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HOME > 遊戯王SS一覧 > 第21話:初デート

第21話:初デート 作:ドクダミ2号

翔「ん……うん〜……。」
朝になって目がさめる。妙に疲れてる感じがした。昨日の所為だと一瞥し、時計を見る。
翔「9時…か。はは、遅刻だな。」


一階に降り、リビングの戸を開ける。そこにはナナリアの姿があった。
翔「……おはよう。」
ナナリア「おはよう。朝ごはん……つくっておいたぞ。」
翔「センキュ。助かる。……いただきます。……おぉ、美味い………。」モグモグ
ナナリア「そう言ってもらえると嬉しい。頑張って作った甲斐があるもんだよ。」
翔「そっか。ありがと。……はぁ、それにしても遅刻かぁ。また怒られんな〜。」
ナナリア「あぁ、それなら心配いらない。」
翔「?」
ナナリア「アカデミアには連絡いれといたからな。休むって。」
翔「おいおい……何勝手な事やってるんだよ。まぁ…いいけどさ。」
ナナリア「……なぁ翔。」
翔「なんでごぜーましょう。」
ナナリア「あの、その……///」
翔「ん?はよ。」
ナナリア「デート……してくれないか///?」
翔「……っぷ。あはは!」
ナナリア「な!何故笑う!!」
翔「いんや、そんなの改まって言わなくても良いっての。いつでも行ってやるよ。」
ナナリア「本当か!?よかった……。買い物とかしたくても、荷物が重くて……。」
翔「いや!荷物運びかよ!!」



ネオドミノシティにあるとある繁華街にて。
翔「へぇ、鶏肉がお買い得になってらぁ。……ダメだ、賞味期限が近い。少し高いがこっちにしよう。」
ナナリア「そんなに賞味期限が気になるのか?」
翔「もし保管する事になった時に困るんだよ、切れちゃったりしたら。」
ナナリア「なるほど、一理あるか……。」
翔「それに鶏肉は危ないからな、色んな意味で。…絶対生で食うなよ、豚みたいにはいかんぞ。死ぬ。」
ナナリア「どこに向かって言ってるんだ?」
翔「ふふん。」
そんな会話をしながら二人は歩いていた。するとナナリアが何かを見つけたみたいで、店のショーウィンドウに張り付いている。
翔「何見てんの?……あぁ、これって。」
そこにはとても綺麗な純白のドレスがあった。つまり……
翔「ウェディングドレスか……なんで繁華街に?………あ、ここアクセサリ屋か。見本的な奴か。」
ナナリア「いつか……着てみたいな。……ふふ、相手がいるかな?」
翔「………そうだなぁ、後2年待ってくれれば俺が着せてやってもいいけど?」
ナナリア「え?今何て?」
翔「くくく…秘密だ。ほれ、行くぞ。」トコトコトコ…

ナナリア「あ!ちょ!待ってくれ!」ダダダッ

少し疲れてきて、二人は取り敢えずカフェに入った。
翔「ここ、俺の行きつけなんだよね。パフェが美味しくて。」
ナナリア「パフェ?お前そんな物食うのか?」
翔「パフェバカにすんなよ!?めちゃくちゃ美味しんだぞ!!」
ナナリア「お…おう。」
すると、ウェイターの様な格好をした女の子が近づいてきて…
女の子「ご注文は…?」
ナナリア「え?この子……。」
翔「このカフェは個人経営なんだ。普通の家族が経営してる、しがないカフェ。それが逆に落ち着きを誘うんだ。」
ナナリア「なるほど。」
女の子「あの〜?翔さん?ご注文は…。」
翔「あぁ、悪い悪い。……このプリンパフェとココアで。」
ナナリア「随分と甘党だな……チーズケーキとアイスティーで。」
女の子「かしこまりました。少々お待ち下さい。」ペコッ
ナナリア「健気な子だな。……ん?あの子学校は?」
翔「……人にはな、色々あるんだ。その事に関しては俺らが一番わかってるはずだ。」
ナナリア「………すまない。」
翔「……気にすんな。少し言い過ぎたな。まぁ、不登校って訳ではないんだがな。」
ナナリア「…えぇ?」ガクッ
翔「でもあの子、友達ができない事を悩んでたな……どうなったんだろう?」
ナナリア(私としては何故この時間帯に働いてるのかが気になる……。)
翔「あぁ、因みにあの子の学校は確か今日創立記念日になってるはずだから………。」
ナナリア(……え?心を読まれた?いや、まぐれだよな。)
女の子「お待たせしました…。ごゆっくりどうぞ…。」
翔「あぁ、チーちゃん。あれから友達できた?」
ナナリア「チーちゃん?」
翔「うん。千代って言うからチーちゃん。いいと思うけどなぁ?」
千代「……。何とか1人だけ…。」
翔「お!良かったじゃん!……なに繋がりで?」
千代「趣味……。ゲームセンターの……。」
翔「あー、チーちゃん音ゲー好きだったねぇ…。まぁ俺が勧めた様な物だがな…。まぁできたなら良いや。良かったな。」
千代「…///」コクコク
ナナリア(ん?この子……。ふふっ全く。翔も辛いな。)
翔「さて、いただきまぁす。あぁむ。」パク
ナナリア「…ふふ。いただきます。」パク


翔「なぁ、ナナリア。」
ナナリア「ん?」
翔「ひとつ気になってる事があるんだ。」
ナナリア「何がだ?」
翔「お前を助けに行った時、Uが言っていたあの恐怖って何だ?」
ナナリア「!!」
翔「……嫌なら、話さなくて良い。無理矢理にでも聴きたいって訳じゃないからな。」
ナナリア「…いや話す。いつかは話さなくてはいけないと思っていたんだ。それが今日になっただけだ。」
翔「ナナリア………。」
ナナリア「あれは……私が16歳の頃だ。」

私は、少し広い…所謂豪邸に住んでいた。つまりはお嬢様って訳だ。
今となっては懐かしがな……、庭には大好きな椿が沢山植えてあった。親も大好きでな。庭師に頼んでやってもらっていたんだ。……ふふっいつしかトンネルの様になってたよ。
私はその日いつも通りの日を過ごしていた。
ナナリア「ふぅ、お父様はどこかしら?」
庭師「確か、お客様がいらっしゃっていたはずですよ。」
ナナリア「まぁ!挨拶をしてこなくてわ!」
庭師「お嬢様!?……行ってしまわれた。変な事をしなければ良いのですが……。」
……そこで私は見てしまった。その男が、父を……殺したところを!

翔「!」
ナナリア「……この話は続きがあるんだ。…聞くか?」
翔「……頼む。」
ナナリア「わかった。」

父を殺したその男は、こちらを向いて言ったんだ。
「いーけないんだー。悪い子はお仕置きだー。」
ナナリア「…え?何!?いやぁ!!」
……その男は私に手のひらを向けた。その瞬間、頭の中に何かが入ってくる様な感覚に襲われた。
……そしたら、私の体は自由に動かなくなった。誰か別の奴が操ってるかの様に……体そのものは動いていた………!
「お仕置きするには、もっと悪い子になってもらおう。……ここの者全員を殺せ。」
ナナリア「はい。」
……私は見えている。感じている。だけど、動かせない!……勝手に動くんだ…体が!勝手に喋るんだ!思ってもいない事を!


翔「………。」
ナナリア「そして私は家族を失った。あの家は、もう血塗れの廃墟さ。幸せだった家庭はたった一瞬で、たった一人の所為で……全てを失った。」
翔「………そうか。辛かっただろ?よく耐えたな。」
ナナリア「……私はいつか復讐してやるとそう思っていた。でも、遂にそれは叶えられず終わった……。」
翔「………終わってなんかいないさ。」
ナナリア「……え?」
翔「………お前の分まで、俺がやってやる!………俺もあいつの所為で家族を失った!……関係無いと思っていた妹まで、奴らの差し金だったんだ!!……お前は復讐なんか忘れろ。代わりに俺が……俺がやってやる!」
ナナリア「翔……わかった。…代わりに約束して。」
翔「あ?」
ナナリア「絶対に………死なないと……!」
翔「……分かった。約束する!」


ナナリア「………。」
翔「………。」
翔(まずったか?雰囲気が悪い……。そうだな、ここは彼氏として何か一つプレゼントでもしてやるか?でも何を買えば……ん?)
ナナリア「…翔?」
翔「少しだけ待っててくれ。すぐ戻る。」
ナナリア「あぁ……。」
ナナリア(何しに行ったんだろう?うーん……分からないな。)
そんな時だった。
チャラ男1「よーよー、ネェちゃん。一人で何してんの?」
チャラ男2「俺らと遊ぼーよー。」
ナナリア「断る。どっか行ってくれ。」
チャラ男3「ははは!威勢のいいネェちゃんだ!気に入っちゃったよー!」
チャラ男1「いいから来なよ!」グイっ
ナナリア「や、やめろ!離せ!」
チャラ男2「もう少しおとなしい声出せないの?出させてあげようか?」
ナナリア(……翔!助けて!)
ナナリアそう思った。次の瞬間、声が聞こえた。
翔「おめーら何やってんの?」
チャラ男1「あぁ!?何だお前?」
翔「……俺の彼女に何か用?」
チャラ男1「うわ、男付きかよ…。」
チャラ男2「構わねぇ、こいつぶっ潰して奪っちまおうぜ!」
チャラ男3「待て!こいつ、あれだ!遊亜翔だ!」
チャラ男1「なにぃ!?こいつが!?くそ!覚えてろ!!」ダダダッ
チャラ男2「お、置いてくな!!」ダダダッ
チャラ男3「ち!折角のいいネェちゃんだったのに!!」ダダダッ
翔「大丈夫だったか?」
ナナリア「あ、あぁ。……凄いな、お前はどこまで顔が広いんだ?」
翔「………ヤンチャしてたからな〜。まぁしょうがないか。」
ナナリア「……?というか、何処に行ってたんだ?」
翔「あっと、そうそう。これを。」
そう言うと翔はナナリアの髪に何かをつけた。
翔「これ、椿の髪飾り。気に入ってくれると良いんだけど……。」
ナナリア「……ふふっありがとう。大事にする。」
翔「良かった。……帰るか。」
ナナリア「そうだな。」
翔はまた一つ、大きな決意をした。
次回に続く
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