。その顔で喧嘩っ早いとは恐れ入った。上等だ。
「名前くらいは知ってて欲しいんだけど。……ランカよ。」
「社交辞令として、『以後お見知り置きを』。ジーナだよ。よろしくね」
どうにも周りに花は無い模様だった。そうか。この戦争でわかった。私は最初から、擬態なんて必要なかったんだ。
目の前の食べ物は構える様子もない。その余裕そうな顔も、大切にしているであろう後ろの女も、全て私の胃の中に叩き込んでやろう。
幸いにも私は強い方だった。自身の力だけで多くの雑種を喰らい、血肉とし、そしてまたある時は使役もした。森を潰すには勢力を広げるのが手っ取り早い。雑種とはいえ全てが無能ってわけでもない。ある個体は小さい身体ながらも索敵や潜入はお手のものであったし、ある個体は私と似てほどほどの戦闘力はあった。でもダメだった。所詮は雑種だった。
「どいつもこいつも」
無意識のうちにそんな不満がこぼれていた。私の要求値が高すぎるだけなのだろうか。主従関係であるのならばこのくらい求めてもいいとは思うのだがどうだろう?
私が始めた行動は単純なものであった。まず、自身と同タイプであるカマキリの蟲惑魔であるヒメカを私の下につけた。肉食昆虫だから戦闘力としては申し分なく、また体躯は私よりも一回り小さいため万一反逆されても問題なく制圧できる。その後、ひっつき虫のハギをヒメカに使役させる。ハギには他の蟲惑魔の動向などを探らせる役割だ。ピラミッド状の階級システムを構築することでトップである私の存在を悟らせないようにしている。合理的だ。私の勝ちは確実。そう思ったのも束の間、雑種だけじゃ限界があった。
「ハギもヒメカもアトラ1匹に捕食されました、と。最悪じゃない。ここまで私の思うように進んでたと思ったんだけど……」
苛立ち、当たるように大木を斬りつける。それは簡単に折れてしまった。そんなものがストレス解消になるはずもなくだ。今は兎に角何かを口にしたい。そうでなければ憤死してしまう。正直この際原住種でもなんでもいい。腕には自信がある。
今でも、この戦争が対人間であれば良かったのにと思う。何故なら私は対蟲惑魔であると得意の騙し討ちが使えないのだ。というのも、私の元となった蘭蟷螂は花に擬態して油断した相手を喰らうのが基本。もちろん、植物・昆虫は私の存在に(大体は)気づいてしまうため、この戦術は罷り通らない。だから見つけ次第地力だけで戦うしかない。そんなことも想定した上で、しっかりと鍛えてきたわけだが。
ため息混じりに辺りを見回す。餌はないかと期待してみる。今日の私の運勢はいかがなものか。……大吉だった。二人組が目に入った。
「今日はアレでいいかな」
重い腰を上げ、人影のある方へと向かう。あとどれほどの距離かは分からないが、まだそう距離はつけられていないはず。追いつくのも時間の問題かな。
「ねぇ君」
「……?」
が、その行動はすぐに中断することとなる。後ろから声をかけられた。振り返ると、先ほどの二人組。気づかれていたようだ。
一人は駄肉の多い疑似餌の娘。二枚葉の装飾からしてハエトリグサか。声をかけてきたもう一人は水草のような装飾。……こっちは分からない。何だろう?
「わざわざそっちから出向いてくれるなんて律儀なことね。ちょうど空腹で困ってたんだけどさ」
挑発するように言葉を返すも、二人は大して怯む様子もなくこちらを見ている。
「いやね?君がやけに僕達のことを見てるもんだから気になっちゃってさ?ちょっとだけ事情聴取しようと思ったんだけど……そういうことだったんだね」
「話が早くて助かるわ。じゃあ早速」
「ダメだよ。何でもかんでも自分の思い通りに行くと思っちゃあさ。僕を超えたければまずは……ってことでさ、行けるかい?ティオ」
ティオと呼ばれたハエトリグサの方はオドオドしながらこちらに顔を出した。戦い慣れはしていなさそうだ。これならイージーゲームだろう。が、どうにもティオはその気ではないらしい。
「お姉ちゃん、私今日全然ダメだったよ?あの子にも負けちゃったし、今日はあんまりやりたくないな」
「不安なのかい?……まあでも、そんな状態でご飯に臨んでも不安なだけだね。今日はやめておく?」
「……うん」
逃げる気なのだろうか。私としては何とかして戦闘に持ち込ませたいのだが。最悪無理にでも喰いついてやればいい。そして、その必要はすぐに無いとわかった。
「じゃあこうしよう。えーと、名前は何かな?とりあえず、君が誰かはわからないけど暇させるのは失礼だよね。だから、僕が相手することにするよ。ティオ、君は僕の戦い方をよく見ていてね。勉強にするんだ」
「……へえ?あたかも自分がこれから勝つみたいな言い草だけど?」
「うん。そうだけど?」
その必要がない、と言ったのは都合がいいという意味か。はたまた、私の癪に触ったという意味か。答えは「どちらも」。その顔で喧嘩っ早いとは恐れ入った。上等だ。
「名前くらいは知ってて欲しいんだけど。……ランカよ。」
「社交辞令として、『以後お見知り置きを』。ジーナだよ。よろしくね」
どうにも周りに花は無い模様だった。そうか。この戦争でわかった。私は最初から、擬態なんて必要なかったんだ。
目の前の食べ物は構える様子もない。その余裕そうな顔も、大切にしているであろう後ろの女も、全て私の胃の中に叩き込んでやろう。
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