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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第二章 ー魔術師の弟子③ー

第二章 ー魔術師の弟子③ー 作:T@KAKKU☆

○マハードの家

 その後、家へと戻ったユウナは、玄関でふと立ち止まった

ユウナ「・・・はぁ~っ。にしても、魔法が使えるなんて、あの人は一体何者なの?私が知らなかっただけで、エジプトの人は皆魔法が使えるのかしら?・・・って、んなわけないわよね・・・。それに私・・・ていうか、この子、マナちゃんの師匠とか言ってたけど、ホントなのかな?まぁご飯もご馳走してくれたし、特別悪い人じゃないとは思うけど・・・」

 すると次の瞬間。ユウナは今まで忘れていた不安に襲われる

ユウナ「(・・・でも、一体これからどうしよう?逃げるにしても、あの砂漠を超える自信もないし・・・)」

 すると次の瞬間

ユウナ「・・・あ!そうだ!あの人に本当のことを話してみようか!そうすれば・・・」

 だが、次の瞬間

ユウナ「・・・いや、ダメだわ。絶対信じてもらえない。私はマナちゃんじゃない、別の人間だなんて・・・。そもそも私自身、未だにこの状況が理解不能なのに・・・。・・・あ~ッ!もうッ!一体どうすればいいのよ~ッ!?」

 頭を抱え、その場にうずくまるユウナ。と、そのとき

 キラーン!

ユウナ「!?」

 奥の部屋にあるベッドの上で、何かが光った。急いでベッドの方へと走るユウナ。すると次の瞬間

ユウナ「・・・こ、これは・・・?」

 するとそこには、謎のカードケースが置いてあった

ユウナ「何?これ・・・?」

 そのケースをおもむろに手に取るユウナ。すると次の瞬間

ユウナ「!」

 突如、ユウナの表情が変わった

ユウナ「(・・・何だろう?何か、とても懐かしい感じがする・・・。これは・・・きっと私にとって、何か大切なものだわ。そんな気がする・・・!)」

 すると次の瞬間

 ベリッ

 カードケースを開けるユウナ

ユウナ「!」

 すると、中には謎のカードの束が入っていた。しかし次の瞬間

ユウナ「・・・え?何よこれ?何も描いてないじゃない・・・?」

 そこにあったのは、何も描かれてないカードだった

ユウナ「・・・うーん、さっきの感覚は気のせいだったのかしら?・・・まぁいいわ。ここにあったってことは、多分マハードさんかマナちゃんのものでしょ」

 そう言うと、ユウナはカードケースをベッドの脇に置き、そのままベッドに寝転んだ。その後、ユウナは独り考え込む

ユウナ「(・・・でも、どうしてこんなことになっちゃったんだろう・・・?っていうか、そもそもここは本当に私のいた世界なの?いくらエジプトとはいえ、ガスも電気も水道もないなんておかしいし、第一、魔法が存在してること自体、ありえないわ・・・)」

 すると次の瞬間。ユウナはある可能性に気付く

ユウナ「・・・はっ!も、もしかして、これって最近ラノベとかでよくある『転生』ってやつじゃ・・・!?」

 だが、次の瞬間

ユウナ「・・・なわけないわよね。そもそもあれはフィクションだし、現実にそんなこと、起こりっこないわよね・・・」

 一度は思い直すユウナ。だがしかし

ユウナ「・・・でも、そう考えれば全て辻褄が合うわ。あの時、私は車にひかれて死んだ。そして別の世界に転生した・・・。そうとしか考えられない・・・」

 すると次の瞬間。突如、ユウナの目から大粒の涙が溢れ始めた

ユウナ「・・・・・・うっ・・・うっ・・・そ、そんな・・・やっぱり私はあのとき死んじゃったの・・・?・・・ぐすっ。・・・パパ、ママ・・・ごめんなさい。こんなことになるなんて・・・。・・・できることならもう一度だけでいい、今すぐ会いたいよ・・・!」

 後悔の念に苛まれるユウナ。さらに次の瞬間

ユウナ「・・・それに・・・『あいつ』にも・・・会いたい・・・!」

 だが、次の瞬間

ユウナ「・・・でも、何故か名前が思い出せない・・・。一体どうして・・・?」

 その後、ユウナはしばらく泣いた。そして涙も枯れ果て、少し落ち着いた頃、ユウナは今後のことについて考え始めた

ユウナ「(・・・私はもう、この世界で生きていくしかないのかな・・・?幸い家はあるし、食べ物も美味しいし、なんか家族っぽい人もいるけど・・・。こんなネットどころか、ライフラインもない世界で、生きていける気がしないわ・・・)」

 再び不安に襲われるユウナ。すると次の瞬間

ユウナ「(・・・あ~ぁ、私もあの人みたいに魔法が使えたらな・・・。そしたらきっと、なんでもできるのに・・・)」

 と、そのとき。ユウナはあることに気づく

ユウナ「・・・はっ!そ、そうだ!魔法よ!魔法があるじゃない!この世界には魔法がある!それを使えばいいんだわ!あの人が言うには、マナちゃんにはその才能がある!ということは、今そのマナちゃんである私も、練習しさえすれば、魔法が使えるようになるかもしれないってことじゃない!?そうすれば、上手くいけば元の世界へ戻る方法も見つかるかもしれないし!」

 かすかな希望を見つけ、ユウナの表情は一気に明るくなった。だが、次の瞬間

ユウナ「・・・でも、そんなに上手くいくのかな?そもそも私、マジックすらロクにやったことないのに、いきなり魔法だなんて・・・」

 しばらく考え込むユウナ。すると次の瞬間

ユウナ「・・・考えていても仕方ないわね。やってみるしかないわ・・・!」

 そう言うと、おもむろに立ち上がるユウナ。そして、部屋にあった本棚から数冊の本を取り出すと、ベッドの上に置いた。すると次の瞬間

ユウナ「・・・これでよし!さぁ、行くわよ!」

 ユウナはベッドの上に寝転がり、持ってきた本を手当たり次第に読み始めた。
すると次の瞬間

ユウナ「・・・読める!やっぱり読めるわ!何でかはよくわからないけど!でも、これならすぐに魔法も使えるようになりそうね!よーし、頑張るわよーっ!」
 
 気合を入れ、本を読み進めるユウナ。だが、それから10分後・・・

ユウナ「・・・・・・だぁ~っ!?何よこれッ!?全ッ然わかんないじゃない!?」

 突如、起き上がり、勢い任せに本を投げ捨てるユウナ

ユウナ「何が何だかサッパリだわ!特にこの術式とか言うやつ、私の嫌いな数学みたいでムカつくーッ!それにこの薬の調合も、虫とかトカゲとかばっかでキモチ悪いし!もぉーヤダ!こんなのやってらんないわ!」

 ひとしきり愚痴り終わると、ユウナは再びベッドに寝転がった

ユウナ「・・・あ~ぁ、どうせなら私の得意な体育みたいならよかったのにな・・・。どうやら魔法って言っても、学校で勉強するのとあまり変わらないみたいね・・・。マナちゃんがやる気がなかった理由がよくわかったわ。まるでハリー・〇ッターになった気分だもの・・・」

 その後、しばらく考え込むユウナ。すると次の瞬間

ユウナ「・・・でも、このまま何もしなくても、状況は変わらないわよね・・・!なら、やるしかないわ!根性だ、根性!」

 自らを奮い立たせたユウナは、再び本を読み始めた



続く
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