第３７話　一日前　上戸アマゾネスたちの夜　作：白金　将

～真夜中　食堂～
調理師「うーん、予想はしてたが結構飲むなあんたら」
格闘戦士「新しい常連を連れて来ると言えばよかったかな？」
吹き矢兵「すいませんね」
調理師「まぁいい。そうか、吹き矢兵も引退組になるのか」
吹き矢兵「私の代わりのような人が来たからね。射手のペアは彼女に譲るよ」
吹き矢兵「寂しい気もするが、何しろ、私も年の事を考える時期だ」
調理師「あの二人のコンビネーションがもう見れないとはな……そういや」
調理師「格闘戦士のアレが見れなくなった時は人生の楽しみがなくなったと思ったね」
格闘戦士「アレ、か？」
吹き矢兵「本当にアレは凄かったよねぇ……今のアマゾネスに真似出来る人はいないよ」
格闘戦士「懐かしい……４年前だったかな？」

―　―　―　―　―　―
～４年前　決勝戦～
格闘戦士（これが最後になるのか……）
格闘戦士（ならば、悔いを残さずやるのみ！）
格闘戦士「ｺｫｫ」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

格闘戦士「これで貴様を滅する！」　ﾊﾞ　ｰ　ﾝ
客１「来たッ！　格闘戦士さんの波紋コンボだッ！」
客２・３「さすが格闘戦士さん！　おれたちにできない事を平然とやってのけるッ」
客２・３「そこにシビれる！　あこがれるゥ！」

格闘戦士「ふるえるぞハート！　燃えつきるほどヒート！！」
格闘戦士「お お お お お っ 刻むぞ 血液のビート！」

格闘戦士「山吹き色（サンライトイエロー）の波紋疾走（オーバードライブ）！！」

―　―　―　―　―　―　―

吹き矢兵「ありゃ本当相手がかわいそうだと思ったよ」
調理師「全くだな」
格闘戦士「だけどあれでも楽に勝てないのが決勝の相手、なんだよ」
格闘戦士「今でも結構出せるかな……当時よりは劣ると思うけれど」
調理師「店が潰れる（物理）からやめろ」



～そのころ女戦士たちは～
女戦士「くかぁ……ＺＺＺ……」
射手「あーうー……ＺＺＺ……」
スカ黄「むにゃ……ＺＺＺ……」
スカ青「ＺＺＺ……」

射手「ＺＺＺ……」ﾁｭｰ
女戦士「んあぁっ……ＺＺＺ……」



～そのころ女王たちは～
聖戦士「女王……ＺＺＺ……」ｷﾞｭ
エアトス「ＺＺＺ……」ｷﾞｭ
女王「ﾌｰﾝ」
女王「二人とも寝ちゃったわね……」

剣士「こんばんは」
女王「いらっしゃい」
剣士「二人の相手だなんて女王も大変ですね」
女王「二人ともお酒に弱いのよ」

賢者「か、帰ってもいい……？　正直これはマズいの」（超小声
剣士「せめて前に出て挨拶しろ」（小声
女王「後ろの賢者はどうしたのかしら？」
剣士「ちと飲み過ぎてしまったみたいで」
賢者「あはは、あはは……」ﾌﾞｺﾞｫ
賢者「ごめん、もう、無理……」ﾀｯﾀｯﾀｯ

剣士「明日に一回戦を控えてるので、そろそろ」
女王「期待してるわよ」
剣士「ありがとうございます」ｽﾀｽﾀ

剣士「本当に駄目だったんだな」
賢者「だって、だって、聖戦士様が女王様の腕にぎゅって」
賢者「それに隣にはエアトスちゃんまで……！」
剣士（あーこれはアカンやつだった）
剣士（賢者の部屋の本棚の奥にエアトスさんの同人誌が入ってたような……）



～真夜中　訓練生の家～
訓練生「明日は試合……」
訓練生「剣士さんに迷惑かけないように頑張らなきゃ」
訓練生「でも……」

訓練生（お姉ちゃん元気にしてるかなぁ……）

訓練生「が、頑張らないと！」