交流(共通)
メインメニュー
クリエイトメニュー
- 遊戯王デッキメーカー
- 遊戯王オリカメーカー
- 遊戯王オリカ掲示板
- 遊戯王オリカカテゴリ一覧
- 遊戯王SS投稿
- 遊戯王SS一覧
- 遊戯王川柳メーカー
- 遊戯王川柳一覧
- 遊戯王ボケメーカー
- 遊戯王ボケ一覧
- 遊戯王イラスト・漫画
その他
遊戯王ランキング
注目カードランクング
カード種類 最強カードランキング
● 通常モンスター
● 効果モンスター
● 融合モンスター
● 儀式モンスター
● シンクロモンスター
● エクシーズモンスター
● スピリットモンスター
● ユニオンモンスター
● デュアルモンスター
● チューナーモンスター
● トゥーンモンスター
● ペンデュラムモンスター
● リンクモンスター
● リバースモンスター
● 通常魔法
永続魔法
装備魔法
速攻魔法
フィールド魔法
儀式魔法
● 通常罠
永続罠
カウンター罠
種族 最強モンスターランキング
● 悪魔族
● アンデット族
● 雷族
● 海竜族
● 岩石族
● 機械族
● 恐竜族
● 獣族
● 幻神獣族
● 昆虫族
● サイキック族
● 魚族
● 植物族
● 獣戦士族
● 戦士族
● 天使族
● 鳥獣族
● ドラゴン族
● 爬虫類族
● 炎族
● 魔法使い族
● 水族
● 創造神族
● 幻竜族
● サイバース族
● 幻想魔族
属性 最強モンスターランキング
レベル別最強モンスターランキング
レベル1最強モンスター
レベル2最強モンスター
レベル3最強モンスター
レベル4最強モンスター
レベル5最強モンスター
レベル6最強モンスター
レベル7最強モンスター
レベル8最強モンスター
レベル9最強モンスター
レベル10最強モンスター
レベル11最強モンスター
レベル12最強モンスター
デッキランキング
Scar / 7:理由 作:げっぱ
空の紅さに暗みが加わる。夜になり、二人は食事の時間にする事にした。
相変わらずの缶詰だが、今まで一つの缶を何日にも分けて食べていたアンにとっては、一度の食事で一つ丸々食べられるだけ大変な贅沢だった。
逃げないと分かっていながらも頬張るようにして食べ、口の中をいっぱいにさせてから噛み始める。
対してスカーは、静かに一口ずつ食べる。佇まいと合わせてどこか上品にも見える。
奪われた、と言っていたから、実は昔はお金持ちの家の人だったのだろうか、と勝手に夢想してしまう。
ハンター・ウルフとのデュエルから、二日が経過していた。
今の所はそれの追手と遭遇せず、アンはスカーに抱きかかえられながらの移動を繰り返していた。
その度に、歯痒い思いをする。
元々は自分の無理でスカーに同行している。それだけに、自分はスカーにとって邪魔なのではないか、と。
自分さえいなければ、もう少し早いペースで移動ができるだろう。
食料だって二分せずに済むし、他の誰かを気遣う必要もない。
何より、誰かを守ってデュエルで傷付く必要がない。
ウルフとのデュエルの後、スカーの背中を見たアンは絶句した。
夥しい量の切り傷が、ガラスの破片が食い込んだかのような裂傷があったのだ。
時間が経って尚もその個所から血が流れ続け、スカーはそこに苦労しながら傷薬を塗っていた。
それを手伝う、と言えなかった。
自分の所為であるからだ。それを申し出た場合の、スカーの反応を想像するだけで恐ろしかった。
しかし、自己嫌悪は時間が経てば経つほどに膨らんでいった。
食事を終えた二人は、役割を分けて作業する。アンは食事の後片付け、スカーは火の始末と寝床の用意だ。
これがスカーの配慮である事は十分に分かっていた。アンがあまり動かないよう、それでできる作業を振った。
掘った穴に空っぽの缶を放り、埋める。
多大な迷惑をかけておきながら、これくらいしか役に立てない。
アンは自分も気付かない内に歯噛みしていた。せかせかと動くスカーの背中に、つい、語り掛ける。
アン「ねえ、スカー」
スカー「どうした?」
一拍置いて、スカーは作業を辞め、アンへと振り返る。
スカーの手を止めてしまった事に、またアンは悔しさを感じた。
しかしここで誤魔化してしまえば、それこそスカーを煩わせただけでしかない。
本当は言いたくもない事だが……確かめたい衝動を、抑えられなかった。
アン「私……スカーにとって、邪魔、だよね。足手まとい……」
アン「居ない方が、いい……?」
アンが抱いてきた思いと不安を、何の混じり気もなくスカーに投げかけて問う。
もちろん、「そんな事はない」と言ってほしい。そう返してくれれば、アンの心のしこりはいくつか取れるだろう。
その後も何度かは不安に駆られるだろうが、少なくとも傍にいて良いのだと言ってもらえれば。
だが、「そうだ」と言われてしまったら……。
その時の覚悟は、アンにもできている。
俯くアンに、スカーは一つ大きな息を吐く。
アンの前まで来てしゃがみ、アンと視線の高さを合わせるようにしてじっと見つめる。
スカー「不要な理由はいくらでもある」
淡々としたその言葉は、アンの心に深く突き刺さった。
スカー「必要な理由が一つあれば、それでいい」
その上から更に心を抉じ開けて、優しさが入り込んできた。
疑問を否定せずに、存在を肯定してくれる。不要である理由より、必要である理由を優先してくれた。
スカーが言葉にしたその事実だけが、アンの心を救った。
アン「……スカー」
スカー「なんだ?」
アン「今日、一緒に寝ていい?」
はにかむアンの要求に、スカーは困ったように眉を下げた。
スカー「仕方ないな」
きっと自分は、子供だから軽くあしらわれただけなのかもしれない。
結局、どうして必要なのかは言わなかったし。
でも、そうだとしても、スカーになら騙されて良いと、一緒に被る布団代わりの布の中で思う。
相変わらずの缶詰だが、今まで一つの缶を何日にも分けて食べていたアンにとっては、一度の食事で一つ丸々食べられるだけ大変な贅沢だった。
逃げないと分かっていながらも頬張るようにして食べ、口の中をいっぱいにさせてから噛み始める。
対してスカーは、静かに一口ずつ食べる。佇まいと合わせてどこか上品にも見える。
奪われた、と言っていたから、実は昔はお金持ちの家の人だったのだろうか、と勝手に夢想してしまう。
ハンター・ウルフとのデュエルから、二日が経過していた。
今の所はそれの追手と遭遇せず、アンはスカーに抱きかかえられながらの移動を繰り返していた。
その度に、歯痒い思いをする。
元々は自分の無理でスカーに同行している。それだけに、自分はスカーにとって邪魔なのではないか、と。
自分さえいなければ、もう少し早いペースで移動ができるだろう。
食料だって二分せずに済むし、他の誰かを気遣う必要もない。
何より、誰かを守ってデュエルで傷付く必要がない。
ウルフとのデュエルの後、スカーの背中を見たアンは絶句した。
夥しい量の切り傷が、ガラスの破片が食い込んだかのような裂傷があったのだ。
時間が経って尚もその個所から血が流れ続け、スカーはそこに苦労しながら傷薬を塗っていた。
それを手伝う、と言えなかった。
自分の所為であるからだ。それを申し出た場合の、スカーの反応を想像するだけで恐ろしかった。
しかし、自己嫌悪は時間が経てば経つほどに膨らんでいった。
食事を終えた二人は、役割を分けて作業する。アンは食事の後片付け、スカーは火の始末と寝床の用意だ。
これがスカーの配慮である事は十分に分かっていた。アンがあまり動かないよう、それでできる作業を振った。
掘った穴に空っぽの缶を放り、埋める。
多大な迷惑をかけておきながら、これくらいしか役に立てない。
アンは自分も気付かない内に歯噛みしていた。せかせかと動くスカーの背中に、つい、語り掛ける。
アン「ねえ、スカー」
スカー「どうした?」
一拍置いて、スカーは作業を辞め、アンへと振り返る。
スカーの手を止めてしまった事に、またアンは悔しさを感じた。
しかしここで誤魔化してしまえば、それこそスカーを煩わせただけでしかない。
本当は言いたくもない事だが……確かめたい衝動を、抑えられなかった。
アン「私……スカーにとって、邪魔、だよね。足手まとい……」
アン「居ない方が、いい……?」
アンが抱いてきた思いと不安を、何の混じり気もなくスカーに投げかけて問う。
もちろん、「そんな事はない」と言ってほしい。そう返してくれれば、アンの心のしこりはいくつか取れるだろう。
その後も何度かは不安に駆られるだろうが、少なくとも傍にいて良いのだと言ってもらえれば。
だが、「そうだ」と言われてしまったら……。
その時の覚悟は、アンにもできている。
俯くアンに、スカーは一つ大きな息を吐く。
アンの前まで来てしゃがみ、アンと視線の高さを合わせるようにしてじっと見つめる。
スカー「不要な理由はいくらでもある」
淡々としたその言葉は、アンの心に深く突き刺さった。
スカー「必要な理由が一つあれば、それでいい」
その上から更に心を抉じ開けて、優しさが入り込んできた。
疑問を否定せずに、存在を肯定してくれる。不要である理由より、必要である理由を優先してくれた。
スカーが言葉にしたその事実だけが、アンの心を救った。
アン「……スカー」
スカー「なんだ?」
アン「今日、一緒に寝ていい?」
はにかむアンの要求に、スカーは困ったように眉を下げた。
スカー「仕方ないな」
きっと自分は、子供だから軽くあしらわれただけなのかもしれない。
結局、どうして必要なのかは言わなかったし。
でも、そうだとしても、スカーになら騙されて良いと、一緒に被る布団代わりの布の中で思う。
現在のイイネ数 | 80 |
---|
↑ 作品をイイネと思ったらクリックしよう(1話につき1日1回イイネできます)
同シリーズ作品
イイネ | タイトル | 閲覧数 | コメ数 | 投稿日 | 操作 | |
---|---|---|---|---|---|---|
127 | Scar / 1:復讐の男 | 1108 | 2 | 2015-11-22 | - | |
148 | Scar / 2:したいこと、その意味 | 1214 | 0 | 2015-11-30 | - | |
69 | Scar / 3:スカー | 811 | 0 | 2015-12-02 | - | |
104 | Scar / 4:ハンター・ウルフ | 901 | 2 | 2015-12-07 | - | |
128 | Scar / 5:略奪の調律 | 1260 | 0 | 2015-12-20 | - | |
75 | Scar / 6:俺が、許しはしない | 1038 | 0 | 2016-02-27 | - | |
80 | Scar / 7:理由 | 781 | 0 | 2016-02-29 | - | |
52 | Scar / 8:アンのプライド | 930 | 2 | 2016-03-03 | - | |
71 | Scar / 9:弱者の街 | 1037 | 0 | 2016-08-12 | - | |
102 | Scar /10:虚ろなる銃声 | 809 | 0 | 2017-08-31 | - | |
108 | Scar /11:幸運が微笑む者 | 787 | 0 | 2017-11-11 | - | |
87 | Scar /12:その手に添う | 1368 | 0 | 2017-11-23 | - | |
65 | Scar /13:女神 | 576 | 0 | 2017-12-13 | - | |
100 | 番外編:反省会1 | 1177 | 0 | 2018-01-15 | - |
更新情報 - NEW -
- 2024/11/23 新商品 TERMINAL WORLD 2 カードリスト追加。
- 11/25 00:35 評価 8点 《青い涙の天使》「ノーブルエンジェルでサーチしたこのカードをす…
- 11/25 00:17 評価 10点 《トリックスター・アクアエンジェル》「せっかく墓地から特殊召…
- 11/25 00:04 掲示板 オリカコンテスト(R)計画処
- 11/25 00:00 コンプリート評価 asdさん ⭐QUARTER CENTURY LIMITED PACK⭐
- 11/25 00:00 コンプリート評価 asdさん ⭐PREMIUM PACK 3⭐
- 11/24 23:46 デッキ 新たなる影霊衣
- 11/24 23:26 評価 10点 《トランザクション・ロールバック》「主に(2)の墓地効果がメイン…
- 11/24 23:12 評価 8点 《クリアー・ヴィシャス・ナイト》「 【《クリアー》】世界のヴィ…
- 11/24 22:56 デッキ ハイパー・ドラゴン・キャノン
- 11/24 22:42 評価 5点 《レジェンド・オブ・ハート》「総合評価:墓地に「伝説の竜」3枚…
- 11/24 22:38 評価 10点 《トランザクション・ロールバック》「(1)の効果で相手の墓地の通…
- 11/24 22:33 評価 4点 《魂のリレー》「総合評価:耐性を付与して壁として運用するか、エ…
- 11/24 22:28 掲示板 オリカコンテスト投票所
- 11/24 22:24 評価 7点 《エアーズロック・サンライズ》「総合評価:獣族の蘇生と弱体化で…
- 11/24 22:17 評価 5点 《賢者の石-サバティエル》「総合評価:サーチ条件がキツく、クリ…
- 11/24 21:24 評価 10点 《クシャトリラ・ライズハート》「条件付きで勝手に出てくるヴィ…
- 11/24 21:21 評価 5点 《ペアサイクロイド》「総合評価:トークンから2体生成して直接攻…
- 11/24 21:20 評価 10点 《逢華妖麗譚-魔妖不知火語》「魔妖や不知火を使う上でこのカー…
- 11/24 21:16 評価 6点 《決闘融合-バトル・フュージョン》「総合評価:1回の戦闘のみし…
- 11/24 21:12 評価 3点 《決戦融合-ファイナル・フュージョン》「総合評価:融合モンスタ…
Amazonのアソシエイトとして、管理人は適格販売により収入を得ています。