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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第十二話・代表決定戦!十代VS龍吾!

第十二話・代表決定戦!十代VS龍吾! 作:鈴木颯手

制裁デュエルが終わり再び元の日常に戻ろうとした時オシリスレッドの寮長である大徳寺先生からデュエルアカデミアノース校とのデュエルをする代表に龍吾と十代が候補に上がった事を聞かされた。

「十代君と龍吾君、勝った方がノース校の代表とデュエル出来るんだにゃ~。良いデュエルを期待しているのにゃ~」

相変わらずの語尾に龍吾は苦笑しつつ十代が座っている席を見る。十代も龍吾を見ていたらしく目が合うと笑みを浮かべてくる。

授業後十代の元に行き話す。

「三回目の対決だな」

「おう!楽しみにしているからな!」

「兄貴~。代表になりたいなら勝たないと意味ないっスよ~」

「それでも十分凄い事なんだな。今までオシリスレッドから代表が選ばれた事は無いんだな」

十代の言葉に翔は苦笑しデス・コアラは感動していた。そこへ三沢たちもやってきた。

「まさか龍吾と十代が代表になるとはな俺も代表に選ばれるようにもっと精進しないといけないな」

「まあ、オシリスレッドでありながらオベリスクブルーの生徒すら簡単に倒す十代と現状ほぼ負けなしの龍吾が選ばれるのは当然なんじゃないか?」

三沢は少し悔しそうにいい良太は二人の活躍から当然だと言った。現状十代と龍吾はほぼ負けなしであり白星を大量に増やしていた。

「大徳寺先生も言っていたが明日は良いデュエルを期待しているよ」

「…ああ、面白いデュエルを見せてやるよ」

そしてその日は翌日に向けてデッキの調整の為に別れ龍吾はオベリスクブルーの自室に戻っていった。そして十代との勝負に向けて龍吾は夜遅くまでデッキの調整を行うのであった。





☆★☆★☆
「シニョール、シニョーラ!お待たせしたノーネ!これより学園代表決定デュエルを始めるノーネ!」

翌日いつも通りクロノス教諭の司会で学園代表決定デュエルが始まった。

「オベリスクブルーからは黒崎龍吾!」

クロノス教諭に龍吾の名前が呼ばれると一気に歓声が上がった。龍吾はオベリスクブルーを中心に人気があった。理由は非公式とは言えオベリスクブルーでも上位の実力を持つ万丈目を二回倒しているため新たな神輿として人気が高まっていたのである。その為一定数のファンが存在しておりまだ小さいながらもファンクラブが存在していた。因みに会員の男女比は4:6である。意外と男子に人気がある龍吾であった。

しかし、オベリスクブルーでの人気を獲得しすぎてオシリスレッドと一部のラーイエローの生徒からは不人気で歓声に混じってブーイングが聞こえてくる。

「そしてオシリスレッドからは遊城十代っと~」

そして龍吾の紹介とは対照的にやる気なし、名前を言うのも嫌と言う雰囲気を全く隠さずに十代の紹介をすると今度はオシリスレッドと一部のラーイエローの生徒から歓声が上がる。そしてオベリスクブルーの生徒がブーイングをすると言う龍吾と対照的な状況となった。

「な、なんかブーイングが凄い聞こえるんだけど…」

「気のせいだろう」

聞こえてくるブーイングに十代は怯むが龍吾は気のせいと切って捨ててデュエルに集中する。

「それデーハ!先行はドロップアウ…シニョール十代からなノーネ!」

「行くぞ龍吾!」

「…来い」

「「デュエル!」」

「俺のターン、ドロー!」

遊城十代
手札5枚→6枚

「俺はE・HEROクレイマンを守備表示で召喚!更にカードを一枚伏せてターンエンドだ!」

守備力の高いクレイマンを召喚した十代は更にカードを伏せて自分の番を終えた。

「俺のターン、ドロー」

黒崎龍吾
手札5枚→6枚

「俺はカードを一枚伏せて魔法カードダブルサイクロン。俺と十代の伏せカードを破壊する」

龍吾と十代の魔法、罠ゾーンを二つのサイクロンが襲い二人の伏せカードは舞い上げられ破壊された。十代が伏せていたカードはヒーロー・シグナルであった。

「俺は墓地に送られた闇の鼓動の効果でデッキから闇属性ドラゴン族モンスター一体を手札に加える。更に手札のハタ・マラ・グラク・バルストリアの効果によりデッキの上をめくりそれが闇属性ドラゴン族モンスターだった場合手札から特殊召喚出来る。…引いたカードは雷邪龍サンダーダークドラゴン。よってハタ・マラ・グラク・バルストリアを手札から特殊召喚する」

ハタ・マラ・グラク・バルストリア
ATK2200 DEF2200

「更にハタ・マラ・グラク・バルストリアの効果で手札を一枚墓地に送り墓地に存在するカード一枚を手札に加える。俺は手札からサイレントドラグーンを墓地に送り墓地の闇の鼓動を手札に加える」

黒崎龍吾
手札4枚→3枚→4枚

「俺は闇の大魔術師・バスクを召喚」

闇の大魔術師・バスク
ATK1500 DEF1000

「ハタ・マラ・グラク・バルストリアでクレイマンを攻撃!更に闇の大魔術師・バスクで直接攻撃だ!」

「くっ!?」

闇の大魔術師・バスクから放たれたエネルギー弾を受けて十代は苦痛の声を上げる。

遊城十代LP4000→2500

「カードを一枚伏せてターンエンドだ。そして闇の大魔術師・バスクの効果で手札を一枚捨ててデッキから一枚ドローする。更にこの効果で墓地に送った闇の鼓動の効果によりデッキから闇属性ドラゴン族モンスター一体を手札に加える」

黒崎龍吾
手札2枚→1枚→2枚→3枚

「へへっ。1ターン目から激しいな龍吾!」

遊城十代LP2500 手札4枚
モンスター
なし
魔法、罠
なし

黒崎龍吾LP4000 手札3枚
モンスター
ハタ・マラ・グラク・バルストリア
闇の大魔術師・バスク
魔法、罠
セット

「俺のターン!ドロー!」

遊城十代
手札4枚→5枚

「俺は手札からE・HEROバブルマンを召喚!バブルマンの効果によりデッキから二枚ドロー!そしてバブルシャッフル発動!バブルマンと闇の大魔術師・バスクを守備表示に変更!そしてバブルマンを生贄にE・HEROエッジマンを特殊召喚する!」

E・HEROエッジマン
ATK2600 DEF1800

「行け!エッジマンで闇の大魔術師・バスクを攻撃!エッジマンが守備表示モンスターを攻撃した時攻撃力が守備力を上回っていればその数値分相手にダメージを与える。パワー・エッジ・アタック!」

守備の体制を取る闇の大魔術師・バスクをエッジマンは容赦なく破壊しその余波が龍吾に襲いかかる。

黒崎龍吾LP4000→2400

僅かにだが龍吾のライフが十代より下回りオシリスレッドを中心に歓声が上がる。

「更にカードを2枚伏せてターンエンドだ」

「…俺のターン、ドロー!」

黒崎龍吾
手札3枚→4枚

「俺は手札から死者転生を発動!カードを1枚墓地に送りサイレントドラグーンを手札に戻す。そしてサイレントドラグーンの効果により特殊召喚する!」

サイレントドラグーン
ATK2000 DEF1700

「更に闇の徴兵を発動!ライフを半分払い十代、お前の場にダークトークンを召喚する!このトークンの攻守はこの時払ったライフの数値となる!」

黒崎龍吾LP2400→1200

ダークトークン
ATK?→1200
DEF?→1200

「トークンを兄貴の場にって事は!」

「来るぞ!」

「俺はお互いの場のモンスター二体ずつを生贄に邪悪龍ダークドラグーンを特殊召喚する!」

場に存在していた全てのモンスターは消失代わりに一匹の龍が姿を現した。

「邪悪龍ダークドラグーンの攻守は生贄に捧げたモンスターの攻撃力または守備力の合計した数値となる。俺は攻撃力を選択!邪悪龍ダークドラグーンの攻守は8000!」

邪悪龍ダークドラグーン
ATK?→8000
DEF?→8000

「邪悪龍ダークドラグーンは召喚したターンに攻撃は出来ない。俺はこれでターンエンドだ」

遊城十代LP2500 手札2枚
モンスター
なし
魔法、罠
セット
セット

黒崎龍吾LP1200 手札0枚
モンスター
邪悪龍ダークドラグーン
魔法、罠
セット

闇の徴兵を使ったため龍吾のライフはかなり少なくなってしまったがそれを補う邪悪龍ダークドラグーンの存在はとてもでかかった。

「やっぱりそのカードが立ちふさがるか。面白れぇ!ぜってぇ倒してやる!ドロー!」

遊城十代
手札2枚→3枚

「俺は魔法カード強欲な壺を発動!デッキからカードを二枚ドローする!」

遊城十代
手札2枚→4枚

「俺はフィールド魔法フュージョンゲートを発動!このカードが場に存在する限り融合カードを使わずに融合召喚が可能となる!更に戦士の生還!バブルマンを手札に戻す!そして手札のバブルマン!フェザーマン!スパークマンをゲームから除外して現れろ!E・HEROテンペスター!」

現れたのは嵐の名を持つE・HEROであった。

E・HEROテンペスター
ATK2800 DEF2800

「バトル!テンペスターで邪悪龍ダークドラグーンを攻撃!カオス・テンペスト!」

十代が邪悪龍ダークドラグーンへの攻撃を宣言すると途端にざわめきが起こる。それもそのはずテンペスターの攻撃力は邪悪龍ダークドラグーンの約三分の一しか存在しない。その為十代の行動は自滅とも取れる行動であった。

「リバースカードオープン!決闘融合・バトルフュージョン!融合モンスターが攻撃を行う時に発動できる!ダメージ計算時まで攻撃モンスターの攻撃力を相手の攻撃力の数値分アップさせる!」

「何!?」

テンペスターがオーラを纏うと邪悪龍ダークドラグーンに向けてエネルギー弾を発射する。

E・HEROテンペスター
ATK2800→10800
DEF2800→10800

「っく!?リバースカードオープン!攻撃の無敵化!俺はこのターンの間あらゆるダメージを0にする!」

「だが、邪悪龍ダークドラグーンは破壊させてもらうぜ!行け!テンペスター!」

テンペスターによって溜められたエネルギー弾が邪悪龍ダークドラグーンにぶつかると爆発し邪悪龍ダークドラグーンは悲鳴を上げながら破壊された。

「邪悪龍ダークドラグーンの効果は戦闘以外で破壊された時のみ…。戦闘で破壊されては使えない」

「俺はターンエンドだ!どうだ龍吾!邪悪龍ダークドラグーンは倒したぜ!」

「…俺のターン、ドロー!」

龍吾は十代の言葉に歯を食いしばりカードを引く。

黒崎龍吾
手札0枚→1枚

「俺は強欲な壺を発動!デッキからカードを二枚ドローする!」

黒崎龍吾
手札0枚→2枚

「…俺はカードを一枚伏せてターンエンド」

遊城十代LP2400 手札0枚
モンスター
E・HEROテンペスター
魔法、罠
セット

黒崎龍吾LP1200 手札1枚
モンスター
なし
魔法、罠
セット

場を見る限り龍吾はまさに崖っぷちに立たされていた。十代と龍吾のデュエルを見る生徒たちは最初こそ声援を送っていたが今では二人の攻防を固唾を飲んで見守っていた。

「俺のターン、ドロー!」

遊城十代
手札0枚→1枚

「行け!テンペスター!カオス・テンペスト!」

十代は一気にケリをつけるべくテンペスターで攻撃を仕掛けてくるが龍吾はまだ諦めてはいなかった。

「俺は手札のクリラグーンの効果発動!このカードを墓地に送りテンペスターをデッキの上に戻す!…が、テンペスターは融合モンスターなので融合デッキに戻してもらう!」

「何!?」

テンペスターの前に龍の様なクリボーが現れるとテンペスターを消してしまう。その後クリボーは薄っすらと消えていった。

「…ターンエンドだ」

このターンで決めることが出来なかったどころかテンペスターまで失ってしまい十代は悔しい表情を作りながら自分の番の終了を宣言する。

「俺のターン!ドロー!」

黒崎龍吾
手札0枚→1枚

「リバースカードオープン!トラップフュージョン!自分の融合デッキから融合モンスター一体を選択!そのモンスターの召喚に必要な素材の数だけ墓地、場から除外する事で融合召喚扱いで特殊召喚する!俺は伝説の闇龍帝を選択!闇の大魔術師・バスク、ハタ・マラ・グラク・バルストリア、サイレントドラグーンをゲームから除外して現れろ!伝説の闇龍帝!」

伝説の闇龍帝
ATK2300 DEF1500

龍吾が召喚したモンスターは今まで見た事がない新たなモンスターで観客席から息をのむ声が聞こえてきた。

「伝説の闇龍帝で直接攻撃!」

「リバースカードオープン!聖なるバリアミラーフォース!」

十代は最初から伏せていたカードを発動する。しかし、

「無駄だ!伝説の闇龍帝は相手のあらゆる効果を受けない!」

伝説の闇龍帝の前に張られたバリアは呆気なく破壊される。

「そして俺は速攻魔法突進を発動!伝説の闇龍帝の攻撃力を700アップする!」

伝説の闇龍帝
ATK2300→3000
DEF1500

「これで、俺の勝ちだ!」

伝説の闇龍帝が十代の前までくると一気にブレスを吐き

遊城十代LP2500→-500

十代のライフを0にした。

「勝者!オベリスクブルーの黒崎龍吾!おめでとう!君が我がアカデミアの代表だ」

0になった瞬間校長の鮫島がそう宣言するとみていた生徒たちは歓声を上げた。そこにはオベリスクブルーもラーイエローもオシリスレッドも関係なく二人を称えていた。龍吾はデッキをしまうと十代に近づく。

「俺の勝ち越しだな」

「くっそ~!また負けちまったぜ!けど、次は俺が勝つぜ!ガッチャ!」

「楽しいデュエルだったぜ」

十代の決め台詞を龍吾が取って手を差し出すと十代は一瞬呆けたが直ぐに手を握り返した。それを見た生徒たちはさらに歓声を上げた。

こうしてノース校とのデュエルは黒崎龍吾に決定したのであった。
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