ヒーロー‘ｓＥＧＧ　sideアルヴィート　作：クロノスギア2

「ではとどめです！アナザーネオスでダイレクトアタック！」
「うあー！？」

ここはスペースゲート、ヒーロー育成学校。そこで授業のデュエルで勝利を収めた少年こそが今回の主役。名をアルヴィート・ベルファス。わずか１０歳の天才少年だ。ほんの数か月前町にて倒れていたヒーロー見習いのデッキを借りヴィランを打倒し飛び級にて入学してきた天才デュエリストだ。

「いや～今回も僕の勝ちですね、ありがとうございました！」
「くそ・・・俺がまさかこんなガキに・・・」
「いや～そちらもなかなかの腕でしたよ！」

キーンコーンカーンコーン！

「おや、この今日はここまでですか、もっとデュエルしたかったな～」

・・・。

「アヴィーーー！さすが私のアヴィーですわ！」
「相変わらうえげつねえデュエルタクティクスだったな」
「ああ・・・フィロ・・・トニー・・・」

アヴィーは有無を言わさず金髪のツインテールのお嬢様風に抱き着かれている。本来は男から見れば羨ましがられる光景なのだが本人は死んだような目でなすがままにされている。その隣にいるトニーと呼ばれた男は不良じみた服装をしていた。

「あああ・・・このひと時が至福の時間ですわ・・・」
「ええ・・・そうですか・・・」
「おい、フィロ、確か話すことがあったんじゃないか？」
「ああ、そうでした」
「なら離してくれません？二つの意味で」

フィロと呼ばれたお嬢様は名残惜しそうに手放し、話を始める。

「ご存知ですか？最近の怪人事件。」
「怪人？」
「ああ、最近町の方に悪人だけをデュエルで倒す怪人が現れるんだよ」
「ほうほう！デュエルで！？」
「変なとこに食いつくな・・・」
「そしてその怪人が次はこの学園にやってくるみたいなんですの」
「ほう、悪人ばかり狙う怪人がなぜこのヒーロー学園に？」
「さあ、しょせん怪人てことなのでしょう」
「フーン・・・その怪人についてもっとお聞きしてもいいですか？」

・・・。

時刻は深夜、ここは校長室。そこにごそごそとうごめく人影。

「くそう！なぜわしが狙われなければならぬ！くそうくそう！」

まるまると太った男が机の中身をひっくり返し紙束をあさっている。

「・・・」
「だ、だれだ！？まさか！？」

窓際に立っていたのはマントをまとった男、その腕にはデュエルディスクを付けている。その顔には大きなマスクを着けており顔を認識できない。

「お前に・・・聞きたいことがある・・・」
「ひいいい！？」

怪人がディスクを起動しようとしたとき窓の外から声がかかる。

『あの～じゃあ、僕とデュエルしませんか～？』

「・・・？」

怪人が窓の外に顔を出すとそこには逆側に存在する窓際に座るアヴィーが座っていた。

「ちょ！？アヴィー！？何しておられるのですか！？」
「おいおいおいマジかよ！？」
「・・・ガキだと？」
「おや、子供の僕じゃ怖くてデュエルしませんか？」
「・・・挑発に乗るほど暇じゃない」
「なら、こちらでどうです！？」

アヴィーの手袋から延びる光が怪人の腕のディスクに当たると強制的に起動する。

「ヒーロー用の高速用デュエルアンカーです。さあ、逃げられませんよ」
「・・・仕方がない。来い」

怪人が軽い足取りで屋根の上に上り、アヴィーも軽い足取りで上る。

「ああ、そういえば名前を聞いていませんでしたね。ちなみに僕はアヴィー、アルヴィート・ベルファスです」
「・・・シドーだ」
「では、シドーさん！楽しいデュエルをしましょう！」
「楽しい？・・・やはりガキか・・・」

『デュエル！』

AVII VS SIDO
4000 4000