第４６話　二日目　疲労困憊　作：白金　将

～夜　死闘場前の屋台～
聖戦士「……」ﾎﾞｫ
聖戦士「女王様ぁ」ｳﾄｳﾄ
女王「本当に可愛いわね……いつもこうだったらいいのに」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
格闘戦士「聖戦士にもこういう所はあるんだな……」

エアトス「じょおうさま……」ﾌﾗﾌﾗ
エアトス「だいすきだよぉ」ﾌﾗﾌﾗ
女王「こっちも本当に可愛いわ……年に一度しか会えないのが悔やまれるわねぇ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
調理師「こりゃあもう里に移り住んでもいいレベルだよな……」

女王「この時期はかわいい子が二人いて困っちゃうわ」
女王「さあ、２人とも、ベッドに行きましょうね……」
２人「はぁい……」ﾌﾗﾌﾗ


調理師「行っちゃったな」
格闘戦士「女王は相変わらずだな」
吹き矢兵「ＺＺＺ……」
調理師「こいつは？」
格闘戦士「今日の試合が長引いたから疲れがたまってるんだろ」
格闘戦士「それに、こいつの担当は例の女戦士と虎だ」
調理師「あー」

調理師「ま、とりあえず今日も御疲れだな」
調理師「まだ飲むか？」
格闘戦士「いや、今日はもうやめておこう」
格闘戦士「三日目は熱戦が多いからな……」
調理師「そうか」

格闘戦士「三日目で決勝の一つ前まで終わらせる」
調理師「そりゃご苦労さん」
格闘戦士「骨が折れるよ……本当に明日で予定がきっちり終わるかねぇ」



～夜　射手の家～
女戦士「ＺＺＺ……」
射手「女戦士さーん」
女戦士「ＺＺＺ……」
射手「泥のように眠ってるんだし……」
射手「聞いた所によると相当体力を消耗してたらしいんだし……」

射手「あまり起こすわけにもいかないんだし」
射手「眠れないから図書館にでも行くんだし」

ｶﾞｼｯ

射手「……？」
女戦士「ぁ……いかないで……ＺＺＺ……」
射手「……」
射手「」ｽｯ
射手「わかったんだし」ｷﾞｭ
女戦士「ＺＺＺ……」ｷﾞｭｩｩ
射手（……やっぱり懐かしい気持ちなんだし）
射手（もしかしたら小さい頃に一度女戦士さんに会ってるんだし……？）

射手（うう、試合中におもらしをしたのは恥ずかしかったんだし……）ﾄﾞﾖｰﾝ
射手（思い出さない思い出さない……）ｳﾝｳﾝ



～深夜　女王の間～
女王「かわいいわねぇ……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ
聖戦士「女王様……」ｷﾞｭ
エアトス「じょおうさまぁ……」ｷﾞｭ
女王「朝になったら二人とも驚くのに」
女王「お酒飲ませると素直になっちゃうんだから」

女王「なんだか寂しいわね……」
女王「仕方ないかもしれないけれど」
２人「ＺＺＺ……」ｷﾞｭｩ



～真夜中　訓練生の家～
訓練生「……」ｺﾞﾛｺﾞﾛ
訓練生「やっぱりお姉ちゃんは戻って来なかったなぁ……」ﾊｧ
訓練生「練習の成果見せたかったのに」

訓練生「連絡の一つもないと思うと不安ですね……」
訓練生「あれ、一人で何呟いてるんでしょう」
訓練生「……少し心配です」
？？？「よお」
訓練生「！？」

訓練生「あ、調教師さん」
調教師「うちの虎が逃げちまってな……それで探してるんだが」
訓練生「水浴び場で身体洗っているんじゃないでしょうか？」
調教師「あ、そうか」

調教師「アンタもお姉さんがいないのによく頑張るよ」
訓練生「最初はやめて、って言ったんですけど……止めるのは無理だったみたいです」
調教師「気にするなよ。アイツは元々いろんなことに首を突っ込みたがる奴だった」

調教師「どこから仕入れたかもよくわからない知識で助けてくれたこともあった」
訓練生「お姉ちゃんは読書家でしたからね……」
調教師「虎にやるエサとか小屋の作り方も教えてもらったな……」

調教師「おっと、悪い。まるでもう死んだみたいな言い方になっちゃったな」
訓練生「いいんです……もう死んだような物ですから」
訓練生「お姉ちゃんにはもう会えないんです」ｼｭﾝ
調教師「……そうか」

調教師「何かあったら頼ってくれよ。私たち里の仲間は一つの家族だ」
訓練生「はい！」