第九十一話　最後の『悪あがき』　作：怪盗七夜月

・4回戦目は総当たり戦。相手は暫定1位の『チーム超新星』。咲夜達SDA団はメンバーが1人欠けた状態で出る事となった。一切妥協のないこのデュエルにどう挑む⋯⋯

☆★☆★

イリアはレースに向けて準備をしていた。頭にヘルメット、脇にはDホイール、肩にはチームロゴのテープ。

咲「頑張って」
イ「大丈夫よ」
咲「行ってこい！そして、思いっきり楽しんで！」

それ以外に言葉はかけなかった。

★☆★☆

イリアはスタート位置について待機していた。

イ「⋯⋯」
司「さあ、『チーム超新星』VS『チームSDA団』の総当たり戦が始められるよ！準備はいいかい？？」

対戦表を見る。相手の第1走者はレイ、、そう書かれていた。

司「さあ！カウントダウンを始めるよ！5！4！3！2！1！0！」

カウントが終わるとブザーが鳴り、それと同時にスタートする。このデュエルでは第1コーナーを
先に通過した方が先攻を取れるようになっていた。

イ「ック⋯⋯」
　先攻⋯⋯は相手。

2人「決闘！」(レイLP4000VSイリアLP4000)


Turn01　player レイ　手札5

「僕の先攻！カードを1枚伏せてターンエンド！」

Turn02　player イリア　手札5→6

「私のターン！私は「マジェスペクター・クロウ」を召喚！召喚時効果でデッキからマジェスペクター罠カードを手札に加える！カードを1枚伏せてターンエンド」

マジェスペクター。風属性、魔法使い族のモンスターで統一されたグループだ。すべてPモンスターで、
P効果がないのが特徴だ。又、対象に取られず、相手の効果で破壊されないのも特徴だ。

Turn03　player レイ　手札4→5

「僕のターン！「ギャラクシー・サイクロン」を発動し、場の魔法・罠を1枚破壊！そして「ギャラクシー・ワーム」召喚！効果で他にモンスターが居ない時、デッキから☆3以下の「ギャラクシー」モンスターを特殊召喚できる！来い！「ギャラクシーサーペント」！」

「ギャラクシー⋯⋯」

「僕は☆3の「ギャラクシー・ワーム」に☆2の「ギャラクシーサーペント」をチューニング！『天かける銀河よ！その星々の光で闇を討て！』S召喚！『銀河眼の光子騎士』！」

ギャラクシー枠にシンクロモンスターとは。そう思うイリア。出現したモンスターは言ってしまえば「銀河騎士」の様な体つきをしている。


銀河眼の光子騎士　Sモンスター　ATK2500　DEF2000　(オリジナル)
チューナー+チューナー以外の「ギャラクシー」又は「銀河」モンスター1体
・このカードが存在する限り、他の「ギャラクシー」「銀河」モンスターを攻撃対象及び効果の対象に
　選択する事は出来ない。
・このカードが破壊され、墓地に送られた時に発動できる。手札から「銀河眼の光子龍」1体を特殊召喚する。


「バトル！「マジェスペクター・クロウ」を攻撃！『光子咆』！」　(ATK2000VS1000)

「⋯⋯！」　(イリアLP4000➡3000)

「僕はこれでターンエンド」

Turn04　player イリア　　手札5➡6

「私のターン！フィールド魔法、マジェスティックPを発動！そしてその効果！場のマジェスペクター1体をリリースし、デッキからマジェスペクターを手札に加える！」

「ユニコーン関連か⋯⋯？」

「私が加えるのはラクーン！そして召喚！効果でデッキからユニコーンを手札に！」

「⋯⋯」

「カードを1枚伏せてターン終了」

Turn05　player レイ　手札3➡4

「僕のターン！罠オープン！銀河特攻！このカードは自分の銀河モンスターと相手のカードを破壊する！」


銀河特攻　永続罠カード　(オリジナル)
・ターンに1度、自分の場に居る『銀河』モンスターと相手のカード1枚ずつを選択して発動できる。
　その2枚を破壊する。この時、破壊無効効果は無効化される。
・このカードが破壊され、墓地に送られた時に発動する。デッキから「銀河」モンスター1体を手札に加える。


「私のマジェスペクターは効果で破壊されない！だから破壊されるのはあなただけ⋯⋯」

「いや、この効果に対して、破壊無効効果は無効化される！」

「そんな⋯⋯！自分の場を破壊してまで⋯⋯」

カイトは自陣のモンスターを自爆させてまでも、エースモンスターを呼ぼうとしていた。

「僕の「光子騎士」と相手の「ラクーン」を破壊！そして「光子騎士」の破壊能力！デッキから「銀河」
　モンスターを手札に加える！」

「手札に加えるのは⋯⋯まさか⋯⋯」

「そうだ！僕が加えるのは「銀河眼の光子龍」だ！そしてカードを2枚伏せてターンエンド」

Turn06　player イリア　手札6➡7

「私のターン！手札の♦7の「エキセントリック・デーモン」と♦2の「マジェスペクター・フォックス」でPスケールを張る！」

「☆3から6までのP召喚⋯⋯」

「現れなさい！私のモンスターたち！」

イリアの場にEXデッキから「クロウ」と「ラクーン」が、手札から「ユニコーン」と「フロッグ」が現れる。

「Wリバースオープン！チェーン1「激流葬」、チェーン2「光子龍の目覚め」！！」

「Wリバース！？」


光子龍の目覚め　通常罠カード(オリジナル)
・相手のモンスターの総合攻撃力が4000以上の時に発動できる。相手の場のモンスター2体を
　リリースし、「銀河眼の光子龍」1体を特殊召喚する。


「私の場の総攻撃力は⋯⋯5500⋯⋯」(2000+1000+1300+1200=5500 レベル順)

「僕は「ユニコーン」と「フロッグ」の2体をリリース！「闇に輝く銀河の星々よ！ここに1つとなりて新たな輝きを見せよ！」現れろ！「銀河眼の光子龍」！」

カイトの場に光の龍が姿を現す。光子龍は雄叫びを挙げる。

「そして「激流葬」の効果で場の全モンスターを破壊する！」

「私は⋯⋯カードを手札をすべて伏せてターンエンド！」

Turn07　player レイ　手札3➡4

「僕のターン！手札を1枚捨て、「銀河戦士」を特殊召喚し、効果でデッキから「銀河騎士」を手札に加える！このカードは「ギャラクシー」モンスターが存在する時、リリースなして召喚できる！「銀河騎士」召喚！」

「⋯⋯「銀河騎士」の効果は「銀河眼の光子龍」の蘇生⋯⋯！」

「そうだ！再び現れろ！「銀河眼の光子龍」！」(ATK3000)

「攻撃力3000！(でも私の場には伏せが3枚⋯⋯)⋯⋯」

「手札から⋯⋯「銀河遠征」発動！」

「⋯⋯！？⋯⋯デッキから特殊召喚するカード⋯⋯！」

「知ってたか⋯⋯まあいい。現れろ！2体目の「銀河眼の光子龍」！」

2体の龍が並び、共鳴するかのように雄叫びを挙げる。総攻撃力は8000。このまま攻撃でも勝てる
のだが、レイはまだ何かを考えているようだ。

「僕は2体の「銀河眼の光子龍」と「銀河戦士」でオーバーレイ！X召喚！「輝く龍たちよ！今交わりて新たな輝きを生み出せ！」⋯「超銀河眼の光子龍」！」

超銀河眼の光子龍　ATK4500 DEF3000

「攻撃力4500⋯⋯！」

「召喚成功時「超銀河眼の光子龍」の効果発動！「銀河眼の光子龍」をX素材にしてX召喚した時、
　このカード以外のすべての表側表示のカード効果をすべて無効にする！」

「なんですって⋯⋯！」

「バトル！「超銀河眼の光子龍」でダイレクトアタック！！」

超銀河眼の光子龍の攻撃力は4500。喰らったら一撃で終わってしまう。

「私の伏せには⋯⋯いや、これは皆の為に⋯⋯！」

イリアはその伏せカードを発動しなかった。しかし⋯⋯

「罠オープン！「星舞う地に輝く閃珖」！このカードは相手の直接攻撃でLPが尽きる時、EXデッキから「スターダスト」と名のついたSモンスターを特殊召喚する！」


星舞う地に輝く閃珖(シューティング・アサルト・スターダスト)　罠カード(オリジナル)
・相手の直接攻撃で、自分のLPが0になる時、ダメージステップに発動できる。EXデッキ又は墓地から
　「スターダスト」Sモンスター1体をS召喚扱いで特殊召喚する。
・特殊召喚後、このカードは装備カード扱いになり、特殊召喚したモンスターに装備される。装備モンスターは
　攻守が500上がり、破壊される時、代わりにこのカードを破壊できる。


「何⋯⋯！」

「これが私の最後の悪あがきよ⋯⋯！「星流れ煌く一筋の光⋯⋯仲間の、希望への、道標となれ！S召喚！「閃光竜 スターダスト」！」

閃珖竜 スターダスト　ATK2500 DEF2000

現れたスターダスト。真っ白に輝いた竜は相手の超銀河眼の光子龍に向かって雄叫びを挙げる。

「⋯⋯！」　(イリアLP4000➡0)

「そして、この罠カードはスターダストの装備カードになり、攻守が500上がる⋯⋯！」

閃珖竜 スターダスト　ATK2500➡3000

☆★☆★

咲「イリアが⋯⋯Sモンスターを⋯⋯！」
　咲夜さえも知らなかったこと。そこに白桃が来た。

桃「次⋯⋯行ってきますの」
咲「あのカード、白桃が渡したの⋯⋯？」
桃「うん。もしかしたら⋯⋯と思って、スターダストと一緒に」
咲「イリアが作ったチャンス、無駄にしないでな」
桃「うん」
　そう言うとピットに戻ってきたイリアの方へ走って行った。


第九十二話へ続く