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4月21日──独りの少女 作:コンドル
4月21日火曜日の午後は皆が待っていたデュエルの実技授業の時間だ。
クラスメイト全員が寮にあるものより大きなデュエルスペースに移動し整列し、今日は誰と闘うか考えている。
だが、遊駆達のいる1年6組は45人の奇数構成。つまり...
「よーし!ペア作れー!」
実技担当の勝取(かちとり)先生の言葉で皆がペアを作り始めた。
「遊駆、組もうぜ!」
「遊駆さん組みましょう!」
輪廻と綾羽が同時に申し込む。
「俺の方が早かった」と言おうとするも、綾羽が笑顔で静かに発する威圧感に押され今回は輪廻が綾羽に遊駆の相手を譲る。
「ありがとうございます。輪廻さん。」
綾羽が小さくお辞儀をする。
「おう...。」
その場を後にして相手を探し始める。設置されている時計を見て授業開始からすでに5分も経過している事に気づいた。
(やっべ、早く相手見つけねぇと。・・・ん?)
輪廻の眼に映ったのは背丈の小さい髪が伸びきり目が隠れてしまっている女子生徒。辺りを見回し残念そうな表情をして勝取先生の元へ走って行った。
(あの子...前も先生とデュエルしてなかったっけ...?)
「あっ輪廻君僕とやらなぁい?」
「あ、ああ!いいぜ!」
授業が終了し放課後。遊駆と輪廻が寮に戻り、今日あった出来事を話し合う。その中でも輪廻は勝取先生とデュエルしていたあの女子生徒の事を考えていた。
「・・・なあ、遊駆。」
「・・・どうした?」
「実技の時間の事なんだけどよ...。」
「・・・?」
「勝取先生とデュエルしてた子、この前も先生とやってなかったか?何か気になって...。」
「・・・そうかも知れないな。」
「もしかして相手がいなくて困ってたのかな?6組の人数だと一人余るようになってるし...」
輪廻が腕を組み目をつぶり考え始める。
(いつも相手がいなかったのかな...?うーん、だとするとそろそろ先生も何か言ってくるはず。さすがにずっと同じ相手は先生としても困るだろうし。あー、もしかして俺達じゃ相手にならないくらい強いのかな?
・・・どんなデッキ使ってんだろ?強ぇんだろうなぁ。あぁ、気になる...。)
うーん、うーんと唸り部屋をぐるぐると回り始め、考える輪廻。
遊駆に意見を聞こうとするが、いつも帰ってくる答えが「さぁな」
や「そうかもな」程度の返答しか返ってこなかったのを思い出し聞くことを止めた。
それを察したのか遊駆、輪廻に1つ提案する。
「・・・気になるのなら、直接話し掛ければいいだろう。」
意見を言ってくるとは思っていなかったため少し驚くが遊駆の意見を聞き再び考え始める。
「・・・」
「・・・そうだな。」
結論が出たようだ。
「俺、明日その子に話し掛けてみるよ。」
「大丈夫か?」
「えっ?何が?」
「・・・いや、何でもない。」
翌日 4月22日 水曜日 晴れ
人が集まってくる時間帯に教室に入り、二人が昨日の少女を探し始める。
「・・・長髪の・・・黒髪の・・・目隠れした・・・ロリ体系女子・・・。」
「・・・」
探すものの何故か見つからない。
結局チャイムが鳴り席についた。
ホームルーム中ふと遊駆ともう一人いる隣の生徒を見る。
「いた!」
いきなり大声を出したため全員が輪廻の方をみる。
「何がいたのですか輪廻君。」
担任の立花薫が不思議そうな表情をして輪廻を見る。
「い、いや。何でもないです...。」
「そうですか。・・・ではこれでホームルームは終わりです。今日も頑張っていきましょう。」
少しして探していた少女が席を離れ、戻ってくる間に輪廻が遊駆に話し掛ける。
「いたいた!まさか隣とは思わなかったけどな。」
「・・・話し掛けなくていいのか?」
「・・・今日の実技の時間に話し掛けてみるわ。」
話し掛けれるかどうかの不安を隠すように輪廻が言う。
本人は気づいていないようだが輪廻は不安になる何かがあると目を閉じ笑いながら左手を振るように縦に動かす癖がある事を遊駆は知っていた。そのため昨日輪廻が話し掛けると言った際に「大丈夫か?」と心配の言葉をかけたのだ。
「さぁて、今日の実技が楽しみになってきた!」
しかしその不安もすぐ消える事も、遊駆は知っている。
その不安はすぐに新しいライバルとデュエルが出来るという期待、喜びへと変わるからだ。
彼は本当に明るい。
初対面の人間にも明るく接し、そのうち相手も心を開いていく。
心から楽しみだと言う表情で輪廻は午前の授業を受けた。
午後になりついに輪廻が待ち望んだ実技の時間。
移動、整列、そして...。
「よーしペア作れー!」
「よっし!遊駆は誰と組むんだ?」
「・・・俺は小込と。・・・輪廻は。」
「あの子を探してデュエルを申込む!・・・じゃ!行ってくるぜ!」
勢い良く走り出す。その後ろ姿を遊駆が静かに見ていた。
「・・・、・・・。」
「あっ遊駆さん。」
「・・・組むか。」
「・・・はい!」
「さぁて何処にいるかな...。」
辺りを見回すと良く見るとまた昨日のように周りをキョロキョロと見ている。
(見っけた...。)
少女の所まで歩き勇気を出して話し掛ける。
「なぁ、よかったら俺とやらないか?」
「・・・!」
「どうしたんだ?」
「・・・」
「・・・?」
喋らない。寡黙な遊駆といつも話している輪廻だが、この少女は更に静かだ。突然話し掛けられ驚いているのか輪廻の目を見たまま黙っている。
「えっと、俺とデュエルするの、嫌か?・・・やっぱ、急に話し掛けるのってまずかったかな?」
「・・・」
気まずい。流石に何かしら反応が欲しいが少女は硬直したまま動かない。
「あ、他に誰かいるとか?」
「・・・」
ブンブンと首を横に振る。どうやら違うようだ。
(やっと反応してくれた...。)
「じゃぁ...」
「・・・あの」
「あの?」
「・・・ご、ごめんなさい...!」
そのまま少女は先生の元へ全力で走っていった。
「えっ!ちょっ、待って・・・行っちまった。」
不思議そうな表情をしたまま輪廻はその場から去り相手を探し始める。その姿を少女は申し訳なさそうに見ていた。
放課後になり輪廻は明らかに落ち込みながら遊駆に断られた事を悲しそうに話す。
「何がダメだったんだ...。」
顔を机にくっ付けるようにして
「・・・身長差。」
「身長?そんなの関係無いだろ?」
「・・・輪廻、身長何センチある?」
「えっと、確か172センチだったな。」
「・・・あっちは?」
「んー、140弱?」
「・・・。」
「そりゃ慎重差はあるけど、それだけじゃ理由にならねぇよ...。」
「・・・。」
「んー、んー...。」
昨日と同じく腕を組み考え始める。
「・・・その子、どんな風に見えた?」
「んーと、遊駆以上に静かで人見知りみたいな...あっ!もしかして...。」
「人見知り...だろう。」
「・・・ともあれ、明日また話し掛けてみる。いくら人見知りでもデュエルすればきっと解決さ!」
「・・・話ができれば、な。」
「出来るさ。絶対にな。」
自信ありげな笑顔で遊駆に向かってサムズアップをした。
翌日 4月23日 木曜日 晴れ
午後の、実技の時間だ。
「・・・」
昨日と同じように少女が周りをキョロキョロと見ている。
「見つけた!」
「・・・あ」
輪廻が少女を見つけ走って向かう。
「今日こそは俺とデュエルしてくれるか!?」
やはり少女は驚きで輪廻の目を見て動けないでいる。
「・・・」
輪廻がかがみ少女と目線を合わせる。
「・・・えっと」
少女が口を開いた。
「・・・何でわ、私、なんですか?その、人、いっぱい、いるのに...。」
たどたどしく少女が思った事を精一杯伝える。
「一昨日君を見かけてな、周り見渡して寂しそうな顔しながら先生の所に行ったのを見て。」
「あ、憐れんでるんですか...?わ、私が、ぼっち、友達、いないから...。」
スカートの裾をキュッと握り俯く。悲しい表情が露になっているが、輪廻はそれを否定するように自分の想いを伝える。
「え?そんなんじゃないぜ。気になるんだ。生徒相手にせずに先生の所にすぐ行くから、きっと強いんだろうなぁって、見た時からずっとどんなデュエリストか考えてた。別にぼっちかどうかなんて、どうでもいいよ。」
「・・・」
「って、急に言われても、そりゃ反応に困るよな。」
軽く笑いながらポリポリと頭を掻く。
「・・・本当?」
「?」
「ほ、本当に、私が、ぼっちでも、気にしない、ですか?」
「当たり前だろ。そんなにぼっちって事が気になるんなら、俺が友達になるよ。」
「えっ?」
驚愕の表情が隠せない。
(な、何で平然とそんな事言えるの...?と、友達に、なるって...?からかってるようには、見えないし...。それに、こんなカッコいい人、私じゃ、釣り合わないよ...。)
「やっぱり、無理かな?」
「・・・い、いえ、あっ。」
時計を見るとかなり時間が経っている事に気付く。
「あ、もうこんな時間か。これじゃデュエルできないな...。」
(わ、私が答えるの遅いからだ...。やっぱり、この人の迷惑になっちゃってる...。)
「・・・ま、いっか。」
特に気にしない様子で輪廻が時計を見た後再び少女の方を向いて笑う。
「明日こそ、俺とデュエルしてくれるか?無理だったら、無理でいいんだけど。」
「・・・い、いえ。だ、大丈夫...です。」
「やったぁ!じゃ、明日は頼むぜ。自己紹介まだだったな。おれは鶴咲輪廻。君は?」
「わ、私は、空音友子(そらねゆうこ)...です。」
少女、空音友子は輪廻の目を見てモジモジとしながら自己紹介した。
翌日 4月24日 金曜日 晴れ
午後になり勝取先生の言葉で全員がペアを組み始める。
「・・・」
(あの人、輪廻さん、私と、デュエルしてくれる...先生以外の人、初めて、かも。)
周りを見ると輪廻が友子の元へ走ってくるの見つけた。
友子の顔が自然にほころぶ。
「よし、じゃあデュエル始めようぜ、友子。」
(ゆ、友子!?い、いきなりそっちから...か、彼女みたいに...アワワ...。)
顔が真っ赤になり俯く。輪廻が体調を心配するが大丈夫だと答え、少しして落ち着きを取り戻した。
「じゃあ改めて...。」
「・・・。」
二人がデュエルディスクを起動し、デッキがシャッフルされる。
シャッフル音が止み、二人の準備が完了した。
「俺は常に本気で、全力でデュエルする!手加減一切無しだ!さぁ、楽しいデュエルをしようぜ!友子!」
「は、はい...。」
デュエル!!
クラスメイト全員が寮にあるものより大きなデュエルスペースに移動し整列し、今日は誰と闘うか考えている。
だが、遊駆達のいる1年6組は45人の奇数構成。つまり...
「よーし!ペア作れー!」
実技担当の勝取(かちとり)先生の言葉で皆がペアを作り始めた。
「遊駆、組もうぜ!」
「遊駆さん組みましょう!」
輪廻と綾羽が同時に申し込む。
「俺の方が早かった」と言おうとするも、綾羽が笑顔で静かに発する威圧感に押され今回は輪廻が綾羽に遊駆の相手を譲る。
「ありがとうございます。輪廻さん。」
綾羽が小さくお辞儀をする。
「おう...。」
その場を後にして相手を探し始める。設置されている時計を見て授業開始からすでに5分も経過している事に気づいた。
(やっべ、早く相手見つけねぇと。・・・ん?)
輪廻の眼に映ったのは背丈の小さい髪が伸びきり目が隠れてしまっている女子生徒。辺りを見回し残念そうな表情をして勝取先生の元へ走って行った。
(あの子...前も先生とデュエルしてなかったっけ...?)
「あっ輪廻君僕とやらなぁい?」
「あ、ああ!いいぜ!」
授業が終了し放課後。遊駆と輪廻が寮に戻り、今日あった出来事を話し合う。その中でも輪廻は勝取先生とデュエルしていたあの女子生徒の事を考えていた。
「・・・なあ、遊駆。」
「・・・どうした?」
「実技の時間の事なんだけどよ...。」
「・・・?」
「勝取先生とデュエルしてた子、この前も先生とやってなかったか?何か気になって...。」
「・・・そうかも知れないな。」
「もしかして相手がいなくて困ってたのかな?6組の人数だと一人余るようになってるし...」
輪廻が腕を組み目をつぶり考え始める。
(いつも相手がいなかったのかな...?うーん、だとするとそろそろ先生も何か言ってくるはず。さすがにずっと同じ相手は先生としても困るだろうし。あー、もしかして俺達じゃ相手にならないくらい強いのかな?
・・・どんなデッキ使ってんだろ?強ぇんだろうなぁ。あぁ、気になる...。)
うーん、うーんと唸り部屋をぐるぐると回り始め、考える輪廻。
遊駆に意見を聞こうとするが、いつも帰ってくる答えが「さぁな」
や「そうかもな」程度の返答しか返ってこなかったのを思い出し聞くことを止めた。
それを察したのか遊駆、輪廻に1つ提案する。
「・・・気になるのなら、直接話し掛ければいいだろう。」
意見を言ってくるとは思っていなかったため少し驚くが遊駆の意見を聞き再び考え始める。
「・・・」
「・・・そうだな。」
結論が出たようだ。
「俺、明日その子に話し掛けてみるよ。」
「大丈夫か?」
「えっ?何が?」
「・・・いや、何でもない。」
翌日 4月22日 水曜日 晴れ
人が集まってくる時間帯に教室に入り、二人が昨日の少女を探し始める。
「・・・長髪の・・・黒髪の・・・目隠れした・・・ロリ体系女子・・・。」
「・・・」
探すものの何故か見つからない。
結局チャイムが鳴り席についた。
ホームルーム中ふと遊駆ともう一人いる隣の生徒を見る。
「いた!」
いきなり大声を出したため全員が輪廻の方をみる。
「何がいたのですか輪廻君。」
担任の立花薫が不思議そうな表情をして輪廻を見る。
「い、いや。何でもないです...。」
「そうですか。・・・ではこれでホームルームは終わりです。今日も頑張っていきましょう。」
少しして探していた少女が席を離れ、戻ってくる間に輪廻が遊駆に話し掛ける。
「いたいた!まさか隣とは思わなかったけどな。」
「・・・話し掛けなくていいのか?」
「・・・今日の実技の時間に話し掛けてみるわ。」
話し掛けれるかどうかの不安を隠すように輪廻が言う。
本人は気づいていないようだが輪廻は不安になる何かがあると目を閉じ笑いながら左手を振るように縦に動かす癖がある事を遊駆は知っていた。そのため昨日輪廻が話し掛けると言った際に「大丈夫か?」と心配の言葉をかけたのだ。
「さぁて、今日の実技が楽しみになってきた!」
しかしその不安もすぐ消える事も、遊駆は知っている。
その不安はすぐに新しいライバルとデュエルが出来るという期待、喜びへと変わるからだ。
彼は本当に明るい。
初対面の人間にも明るく接し、そのうち相手も心を開いていく。
心から楽しみだと言う表情で輪廻は午前の授業を受けた。
午後になりついに輪廻が待ち望んだ実技の時間。
移動、整列、そして...。
「よーしペア作れー!」
「よっし!遊駆は誰と組むんだ?」
「・・・俺は小込と。・・・輪廻は。」
「あの子を探してデュエルを申込む!・・・じゃ!行ってくるぜ!」
勢い良く走り出す。その後ろ姿を遊駆が静かに見ていた。
「・・・、・・・。」
「あっ遊駆さん。」
「・・・組むか。」
「・・・はい!」
「さぁて何処にいるかな...。」
辺りを見回すと良く見るとまた昨日のように周りをキョロキョロと見ている。
(見っけた...。)
少女の所まで歩き勇気を出して話し掛ける。
「なぁ、よかったら俺とやらないか?」
「・・・!」
「どうしたんだ?」
「・・・」
「・・・?」
喋らない。寡黙な遊駆といつも話している輪廻だが、この少女は更に静かだ。突然話し掛けられ驚いているのか輪廻の目を見たまま黙っている。
「えっと、俺とデュエルするの、嫌か?・・・やっぱ、急に話し掛けるのってまずかったかな?」
「・・・」
気まずい。流石に何かしら反応が欲しいが少女は硬直したまま動かない。
「あ、他に誰かいるとか?」
「・・・」
ブンブンと首を横に振る。どうやら違うようだ。
(やっと反応してくれた...。)
「じゃぁ...」
「・・・あの」
「あの?」
「・・・ご、ごめんなさい...!」
そのまま少女は先生の元へ全力で走っていった。
「えっ!ちょっ、待って・・・行っちまった。」
不思議そうな表情をしたまま輪廻はその場から去り相手を探し始める。その姿を少女は申し訳なさそうに見ていた。
放課後になり輪廻は明らかに落ち込みながら遊駆に断られた事を悲しそうに話す。
「何がダメだったんだ...。」
顔を机にくっ付けるようにして
「・・・身長差。」
「身長?そんなの関係無いだろ?」
「・・・輪廻、身長何センチある?」
「えっと、確か172センチだったな。」
「・・・あっちは?」
「んー、140弱?」
「・・・。」
「そりゃ慎重差はあるけど、それだけじゃ理由にならねぇよ...。」
「・・・。」
「んー、んー...。」
昨日と同じく腕を組み考え始める。
「・・・その子、どんな風に見えた?」
「んーと、遊駆以上に静かで人見知りみたいな...あっ!もしかして...。」
「人見知り...だろう。」
「・・・ともあれ、明日また話し掛けてみる。いくら人見知りでもデュエルすればきっと解決さ!」
「・・・話ができれば、な。」
「出来るさ。絶対にな。」
自信ありげな笑顔で遊駆に向かってサムズアップをした。
翌日 4月23日 木曜日 晴れ
午後の、実技の時間だ。
「・・・」
昨日と同じように少女が周りをキョロキョロと見ている。
「見つけた!」
「・・・あ」
輪廻が少女を見つけ走って向かう。
「今日こそは俺とデュエルしてくれるか!?」
やはり少女は驚きで輪廻の目を見て動けないでいる。
「・・・」
輪廻がかがみ少女と目線を合わせる。
「・・・えっと」
少女が口を開いた。
「・・・何でわ、私、なんですか?その、人、いっぱい、いるのに...。」
たどたどしく少女が思った事を精一杯伝える。
「一昨日君を見かけてな、周り見渡して寂しそうな顔しながら先生の所に行ったのを見て。」
「あ、憐れんでるんですか...?わ、私が、ぼっち、友達、いないから...。」
スカートの裾をキュッと握り俯く。悲しい表情が露になっているが、輪廻はそれを否定するように自分の想いを伝える。
「え?そんなんじゃないぜ。気になるんだ。生徒相手にせずに先生の所にすぐ行くから、きっと強いんだろうなぁって、見た時からずっとどんなデュエリストか考えてた。別にぼっちかどうかなんて、どうでもいいよ。」
「・・・」
「って、急に言われても、そりゃ反応に困るよな。」
軽く笑いながらポリポリと頭を掻く。
「・・・本当?」
「?」
「ほ、本当に、私が、ぼっちでも、気にしない、ですか?」
「当たり前だろ。そんなにぼっちって事が気になるんなら、俺が友達になるよ。」
「えっ?」
驚愕の表情が隠せない。
(な、何で平然とそんな事言えるの...?と、友達に、なるって...?からかってるようには、見えないし...。それに、こんなカッコいい人、私じゃ、釣り合わないよ...。)
「やっぱり、無理かな?」
「・・・い、いえ、あっ。」
時計を見るとかなり時間が経っている事に気付く。
「あ、もうこんな時間か。これじゃデュエルできないな...。」
(わ、私が答えるの遅いからだ...。やっぱり、この人の迷惑になっちゃってる...。)
「・・・ま、いっか。」
特に気にしない様子で輪廻が時計を見た後再び少女の方を向いて笑う。
「明日こそ、俺とデュエルしてくれるか?無理だったら、無理でいいんだけど。」
「・・・い、いえ。だ、大丈夫...です。」
「やったぁ!じゃ、明日は頼むぜ。自己紹介まだだったな。おれは鶴咲輪廻。君は?」
「わ、私は、空音友子(そらねゆうこ)...です。」
少女、空音友子は輪廻の目を見てモジモジとしながら自己紹介した。
翌日 4月24日 金曜日 晴れ
午後になり勝取先生の言葉で全員がペアを組み始める。
「・・・」
(あの人、輪廻さん、私と、デュエルしてくれる...先生以外の人、初めて、かも。)
周りを見ると輪廻が友子の元へ走ってくるの見つけた。
友子の顔が自然にほころぶ。
「よし、じゃあデュエル始めようぜ、友子。」
(ゆ、友子!?い、いきなりそっちから...か、彼女みたいに...アワワ...。)
顔が真っ赤になり俯く。輪廻が体調を心配するが大丈夫だと答え、少しして落ち着きを取り戻した。
「じゃあ改めて...。」
「・・・。」
二人がデュエルディスクを起動し、デッキがシャッフルされる。
シャッフル音が止み、二人の準備が完了した。
「俺は常に本気で、全力でデュエルする!手加減一切無しだ!さぁ、楽しいデュエルをしようぜ!友子!」
「は、はい...。」
デュエル!!
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