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Scar / 8:アンのプライド 作:げっぱ
スカーとアンの二人は、荒野を抜け、街にいた。
食料と水が少なくなってきたために、それの調達をするべく、進行方向を変えて近くの街に立ち寄ったのだ。
街、とは言うが、どちらかと言えば集落に近い。
『カオスクロス』による侵略と文明の破壊を受け、その様相は殆ど廃墟。
崩落の危険を考えて三階以上の建物はそこから上を取り壊され、よって殆どの建物が一階建ての平屋と化している。
それでもこの付近では一番に人が多く、物流も多い。
体裁で「街」と呼称されているに過ぎないが、それだけあって一通りの物は手に入る。
道具、布、食料、カード、人、金。
その流通ルートは、得てして褒められたものではない。それを捌く場所の治安など推して知れる。
初めて訪れる場所であると言うのにメインストリートを何食わぬ顔で歩くスカーと、怯えながらスカーの服を掴んでその後ろをついていくアン。
そしてその周囲に、新参者をねめつけて獲物とするかどうかを吟味する、ガラの悪いゴロツキが大勢。
筋骨隆々な者もいれば、悪知恵を武器としていそうな細身の者もいる。当然ながら、誰も彼もが腕にデュエルディスクを着けていた。
更に共通して語れるのは、二人を見る眼差しがギラついている事、人殺しの目である事。
奪われる側の者の目である事。
スカーとしては飽きるほど見てきた視線だ。
アン「ねえ……」
しかし経験の少ないアンにとっては、ただの恐い目つきでしかないだろう。スカーの服を引っ張り、不安を主張する。
スカーは足を止め、アンを見下ろして淡泊に一言。
スカー「離れるな」
心配しているような、そうでもないような。
それでもアンからすれば頼れる唯一の相手であり、従うしかない。黙って何度も頷く。
が、足を止めたのが災いしたか。
ゴロツキの中の一人が品のない厭らしい笑みを浮かべて近づいてきた。上の歯が一本無い。
「よう、兄ちゃん」
アン「ヒッ」
堪らず、アンは悲鳴を上げて、ゴロツキから見てスカーの後ろに隠れる。
とは言え四方八方似たような者ばかりで、結局周囲を見渡して警戒するのは止められない。
それがゴロツキの癪に障ったのか、急に笑みを崩しアンを睨んだ。
「アアン? ガキ、テメエ何だその態度は?」
そしてアンに手を伸ばそうと言うその時、それより先に、スカーがゴロツキのその手首を掴んだ。
それだけに留まらず、ゴロツキの手首を全力で捻り上げる。
「ギギャッ!?」
何事かも把握できずに、ゴロツキは悲鳴を上げる。
眉間に皺を寄せてゴロツキを睨むスカーのその形相は、それだけで常人を怯ませる事ができただろう。
ゴロツキは痛みに悶えながらも、もう片方の腕を乱雑に振る。デュエルディスクを着けた腕だ。
狙いに対する精度などなく、スカーは手を放す事と引き換えに難なくかわす。
アンと共に一歩下がって言い放つ。
スカー「失せろ」
そして何事も無かったかのように、アンの手を握って再び歩き始めた。
「て、めえッ……!」
一連の行動が加えて気に入らなかったゴロツキは、歯を食い縛りながら1枚のカードを取り出し、デュエルディスクのモンスターゾーンに置く。
それは「アーメイル」のモンスターカード。デュエルディスクに備えられたソリッドヴィジョン実体化の装置により、そのモンスターは実態を持って現れる。
現れるのは、人間の上半身に、腰から下は人魚のように細い尾となっていて、尾の先に剣の刃を持つモンスター。
両手に装備する剣と共に三連続攻撃を得意とするそれは、「召喚」されるや体をうねらせてスカーに襲い掛かる。
デュエルディスクの音に気付いて振り向いたアンは、迫る「アーメイル」の危険をスカーに知らせようとした。
その直前に、スカーたちと「アーメイル」の間に割って入るように現れる十字状の何か。
ヘルメットにゴーグル。マフラーのように巻かれた襤褸切れ。様々なジャンクがちりばめられた、譬えるならばカカシ。
「くず鉄のかかし」の通常罠カードに描かれたイラストのヴィジョンであった。
「くず鉄のかかし」 通常罠
①:相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。その攻撃を無効にする。発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。
街に入る前よりこの事態を想定し、スカーはこのカードをデュエルディスクにセットしていたのだ。
用意しておくカードは実のところ「炸裂装甲」でも「聖なるバリア -ミラー・フォース-」でも良かった。
だが、アンに危害が及ぶ事、そしてアンの目の前で血を流す事を忌み、敢えて攻撃を無効にするだけのカードを選んだのである。
そして、カードが持つ効果を、装置はそのまま再現する。
それと対峙した「アーメイル」のヴィジョンはぴたりと止まり、誘われるかのようにゴロツキの許へと戻っていった。
「な、なんだ! どうして攻撃が!」
カードの存在を知らないのだろう、慌てるゴロツキと、咄嗟の事態にただぽかんとするアン。
これがスカーによって齎されたのだと悟ったアンは、慌ててスカーへと向き直す。
スカーはゴロツキを流し目で睨み、再び言い放った。
スカー「失せろ。二度目はない」
「て、テメエ、図に乗るんじゃねえ!」
その一部始終を見ていた他のゴロツキまで触発され、スカーに食って掛かる。
「デュエルだ、デュエルで片ァ付けてやる!」
「テメエの内臓ホルマリン漬けにして売っ払っちゃらァ!」
「だったら目ン玉は俺が貰うぜ! 抉り出してこのゴウ様の晩飯にしてやる!」
何人ものゴロツキがまとめてデュエルディスクのデュエルモードを起動する。
デュエルディスクの装置を使った喧嘩では勝ち目がないと判断し、スカー一人に対し不特定多数の変則デュエルを仕掛けたのだ。
スカーはその全員を睨み付け、静かにデュエルディスクを構える。
スカー「アン」
アン「うん」
スカー「少し待て」
アンは知っている。少し待てば本当に全員を相手に勝って蹴散らすと。
だから安心して、スカーの服を掴んだ。デュエルディスクを着けた方の腕の手で。
「ほう。ガキ、お前もデュエルディスクを持っているのか!」
一際大きい、そして存在感のある野太い声が響いた。アンは驚いて、何度目か、振り向いた。
そこにいるのは、声と同じく一際大きいゴロツキ。顔の大きな傷が凶悪そうな雰囲気を増幅させている。
大男、凶相。見るからに恐い。アンは思わずスカーにしがみついた。
「なら、お前はこの俺が相手をしてやろう。デュエルディスクを構えな、嬢ちゃん!」
「お、いいぞ、マイバ! やっちまえ!」
「あーあ、マイバが相手じゃ、あのガキ終わったな」
名をマイバと言うらしい大男はデュエルディスクを構え、デュエルモードを起動した。
その狙いをアンに定めたようで、スカーがデュエルが開始したところで、この大男が巻き込まれる事はない。
アンは、周囲のゴロツキ曰く実力者を相手にしなければならないようだ。
困った、と言わんばかりの顔で、アンはスカーを見上げる。
スカーは少しばかり逡巡し、ぽつりと返す。
スカー「やってみろ」
アンは目を丸くして首を振った。
スカー「俺が教えた事を思い出せ」
スカーは、アンに、デュエルディスクを使用しないデュエルで、様々な知識と技術を与えた。
時間があればデュエルし、自身のデッキの動かし方と言うのを憶えさせた。
足りないものは、実戦だけだ。いつかは必ず、それを経過しなければならない。
この数日間、何度もそれをアンに伝えた。その度にアンは嫌がったが、内心は「いつか」が本当にいずれ来るのをよく理解していた。
アンの表情からは不安が晴れない。『カオスクロス』の構成員との初めてのデュエルにして初めての実戦がトラウマとなっているのだろう。
スカー「大丈夫だ」
スカーの一押しが、渋々ながらアンに覚悟を決めさせた。
遅かれ早かれだと言うならば、スカーを背中に戦える今である事が逆に僥倖。
思考をポジティブに変換し、覚束ないながらもデュエルディスクのデュエルモードを起動し、マイバを対象にする。
その姿を見て、周囲からくすくすと嘲る笑いが起こった。
まともなデュエル経験もない素人だと、奪われる事しかできない雑魚なのだと。
暗にそう言われているようで、先ほどまでの不安など一気に掻き消えるくらいに、アンは無性にむかっ腹が立った。
スカーに鍛えられたこの技術が虚仮にされ、それを必死で憶えた自分を下に見られ。
スカーと共にいる中で、アンの中には、屈辱を感じられるようになったプライドと呼べるものが芽生え始めていた。
それからの流れは淀みない。展開されたデュエルディスクを胸の前に構え、力いっぱいマイバを睨む。
マイバ「生意気な……代わりに俺が躾けてやる!」
広いメインストリートに、異質なデュエルが展開された。
赤い空と黒い雲の下、デュエリストたちの宣言が木霊する。
スカー&アン「デュエル!」
「デュエル!」
食料と水が少なくなってきたために、それの調達をするべく、進行方向を変えて近くの街に立ち寄ったのだ。
街、とは言うが、どちらかと言えば集落に近い。
『カオスクロス』による侵略と文明の破壊を受け、その様相は殆ど廃墟。
崩落の危険を考えて三階以上の建物はそこから上を取り壊され、よって殆どの建物が一階建ての平屋と化している。
それでもこの付近では一番に人が多く、物流も多い。
体裁で「街」と呼称されているに過ぎないが、それだけあって一通りの物は手に入る。
道具、布、食料、カード、人、金。
その流通ルートは、得てして褒められたものではない。それを捌く場所の治安など推して知れる。
初めて訪れる場所であると言うのにメインストリートを何食わぬ顔で歩くスカーと、怯えながらスカーの服を掴んでその後ろをついていくアン。
そしてその周囲に、新参者をねめつけて獲物とするかどうかを吟味する、ガラの悪いゴロツキが大勢。
筋骨隆々な者もいれば、悪知恵を武器としていそうな細身の者もいる。当然ながら、誰も彼もが腕にデュエルディスクを着けていた。
更に共通して語れるのは、二人を見る眼差しがギラついている事、人殺しの目である事。
奪われる側の者の目である事。
スカーとしては飽きるほど見てきた視線だ。
アン「ねえ……」
しかし経験の少ないアンにとっては、ただの恐い目つきでしかないだろう。スカーの服を引っ張り、不安を主張する。
スカーは足を止め、アンを見下ろして淡泊に一言。
スカー「離れるな」
心配しているような、そうでもないような。
それでもアンからすれば頼れる唯一の相手であり、従うしかない。黙って何度も頷く。
が、足を止めたのが災いしたか。
ゴロツキの中の一人が品のない厭らしい笑みを浮かべて近づいてきた。上の歯が一本無い。
「よう、兄ちゃん」
アン「ヒッ」
堪らず、アンは悲鳴を上げて、ゴロツキから見てスカーの後ろに隠れる。
とは言え四方八方似たような者ばかりで、結局周囲を見渡して警戒するのは止められない。
それがゴロツキの癪に障ったのか、急に笑みを崩しアンを睨んだ。
「アアン? ガキ、テメエ何だその態度は?」
そしてアンに手を伸ばそうと言うその時、それより先に、スカーがゴロツキのその手首を掴んだ。
それだけに留まらず、ゴロツキの手首を全力で捻り上げる。
「ギギャッ!?」
何事かも把握できずに、ゴロツキは悲鳴を上げる。
眉間に皺を寄せてゴロツキを睨むスカーのその形相は、それだけで常人を怯ませる事ができただろう。
ゴロツキは痛みに悶えながらも、もう片方の腕を乱雑に振る。デュエルディスクを着けた腕だ。
狙いに対する精度などなく、スカーは手を放す事と引き換えに難なくかわす。
アンと共に一歩下がって言い放つ。
スカー「失せろ」
そして何事も無かったかのように、アンの手を握って再び歩き始めた。
「て、めえッ……!」
一連の行動が加えて気に入らなかったゴロツキは、歯を食い縛りながら1枚のカードを取り出し、デュエルディスクのモンスターゾーンに置く。
それは「アーメイル」のモンスターカード。デュエルディスクに備えられたソリッドヴィジョン実体化の装置により、そのモンスターは実態を持って現れる。
現れるのは、人間の上半身に、腰から下は人魚のように細い尾となっていて、尾の先に剣の刃を持つモンスター。
両手に装備する剣と共に三連続攻撃を得意とするそれは、「召喚」されるや体をうねらせてスカーに襲い掛かる。
デュエルディスクの音に気付いて振り向いたアンは、迫る「アーメイル」の危険をスカーに知らせようとした。
その直前に、スカーたちと「アーメイル」の間に割って入るように現れる十字状の何か。
ヘルメットにゴーグル。マフラーのように巻かれた襤褸切れ。様々なジャンクがちりばめられた、譬えるならばカカシ。
「くず鉄のかかし」の通常罠カードに描かれたイラストのヴィジョンであった。
「くず鉄のかかし」 通常罠
①:相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。その攻撃を無効にする。発動後このカードは墓地へ送らず、そのままセットする。
街に入る前よりこの事態を想定し、スカーはこのカードをデュエルディスクにセットしていたのだ。
用意しておくカードは実のところ「炸裂装甲」でも「聖なるバリア -ミラー・フォース-」でも良かった。
だが、アンに危害が及ぶ事、そしてアンの目の前で血を流す事を忌み、敢えて攻撃を無効にするだけのカードを選んだのである。
そして、カードが持つ効果を、装置はそのまま再現する。
それと対峙した「アーメイル」のヴィジョンはぴたりと止まり、誘われるかのようにゴロツキの許へと戻っていった。
「な、なんだ! どうして攻撃が!」
カードの存在を知らないのだろう、慌てるゴロツキと、咄嗟の事態にただぽかんとするアン。
これがスカーによって齎されたのだと悟ったアンは、慌ててスカーへと向き直す。
スカーはゴロツキを流し目で睨み、再び言い放った。
スカー「失せろ。二度目はない」
「て、テメエ、図に乗るんじゃねえ!」
その一部始終を見ていた他のゴロツキまで触発され、スカーに食って掛かる。
「デュエルだ、デュエルで片ァ付けてやる!」
「テメエの内臓ホルマリン漬けにして売っ払っちゃらァ!」
「だったら目ン玉は俺が貰うぜ! 抉り出してこのゴウ様の晩飯にしてやる!」
何人ものゴロツキがまとめてデュエルディスクのデュエルモードを起動する。
デュエルディスクの装置を使った喧嘩では勝ち目がないと判断し、スカー一人に対し不特定多数の変則デュエルを仕掛けたのだ。
スカーはその全員を睨み付け、静かにデュエルディスクを構える。
スカー「アン」
アン「うん」
スカー「少し待て」
アンは知っている。少し待てば本当に全員を相手に勝って蹴散らすと。
だから安心して、スカーの服を掴んだ。デュエルディスクを着けた方の腕の手で。
「ほう。ガキ、お前もデュエルディスクを持っているのか!」
一際大きい、そして存在感のある野太い声が響いた。アンは驚いて、何度目か、振り向いた。
そこにいるのは、声と同じく一際大きいゴロツキ。顔の大きな傷が凶悪そうな雰囲気を増幅させている。
大男、凶相。見るからに恐い。アンは思わずスカーにしがみついた。
「なら、お前はこの俺が相手をしてやろう。デュエルディスクを構えな、嬢ちゃん!」
「お、いいぞ、マイバ! やっちまえ!」
「あーあ、マイバが相手じゃ、あのガキ終わったな」
名をマイバと言うらしい大男はデュエルディスクを構え、デュエルモードを起動した。
その狙いをアンに定めたようで、スカーがデュエルが開始したところで、この大男が巻き込まれる事はない。
アンは、周囲のゴロツキ曰く実力者を相手にしなければならないようだ。
困った、と言わんばかりの顔で、アンはスカーを見上げる。
スカーは少しばかり逡巡し、ぽつりと返す。
スカー「やってみろ」
アンは目を丸くして首を振った。
スカー「俺が教えた事を思い出せ」
スカーは、アンに、デュエルディスクを使用しないデュエルで、様々な知識と技術を与えた。
時間があればデュエルし、自身のデッキの動かし方と言うのを憶えさせた。
足りないものは、実戦だけだ。いつかは必ず、それを経過しなければならない。
この数日間、何度もそれをアンに伝えた。その度にアンは嫌がったが、内心は「いつか」が本当にいずれ来るのをよく理解していた。
アンの表情からは不安が晴れない。『カオスクロス』の構成員との初めてのデュエルにして初めての実戦がトラウマとなっているのだろう。
スカー「大丈夫だ」
スカーの一押しが、渋々ながらアンに覚悟を決めさせた。
遅かれ早かれだと言うならば、スカーを背中に戦える今である事が逆に僥倖。
思考をポジティブに変換し、覚束ないながらもデュエルディスクのデュエルモードを起動し、マイバを対象にする。
その姿を見て、周囲からくすくすと嘲る笑いが起こった。
まともなデュエル経験もない素人だと、奪われる事しかできない雑魚なのだと。
暗にそう言われているようで、先ほどまでの不安など一気に掻き消えるくらいに、アンは無性にむかっ腹が立った。
スカーに鍛えられたこの技術が虚仮にされ、それを必死で憶えた自分を下に見られ。
スカーと共にいる中で、アンの中には、屈辱を感じられるようになったプライドと呼べるものが芽生え始めていた。
それからの流れは淀みない。展開されたデュエルディスクを胸の前に構え、力いっぱいマイバを睨む。
マイバ「生意気な……代わりに俺が躾けてやる!」
広いメインストリートに、異質なデュエルが展開された。
赤い空と黒い雲の下、デュエリストたちの宣言が木霊する。
スカー&アン「デュエル!」
「デュエル!」
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ゆとり教育の弊害が第1話構成員やウルフなので間違ってはいないと思います。また戦わせる理由がもう一つあり、それを次回で説明できると思います。できるといいなあ。 (2016-03-04 00:55)