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遊戯王Messiah-白き救世者/45話:ガラクタからできあがったマシン 作:ヒラーズ


第3章 陰謀 開幕



あの大会から1ヶ月、季節は春を通り過ぎ、夏へと近づく6月を迎える。
そんな中、2連休日を迎えた海理は弟である陸也を連れ、ショッピングを楽しんでいた。

「姉さん、まだ終わらないのか?」
「もう少し…!もう少しだけで良いですので!」

ずっしりと買い物袋を沢山持たされる陸也、それとは別に海理は小さい袋一つという差であった。当時はそんなに外出をしないのだが、弟が出かけると来れば一緒に出るという自己中心を発揮して今に至る。

「よし、終わりですね。陸也、【アポート(物質転移)】で荷物を私の家に」
「分かった」

すんなりと姉のわがままにに付き合わされる陸也は手荷物に念をかけ、海理の家に転移させる。
一通り買い物を済ませた海理と陸也は公園のベンチに座り、スマートフォンのネットニュースを開き、確認する。

『ニュース
ガラクタ置き場の重量、7トン以上を超える
つい最近、ガラクタ置き場にあるガラクタの量が7トンを超え、辺りの住民からクレームが殺到。政府や市長などは多く会議を重ね、対処してるものの未だ片付かず、インフラ整備は困難となっている』

「…ガラクタ置き場か…」
「どうしたの?陸也?」
「いや、どうもガラクタ置き場という地名などを聞くと行きたくなるんだ。貧乏人の手癖の悪さだな」

陸也は「はは…」と少し笑い、スマートフォンをしまう。
しかし海理は更新されたニュースを確認し、険しい表情になる。

「これは…」
「どうした?」

陸也も反応し、ニュースを見せて貰う。

『ニュース NEW!
謎の失踪事件、相次ぐ!
昨日の午後4時半、下校中の小中学生が複数行方不明なる事件が発生したと住人から通告を受け、警察は100人態勢で調査及び捜索を行っているものの、未だ見つからず、困難を極めている模様。尚この事件は2年前から発生しており、警察でも正体を掴めずにいる』

「小学生及び中学生が行方不明か…段々と物騒になってきたな…」
「ええ…、ましてや子供をさらうなんてどこの変態でしょうか?」
(警察でも見つけられないのは正直おかしいが、何故100人態勢なんだ?もっと動員するはずだろう?)
――――これは…奴らの仕業に違いありませんね。
(悪魔か?堕天使か?それとも下位の賊精霊の仕業か?)
――――恐らくそうかと…。
(そうか、ありがとう。ベルゼブブ)

そう万魔殿の悪魔と会話をしていると、海理も所持している賊精霊と会話し始める。
――――うむ…これは紛れもなく我ら以外の賊精霊の仕業だな。
(やはりそうですか…これはまた一つきな臭い事件が発生しましたね)
――――弟も感づいて恐らく悪魔と会話しているはずだ。
(それではまず、弟の行きたい場所に行かないと…)

「…やはり姉さんもガラクタ置き場に?」
「勿論です。言うこと聞いてくれたから弟のワガママも聞かないといけませんから」

陸也は「そうか」と言って一緒にベンチから立ち上がり、公園を後にする。
だがそれを見ていた人影があったことは気づいていなかった。

「なるほど…ガラクタ置き場か…行くぞ水樹」
「ああ、事件解決を二人でやろうなんざずるいぜ。アタシらも混ぜて貰おうぜ魔奈」

海理と陸也のやりとりを見ていたのは水樹と魔奈だった。
どうやら全ての会話を聞いていたらしく、行くべき場所に足を進ませて行くのであった。
















しばらくしてクロノヴェイル北部、ガラクタ置き場の目の前。
途中で魔奈と水樹に合流し、今の状態至った。
「すごいな…宝の山が7トン以上あるんだぞ?驚くぞ…」
「ホントそれですね。私も貧乏人なのか、ガラクタがお宝に見えます」
「タダのガラクタだろう?意味はないのではないか?」
「実は意外とガラクタ好きだったりするのか?」

目の前は多大なガラクタ及びスクラップが積まされた山があった。
その有様に若干興奮気味の海理達は工具を持ってガラクタ置き場に入る。

「よーし…何を作るかは、分かりますね?陸也」
「ああ、問題はない」
(何を作る気なんだこの二人…)

海理と陸也はガラクタの山に突っ込み、あちこちのパーツやタイヤを取り出しながら、何かを作り始める。次第に形ができあがっていき、組み合わせるとバイクのような乗り物が完成する。

「後は【オートパイロットシステム】さえあれば、完成だな」
「そうですね」
「これって…Dホイールではないか!」
「しかも今のハイブリッドタイプだぜ!?ありえねぇ…」

ガチャガチャと制作する音が響く、同時に乗り物が二つも完成し、手を止めた。
そして同時に「完成!」と言って座り込む。

「これだけガラクタがあるなら後7台くらいは作れるぞ」
「いえいえ、後は乗り手がいればいいだけです」
(乗り手って…俺様達か?)

「だがパーツが足りなかったのか、空は飛べんな」
「そこですね」
「「空を飛ぶ!?」」

海理と陸也の発言に魔奈達は驚き、問いかける。
「飛べるって…本当なのか!?」
「そんな事が出来るなら世紀の大発明だぜ!?いくら何でも無理があるぞ!?」
「出来なくはないが…パーツが足りなくてな」
「十分に作れないんですよ」

「はぁ…」と溜息を吐き、海理は魔奈と水樹に制作し終えた2台のDホイールに乗せる。
「え…?」
「このDホイール、水樹さんと魔奈さんにあげます」
「俺達のはいつでも作れるし、心配するな」

いきなりDホイールを魔奈達に献上し、再びガラクタの山に手を突っ込む。
陸也はガスボンベと鉄パイプ、目覚まし時計を取り出し何かを作り始める。
それとは逆に海理は様々な電化製品の部品をかき集め、作り始める。先程陸也が言っていた「貧乏人の悪い手癖」はこのことであった。

「よし!出来た!これさえあれば…」
「私も出来ました!」
「これ以上、何を作ろうって言うんだ…あの姉弟」

作業を黙々と行う海理と陸也は3時間かけてものを完成させる。
よく見てみると7トンもあったガラクタの山がかなり小さくなっているのが分かった。
「…ちょっと作りすぎたな…」
「ええ、つい多くのものを作ってしまいましたね」
(ちょっとで済むのかそれは!?)
(何が何でも作りすぎだ!!)

そうやって雑談を重ね、ガラクタ置き場を出た時だった。
「…?」
「どうした姉さん?」
「何か…焦げ臭くありません?」

海理達は辺りを見渡す、すると遠くで黒い煙が上がっているのが見えた。
何事かとパトカーや消防車が出動し、現場へ向かう姿も見た海理達は作成し終えたDホイールに跨がる。

「魔奈さん!運転を!」
「任せろ…って俺様が運転するのか!?まぁ運転できるからいいが!」
「水樹!頼むぞ」
「おう!暴走族時代のアタシの力が発揮されるんだな!行くぜ!」

そう言ってDホイールを走らせる。安定したスピードで走り出し、少しずつ速度を上げ、黒い煙のした方向へ向かう。





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