第４３話 アーチャーフェリスのお話④　作：ハカラメ

注) ss初心者です！ 二次設定その他もろもろにご注意ください。
前回までは大分ぶっ飛んだ感じでしたが、今回は過去編です！


前回のあらすじ、いつもと違う文構成は少し楽しかったりする。


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✕✕年前・・・
あたしは、外の世界で盗賊として暮らしていた。あたしの故郷はとっくの昔に度重なる戦いで焼け果てて、孤児としてさまよっていた所を、とある盗賊団に拾われたのだ。確か名前は黒・・・何だったっけ。そんな事も覚えていられないほど、あたしの生活は荒んだものだった。生きるためならなんだってするような世界だった。人から搾取することでしか、生きられないような・・・そんな世界だった。

下っ端として、あたしはろくにご飯も食べられず、毎日毎日雑用に追われ、そして夜になればまたどこかの家や店に忍び込んでは金銭を奪っていく・・・
そんな変わり映えのない「日常」が、突然変わる出来事が起きたのは、ウォルフさんと会う少し前の事・・・



フェリス「zzz・・・ん！」ぱちっ

フェリス「うぅ、トイレ・・・」
タッタッ

フェリス「ん～、お腹がすきすぎて、つい水飲みすぎちゃった・・・」

フェリス「あれ、こんな夜中に電気が・・・お頭達かな」


「・・・伝説の財宝？ 本当ですかい、お頭！」
フェリス「！？」

「そうだ、光の国にはかつて、ライトロードの長である、セイントミネルバが築いた国があったんだが、今じゃあ誰もその場所にはたどり着けないらしいんだ」
「なんで誰もたどり着けないんですかい？」
「さぁな。おそらく結界か、術式でも使ってあんだろ。だが、なぜ場所を隠しているのか、気にならないか？」
「・・・確かにそうですねぇ」
「巷じゃ、金銀財宝が隠してあるっていう噂だぜ。一国が丸ごと買えちまうような、大金が眠ってるんだとさ」
「！ それは行くしかねーですよ、お頭ァ！」
「まぁまぁ、慌てるな。ほかの盗賊団の奴らは、俺たちより先に行っちまったが、どうせ奴らじゃたどり着けやしないさ。そいつらの通ったルートを消去していけば、必ずそこへ通じる道が分かるっつーわけよ」
「さっすがお頭！」
「ククク・・・これが上手くいきゃ、俺たちゃ大金持ちで、一生遊んで暮らせるぜ・・・ハハハ！！」


フェリス「・・・金銀財宝・・・！？」

あたしは、その時心に決めた。その財宝を手に入れて、必ずこんな生活から抜け出すと。そして、今まで私を散々こき使ってきたあいつらみたいに、今度はあたしが上へのし上がって、必ずいい思いをするんだ・・・と。


それから少しして、他の盗賊団たちが肩を落としながら帰ってきた。そいつらの話だと、その場所へ向かう道はどのルートも険しく、目的地に近づいたと思ったら、いつの間にかさっき来た道に戻っている・・・といった風に、誰一人としてたどり着いた者はいなかった。
お頭達はそれを聞いて頭を抱えたが、やはり欲望には勝てず、行くことを決意した。下っ端のあたしはついていくことを許されなかったが、早朝、お頭たちがひっそりと出かけるのを見ると、その後をこっそりついていったのだった・・・。



第４４話に続く